まえのNinja400に関するブログでは、チェーンの保守手順をコラム的に取り上げてきました
せっかくなので、僕がここ十年くらいやっているチェーンの手入れ方法をまとめておきます。
この手順だと、いわゆる「チェンシコ」はしなくてすみます。

 

手順はこんな感じです。
  1. もともとついているチェーンの油をきれいに拭き取る※新車でも中古車でもここは同じ
  2. チェーンの内側からだけ、ウェットタイプのチェーンオイルを軽く吹き付ける※オイルは走ると全体に回る
  3. チェーンの油が飛ぶまで乗りまくる※だいたい300-500キロ
  4. バイクを後ろから見てチェーンのローラに金属光沢が出てきたら2.に戻って給油する
  5. チェーンのリンクプレートが錆びてきたら防錆油を付けたワイヤブラシでこすり落とす※ローラとシールに触らないよう注意
  6. リンクプレートの油汚れが目立ってきたら、防錆油を染み込ませた布で軽く拭き取る
  7. 余分な油がなければチェーンは汚れないので、チェンシコする時間を洗車や旅に使う
僕が使っているチェーンオイルはこれです。

 

以下、蛇足というか能書きです。

 

僕がSUPER ZOILブランドのチェーンオイルを愛用しているのは、効果が体感できる唯一の商品だからです。
具体的には、これを注油するとバイクの押し引きが軽くなり、高速道路での加速や最高速が伸びるのが体感できます。
ほかのブランドのチェーンオイルではこうは行きません。
そんなに効くならチェーンの寿命に影響が出るのでは?と思いましたが、新車装着の激安品でも2-3万キロは使えているので問題はなさそうです。
ドライとかホワイトとかいうタイプのチェーンオイルはずいぶん前に見限りました。いまでも売ってるのかな?
半固形だから飛び散らないとか言われてましたがじっさいはけっこう飛び散るし半端に残ったオイルが泥だの砂だの呼び込みまくるのでホントにろくでもないのです。

 

次に、チェーンの清掃と給油について。
そもそもチェーンってそんなに汚れないと思うんです。
汚れるのはチェーンオイルを大量につけたせいで泥や砂を吸着してしまうからです。
だからチェーンオイルを最小限つけるようにして油切れの兆候が出てから給油すればめんどうな「チェンシコ」は必要ありません。
あと、気をつけているのは注油の方法です。僕はチェーンの内側からだけあっさりとやっています。
チェーンメーカのwebサイトにはオイルシールとローラにしっかり給油すると書いてありますが、そこまでやるとチェーンオイルが余分になり泥やら砂やら呼びまくるのでよろしくないのでした。
内側からだけ軽めに注油すれば飛び散らないし余分に付かないし走っていると全体に油が回るしで、いいことずくめなのです。

 

蛇足の蛇足ですが、チェーンの潤滑の要否について。
そんなの必要に決まってます。機械の基礎を知らないひとが勝手な寝言を吹きまくって話題になっただけです。
いわく、チェーンのローラは転がり接触だから潤滑は不要なんだとか。
レースでちょっと走るだけならどうか判りませんが、そんな理想的な接触をずっと続けられるわけがないのは機械をちょっとでもいじれば自明です。
じっさい、油切れしたチェーンで高速道路を走るとチェーンが摩擦熱で焼けて変色するのが解りますし最高速も微妙に落ちてきます。
自由状態から転がり接触状態へ移行する際に衝撃的接触が起こるので潤滑で緩和する必要があるし、機械には誤差があるので転がり接触していてもかならずすべりが発生するのです。すべり摩擦があれば摩耗が発生し、寿命が短くなるわけです。
また、チェーンメーカのwebサイトにもあるように注油は潤滑だけが目的ではありません。シールチェーンにはグリスが封入されていますが、これを閉じ込めているゴムのシールは常時油で濡れていないと劣化が進んで封止性能が落ちてしまうのです。
なので、炎上商法業者は無視してチェーンには適切に注油いたしましょう。チェーンの寿命が縮んでも悪徳業者はなにもしてくれません。