米国民をたぶらかし、日本に戦争をしかけ、蒋介石とスターリンに莫大な軍事援助を与え、世界に惨劇をも
日米戦争を起こしたのは誰か ルーズベルトの罪状・フーバー大統領回顧録を論ず 単行本(ソフトカバー) – 2016/1/18
藤井 厳喜 (著), 稲村 公望 (著), 茂木 弘道 (著), 加瀬 英明 (その他)
内容紹介
アメリカの封印50年 今、事実が鮮明に! !
「日米戦争を起こしたのは狂人の欲望であった」と私が言うとマッカーサーも同意した。“I said that the whole Japanese war was a madman's desire to get into war. He (MacArthur) agreed."
50年の封印を開き、2011年に刊行された元アメリカ大統領フーバーの衝撃の大著。 “FREEDOM BETRAYED Herbert Hoover's Secret History of the Second World War and Its Aftermath"(2011)
米国民をたぶらかし、日本に戦争をしかけ、蒋介石とスターリンに莫大な軍事援助を与え、世界に惨劇をもたらした誤った政策の数々。フーバー自身が蒐集した膨大な資料に基づき、つぶさに検証した大著=第二次世界大戦史の内容を紹介、討論する。同時に第二次世界大戦さえ回避できたとするウェデマイヤー将軍回顧録も紹介、三人の論客が徹底討論して、東京裁判の無効を明かにし、自虐史観を完全に払拭する。
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカの封印50年今、事実が鮮明に!!2011年刊行の元アメリカ大統領フーバーの衝撃の大著。
5つ星のうち 5.0「歴史家」フーバーの慧眼
投稿者 閑居人 殿堂入りレビュアートップ100レビュアー 投稿日 2016/1/27
形式: 単行本(ソフトカバー) Amazonで購入
「大統領フーバー」と言えば、「1929年の大恐慌」に対応できず、F・ルーズベルトに大統領の座を明け渡せざるをえなかった「無能な大統領」と一般には記憶されている。しかし、それは事実ではなく、優れた鉱山技術者、経営者、人道的配慮に優れた政治家、そして「歴史家」であった。
フーバーは、1964年の死の直前に完成させた「裏切られた自由( Freedom Betrayed)」の中で、「第二次大戦」と、戦後の「ソビエトの東欧支配」「中華人民共和国の成立」「戦後冷戦世界」を招いたF・ルーズベルトの責任を厳しく批判した。
その骨子を特に日本との関係で言えば、「1941年の開戦に至る前の日米交渉において、アメリカは開戦を前提に経済戦争を仕掛け、日本を挑発し続けた」「日米戦争はアメリカが仕掛けた戦争である」「原爆投下の必要はなく、その重みは今もアメリカ国民の上にのしかかっている」・・・こういったものである。
1948年のCh.ビーアドの批判、1958年、ウェデマイヤーの回顧録、1976年、ハミルトン・フィッシュの回顧録。1960年代後半から我が国でも公刊されたこれらの書物の読者であった人々にとっては、もはやF.ルーズベルトが「愚かで狂気に満ちた大統領だった可能性」への疑いは、驚くことではないだろう。
本書は、誰もが読みこなせる訳ではない900ページに及ぶ原著から、フーバーが特に指摘する「アメリカが国策を誤った十九のポイント」の一つ一つに解説を加え、「第二次大戦の真の原因」と「アメリカの誤りが現出させた戦後世界」を批判するフーバーの主張を日本の読者に分かりやすく伝えようとする書物である。
その中で、「第一の過ち」として取り上げているのが「1933年の国際経済会議の失敗」である。時系列的に取り上げている最初に置かれた問題であるが、FDRの国務長官コーデル・ハルが後に「第二次大戦の起源」としてほかならぬFDRを厳しく批判した問題でもある。
