中国在住フリーライター兼元不良がん患者のnyaonyaoです!

「転んでもタダじゃ起きねぇ!」をモットーに、日々たくましく生きてます。

 

 

20131月、

当時住んでいた北京で子宮頸がんが発覚。

 

同年4月、

T大学病院で子宮全摘手術後、

同年6月末、抗がん剤治療を開始した。

 

 

初回の抗がん剤投与で髪がバサバサと抜け始め、

美容師の友人に頼んで髪を剃ってもらった。

 

五分刈りよりちょっと長めの短髪だ。

 

これが意外に似合っていたうえ

抜け毛のストレスから解放された私は

落ち込むどころか、ご機嫌だった。

 

 

だが、ヘアサロンから帰る際に、ふと気付く。

 

いくら五分刈りが似合うからといって

そのままの状態で帰る訳にはいかない。

 

いくら他人をジロジロ見ない中国だからといって

さすがに男前ヘアで街を歩くのは気が引ける。

 

幸い、抜け毛防止のためのコットン素材のニット帽を被って来たので

これをスッポリと深めに被る。

 

そう、今後はヘアウィッグ(かつら)が必需品だ。

 

 

実はヘアサロンに行った翌日、

定期検査および2回目の抗がん剤投与のため

再び東京に飛ばなければならなかった。

 

ウィッグは早めにネットで注文していたが、

届け先は東京の実家になっている。

 

要するに、いま手元にウィッグがないのだ。

 

 

帰国日当日、私は五分刈り頭の上にネットを被り、

その上に頭を覆うようにバンダナを巻き、

最後にコットン素材のニット帽を被った。

 

ニット帽だけだと頭がペタンとしてしまうので

ボリュームを出すために工夫してみたのだ。

 

これなら長い髪を後ろでまとめ、

ニット帽に入れているようにも見える。

 

 

そして、搭乗前のセキュリティチェックのことを

すっかり忘れていた。

 

帽子やサングラスは外さなければならないのだ。

 

「人前でこれを取るのか…」

 

若干青くなった私は、搭乗ギリギリまで粘った。

 

搭乗口へ行くと案の定、航空会社の係員に

「帽子を取ってください」と言われる。

 

観念して帽子とバンダナを取りかけたところ

 

「あ、結構です。失礼しました」と逆に謝られた。

 

事情を察してくれたのかもしれないし、

被っていたネットが白だったので、

包帯に見えたのかもしれない。

 

しかし今後も、こういう気まずい場面は

避けられないだろうなと思う。

 

 

ちなみに、五分刈りになった後も抜け毛は続いた。

 

朝起きると、枕元に散らばる約1.5センチの短髪を

ガムテープにペタペタと貼り付けて拾う。

 

これが私の日課になった。

 

 

 ※毎週月、水、金曜に更新します。