うちのCL500、まだ届いていません。
届いてからも付加設備の艤装工事があるので運用開始はだいぶ先になりそうです。
なので、なんでNinja400から乗り換えるのかといったあたりの後ろ向きないいわけを、ここに書き留めておこうと思います。
 
2018年式Ninja400を運用して4年と8ヶ月、7万キロちょっと走りました。
キャンプ道具満載の過積載コンフィギュレーションで高速道路をひた走るという極悪高負荷運用の結果、3万キロを過ぎたあたりからエンジンの元気がなくなってしまいました。
GPZ400Sゆずりの豊かなトルクが250ccかと思うような弱々しさになってしまったのです。
 
こうなっては6年目以降の運用というか2回目の車検はないなと思っていました。
当初は、次世代Ninja400に乗り換えるつもりでした。2018年式Ninja400の先進性に感銘を受けていたので、つぎはさらにすばらしいバイクになるに違いないと期待に胸を膨らませていたのです。
かつて僕は2008年式Ninja250Rと2013年式Ninja300を運用しており、各世代が5年おきのモデルチェンジだったので、第4世代Ninja250シリーズは2023年発売だろうからちょうどいいなと思っておりました。
 
ところが、じっさいにはZX-4Rの発表こそあったものの2気筒のEX250/400系の更新は噂も出てきませんでした。
でもうちのNinja400のエンジンの弱体化ぶりは待ったなしです。
というわけで、別の選択肢を模索することにしました。
 
要求仕様は以下のとおりです。
(1)以降の仕様を満たす限りで最小限の大きさであること。
 僕は大きく押しの強いバイクに萌えるたちではないのです。
(2)過積載で高速道路を走り続けられる車体とエンジンであること。
 そういう運用は必須なのでできないと困ります。具体的には、40hp以上@10,000rpmがめやすです。
(3)10万キロ、できれば10年間の運用が可能な信頼性と耐久性があること。
 またすぐ不調になるのはごめんです。ぼちぼち還暦なので買い替える余裕もなくなるだろうし。
(4)消耗品費が最小限であること。
 年金暮らしになったらバイクに使えるお金はかなり少なくなると思います。
(5)なんにでも使える汎用性があること。
 僕はトライアルとレース以外全部やるので、尖った性能よりつぶしの効く万能さが必要なのです。
 
2023年時点では、上記5点でCL500以外の選択肢はなくなると思います。
 
250ccと共通で軽く小さめの車体に余裕のあるエンジンを載せていますから(1)と(2)は安心です。
このエンジンは実用車むけの枯れた技術の集大成ですし周囲で故障も聞かないので(3)も問題ないと思います。
250ccの車体ですからフロントブレーキディスクは1枚だけと実用的ですしタイアもバイアスを選ぶ裏技なら格安なので(4)も心配ありません。
ベースとなったRebelにくらべてCLはサスペンションに余裕があり一般的な車体バランスなので(5)も問題なさそうです。
 
同系統のエンジンを積んだ400XやCBR400Rも考えましたが、これらはミドルクラスの車体なためフロントブレーキディスクが2枚だったりタイアが幅広サイズだったりで、年間2万キロペースでの運用だとかなり費用がかさむうえやや大柄です。
同様にNC750XとX-ADVも車体規模と消耗品費で不利です。
似た路線でSV650もありますが同様の仕様なので問題があります。Ninja650にいたっては、10万キロ持ちますか?と正規販売店で聞いたらきっぱり無理です壊れますと回答されてしまいました。
CL250という手ももちろんありますが、250ccの単気筒エンジンではまず1万キロも走ればぐったりしてしまうでしょう。
 
これらにくわえて、Rebel500がびっくりするほどいいバイクだった、というのも判断材料でした。
身近に過酷な運用をされているRebel500があるのですが、2万キロ酷使してもびくともしないしびっくりどっきり奇天烈バイクなのに乗ってみるとまるで癖がなくトルクフルなエンジンでダッシュも利くしで、ほんとに驚きました。まさに「ホンダマジック」。
あんな太いフロントタイアを履いているんだから低速のターンでぐぎょっと切れ込むに決まってると思うでしょう?ところがぜんぜんそんなことはないのです。
思うに、「シティコミュータ」として軽快感を打ち出したRebel250に20kg重たい500ccのエンジンを載せたことで前輪分布荷重が最適化され、実用的かつスポーツ寄りなハンドリングバランスを得られたのではないでしょうか。
これをもとにしてスタンダードな車体構成にしたらもっといいバイクになるだろうなあと思っていたら、CLが発表されたというわけです。
 
僕がなにか買うときはたいてい消去法になります。
これが欲しい!っていうほど心が大きく動くことってほぼないので、あれのためにそれが必要だから消去法で選ぶとまあこれになるのかなあこれしかないかなあ、となってイヤイヤお金を払うみたいな。
CL500/250にひとめぼれしてスキスキ光線全方位熱烈放出中なかたにはたいへん申しわけないのですが、僕は消去法でCL500を選びました。
 
もひとつ追加で失礼なことを書きます。
CLって、CDとしての商品性も期待されてるんじゃないでしょうか。
「CD」というのはホンダさんの実用ビジネスバイクのブランドです。CD50、CD125、CD250なんかがありました。
VTR250とCB400SFなきいま、バイク便さんの業務運用に向く頑丈でリアキャリア付きのバイクは絶滅状態です。
ところが、CL500/250にはものすごくごついリアキャリアが純正で用意されました。
しかも500のエンジンは耐久性重視のグローバル展開商品です。これはやはり?と僕は勘ぐってしまうのです。
 
あと、CL=CDネタでは奇妙な符合?がひとつあります。
CDシリーズのうちで短命に終わったCD250Uは高速道路を走れるビジネスバイクでした。
これのエンジンは、元祖Rebel250と共通の空冷2気筒なのです。
 
うちのCL500、サイドカバーの車名ステッカーをCD250Uのに貼り替えちゃおうかな?