世界恐慌を乗り切るために、イギリスの「スターリングブロック」をはじめとするブロック経済が1930年代の世界経済をさらに深刻化させていったが、そのきっかけが、1933年、フーバーの求めで開催されたオタワ経済会議だった。フーバーは、ときの大統領であり、この会議の失敗の責任は大きい。その上で、FDRが協調経済政策をつぶして、ブロック経済に舵を切ったことの後々に与えた影響を問いかける。
FDRの「ニュー・ディール」は、実は失敗し、一千万人の失業者を出し、その隠蔽に追われたFDRが「戦時経済体制」による救済を図ったのではないか。そういう議論は以前から存在したが、フーバーは、その核心を解き明かそうとする。
フーバーは苦学して鉱山技術者になった人間であり、人間観察は、リアリズムの世界にあった人である。1900年当時は、新婚者として清朝末期の支那を経験した。「義和団事変」で危機にさらされた経験を持つ彼は、当時の支那人を「ほとんど国民全体が詐欺師的である」と評し、朝鮮半島については「日本の統治がなければ近代化されることはありえなかっただろう」と評している。戦前の日本に来たことはなかったが、アジアの現実を良く知る政治家だった。だからこそ、FDRの欺瞞が許されないものに考えられたのであろう。
「覇権国家アメリカ」は、第二次大戦の戦果の下に成立した。従って彼らは、公的には、「不誠実な日米交渉」「不必要な原爆投下」「恥ずべきヤルタ協定」「政権内部に巣くった赤いスパイたちの暗躍」。「FDRの暗愚と狂気に満ちた判断」がもたらしたスターリンの野望と東欧の悲劇、中国の喪失と現在の脅威などを、率直に、正直に語ることは、なかなか困難なことである。それは、「アメリカの正義」という戦後世界の虚構を否定してしまい、アメリカの作り上げた「アメリカン・デモクラシーの神話」(実態はドルと軍事力の支配体制)をおとしめることになるからである。
ただ、日本人は、戦後のGHQ占領とその後日本の学会とマスコミがアメリカに迎合して作り上げた虚構の歴史観から一刻も早く抜け出す必要がある。本書は、その意味で多くの示唆を与えてくれる。二十世紀に起きたことについて、公正で客観的な、バランスのとれた歴史評価ができるかどうか。それは、日本人である我々自身の問題なのである。
5つ星のうち 5.0
待ってました!素晴らしい内容です。 投稿者 39tok トップ500レビュアー 投稿日 2016/1/28
形式: 単行本(ソフトカバー) Amazonで購入
まずはこの本、第31代アメリカ合衆国大統領ハーバート・フーバーの回顧録その物の翻訳本ではありません。900頁を超えるその大著『FREEDOM BETRAYED』は、まだ日本語に翻訳されておらず、「はしがき」で著者の一人藤井厳喜氏は「そのエッセンスを日本の一般読者に伝えようとした」と述べています。
加瀬英明氏の企画になるというこの本は、近代史と国際政治に造詣が深く相当な英語力をお持ちのお三方が著者であり、『裏切られた自由』に書かれた内容に関する熱論が座談会形式で再現されています。三人の発言や意見の骨子とも言える論考は後段で併載されていますので、読むと繰り返しになっている箇所が多々ありますが、それだけ原著に書かれていることが衝撃的だという事なのでしょう。単なる「回顧録」ではなく歴史論・学術的な書である、と評価(茂木氏)しています。加瀬氏も「序」において「フーバーは炯眼の人だといわねばならない。」と述べています。
1964年、死の直前にフーバーが出版社に原稿を入れてから47年後の2011年に出版されたという事実はアメリカの凄さ(良さ)だと思いますし、アメリカ国民にとっても重要な事だらけなのではないでしょうか。「第二次大戦というものをいかに読み解くか」が主題であり、「本書の中で日本の記述はそれほど多くない」とのことですが、その完訳本を楽しみにしながらも、こちらの本に語られた内容だけでも充分な内容だと感じました。全日本国民に改めて知って欲しい事だらけです。グレートガイダンスに拍手を贈ります!
