うちのCL500、ひきつづき引きこもりモードです。

 

このエントリは、バイクにとってリアタイアのトラクションが重要であり、ひいてはエンジンのトルク特性が大切なんじゃないでしょうか、という妄想です。

まあ「CL500は非力だけどトルクがいいからよく走りますよスゲー!」って話なわけですが。

 

 

リアタイアのトラクションの大切さについては、根本健さんが以前より主張しておられます。

RIDE HIのこのへんの記事がそれにあたります。

トラクションは速く走る人が使うためのものですか?

トラクションは誰でも気づける簡単なメリット、その反応を積極利用すれば安心+楽しい!

 

旋回操作の後半の加速フェーズにおいて、中低回転域と高めのギアを使っておおきくスロットルを開けると安全かつ効率よく旋回できる、というご主張です。

 

バイクはリアタイアが地面を蹴っているとき安定しよく曲がるようにできているのですが、それを高回転域でやるとトルク変動がおおきくなりすぎて車体の姿勢やリアタイアのグリップが不安定になってしまいます。

そこで中低回転域でスロットルをおおきく開きましょう、という話になるわけです。

これは僕もまったくもって賛成で、まえに書いた「全開進入」ともほば重なると思います。

 

このとき、大排気量車ではトルクがおおきいためにより高いギアと低い回転数を使いますが、ありがちな山道だとギア比が合わない場合も出てきます。

また小排気量車だと高めの速度域では有効なトルクを得られないため中回転域で全開がデフォルトになり、ちょっと緊張感があります。

おなじ排気量でも高回転高出力をねらった仕様にすると、最高速は伸びますが中低回転域のトルク特性が悪化してしまううえ、高い速度に対応するためにおおきく頑丈な車体が必要となり操作性が悪化してしまいます。

 

CL500とその姉妹機のエンジンは、最高速をそこそこに抑えたかわりに日常域でのトルク特性つまりトラクション性能を向上させたんだと思います。

中低回転域でエンジンが太すぎず細すぎず実用的なトルクを発生してくれるので、こまかいことを気にせずリアタイアのトラクションでハッピーライディングを堪能できるのです。

同メーカで同一形態のエンジンを積むCBR250RRやHornet750とくらべると、CL500は実用域でちょうどいい落としどころを狙っているのが判ります。トルク特性が適切ならトラクションコントロール機能なんか要らないんだ!という爽快な居直りも透けて見えますね。

 

バイクはエンジンの最大出力ではなくトルク特性で機動するものです。

「トルクで走る」を手軽に体感しスポーツライディングに活かせるCL500、なかなか得難い資質だと思うのです。