ホンダさんは新製品に関するプレスリリースをPDFで公開されています。
CL500/250のも先日公開されましたので読み込んだ上で気になった記述をまとめてみます。
- 生産国
CL250はタイ王国、CL500は国内の熊本製作所で生産しているそうです。
たぶん、半完成状態の部品をタイから輸入して最終組立だけ熊本でやってるんじゃないかと思います。
なので実質は250も500もタイ製ですね。
- 商品コンセプト
いまどきの若い衆に買ってもらえるように、以下のようなスローガンとコンセプトを設定したそうです。
・ストーリーへの共感 ⇒ 個々のライフスタイルに寄り添える
・タイムパフォーマンス重視 ⇒ 気軽に幅広く使える
・自分らしさ ⇒ 背伸びをしない、ちょうどいい
先鋭化しすぎてユーザを置き去りにしてばかりのホンダさんにしてはずいぶん日和ったなという印象です。
- ブレーキ
フロントブレーキに焼結パッドを採用したと明記されています。リアに関しては言及がないので、やはり効きを抑える目的で安いセミメタルまたはレジンのパッドを採用したようです。キャリパの仕様もリアはかなり抑制的ですし。
リアブレーキの効きは、実用上は問題ないとはいえかなり控えめです。
1,000キロ走る間にディスクが熱で黒く変色するまで踏みまくりましたが、摩擦係数が低い設定のようで表面にパッドの摩耗痕がつきませんでした。
- エンジン
CL250はCRF用のカムを使ったというだけあってRebel250にくらべて中低速がものすごく力強くなっているようです。
これにたいして500はグラフをみるかぎりCLとRebelの特性にちがいはなく、ドリヴンスプロケットの歯数変更による調整のみのようです。
ただ、最大出力発生回転数以降のオーヴァーレヴ特性はRebelのほうが変化が少なくなっています。Rebelでは頭打ち感をおさえて快適なクルーズ性を演出したのでしょう。
CL500では制御プログラムの修正でオーヴァーレヴ時の落ち込みを明確にすることでスポーツバイク的な印象を演出していると考えられます。
本題とは関係ありませんが、ドリヴンスプロケットの部分で「丁数」という記述があります。
これ、正しくは歯数というべきで「丁」は誤用です。
41歯のスプロケットは41Tと表記する(Tは歯のTeethの頭文字)べきでありまして、41丁などというのはいやしくも車両メーカであれば使うべきではないスラングです。
- 吸気系
シートを外してもサイドカヴァーを外しても吸気口がみえないのでどこにあるんだろうと思っていました。20世紀のダウンドラフトじゃあるまいし。
正解は、タンク下から流入する新気をシート下の樹脂蓋?の裏側から吸い込むという構成でした。ふつうはシート下にファンネルが露出しているものですが、こういう無駄に凝った構造はホンダさんのお家芸ですね。
ただ、このために吸気口の位置が低くなっているので、冠水時の渡渉走行は水を跳ね上げないように慎重におこなう必要がありそうです。
- 排気系
250と500で共通だそうです。CLはRebelと同様にずいぶん勇ましい音がしますが、まさか500と250がおなじ部品だとは思いませんでした。
- エマージェンシーストップシグナル
急ブレーキをかけると勝手にハザードランプを点灯させてくれるようです。
便利ですが、ありがた迷惑な気もします。