「孤立すれば破滅する」
RPE】★日本が核武装しても「ほとんど問題は起こらない論」について
ロシア政治経済ジャーナル No.1374
2016/4/18
「日本の核武装」について、「賛成」「反対」、本当にたくさん
のおたよりをいただきました。
今回は、「核武装しても、問題にならない論」にお答えします。
★日本が核武装しても「ほとんど問題は起こらない論」について
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは。
北野です。
大変なことが起こってしまいました。
熊本地震で亡くなられた皆さまのご冥福をお祈り申し上げます。
また、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
前号で日本の核武装について触れました。
まだの方は、是非ご一読ください。
↓
http://archives.mag2.com/0000012950/20160415000000000.html
結論だけ書くと、
・アメリカは、日本の核武装を許さないだろう。
・中国、ロシアも、もちろん許さない。
・欧州も、おそらく許さない。
・日本が核武装するためには、190か国が参加するNPTから脱
退する必要がある。
・日本がNPTから脱退し核武装に突き進めば、「満州国」の
時と同じように、世界的に孤立して破滅するだろう。
・戦前・戦中と同じように、アメリカは日本への石油輸出を
とめることもできるし、過酷な経済制裁、金融制裁も課すこ
ともできる。
とまあ、こんな話でした。
この件、「賛成」「反対」、本当に多くのメールをいただきました。
日本の未来や安保について真剣に考えている読者さんが多く、とて
もうれしく思いました。
今日は、「Tさま」からいただいた「核武装賛成メール」に回答さ
せていただきます。
Tさまは、「核武装しても大して問題は起こらない」という意見で
す。
全文は、「おたよりコーナー」に掲載しておきます。
▼日本の核武装に「反対しない国」は「多い」?
<戦前の独立国はほとんどが白人国家でした。
そのため日本は孤立していましたがいまは非白人国家のほうが多く
なっています。
核武装により日本が世界から孤立するでしょうか。>
(●Tさまのメールから)
Tさまの意見では、
・戦前は、白人国家ばかりだったので日本は孤立した。
・今は、非白人国家が多く、「核武装」しても日本は「孤立しない」。
これ、どうなのでしょうか?
まず世界の構造からお話しましょう。
世界の問題を決める最大の機関といえば、「国連」ですね。
国連の中でも特に重要なのは、二つです。
・国連総会
・国連安保理
国連総会は、全加盟国が参加できます。
ここでいろいろな問題が協議され、多数決で決議が採択されたり、
採択されなかったりします。
非常に重要なのですが、
・総会の決定には、「法的拘束力」がありません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
はっきりいえば、ある国が総会の決定に従う義務はないのです。
では、「国連安保理」はどうなのでしょうか?
安保理は、「常任理事国」5か国と、「非常任理事国」10か国から
構成されます。
ここ、とても重要なポイントです。
・安保理の決定には、「法的拘束力」「強制力」があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、安保理の決定には、
すべての加盟国が従う「義務」があるのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
別の重要なポイントを見てみましょう。
常任理事国5か国、すなわち、
・アメリカ
・イギリス
・フランス
・ロシア
・中国
には、
「拒否権」があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、自国に都合の悪い決定は、「拒否」することができるのです。
以上まとめると、
・全加盟国が参加する国連総会の決定には、「強制力」が「ない」。
・国連安保理の決定には、「強制力」が「ある」。
・安保理常任理事国・米英仏ロ中には、「拒否権」がある。
こういう国連の構造をみれば、
・国連総会は重要な決定を下せない。
・安保理でも非常任理事国は、影響力がそれほどない。
・結局、国連を支配しているのは、安保理で拒否権を持つ
「米英仏ロ中」である、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という「事実」が見えてきます。
これはどういうことでしょうか?
「非白人国家が多いので、日本は核武装しても孤立しない」
というのは、「感情的なレベル」である。
「法的なレベル」では、
「国連安保理常任理事国以外の国々には、なんの決定権もない」
のです。
つまり、「非白人国で影響力をもつのは、常任理事国・中国だけ」
ということになります。
ご存知のように、中国は世界1の反日国家ですから、もちろん日本
の核武装を許さないでしょう。
もう一つ、「非白人国家が日本の核武装に賛成するか?」といえば、
「そんなことはないだろう」と思います。
なぜでしょうか?
