放射性ダスト浮遊中 | 日本のお姉さん

放射性ダスト浮遊中

http://leibniz.tv/img_2015/map_outlier-of-air-dose-rate.jpg
阿部憲一
昨日 0:32 ·
<< どこで放射性ダストが浮遊しているか知れない状態 >>

原子力規制庁や都道府県が管理する全国 約 7,000 ヵ所の環境放射線モニタリング ポストの10分ごとの平均値を24時間の折れ線グラフにして一覧で見せるサイト「全国サムネイル」が昨年10月半ばで消えたことで、特に福島県にいる我々はどこで空間線量率が突出してい...るか、即ち、どこで高線量のダストなどが浮遊して吸引被ばくという最も危険な状況にあるか知れない状態。

県の災害対策本部 放射線監視室(024-521-8498)は原子力規制庁 監視情報課(03-5114-2125)から日常的に異常値の連絡があっても一切 公表せず、市町村の担当課は県から状況確認などの連絡が行って危険な状況と判断できてもどこも公表しない。

騒ぎにしないことが最優先というゲスの極み!

そして、何度 言っても、国・県・市町村のどこが住民に対して状況を伝えるのかを決めようともしない。

こうして構造的に情報隠蔽をやっている。

ホワイトフードさんの同様の計画に期待する。
異常値の確認作業も昨年10月からストップ。
福島県の東半分で毎日のように空間線量の異常値! 高線量のダストや小片の舞い上がり!

 以下の取材調査の内容・考察は(有)ライプニッツに帰属します。

福島県の東半分で空間線量の異常値が続発
2014/ 8/12(改 2015/ 6/13)

 以下、これまでの調査報告。内容を厳密にするために更新して行きます。
 また、この問題は、環境放射能学や環境動態解析などの学識者に見解をお窺いしており、許可を頂ける場合にはこちらに掲載していきます。

*     *     *
 福島県の東半分では、高線量のダストなどが至るところに吹き溜まりになっていて、舞い上がっている!

 環境放射線モニタリング ポストの空間線量率の数値が急上昇(・急降下)する現象は原発事故の翌年には明らかに確認できる。ポストの数も今より遥かに少なかったが、1mSv/h 超えが続発していて、メーカーも考えられないと言う。ポストが増設されるに従って福島の実態が明らかになって来た。
 福島第一原発の足元の双葉郡では広域で数値が上昇することがあるが、1・2号機の間のスタック[排気筒]の足元は最大25 Sv/h(2013/12)あって、地下の割れ目から蒸気が出続けていて、そこは除染も出来ていない。放出量は東京電力の言う 1,000 万 Bq/h どころではないが、この状況が関係していないのか?
 下の「空間線量の異常値マップ」のデータ元である原子力規制庁 監視情報課(03-5114-2125)も、福島県のモニタリングの責任主体である災害対策本部 放射線監視室(024-521-8498)も、県内の危機管理に係る総合調整の危機管理課(024-521-8651)も、これほど危険な現実を承知しながら情報を部署内でかこい、「福島は安全・安心」の態度を続けている。
※ 会津地方を含めたマップはこちら(0.89 MB)。
※ 個々の異常値のデータについては別途提供。

 ※ マッピングは規制庁の元データを確認した上で行っている。各数値は10分間の平均値。規制庁は各都道府県が運営するモニタリング ポストのデータも一元的に収集しているが、年々ポストの数が増えるのに加えて、全ポストで数値が10分ごとに追加されて膨大なデータ量のために、福島県の分だけでも全データを確認することは困難。
そのため、規制庁のサイト内の情報と幾つかのインターネット上の情報を手掛かりにして、規制庁の元データで最終確認、という作業をやっている。
そのため、地域や時期によってバラツキがある。尚、規制庁では異常値を記録・整理していないとする。
 ※ 高線量の地域では異常値が目立たないが、人が住んでいないのでモニタリング ポストの設置が進んでいないため。ポストの設置は復興対応の早い遅いや地元の要望が関係するために、かなり偏りがある。
事故当初から県内に1kmメッシュでポストが設置してあったら、土壌汚染濃度に比例するように異常値が発生していたと想像される。

