ハマるアメリカTV番組とその理由 | 裸のニューヨーク

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ユー・ドント・ノウ・ニューヨーク・ザ・ウェイ・アイ・ドゥ...これは私のアンビバレントでパーソナルなニューヨーク・ストーリー。

 ユーチューブで見られる「笑ゥせぇるすまん」にハマッているとニューヨークの友人がメールをくれた。私は今さらながら「Xファイル」にハマッている。日 本の地上波で放映されている頃はさほど熱心なファンではなかったのに、日本のフォックスTVでつい最近まで全シーズンを一挙再放送しているのを見ているう ちにハマッてしまったのだ。

  ハマる海外ドラマのハシリは「ツインピークス」ではなかっただろうか。ゴールデン・グローブ賞3部門受賞、エミー賞6部門を受賞するなど社会現象にまで なったドラマだが、私はデビッド・リンチ監督はあまり好みでないせいか全くハマらなかった。ハマリにハマッた私の友人などは舞台となったワシントン州スノ コルミーとノース・ベンドにまで行ってクーパー特別捜査官がチェリーパイを食べたダイナーのモデルとなった「Mar T カフェ」でチェリーパイを食べて来たそうだ。私は2004年にワシントンDCに行っているのだが、「Xファイル」にハマってから(しまった!FBIビルに 行ってみるんだった)と後悔した。

 その後も「24」とか「LOST」とか、ハマる番組は数あるが、何故か私は「Xファイル」一辺倒である。日本のドラマにハマッたのは1993年放映の「同窓会」ぐらい。ゲイのメッカである新宿3丁目がよく出て来て、当時よく出入りしていたエリアなので興味が持てた。

 本来なら気味の悪い映画類は好きではないのになぜ「Xファイル」にハマッて日本(や韓流)のドラマにハマラないのか少し考えてみた。

  まず第一はやはりモルダー捜査官役のデビッド・ドゥカブーが好きだという点。セリフが棒読みだ、などとジョークのネタにされたりするが、好きな人の欠点は なぜか許せてしまうものだ。自分の好みのタイプを振り返ってみると、日本なら田村正和、アメリカならアンソニー・パーキンスのようないわゆる「優男」が好 きと見え、モルダーもその路線である。

 マーク・スノウという人の音楽も素晴らしいし、そして何よりモルダーもスカリーも滅多に「怒鳴ら ない」という点がいい。私は怒鳴り合いやいがみ合いが大きらいなのだ。「LOST」や「24」などのドラマとは一線を画し、怒鳴りあわずともちゃんと意思 の疎通が成り立つ、「Xファイル」は優れたコミュニケーション・ドラマであり、スカリーなどは私もこうありたいというロールモデルなのだ。自分の好きな物 を分析してみると思いがけず自分はどういう人間なのか発見できるものだ。

 病膏肓で、遂にオークションで全巻手に入れてしまった。映画制作の話もあるというからスクリーンでちょっと老けたモルダーとスカリーに再会できるかもしれない。