官邸前をゆるがした2日間 | AFTER THE GOLD RUSH

AFTER THE GOLD RUSH

とおくまでゆくんだ ぼくらの好きな音楽よ――

6.30官邸前デモ

負け戦かもしれないが、とにかく声を上げて、抗ってみようと思った。ビジネスバッグに重たい革靴にスーツ、それにしても、この仕事用の出で立ちは、何てデモに向いてないのだろうと改めて感じた2日間、警官隊に押されながら、官邸前まで歩き、ただひたすら立ち、叫び続けたぼくは、まるで絞り切ったボロ雑巾のようにくたくたに疲れたけれど、そして、悔しくて、悲しくて、何度も何度も涙が溢れたけれど、「憲法壊すな!」「戦争反対!」「安倍は辞めろ!」とよく通る声で力強いコールを続ける頼もしい若者たちと、子供連れの優しく澄んだ目をした若いお母さんたち、そして、路上で粘り強くユニークな抗議活動に挑み続けるドライバーにバイシクル・ライダー、彼らの勇気がぼくの落ち込みがちな気持ちを奮起させてくれた。この国を真に愛し、ヒューマニズムに満ちた、かくも善良な人々のことを、得体の知れない万能感に浸っているあのイカれた男は、またしても、「左翼」、「恥ずかしい大人」と口汚く罵倒するのだろうか。このまま負け戦で終わらせるわけにはいかない。黙っているわけにはいかない。一歩でも二歩でも前に出よう。「ナチスの手法に学び」、憲法クーデターを強行したアベシンゾウを、2014年7月1日夕刻の閣議決定を、そしてそれに同調した国会議員共を、民主主義の手続きに則って永遠に葬り去るその日まで。