「見た目は、一番外側の内面です」そうか「見た目」は「私の内面」の一部だったのか。 | 日本のお姉さん

「見た目は、一番外側の内面です」そうか「見た目」は「私の内面」の一部だったのか。

運動ゼロで「2トン」痩せさせた、美人先生の「殺し文句」
プレジデント探検隊【27】
PRESIDENT Online スペシャル

著者
女の欲望ラボ代表 山本貴代=文
男性参加者も続々ダイエット成功

世の中にはどれほどの種類のダイエットが存在するのだろうか。

運動、食事、断食……。ある説によれば、過去流行ったものを含め300種類以上あるらしい。そのうち自分は、いくつ試しただろう。

イケメンコーチつきのジム+食事系ダイエットも、クレンズジュースも、加圧トレーニングも確かにそのときは痩せた。ひと晩で2kg減もあれば、3カ月で5kg減もあった。

でも、どれもやめるとすぐに逆もどり、いやそれ以上。気が付けば、クローゼットには、チュニックばかり。下半身を隠して生きる格好になっていた。


ワンレンのボディコンは遠い昔。残り数十年の人生、どう健康に生きよう、この脂肪どうしたらいいんだろう、はみ出た肉をつまみ途方に暮れていた昨年秋のことだ。

「15kg痩せた、元に戻らない」
「12kg痩せた、ボディコン着てる」

という同世代のママ友たちの声がスマホに届いた。彼女たちが、ちょっと誇らしげに掲げた体重変化を記録した右急降下のグラフを見た瞬間、私の中のダイエット心に火がついた。

なになになに? どこどこどこ? お高いの?

「いえいえ、リーズナブル。1クール2カ月で2万円よ。早割りなら1万8000円」。安い!

ライザップは興味あるけれど、2カ月で30万3000円だと躊躇する。しかし2万円なら、主婦にも捻出できる金額だ。

聞けば、運動は「一切しなくていい」という。本当か? じゃ、一体何するんだ?

半信半疑で教えてもらった連絡先にメールすると……。

「今期は、あと1枠だけ空いています」
「い、入れてください!」

ということで、ほとんど衝動的に“秘密クラブ”への入門が決まったのでした。その名は、「スリムクラブ」(東京・渋谷区で2クラスを運営)。お笑い芸人ではない。

美人先生の心に刺さる「痩せる言葉」


「スリムクラブ」の代表で「先生」こと菅野観愛さん。

肥満予防健康管理士の資格を持つ美人講師ミア先生の邸宅に週1回(計8回)通い、ボディを測定し、栄養学を学び、食べたものを記録し、自分の生活について語り、今後の目標を公言する。ただそれだけだ。

生徒も1クラス5人以下なので、わきあいあいとお茶会に参加しているような気分になる。みな「痩せる」というひとつ目標に向かっている連帯感があり、心強い。

ミア先生は、どこをとっても、とにかく美しくて、ミスユニバースの候補者のよう。その先生が、私の1週間後の体重が増えていようと減っていようと、メジャー片手にこう微笑むのだ。

「大丈夫ですよ。私は、これまで15年、350人以上の方たちを痩せさせてきたのですから。心配ありませんよ」

その笑みは、絶対なる自信の証。「はい、先生、がんばります」。

ひとりあたり少なく見積もって5~6kg痩せさせたとして、累計2t以上の脂肪を片付けていることになるだろうか。そう考えるとその偉業たるや!

ホームページには、

・太る原因と食事の重要性に関わる正しい知識
・リバウンドしない体重の落とし方と体質改善法
・停滞期を乗り越える個別カウンセリングサポート

の3点を学ぶだけ、と書いてある。本気でエクササイズはないらしい。

毎週のクラスでは、水分補給や小腸の大切さなど知らなかったことを教わるだけではなく、ダイエットにかかわる生活の知恵もつけてくれる。

「好きなものを好きなだけ食べるのは、動物と一緒ですよ。欲をコントロールしましょう」
「お腹いっぱいにして買い物へ出かけるといいですよ。余計なもの買わないから」
「おなかがグーとなったら、腸の掃除が始まりますから、1時間ほど待って」
「会食のときは、最後に箸をとり、ゆっくりいただきましょう」
「カラダの巡りをよくすると痩せますよ。すべては循環です」
「ストレスが溜まっていると思ったら少し横になるといいですよ」