5つ星のうち 5.0
フーバー回顧録 投稿者 akrtmd 投稿日 2016/2/8
形式: 単行本(ソフトカバー)
フーバー回顧録は1964年に完成していたが米国の国益に反しているとして出版が見送られ約50年後の2011年にやっと出版されたものである。 その間破棄されず出版を行ったフーバー研究所の勇気と公正な正義感にエールを送りたい。 日本ではまだ出版が見送られているという。 この出版が現在の日本の歴史教育を否定する強力な道具となるためであろう。 しかし歴史は常に新しい知見に基図いて修正されていくものである。 GHQのWGIPが誤りであったことはマッカーサーも認めている。 彼も帰国後は米政府の中枢から遠ざけられFBIの監視下にあったという。 第2次世界大戦がF・D.・Rの誘導によって日、独がやむを得ず戦争に立ち上がったことは他の米国の著作者たちによって証明されている。 フーバーはルーズベルトを狂人とみなして19の誤りを犯したと糾弾する。 宣戦布告には議会の承認が必要である。 これを省略してハル・ノートを手交したのは国家的詐欺罪と告発する。 キッシンジャーもカンボジア空爆を議会の承認なしに秘密裏に行っている。 この隠蔽のためにウオターゲイト事件が起こされたという。 米国はインデアン、スペイン人、メキシコ人、ハワイ人から北米大陸の大半を強奪してきた盗賊国家である。 フーバーはヤルタ会談で世界をスターリンに差し出した秘密協定を悪魔の仕業と糾弾する。 フーバーはロシア革命で飢餓に瀕した2000万人のロシア人や第1次世界大戦のドイツ人の飢餓や戦後の日本人の飢餓を救っている。 彼の平和主義は狡猾なルーズベルトの戦争主義を上回る。 F・D・Rはなぜ戦争を意図したのか。 それはニュウ・デール政策の失敗による1300万人の失業対策である。 戦争に勝る経済刺激策はない。 ソ連、中国に大幅な軍事援助をして独、日と戦わせる。 無論日、独にも裏から財政、軍事支援をする。 戦争に正義はない。 あるのは対経済効果だけである。 結局戦争はチャーチルの言うように国家間のゲームにすぎないのである。
5つ星のうち 5.0
自虐史観から脱却するには必読の書 投稿者 さむらい 投稿日 2016/1/24
形式: 単行本(ソフトカバー)
「日本との戦争の全ては、戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の欲望であったと私(フーバー)がいうとマッカーサーは同意した」
「日本は繰り返し和平を求める意向を示していた。それにも関わらず行った原爆投下はアメリカの歴史において未曾有の残虐行為だった。これはアメリカ人の良心を永遠に責め苛むものである」
日米開戦時の大統領であるルーズベルト元大統領の前任者であるハーバード・フーバー第31代大統領が20年を超える歳月をかけて書き上げた「Freedom Betrayed」の日本語解説本です。「Freedom Betrayed」は世界で常識とされている第二次世界大戦を中心とした近現代史を根底から覆す衝撃的な内容から書籍化まで40年以上かかり2011年に米国で出版された問題作で驚きの内容が記載されています。戦後の歴史観に反する主張をする人々は歴史修正主義者とレッテルをはられて社会から抹殺される状況が続いてきましたが、米国元大統領自身の証言だけにもうそのようなレッテルはりはできなくなるでしょうね。
戦争を引き起こした軍国主義国家の汚名をきせられている日本が名誉を回復するためには、日本国民自身が刷り込まれている自虐的な歴史観から脱却せねばなりませんが、そのためには必読の書であると思います。
5つ星のうち5.0
戦争責任者ルーズベルトの前任大統領フーバーによるルーズベルトの断罪により真の戦争原因がわかる。
投稿者真実真理ベスト1000レビュアー2016年2月7日
形式: 単行本(ソフトカバー)
