大海原に一人で漕ぎ出している感じ | 日本のお姉さん

大海原に一人で漕ぎ出している感じ

思えば長い間、我慢の連続だった。

社会人として、恥ずかしくないよう、必死で頑張った。

夜は、早めに寝たし、朝は6時20分に起きた。

仕事の依頼が来たら、文句を言わずに最速で仕上げた。

時には、五つも六つも仕事を抱えていたけど誰に言うこともなく

巧緻は拙速にしかずの精神で

さっと仕上げた。まに合わなければ残業もしたし

休日出勤もした。

熱があって朝、起きられない時も、必死で起きてきて

遅刻して会社に出て仕事をした。

そして、残業になった。

熱があるのに、頑張っている自分は、なんて仕事熱心な人間なんだと

ぼおっとした頭で自分で自分を褒めていたが、

その後、遅刻したくせに

残業して残業手当をもらおうとしているヤツがいると、朝礼で言われて

ビックリ。遅刻した者は、残業手当は無しという新たな規則までできた。

人間って誤解される生き物だと認識。

熱があるのに、無理して会社に行っても誰も褒めてくれないどころか

誤解して叩かれるものなのだった。

女子社員が、お茶のコップを洗っているところに、

自分のコップを置き、トイレに行ったら

信じられへん!洗えっちゅうことかいな!とその女子が大声で騒いでいる。

そんなつもりはなく、トイレにかけこむ必要があっただけ。

その場合は、コップは、置かずにデスクに戻すか

自分で洗うから置いておいて。と声をかけておく。

誤解されないために、頭と言葉を使わないといけないのだった。

誤解されたとわかったら、命がけで誤解を解く。でも、人は言い訳ばっかりしてと

薄ら笑いで答えてくるもんです。

会社でプレゼン用のデータを作ったり、チラシを作ったり

お客様に頼まれたデータやカタログを作ったり

いろいろな雑用をやってきた。

その際に必要な資料集めや、無料の写真データなどを

探すためにネットを使わねばならないのだけど

何をしていても遊んでいると思われた。

ただ、ニュースを読んでいた時もあるし、ブログを書いていた時もある。

商標登録のために、特許庁のサイトを見ていたら

「また、ネットで遊んでいる!!」とA子に大声で言われたので

ビビッた。違う、違うと否定しても、クスクス笑う声が、、、。

ブログを書いていたり、印刷会社のデザイナーにメールで

指示をしたり、ニュースを集めていたり、モデル事務所のモデルの

写真を見ていたり、友人にメールを書いていたり、

猫の写真をネットで見つけて保存したり、モデル撮影用の衣装を

ネットで探していたり、猫のご飯を購入していたり、

ライバル会社の商品を検索したり、会社のチラシに必要な無料のイラストを

探したり、

新製品の意匠登録をしたり

商標登録をしたり、

いろんなことをパソコンでしていた。

目を酷使していたから、まだ若いのに目が90歳ぐらいになってしまった。

白内障やら黄斑変性症になってしまったので、家ではいっさい

パソコンを見ず、毎日ニンジンを食べていると

なんとか、ゆがんだ電柱やビルの窓がまっすぐに見えてきた。

白内障は、治らないのでもっとひどくなったら、レンズを人工のものに

入れ替えないといけなくなると思う。

会社を辞めると、社長に伝えて新入社員を入れてもらった。

 

新しい部署ができて、よりによって、一番イジワルな上司の下になり

人前で大きな声でイヤミを言われたり、過去のわたしの仕事が

「良くなかった」などと回覧物に書かれて回された。

今まで、一人で自由にやっていたのが、急に雑用をやる部署ができてからは

一番下になったらしく、上の者と新入社員が何をしているのか

よくわからない状況が続いた。

もしかして、わたしが引き継ぎをしないといけないのは、

新入社員でなくて、上司たち?

でも、わたしからいろいろ聞くのは意地でも嫌なのか、

全然、聞いてこないんですけど?