など。

ミア先生はこれをすべて体言しているから、こんなにスリムなのか、と思えてくる。お手本が目の前にいるから説得力がある。そして、先生は心に刺さる言葉を定期的に繰り出してくる。

例えば……。

「見た目は、一番外側の内面です」

そうか「見た目」は「私の内面」の一部だったのか。

本当に「運動なし」。大豆を食べる!

とにかく朝起きてから、水分を多く取ってリンパの流れをよくし、老廃物を出す。植物性タンパク質を多く摂る。肉は我慢だけれど、魚介類やフルーツはいい。ナッツも蜂蜜もいい。もちろん腹六分目だけど。痩せた自分をイメージすると痩せるという。

たった2カ月だ、「ここで痩せなければ一生デブ」くらいの気合をいれて臨んだ私は、最初の1週間こそ、息子に夕食のおかずのトンカツをあげるのは辛かったが、案外、すぐに慣れた。

とはいえ、空腹との闘いはゼロではなかった。

でも、野菜ではなく、植物性タンパク質をたくさんとるように言われていたので、おやつに納豆1パック、また朝から豆腐2丁食べればしのげた。だんだん胃が小さくなるからか、最後には半丁で大満足。豆腐の上に、上質の塩、オリーブオイル、ジャコ、きな粉、をたっぷりかけ、食べるのが私の食べ方だった。

水もがぶがぶ飲んだ。毎日3.3リットルが目安だったが、実際は4リットルくらい飲んでいた。これも、かなり空腹を満たしてくれた。

あと、何よりもありがたかったのは「同期」の仲間。Lineで励まし合ったので、それだけで苦しさは半減した。

私が入門してすぐに気づいたのは、ここは、人生スリムクラブ、生活スリムクラブだということ。太っているというのは、そういう生活態度の結晶とも言うべきか。

食生活を学ぶ以外に、我が振りを見直すところから始まったのだ。そして、私は私に約束した。

●中期・長期的な目標を毎回みんなの前で共有する
●自分の課題や問題点を洗い出す
●解決策を先生のアドバイスのもと考えていく
●毎日の生活で、やるべきことを列挙し、○×をつけて記録していく

私は、たくさん自分と約束をしてしまったので、朝からとても忙しくなった。ジョギングからはじまり、玄関の掃除、トイレ掃除、部屋の掃除と雑巾がけ、キッチンの整理、ブラインドの桟を2行だけ拭くということを「朝の仕事」としたら、随分生活がてきぱきしてきた。

その他にも、背筋をピンとはる、爪先立ちで家事、冷蔵庫の掃除、深呼吸する等。それをクラスでは発表するのだが、○がついていないと嫌な私は、○のために、一生懸命掃除をするようになった。子供みたいだな。

とにかく褒めてほしい私にミア先生は、笑顔で言った。

「まだ体脂肪が25%以上あるうちは、ジョギングはしなくていいですよ。脂肪を揺らしているだけですからね」。ガーン。

「気持ちの整理のためならいいですけれど、痩せるためならば1度走るのをやめてみてください」。

実際止めたら、痩せた。脂肪が一定量ある時期、走るのはまったく関係ないことがわかった。ガーン。

アルコールは飲んでもいいのだが、飲む時は2倍の水で薄めるように言われた。元来ものぐさな私は、思い切って2カ月禁酒。すると、ソファーで転寝もなくなり、仕事もはかどった。

「ダイエットをやっているの」と宣言すると家族だけでなく、友人、仕事仲間が気をつかってくれた。食事会でも気にかけてくれるし、ダイエットにいい豆菓子など贈ってくれた。