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フランクリン・デラノ・ルーズベルト( FDR)は、1933年 3月 4日らか1945年 4月12日まで3期と1ケ月に渡り米国の大統領を務め、英欄と共に日本の外国資産凍結、石油、その他の資源の日本への輸出禁止により日本を経済的に締め上げ、蒋介石を支援し、宣戦布告とも言うべきハルノートを突きつけ、日本を開戦に至らせた最大の戦争責任者である。
本書は、民主党FDRの前の共和党大統領であるフーバー(秀逸な歴史研究家でもある)の「FREEDOM BETRAYED」(2011 年フーバー研究所発刊」( 裏切られた自由、未邦訳) のエッセンスを記載した書籍である。
フーバーは、FDRの戦争責任を追求し、3年8ケ月に渡る不毛な日米戦争は、FDRと言うたった一人の狂人が引き起こしたと言う。フーバーは、スターリンと手を結ぶ容共主義者のFDRの政権中枢への共産主義者の浸透、スターリン独裁下のソ連の脅威に警鐘を鳴らしていた。フーバーは、開戦半年前から、FDRの参戦の企てに反対し、米国が参戦すれば、国民の犠牲の下にスターリンを助けることになり、欧州はソ連の支配下になると、警鐘していた。
フーバーは、FDRの多くの政策を批判し、戦後、満洲、中国、バルト三国、東欧をソ連が支配し(モスクワ、テヘラン、カイロ、ヤルタ、ポツダム会議が原因)、共産化し、朝鮮が南北分割された原因は、FDRの当時の政策にあったと指摘する。
開戦の年の1941年 6月に、ドイツがソ連を攻撃した時、FDRは、実質上の米ソ同盟によりスターリンを支援し、7月には日本を完全に経済封鎖し、蒋介石を支援し続け支那からの米国爆撃機(フライングタイガーズ)による日本空爆計画(JB-355計画)に署名していた。
そして、FDRは9月の近衛首相の和平提案(満洲を留保する以外は、米国の提案を飲む提案)と近衛から申し込まれた日米首脳会談を拒否したが、このことは、もっと大きな戦争を起こし、満洲をソ連に与えようとしたのではないかと言う。
さらに、11月には、日本からの3ケ月の冷却期間の提案を拒否し、日本を挑発し続け、ついに最後通牒(ハルノート)を日本に突き付けた。
フーバーの指摘は、共和党ハミルトン・フイッシュ(「ルーズベルトの開戦責任」、「日米・開戦の悲劇」)、東京裁判弁護人ローガンとブレイクニー(「東京裁判の正体」)、パール判事(「パール判決書) 、ヘレン・ミアーズ(「アメリカの鏡・日本」)、そして、東條英機(東條英機宣誓供述書」)の指摘と同一である。
戦争が終結し、英国は大西洋憲章(英国の植民地維持)に反して全ての植民地を失い、オランダ、フランス、米国も全ての植民地を同様に失い、米国は大陸での権益を得ることはできなかった。スターリンのソ連が勢力を拡大して共産国が広範に形成され、毛沢東の共産党が満洲と支那本土を支配するに至った。
容共の米国に反して、日本は戦前から一貫してソ連と共産主義を警戒していたのであり、内戦と住民が抑圧された混沌とした状態にあった無主の地、満洲に、満人、漢人、蒙古人、日本人、朝鮮人の5族協和による近代国家を建設して平和と人民の安寧をもたらせ(「見果てぬ夢 満洲国外史」星野直樹著)、アジアを西欧の白人支配の植民地から開放し独立させた。
混沌とした支那本土においては、共産党や蒋介石国民党により仕掛けられた盧溝橋事変と上海事変の挑発により戦争にずるずると巻き込まれ、日本の真意を理解しない英米の蒋介石への軍事と経済支援により、巻き込まれた戦争の解決ができなかったのであった。
米国は、何の目的で、日本に戦争を仕掛けたのであろうか。結局は、米国は戦争目的を達成しなかった。
現在の大半の日本人の有するの歴史観からすると、日本の歴史は昭和20の終戦を境に断絶している。
現実の真の歴史は連続しているのであり、日本人は、米国の占領期における洗脳から目覚め、日本人の戦前の行為を自ら一方的に断罪する史観から脱却し、真実の歴史を見つめるべきである。手元にフーバーの原書があるので読みたいと思う。
得られるものが多い。多くの人が読まれることを奨める。
藤井 厳喜 (著), 稲村 公望 (著), 茂木 弘道 (著), 加瀬 英明 (その他)
内容紹介
アメリカの封印50年 今、事実が鮮明に! !