全世界の実に190か国が、「核拡散防止条約」(NPT)に参加していま
す。
つまり190か国が、「これ以上核兵器保有国を増やさないこと」を支
持している。
自らが調印し参加したNPTを破って、「公的に日本の核武装を支持す
る」。
そんな国が存在するとは思えません。
日本は、イランと比較的良好な関係ですが、イランの核兵器保有を
支持しますか?
もちろん支持しません。
自分がやらないことを、他国に期待するのは、無理があります。
▼インド、パキスタンは核兵器保有したから、日本も大丈夫?
<インド、パキスタンは核を持ちましたが、制裁措置を受けていま
せん。
オーストラリアは当初、インドに対し、ウランの輸出を禁止しまし
たが今ではインドに ウランを輸出しています。>
(Tさまのメールから)
これは、そのとおりです。
インドは、1974年と1998年に核兵器実験を行っています。
パキスタンは、1998年に核兵器実験を行っています。
「だったら、日本だっていいじゃないか!」と思えますね。
しかし、インド、パキスタンと日本には、大きな違いがあります。
インドとパキスタンは、最初から「NPT」に「参加していない」の
です。
条約に調印していないので、そもそも「NPT」の決まりを守る義務
がありません。
では、日本が目指す
「NPTに参加していたが『脱退』して核兵器保有国になった国」
はあるのでしょうか?
一か国だけあります。
北朝鮮です。
日本が「NPT」を脱退して核保有国になれば、「北朝鮮と同じこ
とをした」ことになります。
もちろん北朝鮮のように「孤立」し、北朝鮮のように「制裁され
る」ことでしょう。
▼日本に経済制裁はできない???
<日本は世界三位の経済規模を持っています。
これは世界各国から多くの物を輸入しているということです。
禁輸によってむしろ今まで日本に多くの物を輸出していた国のほう
が困ることになります。>
(Tさまからのメールから)
「日本はGDP世界3位の大国なので、経済制裁など無理」
ところで、2010年9月、「尖閣中国漁船衝突事件」が起こりました。
この時、中国は、サクッと「レアアースの禁輸」を決めています。
これも、一種の経済制裁ですね。
日米欧豪は現在、世界有数の資源大国ロシアに対し経済制裁をつづ
けています。
「経済制裁」のすごい(?)ところ。
それは、「自分たちが損をする部分は、制裁リストから外すことが
できる」ということです。
「日本が輸入をしなくなると、世界が困る」
というのなら、「日本の輸出は禁止、日本の輸入は、制裁する側が
困るのでOK」
と自分たちでルールを設定することができる。
「日本の輸出を禁止したら困る」ということであれば、「輸出した
ら困る品目だけリストから外す」こともできるのです。
要は、「制裁する側はあまり困らない」「日本だけが困る」方法で
制裁できるということです。
欧州はロシアに経済制裁していますが、ちゃっかりロシアから原油
とガスを輸入しつづけています。
つまり、「日本に制裁したら、世界が困るから制裁しない」という
ことにはならない。
「日本だけが困り、俺たちはあまり困らない制裁をしよう」となる
でしょう。
▼産油国は、日本への原油輸出をやめない?
<イランは反米国家なので日本に石油を輸出することはやめないでし
ょう。
また、中東の産油国は日本に輸出できなければ自分たちが困るので
禁輸に賛成しないと思います。>
(Tさまのメールから)
イランも中東産油国も、「禁輸はしない」。
もう一度「国連の構造」を思い出してみましょう。
国連安保理の決定は、「法的拘束力」を伴います。
ですから、安保理が決めたら、全世界が従わなければならないのです。
安保理が「日本に石油を輸出するな!」と決めたら、そうしなければ
なりません。
▼日本に金融制裁はできない?