なんだか、よくわからないまま、時が過ぎて

無事に「卒業」できた。

しばらくは、失業保険をもらいながら求職活動を続ける。

ハローワークの担当者さんは、なかなか無いですよという。

でも、ほかの方は、時々、すごくいい就職先が出ているから

こまめにハローワークの情報を検索するようにと言っている。

わたしのように、目を使いたくない人向けの面白い仕事が

たま~に出てくるそうだ。

今までは、会社という大船に乗っていたが、今は、一人で

プカリと海の上に浮かんでいる感じがする。

でも、今は、それが快適。猫のご飯だけは確保しなくっちゃ。

何があっても、神さまに祈りながら一歩一歩進んでいく。

クリスチャンだから、常に神さまに祈って助けられてきたから

今度も大丈夫だ。元お好み焼き屋さんのおばちゃんは、

神頼みはアカンでと言って説教したがるが、

わたしは、日々、祈って助けられてここまで来たのだから

外野に何を言われても関係ない。

親戚は、心配して、食べていけるんか?と聞くけど

失業保険をもらっている間は、大丈夫でしょう。

アーティストの友人らなんか、絵や陶芸の作品を売って

結婚もして子育てもし、海外へ遊びにも行く。

本当にしたいことをやって、それで食べていけなくて死ぬのなら

それも本望だ。しかし、猫だけは、ちゃんと食べさせなくては。

わたしの会社はいい会社だったけど、

目もしんどいし、気力が続かなくなった。もしかして、会社も大きくなってきて

仕事量が増えて、一人でやるには、無理が出てきたのかも。

気になるのは、自分のためには、一つも絵を描いていないということ。

一つも絵を描かずに目が見えなくなったらアカンのではないか。

目が見えるうちに、

神さまのためにも絵を描かなければ!

目を使わない仕事って、なんだろう?

眼科医の先生は、酷使しなければ、大丈夫ですと言っていたが

会社にいて、パソコンを使わない仕事って無いから。

まさか、リフトを動かして倉庫で働くワケにもいかんし、

営業や事務なんて無理。わたしには、絵しかない。

デザイン会社に入ると、辞めた会社以上に目を酷使することになる。

第一、デザイン会社がスキルの無いオバサンを雇うはずがない。

愛想も悪いし、もう、社会人としてアカンとか常識が無いとか

言われたくないんだ。

結局、我慢の限界。日本の年間3万人の自殺者は、何を我慢して

うつ病になって自殺してしまったんだろう?自殺者の6割はうつ病だったと

ネットで読んだ。じゃあ、残りの4割は?

死ぬ気なら、神さまに祈ればいいのに。神さまは生きておられるし、

砕かれた魂を見捨てられないと聖書に書いてあるのに。

最近、月に100時間以上残業をさせられて、しかも上司にディスられていた

若い女性がうつになって自殺した。なぜ、日本は、そんな社会なんだ?

変えていかないといけない時代なのでは?

最後に、みんながお別れ会をしてくれたけど、最後まで

有休を毎年使い切ってきたことに文句を言っている人、社長には

ため口を使わないのに、なぜ、みんなにため口を使うと怒っている人もいた。

わたし、ため口を使っていたかしら?覚えがない。

あまり、他人に関心が無い人だったのかもしれない。

自分のお別れ会ぐらい好きにしたいと思い、二次会を断ったら

後で友人にそれは無いと言われた。

メールで会社の人に謝ったら、傷ついているみたいだった。

本当にみなさまのご期待に応えるのに疲れた。

傷つかないように上手く断れなかった。最後までわたしはわたしだった。

会社勤めに向いていなかったとしても、長い間使ってくれてありがとう。

みなさんも我慢してくれたんだと思う。

お別れ会の主催者にありがとうメールを送ったら

会社に個人のメールを送るのは間違っていますよと返事が返ってきた。

真面目か。