「日米戦争を起こしたのは狂人の欲望であった」と私が言うとマッカーサーも同意した。“I said that the whole Japanese war was a madman's desire to get into war. He (MacArthur) agreed."
50年の封印を開き、2011年に刊行された元アメリカ大統領フーバーの衝撃の大著。 “FREEDOM BETRAYED Herbert Hoover's Secret History of the Second World War and Its Aftermath"(2011)
米国民をたぶらかし、日本に戦争をしかけ、蒋介石とスターリンに莫大な軍事援助を与え、世界に惨劇をもたらした誤った政策の数々。フーバー自身が蒐集した膨大な資料に基づき、つぶさに検証した大著=第二次世界大戦史の内容を紹介、討論する。同時に第二次世界大戦さえ回避できたとするウェデマイヤー将軍回顧録も紹介、三人の論客が徹底討論して、東京裁判の無効を明かにし、自虐史観を完全に払拭する。
内容(「BOOK」データベースより)
アメリカの封印50年今、事実が鮮明に!!2011年刊行の元アメリカ大統領フーバーの衝撃の大著。
5つ星のうち 5.0「歴史家」フーバーの慧眼
投稿者 閑居人 殿堂入りレビュアートップ100レビュアー 投稿日 2016/1/27
形式: 単行本(ソフトカバー) Amazonで購入
「大統領フーバー」と言えば、「1929年の大恐慌」に対応できず、F・ルーズベルトに大統領の座を明け渡せざるをえなかった「無能な大統領」と一般には記憶されている。しかし、それは事実ではなく、優れた鉱山技術者、経営者、人道的配慮に優れた政治家、そして「歴史家」であった。
フーバーは、1964年の死の直前に完成させた「裏切られた自由( Freedom Betrayed)」の中で、「第二次大戦」と、戦後の「ソビエトの東欧支配」「中華人民共和国の成立」「戦後冷戦世界」を招いたF・ルーズベルトの責任を厳しく批判した。
その骨子を特に日本との関係で言えば、「1941年の開戦に至る前の日米交渉において、アメリカは開戦を前提に経済戦争を仕掛け、日本を挑発し続けた」「日米戦争はアメリカが仕掛けた戦争である」「原爆投下の必要はなく、その重みは今もアメリカ国民の上にのしかかっている」・・・こういったものである。
1948年のCh.ビーアドの批判、1958年、ウェデマイヤーの回顧録、1976年、ハミルトン・フィッシュの回顧録。1960年代後半から我が国でも公刊されたこれらの書物の読者であった人々にとっては、もはやF.ルーズベルトが「愚かで狂気に満ちた大統領だった可能性」への疑いは、驚くことではないだろう。
本書は、誰もが読みこなせる訳ではない900ページに及ぶ原著から、フーバーが特に指摘する「アメリカが国策を誤った十九のポイント」の一つ一つに解説を加え、「第二次大戦の真の原因」と「アメリカの誤りが現出させた戦後世界」を批判するフーバーの主張を日本の読者に分かりやすく伝えようとする書物である。
その中で、「第一の過ち」として取り上げているのが「1933年の国際経済会議の失敗」である。時系列的に取り上げている最初に置かれた問題であるが、FDRの国務長官コーデル・ハルが後に「第二次大戦の起源」としてほかならぬFDRを厳しく批判した問題でもある。
世界恐慌を乗り切るために、イギリスの「スターリングブロック」をはじめとするブロック経済が1930年代の世界経済をさらに深刻化させていったが、そのきっかけが、1933年、フーバーの求めで開催されたオタワ経済会議だった。フーバーは、ときの大統領であり、この会議の失敗の責任は大きい。その上で、FDRが協調経済政策をつぶして、ブロック経済に舵を切ったことの後々に与えた影響を問いかける。
