返品体験、日本のスーパーVSアメリカのスーパー | 裸のニューヨーク

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ユー・ドント・ノウ・ニューヨーク・ザ・ウェイ・アイ・ドゥ...これは私のアンビバレントでパーソナルなニューヨーク・ストーリー。

 刺身のツマにとスーパーでパックのミョウガを買って帰宅し、ラップを外してみると3本のうち1本が茶色く腐っていた。店までは遠いのですぐに交換には行けない。10本のうちの1本くらいなら(まあ、いいか)とも思うだろうが、3本のうちの1本は大きい。その晩は2本調理し、翌日レシートとパッケージに入れた腐ったミョウガを持ってその店に行った。他に用はなかったからわざわざ立ち寄った訳である。

 こういう場合、店では全額返金するか丸ごと交換してくれる場合が多い。クレジットカードで買い物をしたので返金は面倒だろうと思い、野菜売り場にいる従業員に説明すると「他のはどうしたのか」というような事を言われた。残りの2本の事を指していたのだろうが、よく聞き取れなかったので「え?」と聞き返すと面倒くさそうに私を制して棚に並んでいるミョウガを無言で渡した。

 この男性は最初から胡散臭そうに私を見、イヤイヤ対応しているのがありありと見え、最後まで「すみませんでした」という言葉もなく、まるで私がだまし取りに来たかのように横柄な態度で接していた。私は釈然としないまま帰宅し、夜になっても気分が晴れないので店のマネージャーに電話をしたのだった。

 日本で野菜や果物は最初からパッキングされている場合が多いので5つや6つがパックされた物の中に1つ腐った物が入っていた事が一度ならずある。プロなのだからパッキングしている時にわかるはずなのに。

 が、日本では交換してくれるだけまだいい。ニューヨークでは交換もままならない事があるのを数年前に身を持って知った。中国人経営のスーパーは激安で大変助かったのだが、好物のさくらんぼを買った時、1ポンド2ドル99と3ドル99のがあり、「ノーピック、ノーピック(選ばないで)」と従業員が神経質に叫んでいた安い方を買って、家でレシートを見てみると高い方で計算していた。翌日レシートを持って行ってその旨伝えようにもレジの女性には英語が通じない。マネージャーとはまあまあ意思の疎通ができるのでほっとしたが、「すみませんでした」どころか「現物を持って来い」と言う。既に食べてしまった後だと言うとあからさまに侮蔑の表情で返金など出来ないと言う。

 日本では客を信頼して1ドルを返金すると思うのだが、そのマネージャーはたった1ドルの為に、目を吊り上げて返金はしないと大声を上げるのだ。私は彼我の違いに気が付き、それ以上言い合っても無駄だと思い、以後その場でレシートをチェックするようにした。

 去年のNYでは韓国系のスーパーで腐った玉ねぎを買ってしまい、前回の教訓から取り替えてくれないかもしれないと思ったが、言ってみたら、レシートがなかったにも関わらず、韓国人のマネージャーが新しい玉ねぎを渡してくれた。滞在期間中、私はその店をひいきにして通い続け、帰国する時には玉ねぎの礼と、別れの挨拶をしたのだった。

 客が返品に行った時、イヤな思いをさせないという点では日本が断然上だと思っていたのに今回の出来事で、日本人も遂に客を信じなくなったのかと妙な感慨に襲われたのだった。

 付け加えれば、近所にある刀削麺(トーショーメンというらしい)を出す中華料理店は、オーダー間違いをしたにも関わらず、それを日本語を話せないウェートレスがガンとして認めず、たかが300円ぐらいの値段の差額をどうあっても私からむしり取ろうとNYの
スーパーのマネージャーそっくりな態度で怒鳴り、ごり押しする女主人がいた。こういう人達とは一切係わり合いたくないので2度と行かないのは言うまでもない。