<金融制裁もできないのではないでしょうか。
日本は海外から借金はしていません。
すべて日本国内で資金を回しています。
むしろ日本がアメリカ国債を買わなくなれば困るのはアメリカです。
以前、橋本首相がアメリカで米国債の売却に言及したところ米国
債が暴落して金利が跳ね上がり、ニューヨーク証券取引所の株価が
一時急落したことがありました。>
(Tさまのメールから)
「金融制裁」の一種に「資産凍結」があります。
つまり、資産の処分を禁止するのです。
米国債は、アメリカの借金で、日本の資産です。
「核武装で世界秩序を壊そうとする日本が米国債を売ることを禁止
する!」
とアメリカが決意すれば、英仏中ロは支持することでしょう。
▼問題の本質は?
「核武装問題」の本質はなんでしょうか?
日本は、「中国の脅威」があるので、「核武装」したい。
ところが「核武装」すると、中国だけでなく、アメリカ、全世界を
敵にまわしてしまうリスクがある。
そういうことなのです。
ところで、なぜ戦前日本は満州にこだわったのでしょうか?
そう、ロシア(後にソ連)の南下を恐れたからです。
ところが、満州に固執するうちに、いつの間にかアメリカとイギリ
スも敵にしてしまった。
1933年、国際連盟で「満州国建国」を支持する国は日本以外になく、結局脱退に追い込まれます。
こうして日本は、世界的に孤立し、「破滅への道」を歩みはじめたのです。
戦前、戦中の重要な教訓はなんでしょうか?
「孤立すれば破滅する」
です。
「核兵器さえもてば、すべて解決」という思考は、「満州国はわが国の生命線」と決めていた思考によく似ています。
ところで、「アメリカを敵にまわさずに【実質】核保有国になる方法」があります。
長くなりましたので、次号で!
●PS
北野が「世界情勢分析する方法」を完全暴露しています。
これを読むと、あなた自身で、日本と世界の未来を予測できるようになります。
政治家、経営者、起業家、ビジネスマン必読。
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北野 幸伯
(詳細は→ http://hec.su/hHN )
●面白かったら、拡散お願いいたします。>
ロシア政治経済ジャーナル No.1374
2016/4/18
「日本の核武装」について、「賛成」「反対」、本当にたくさん
のおたよりをいただきました。
今回は、「核武装しても、問題にならない論」にお答えします。
★日本が核武装しても「ほとんど問題は起こらない論」について
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは。
北野です。
大変なことが起こってしまいました。
熊本地震で亡くなられた皆さまのご冥福をお祈り申し上げます。
また、被災された皆さまに心よりお見舞いを申し上げます。
前号で日本の核武装について触れました。
まだの方は、是非ご一読ください。
↓
http://archives.mag2.com/0000012950/20160415000000000.html
結論だけ書くと、
・アメリカは、日本の核武装を許さないだろう。
・中国、ロシアも、もちろん許さない。
・欧州も、おそらく許さない。
・日本が核武装するためには、190か国が参加するNPTから脱
退する必要がある。
・日本がNPTから脱退し核武装に突き進めば、「満州国」の
時と同じように、世界的に孤立して破滅するだろう。
・戦前・戦中と同じように、アメリカは日本への石油輸出を
とめることもできるし、過酷な経済制裁、金融制裁も課すこ
ともできる。
とまあ、こんな話でした。
この件、「賛成」「反対」、本当に多くのメールをいただきました。
日本の未来や安保について真剣に考えている読者さんが多く、とて
もうれしく思いました。
今日は、「Tさま」からいただいた「核武装賛成メール」に回答さ
せていただきます。
Tさまは、「核武装しても大して問題は起こらない」という意見で
す。
全文は、「おたよりコーナー」に掲載しておきます。
▼日本の核武装に「反対しない国」は「多い」?
<戦前の独立国はほとんどが白人国家でした。
そのため日本は孤立していましたがいまは非白人国家のほうが多く
なっています。
核武装により日本が世界から孤立するでしょうか。>
(●Tさまのメールから)
Tさまの意見では、
・戦前は、白人国家ばかりだったので日本は孤立した。
・今は、非白人国家が多く、「核武装」しても日本は「孤立しない」。
これ、どうなのでしょうか?