FDRの「ニュー・ディール」は、実は失敗し、一千万人の失業者を出し、その隠蔽に追われたFDRが「戦時経済体制」による救済を図ったのではないか。そういう議論は以前から存在したが、フーバーは、その核心を解き明かそうとする。
フーバーは苦学して鉱山技術者になった人間であり、人間観察は、リアリズムの世界にあった人である。1900年当時は、新婚者として清朝末期の支那を経験した。「義和団事変」で危機にさらされた経験を持つ彼は、当時の支那人を「ほとんど国民全体が詐欺師的である」と評し、朝鮮半島については「日本の統治がなければ近代化されることはありえなかっただろう」と評している。戦前の日本に来たことはなかったが、アジアの現実を良く知る政治家だった。だからこそ、FDRの欺瞞が許されないものに考えられたのであろう。
「覇権国家アメリカ」は、第二次大戦の戦果の下に成立した。従って彼らは、公的には、「不誠実な日米交渉」「不必要な原爆投下」「恥ずべきヤルタ協定」「政権内部に巣くった赤いスパイたちの暗躍」。「FDRの暗愚と狂気に満ちた判断」がもたらしたスターリンの野望と東欧の悲劇、中国の喪失と現在の脅威などを、率直に、正直に語ることは、なかなか困難なことである。それは、「アメリカの正義」という戦後世界の虚構を否定してしまい、アメリカの作り上げた「アメリカン・デモクラシーの神話」(実態はドルと軍事力の支配体制)をおとしめることになるからである。
ただ、日本人は、戦後のGHQ占領とその後日本の学会とマスコミがアメリカに迎合して作り上げた虚構の歴史観から一刻も早く抜け出す必要がある。本書は、その意味で多くの示唆を与えてくれる。二十世紀に起きたことについて、公正で客観的な、バランスのとれた歴史評価ができるかどうか。それは、日本人である我々自身の問題なのである。
5つ星のうち 5.0
待ってました!素晴らしい内容です。 投稿者 39tok トップ500レビュアー 投稿日 2016/1/28
形式: 単行本(ソフトカバー) Amazonで購入
まずはこの本、第31代アメリカ合衆国大統領ハーバート・フーバーの回顧録その物の翻訳本ではありません。900頁を超えるその大著『FREEDOM BETRAYED』は、まだ日本語に翻訳されておらず、「はしがき」で著者の一人藤井厳喜氏は「そのエッセンスを日本の一般読者に伝えようとした」と述べています。
加瀬英明氏の企画になるというこの本は、近代史と国際政治に造詣が深く相当な英語力をお持ちのお三方が著者であり、『裏切られた自由』に書かれた内容に関する熱論が座談会形式で再現されています。三人の発言や意見の骨子とも言える論考は後段で併載されていますので、読むと繰り返しになっている箇所が多々ありますが、それだけ原著に書かれていることが衝撃的だという事なのでしょう。単なる「回顧録」ではなく歴史論・学術的な書である、と評価(茂木氏)しています。加瀬氏も「序」において「フーバーは炯眼の人だといわねばならない。」と述べています。
1964年、死の直前にフーバーが出版社に原稿を入れてから47年後の2011年に出版されたという事実はアメリカの凄さ(良さ)だと思いますし、アメリカ国民にとっても重要な事だらけなのではないでしょうか。「第二次大戦というものをいかに読み解くか」が主題であり、「本書の中で日本の記述はそれほど多くない」とのことですが、その完訳本を楽しみにしながらも、こちらの本に語られた内容だけでも充分な内容だと感じました。全日本国民に改めて知って欲しい事だらけです。グレートガイダンスに拍手を贈ります!