次のページ2カ月で7kg減「リバウンドはしない」

私の意識は自分史上最大に変化し、食生活も変わり、どこからみても健康体のてきぱきした私ができ上がった。苦手だったタイムマネジメントも少しできるようになっていった。

結果2カ月で、体重7kg近く痩せたのだ。ウエストも、ゆるゆる。


終わったのが、師走の12月だったのと、目標体重まであと少し届かなかったので、危険な年末と新年をもう1クール! ということで、追加1万8000円で申し込み、さらに2カ月をゆるーく乗り切った結果……体重は約9kg、ウエストは16cm減、アンダーバストは9.5cm、ヒップは8cmなどなどスリムになって、身体年齢は27歳。

植物性タンパク質をたくさんとっていたおかげで病的なげっそり痩せではない。それに、へんな話だが、食べ物が以前とがらりと変わったことで腸がきれいになって、出てくるモノが、なんというか、とってもいいのだ。それはそれは、すばらしい。うんちコンテストに出したら、たぶん優勝できる。そんなふうに思えるくらい(笑)。

そんなこんなで合計3万8000円なり。このコストパフォーマンスには何の文句もない。繰り返すが、エクササイズはゼロなのだ。

服も全てゆるゆるになってしまったので、セールへ駆け込み買い替え。先生の殺し文句に背中を押された。

「昔の服をとっておいたら、また元の体型に戻りますよ」

さっさと服をリサイクルに出し、クローゼットもすっきりした。

少し驚いたのは、最初に痩せた部位だ。足だった。こんなところにも贅肉は付いていたのか。9kg減でハイヒールが全て脱げてしまう状態になった。これには少々困ったが、ぴかぴかの新しいハイヒールはダイエット成功の証だ。

目標値にほぼ達した私は、スリムクラブを卒業したが、次は筋肉だな、とボクシングジムあたりを目指している。

「いったいどこに向かっているの?」と友人は言うが、私が今回得た感想は「意識を変えればなんでもできる。意識が変らないと結局はなにも変わらない」ということだろうか。

「意識」恐るべし。

でも、それを誘導してくれる素敵なトレーナー、ナビゲーターが必要なようで。そういったビジネスが、今後、多くのジャンルで流行る予感がする。

男性のほうが劇的に痩せる理由

追記しておけば、意識改革は身近な人にも伝染するということか。息子(中学生)が私に影響されて自分の勉強机を整理した。山積みだったペーパー類はきれいにファイリングされ、机の上には、今は、何も置かれていない。


菅野さんは表参道の美容院でヘアスタイリストや店長として13年間勤務。出産後、肥満予防健康管理士の資格を得て、同クラブを設立(http://xn--pckta2grb7bd.com/)。
生徒の多くは女性だが、男性ももちろん受け入れている。男性の場合は、聞いたことを素直にとりいれるようで女性より柔軟性があるという。いままでの悪習慣を一気に理想習慣に変化させようと努力するらしい。

男性が痩せやすいのは、女性より筋肉がつきやすいからで、代謝も女性より高いことが関係しているという。

また管理されていると、いいわけ抜きでまじめにやるのは、日本の男会社の有り様にたとえられるとミア先生。

「私を上司だと思って行動されるのではないでしょうか」

男性で劇的に変わった人は、

■29歳 Oさん 通信会社経営
8カ月で体重106.5kg ⇒ 65.75kg(-40.75kg)
体脂肪37.2% ⇒ 10%(-27.2%)

いつも外食だったが、自宅で自炊するようになり(独身一人暮らし)、仕事で忙しいにも関わらずジョギングを毎日する運動習慣もついた。痩せたおかげで仕事の依頼も増えて収入もアップ。

■47歳 Nさん 大手会社経営(掃除系の会社です)
8カ月で体重79kg ⇒ 67kg(-12kg)
体脂肪23.2% ⇒ 14.5%(-8.7%)

お酒&肉&炭水化物大好きな方だったが、このダイエットが子供のアトピーにもいいかもしれないということからまじめに取り組み、最後までなかなか抜けなかったお酒の悪習慣からも脱却。本人はこれを一番喜んでいる。

このダイエット成功の経験から社内でもダイエット健康道場を主催し、今では社員や顧客に対してのダイエット指導をしているとか。
http://president.jp/articles/-/17734