まず世界の構造からお話しましょう。
世界の問題を決める最大の機関といえば、「国連」ですね。
国連の中でも特に重要なのは、二つです。
・国連総会
・国連安保理
国連総会は、全加盟国が参加できます。
ここでいろいろな問題が協議され、多数決で決議が採択されたり、
採択されなかったりします。
非常に重要なのですが、
・総会の決定には、「法的拘束力」がありません。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
はっきりいえば、ある国が総会の決定に従う義務はないのです。
では、「国連安保理」はどうなのでしょうか?
安保理は、「常任理事国」5か国と、「非常任理事国」10か国から
構成されます。
ここ、とても重要なポイントです。
・安保理の決定には、「法的拘束力」「強制力」があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、安保理の決定には、
すべての加盟国が従う「義務」があるのです。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
別の重要なポイントを見てみましょう。
常任理事国5か国、すなわち、
・アメリカ
・イギリス
・フランス
・ロシア
・中国
には、
「拒否権」があります。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
つまり、自国に都合の悪い決定は、「拒否」することができるのです。
以上まとめると、
・全加盟国が参加する国連総会の決定には、「強制力」が「ない」。
・国連安保理の決定には、「強制力」が「ある」。
・安保理常任理事国・米英仏ロ中には、「拒否権」がある。
こういう国連の構造をみれば、
・国連総会は重要な決定を下せない。
・安保理でも非常任理事国は、影響力がそれほどない。
・結局、国連を支配しているのは、安保理で拒否権を持つ
「米英仏ロ中」である、
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
という「事実」が見えてきます。
これはどういうことでしょうか?
「非白人国家が多いので、日本は核武装しても孤立しない」
というのは、「感情的なレベル」である。
「法的なレベル」では、
「国連安保理常任理事国以外の国々には、なんの決定権もない」
のです。
つまり、「非白人国で影響力をもつのは、常任理事国・中国だけ」
ということになります。
ご存知のように、中国は世界1の反日国家ですから、もちろん日本
の核武装を許さないでしょう。
もう一つ、「非白人国家が日本の核武装に賛成するか?」といえば、
「そんなことはないだろう」と思います。
なぜでしょうか?
全世界の実に190か国が、「核拡散防止条約」(NPT)に参加していま
す。
つまり190か国が、「これ以上核兵器保有国を増やさないこと」を支
持している。
自らが調印し参加したNPTを破って、「公的に日本の核武装を支持す
る」。
そんな国が存在するとは思えません。
日本は、イランと比較的良好な関係ですが、イランの核兵器保有を
支持しますか?
もちろん支持しません。
自分がやらないことを、他国に期待するのは、無理があります。
▼インド、パキスタンは核兵器保有したから、日本も大丈夫?
<インド、パキスタンは核を持ちましたが、制裁措置を受けていま
せん。
オーストラリアは当初、インドに対し、ウランの輸出を禁止しまし
たが今ではインドに ウランを輸出しています。>
(Tさまのメールから)
これは、そのとおりです。
インドは、1974年と1998年に核兵器実験を行っています。
パキスタンは、1998年に核兵器実験を行っています。
「だったら、日本だっていいじゃないか!」と思えますね。
しかし、インド、パキスタンと日本には、大きな違いがあります。
インドとパキスタンは、最初から「NPT」に「参加していない」の
です。
条約に調印していないので、そもそも「NPT」の決まりを守る義務
がありません。
では、日本が目指す
「NPTに参加していたが『脱退』して核兵器保有国になった国」
はあるのでしょうか?
一か国だけあります。
北朝鮮です。
日本が「NPT」を脱退して核保有国になれば、「北朝鮮と同じこ
とをした」ことになります。
もちろん北朝鮮のように「孤立」し、北朝鮮のように「制裁され
る」ことでしょう。
▼日本に経済制裁はできない???