5つ星のうち 5.0
フーバー回顧録 投稿者 akrtmd 投稿日 2016/2/8
形式: 単行本(ソフトカバー)
フーバー回顧録は1964年に完成していたが米国の国益に反しているとして出版が見送られ約50年後の2011年にやっと出版されたものである。 その間破棄されず出版を行ったフーバー研究所の勇気と公正な正義感にエールを送りたい。 日本ではまだ出版が見送られているという。 この出版が現在の日本の歴史教育を否定する強力な道具となるためであろう。 しかし歴史は常に新しい知見に基図いて修正されていくものである。 GHQのWGIPが誤りであったことはマッカーサーも認めている。 彼も帰国後は米政府の中枢から遠ざけられFBIの監視下にあったという。 第2次世界大戦がF・D.・Rの誘導によって日、独がやむを得ず戦争に立ち上がったことは他の米国の著作者たちによって証明されている。 フーバーはルーズベルトを狂人とみなして19の誤りを犯したと糾弾する。 宣戦布告には議会の承認が必要である。 これを省略してハル・ノートを手交したのは国家的詐欺罪と告発する。 キッシンジャーもカンボジア空爆を議会の承認なしに秘密裏に行っている。 この隠蔽のためにウオターゲイト事件が起こされたという。 米国はインデアン、スペイン人、メキシコ人、ハワイ人から北米大陸の大半を強奪してきた盗賊国家である。 フーバーはヤルタ会談で世界をスターリンに差し出した秘密協定を悪魔の仕業と糾弾する。 フーバーはロシア革命で飢餓に瀕した2000万人のロシア人や第1次世界大戦のドイツ人の飢餓や戦後の日本人の飢餓を救っている。 彼の平和主義は狡猾なルーズベルトの戦争主義を上回る。 F・D・Rはなぜ戦争を意図したのか。 それはニュウ・デール政策の失敗による1300万人の失業対策である。 戦争に勝る経済刺激策はない。 ソ連、中国に大幅な軍事援助をして独、日と戦わせる。 無論日、独にも裏から財政、軍事支援をする。 戦争に正義はない。 あるのは対経済効果だけである。 結局戦争はチャーチルの言うように国家間のゲームにすぎないのである。
5つ星のうち 5.0
自虐史観から脱却するには必読の書 投稿者 さむらい 投稿日 2016/1/24
形式: 単行本(ソフトカバー)
「日本との戦争の全ては、戦争に入りたいという狂人(ルーズベルト)の欲望であったと私(フーバー)がいうとマッカーサーは同意した」
「日本は繰り返し和平を求める意向を示していた。それにも関わらず行った原爆投下はアメリカの歴史において未曾有の残虐行為だった。これはアメリカ人の良心を永遠に責め苛むものである」
日米開戦時の大統領であるルーズベルト元大統領の前任者であるハーバード・フーバー第31代大統領が20年を超える歳月をかけて書き上げた「Freedom Betrayed」の日本語解説本です。「Freedom Betrayed」は世界で常識とされている第二次世界大戦を中心とした近現代史を根底から覆す衝撃的な内容から書籍化まで40年以上かかり2011年に米国で出版された問題作で驚きの内容が記載されています。戦後の歴史観に反する主張をする人々は歴史修正主義者とレッテルをはられて社会から抹殺される状況が続いてきましたが、米国元大統領自身の証言だけにもうそのようなレッテルはりはできなくなるでしょうね。
戦争を引き起こした軍国主義国家の汚名をきせられている日本が名誉を回復するためには、日本国民自身が刷り込まれている自虐的な歴史観から脱却せねばなりませんが、そのためには必読の書であると思います。
5つ星のうち5.0
戦争責任者ルーズベルトの前任大統領フーバーによるルーズベルトの断罪により真の戦争原因がわかる。
投稿者真実真理ベスト1000レビュアー2016年2月7日
形式: 単行本(ソフトカバー)
