僕は山田涼介。


職業を聞かれれば、とりあえず「高校生兼アイドル」といったところだろうか。


アイドルとは、漫画の世界だったら顔の周りに無数のきらきらマークが入っちゃうような存在。


間違っても、その額にだらだらと流れる汗をかきこまれる事態とは無縁だ。


そういう意味で言ったら、僕は真のアイドルではないのかもしれない。


なぜなら、僕は真冬の北海道だろうが、極寒の難局だろうが、30分も踊れば汗だくになってしまうほどの超汗っかきだからだ。


僕が一年の中で一番好きな季節は、秋だ。ほんの少し肌寒い空気が心地よく子供のころは落ち葉を踏んでその渇いた音を聞くのが好きだった。


冬も、いい。


確かに寒くてつらい。


でも、クリスマスやお正月など楽しいイベントが多いし、何より汗に関して悩む必要がない。


そして、春の始まりの季節。


ぽかぽか陽気とあちこちで咲き乱れる桜は、僕等の新生活を祝福してくれているようである。


問題は夏だ。


何をしていても、いや、何もしていなくても汗は僕の顔や体から噴き出してくる。


日焼けすれば汗もかっこよく見えるじゃないかと、「夏男化計画」を試見たこともあったが、僕の肌はたぶん赤くはれるばかりで、一向に黒くなる気配はなかった。


夏の汗といえば、僕には苦い思い出がある。


二年前、ドラマ「探偵学園Q」出演した時のこと。


収録は、音声上の関係で、真夏だというのにスタジオ内の空調をストップさせて行われた。


室内の気温は、何と40度!


汗を垂れ流しながら事件を推理するリュウに姿がお茶の間に流れたのは、言うまでもない。


近年、大気中のco2増加による地球温暖化が叫ばれているが、コンビニでレジ袋を貰わないようにしたりと、地球温暖化を防ぐための協力を惜しまないつもりだった。


今年も、もうすぐ大嫌いなあの季節がやってくる。


家を一歩出た途端容赦なく襲いかかってくる日差しに、喧嘩を売られているかのように思えるあの季節が。


じりじりと照り付ける太陽に向かって、一度でいいから思いっきり叫んでやりたい。



「夏のバッキャロー!!」



作者あとがき


「とにかく俺が汗っかきってことを伝えたかった。コンサート来てくれたこのファンレターに、よく汗がすごかったって書いてあるんだけど、しょうがねえ!ってことを(笑)。汗をかくのは代謝がいい証拠だもん♪」