<日本は世界三位の経済規模を持っています。
これは世界各国から多くの物を輸入しているということです。
禁輸によってむしろ今まで日本に多くの物を輸出していた国のほう
が困ることになります。>
(Tさまからのメールから)
「日本はGDP世界3位の大国なので、経済制裁など無理」
ところで、2010年9月、「尖閣中国漁船衝突事件」が起こりました。
この時、中国は、サクッと「レアアースの禁輸」を決めています。
これも、一種の経済制裁ですね。
日米欧豪は現在、世界有数の資源大国ロシアに対し経済制裁をつづ
けています。
「経済制裁」のすごい(?)ところ。
それは、「自分たちが損をする部分は、制裁リストから外すことが
できる」ということです。
「日本が輸入をしなくなると、世界が困る」
というのなら、「日本の輸出は禁止、日本の輸入は、制裁する側が
困るのでOK」
と自分たちでルールを設定することができる。
「日本の輸出を禁止したら困る」ということであれば、「輸出した
ら困る品目だけリストから外す」こともできるのです。
要は、「制裁する側はあまり困らない」「日本だけが困る」方法で
制裁できるということです。
欧州はロシアに経済制裁していますが、ちゃっかりロシアから原油
とガスを輸入しつづけています。
つまり、「日本に制裁したら、世界が困るから制裁しない」という
ことにはならない。
「日本だけが困り、俺たちはあまり困らない制裁をしよう」となる
でしょう。
▼産油国は、日本への原油輸出をやめない?
<イランは反米国家なので日本に石油を輸出することはやめないでし
ょう。
また、中東の産油国は日本に輸出できなければ自分たちが困るので
禁輸に賛成しないと思います。>
(Tさまのメールから)
イランも中東産油国も、「禁輸はしない」。
もう一度「国連の構造」を思い出してみましょう。
国連安保理の決定は、「法的拘束力」を伴います。
ですから、安保理が決めたら、全世界が従わなければならないのです。
安保理が「日本に石油を輸出するな!」と決めたら、そうしなければ
なりません。
▼日本に金融制裁はできない?
<金融制裁もできないのではないでしょうか。
日本は海外から借金はしていません。
すべて日本国内で資金を回しています。
むしろ日本がアメリカ国債を買わなくなれば困るのはアメリカです。
以前、橋本首相がアメリカで米国債の売却に言及したところ米国
債が暴落して金利が跳ね上がり、ニューヨーク証券取引所の株価が
一時急落したことがありました。>
(Tさまのメールから)
「金融制裁」の一種に「資産凍結」があります。
つまり、資産の処分を禁止するのです。
米国債は、アメリカの借金で、日本の資産です。
「核武装で世界秩序を壊そうとする日本が米国債を売ることを禁止
する!」
とアメリカが決意すれば、英仏中ロは支持することでしょう。
▼問題の本質は?
「核武装問題」の本質はなんでしょうか?
日本は、「中国の脅威」があるので、「核武装」したい。
ところが「核武装」すると、中国だけでなく、アメリカ、全世界を
敵にまわしてしまうリスクがある。
そういうことなのです。
ところで、なぜ戦前日本は満州にこだわったのでしょうか?
そう、ロシア(後にソ連)の南下を恐れたからです。
ところが、満州に固執するうちに、いつの間にかアメリカとイギリ
スも敵にしてしまった。
1933年、国際連盟で「満州国建国」を支持する国は日本以外になく、結局脱退に追い込まれます。
こうして日本は、世界的に孤立し、「破滅への道」を歩みはじめたのです。
戦前、戦中の重要な教訓はなんでしょうか?
「孤立すれば破滅する」
です。
「核兵器さえもてば、すべて解決」という思考は、「満州国はわが国の生命線」と決めていた思考によく似ています。
ところで、「アメリカを敵にまわさずに【実質】核保有国になる方法」があります。
長くなりましたので、次号で!
●PS
北野が「世界情勢分析する方法」を完全暴露しています。
これを読むと、あなた自身で、日本と世界の未来を予測できるようになります。
政治家、経営者、起業家、ビジネスマン必読。
↓
4刷決定!
●日本人の知らない「クレムリン・メソッド」~ 世界 を動かす11の原理 (集英社インターナショナル)
北野 幸伯
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