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フランクリン・デラノ・ルーズベルト( FDR)は、1933年 3月 4日らか1945年 4月12日まで3期と1ケ月に渡り米国の大統領を務め、英欄と共に日本の外国資産凍結、石油、その他の資源の日本への輸出禁止により日本を経済的に締め上げ、蒋介石を支援し、宣戦布告とも言うべきハルノートを突きつけ、日本を開戦に至らせた最大の戦争責任者である。
本書は、民主党FDRの前の共和党大統領であるフーバー(秀逸な歴史研究家でもある)の「FREEDOM BETRAYED」(2011 年フーバー研究所発刊」( 裏切られた自由、未邦訳) のエッセンスを記載した書籍である。
フーバーは、FDRの戦争責任を追求し、3年8ケ月に渡る不毛な日米戦争は、FDRと言うたった一人の狂人が引き起こしたと言う。フーバーは、スターリンと手を結ぶ容共主義者のFDRの政権中枢への共産主義者の浸透、スターリン独裁下のソ連の脅威に警鐘を鳴らしていた。フーバーは、開戦半年前から、FDRの参戦の企てに反対し、米国が参戦すれば、国民の犠牲の下にスターリンを助けることになり、欧州はソ連の支配下になると、警鐘していた。
フーバーは、FDRの多くの政策を批判し、戦後、満洲、中国、バルト三国、東欧をソ連が支配し(モスクワ、テヘラン、カイロ、ヤルタ、ポツダム会議が原因)、共産化し、朝鮮が南北分割された原因は、FDRの当時の政策にあったと指摘する。
開戦の年の1941年 6月に、ドイツがソ連を攻撃した時、FDRは、実質上の米ソ同盟によりスターリンを支援し、7月には日本を完全に経済封鎖し、蒋介石を支援し続け支那からの米国爆撃機(フライングタイガーズ)による日本空爆計画(JB-355計画)に署名していた。
そして、FDRは9月の近衛首相の和平提案(満洲を留保する以外は、米国の提案を飲む提案)と近衛から申し込まれた日米首脳会談を拒否したが、このことは、もっと大きな戦争を起こし、満洲をソ連に与えようとしたのではないかと言う。
さらに、11月には、日本からの3ケ月の冷却期間の提案を拒否し、日本を挑発し続け、ついに最後通牒(ハルノート)を日本に突き付けた。
フーバーの指摘は、共和党ハミルトン・フイッシュ(「ルーズベルトの開戦責任」、「日米・開戦の悲劇」)、東京裁判弁護人ローガンとブレイクニー(「東京裁判の正体」)、パール判事(「パール判決書) 、ヘレン・ミアーズ(「アメリカの鏡・日本」)、そして、東條英機(東條英機宣誓供述書」)の指摘と同一である。
戦争が終結し、英国は大西洋憲章(英国の植民地維持)に反して全ての植民地を失い、オランダ、フランス、米国も全ての植民地を同様に失い、米国は大陸での権益を得ることはできなかった。スターリンのソ連が勢力を拡大して共産国が広範に形成され、毛沢東の共産党が満洲と支那本土を支配するに至った。
容共の米国に反して、日本は戦前から一貫してソ連と共産主義を警戒していたのであり、内戦と住民が抑圧された混沌とした状態にあった無主の地、満洲に、満人、漢人、蒙古人、日本人、朝鮮人の5族協和による近代国家を建設して平和と人民の安寧をもたらせ(「見果てぬ夢 満洲国外史」星野直樹著)、アジアを西欧の白人支配の植民地から開放し独立させた。
混沌とした支那本土においては、共産党や蒋介石国民党により仕掛けられた盧溝橋事変と上海事変の挑発により戦争にずるずると巻き込まれ、日本の真意を理解しない英米の蒋介石への軍事と経済支援により、巻き込まれた戦争の解決ができなかったのであった。
米国は、何の目的で、日本に戦争を仕掛けたのであろうか。結局は、米国は戦争目的を達成しなかった。
現在の大半の日本人の有するの歴史観からすると、日本の歴史は昭和20の終戦を境に断絶している。
現実の真の歴史は連続しているのであり、日本人は、米国の占領期における洗脳から目覚め、日本人の戦前の行為を自ら一方的に断罪する史観から脱却し、真実の歴史を見つめるべきである。手元にフーバーの原書があるので読みたいと思う。
得られるものが多い。多くの人が読まれることを奨める。