ソロモンの偽証 感想 | 職業は女です.

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この先はソロモンの偽証について、大いにネタバレを含みます。


苦手な方は全力Uターンでお願い致しますお願い




ミステリーは好きなので、小説はよく読むんですけど、大体原作を読んで映画化を観るとうんざりしてしまうのがルーティンなので、こちらは原作未読のまま視聴しました。


わりと低評価くらってるなーと思ったのですが、ふつーに面白かったんですけど…驚き

それはやはり原作未読のまま視聴したからなのでしょうか。
前編、後編でたっぷり4時間以上あったせいか、見ごたえも感じました。


うん。
順番ってやっぱり大事です。

だって、ドクター・デスの遺産なんて原作レイプとしか思えない仕上がりでしたからね!٩(๑`^´๑)۶ムカムカ


ソロモンの偽証のほうは中学生の少年少女たちが、屋上から落ちて死んだ同級生、柏木卓也の死因を究明するために、自らが自らの弱さと対峙し、学校裁判で決着をつけようとする…と言うストーリー展開です。

柏木卓也を屋上から落とした人間がいる。
あれは自殺なんかじゃない他殺ですと言う文書が、担任教師と、校長、そして本編の主人公である藤野涼子(親が刑事なため)の3名のところへ届いたところから、ただの自殺だと見られていた柏木の死因究明が始まります。

投書による犯人は同級生の大出俊次。

この大出役を、東リベ実写化の半間役である清水尋也くんが演じておられたので興味を持ったところが大きいです。

だって、東リベでちょろっとしか出演しなかった半間修二、どんな実力があるのか前作で理解出来ました?
私は出来ませんでした。

ソロモンの偽証では、被告人として裁判で裁かれる大出ですが、見事なほどのクズっぷりを演じてらしたので、これで清水尋也くんの実力も判ったと言えましょう照れキラキラ

いやー、この大出がホントーにクズでしてね笑

まあ暴力的な親に容赦なく殴られるんで、外で自分より弱い人物相手に憂さ晴らしするしか脳のない典型的クズ。
ただし、母親には息子らしい情がある。
それ以外には取るところのないクズなので、ぶっちゃけコイツが犯人でももう良くね?と思える程度にはゴミでしたえー


それを見事に演じておられた清水尋也くんには脱帽です。

感想をちゃんと書いてると長くなるので割愛しますが、件の柏木くん。

この人、どうやっても死んだと思います。

私も死にたがりだからよく理解出来るのですが、自死する人はどうやったって自死するもんです。

何かをどうにかしていたら、自死しなかったのではないか…なんて、残された人が悔いる必要なんてありません凝視

むしろ、そんなに自死したいなら勝手にすれば良いって考えるほうが普通です。

だって、こんな面倒くせーやつ真顔

巻き込まれた周囲の同級生がひたらすら気の毒でしかないですよタラー

世界は今日も腐敗しまくっていて、努力が報われないのが現実で、人間は偽善者ばかり
だと、仮に思って絶望したとしても、そのことが、他人が抱えて生きてる傷口の瘡蓋を剥いで良い理由にはなりませんからね?


まあ柏木少年がそこまで絶望するからには、柏木少年なりの言い分もあるのかも知れませんが、その辺りは映画では描かれていなかったので、知らん!!真顔


ただ1つこの映画を観て言えることは、絶望の重さや不幸は他人と比較するものではないし、それで他人を傷つけて良い理由にはならんということ。

生きていたくないと言う願望は、同時に死にたくないと言う願望も孕むもので、ほんの少しだけ、僅かに助けて欲しいという願いが含まれている分、生きたいの要求が強い。

だから私も行動に移さない部分がある。

だけどいつか、生きていたくないのほうの要求が大きくなってしまったとしても、柏木少年のように他人を巻き込むような自死はしたくないわあ…えーと、しみじみ思ったわけです。


つーか、本気で魂の底から傷ついたことがある人間なら、可能な限り他人を傷つけたくないって願望が勝るはず。
なのに、自分が人生に絶望したからと言って、他人の傷口をいともたやすく抉るような人間は、自己憐憫が強いだけの酔っ払いと同じです。


唯一、柏木少年に共感できた点があるとしたら、来世は兎になりたいと言ったこと。

私は輪廻転生なんてものを心から信じてはいませんが、もし輪廻転生なんてものがあるなら、人間にだけは生まれたくないと思う。

可能ならウミガメ希望者ですパーキラキラ


でも、最後に校長が言っていた
「あれからこの学校ではイジメなどはなくなりました」には、思わず呑んでいた酒を吹き出しそうになるくらい笑いました。

あらゆる角度から、イジメというものに関わってきた私に言わせれば、イジメをイジメだと言ってる内はなくならない。

イジメ=犯罪

と、誰もが定義出来るようにならなければ。

ましてや、教師なんかにそんな実態が掴めるわけなかろうと言う点で、笑かして貰いました。

比較的、良質な映画だったのに、その台詞1つで台無し物申す