ミュージシャンの方ならみんな自分のプレイスタイルを確立する上で教科書になったアルバムがあると思います。

僕にとってはこのアルバムがそうでした。
1985年発表のBOOWYの3枚目のアルバム「BOOWY」です。





このアルバムはバンド名をタイトルにしただけあり、その後のライヴでもセットリストの中心になった曲が多数収録されています。

発売当時、ベースを始めたばかりの僕にとって、このアルバムでの松井常松さんのベースは衝撃でした。

元々ポール・マッカートニーに憧れてベースを始めたのですが、ポールの音数が多い"歌う"ベースとは対極にある、シンプルなんだけど効果的なフレーズの数々。
そしてビートを支えるルート音を中心とした驚異的なダウンピッキング

なんだかいきなり胸ぐらを掴まれたかのような衝撃を受けましたね。

間もなくして昔しからの友人達とBOOWYのコピーバンドを結成して活動を始めるんですが、コピーするのが大変でした。
毎日学校から家へ帰ると、すぐにベースを抱えて、来る日も来る日もバンドスコアを見ながらこのアルバムの曲をコピーしていたのが懐かしく思い出されます。
BOOWYのライヴビデオが発売になると、それをメンバーみんなで繰り返し見ながら、バンドスコアの間違いに気付いたりして。

あれから長い年月が経ちましたが、
今改めて思うのは、松井さんといえばダウンピッキングというイメージが一般的なんだけど、実は「BAD FEELING」「黒のラプソディー」「ホンキー・トンキー・クレイジー」「CHU-RU-LU」のような曲の方が難しいという事。
まるでバスドラムに音程を加えているように思えるというか、とにかくあんなにジャストでタイトにはなかなか弾けるものではありません。

このアルバムでの松井常松さんのプレイから、ベースとはどういう役割の楽器なのかという事を学びました

サポート等でどういう風に弾いたらいいのかわからない時は、今でもこのアルバムに合わせてベースを弾きます。

「16ビートの感覚がよくわからないから8ビートの感覚で弾いちゃえ!
」なんて思ったりして。

このアルバムのベースを弾けなくなったらベースを置こうと思っているほど大きな影響を受けたアルバム

そんなアルバム、ベーシストと出会えた事を、僕は心から幸せに思います。








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