 ※ 福島第一原発から南で異常値が目立つのは乾燥する冬から春先の北風・西風でセシウムの降下量が大きく増えることと無関係とは言い難い。

福一原発周辺と、そこから北西方向の山野にはとてつもない量の放射性物質が堆積。
 ※ 原子力規制庁は、こちらの通り、「異常値」の定義をしていない。
そのため、規制庁の実際の“相場”に習って、通常値の2倍以上の急上昇、又は、1μSv/h 以上の上昇をマップに取り上げた。
瞬間的にどこまで数値が上がったか分からない10分間だけのスパイクの場合はこの限りではない。
 ※ 以下のケースはマップ上の取り上げていない:●原子力規制庁が機器の点検・移動のためとする場合。●規制庁が施設内で除染を理由にしている場合。●一律に通信の不具合と認められる場合。●新潟県・群馬県・栃木県 → 福島県と連続的に緩やかに数値が上昇して大陸からの放射性プルームの飛来と認められる場合。他の都道府県でも大陸由来による変動は除くが、規制庁の判断に従う。
 ※ 郡山市などでは異常値が目立つが、多くが除染を理由にしている。
数値が下がっても除染を理由にする。
施設内で除染があったとする期間でも、郡山市の安積幼稚園(2013/ 6/22)・同市の富田保育所(2013/ 6/ 5)では通常値の5倍以上の各 1.057 μSv/h、2.626 μSv/h にもなっていて線源が疑わしいためにマップに取り上げた。
また、広野町の のびっこらんど では、2014/ 9 前半の6日間、特定の時間に0.25 μSv/h 強のスパイクが見られ、自然現象とは言い難いので取り上げていなかったが、町役場の話から汚染車両の可能性があり、取り上げた。
 ※ 回数の数え方は、間、半日を超えて再び異常があった場合を再異常値としてカウント。
●http://ma-04x.net/all.html
 全国サムネイル・・・原子力規制庁の全国のポストの空間線量率を折れ線グラフ化し、1日の空間線量率の変化が分かるので便利。但し、福島県内に置かれるポストについては全体の数分の一しか扱っていない。
●http://www.whitefood.co.jp/map.php
 ホワイトフード・・・今現在、全国のどこで空間線量に異常があるかが分かる。但し、10分以前の状況は分からない。
●http://radioactivity.nsr.go.jp/map/ja/download.html
 原子力規制庁 監視情報課・・・全国のポストの空間線量率(10分ごとの平均値)を、ポスト・日時を指定してダウンロードできる。元データの確認に。

<< 要 点 >>
 (1)福島県の内と外には大差ない台数の環境放射線モニタリング ポスト(原子力規制庁や各都道府県が運営・管理)が設置されている。
その上で、福島県の浜通り地方と 2011/ 3/15 の放射性プルームの通り道(福一原発から北西へ、福島市辺りから南へ)辺りに集中して空間線量率の数値が飛び上がる現象が毎日のように起きている。
福島県を除く全国の合計の約7倍(2014 年)も異常値が出ることは「機器の不具合」や「ノイズ」などでは説明がつかない。
 ポストが増えた現在では、異常値は、福島県内のポストの数分の一のみを対象にしている全国サムネイルで確認できただけでも、県内の東半分のどこかで、数日に一度ある。
つまり、毎日のように起きている。この全貌が全く明らかにされていない。

< 環境放射線モニタリング ポストの台数 >
 2015/ 5/25 現在、固定型、可搬型、リアルタイム線量測定システムを含めて、
●福島県内・・・原子力規制庁 管理分(3,661 台) + 福島県 管理分(50台)= 3,711 台
●福島県を除いた全国・・・原子力規制庁 管理分(719 台)+ 各都道府県 管理分(千数百台)+ 各地の原発の敷地の内外に設置する電力会社などの管理分(数百台~)
 規制庁では、福島県内の設置台数の方が全国の台数よりも多いかも知れない、と言う。現在、以上のデータは規制庁がほぼ集約して公表しており、こちらもこの全てを対象に算出。

 (2)このゾーンに集中して1mSv/h やそれ以上の数値が出ている。
福島県以外で1mSv/h 以上が出たのは山形県との県境の米沢市での1件だけ。
100 μSv/h 以上1mSv 未満の1例も同じモニタリング ポスト。
原子力規制庁は「飛び抜けて大きい数値は(電気的)ノイズと思われる」と主張するが、なぜそれが福島県だけに起こるのか?

< 福島県以外での異常値 >
 原子力規制庁の元データで確認できている限り、福島県以外で通常値の2倍以上のスパイク的上昇や高い数値が見られるのは、以下に限られる。
●2014 年・・・宮城県(2ヵ所、最高 10.876 μSv/h)、山形県(2ヵ所、最高 67.261 μSv/h)、新潟県(2ヵ所、最高 10.384 μSv/h)、福井県(3ヵ所、最高 0.225 μSv/h)、高知県(1ヵ所、2日連続、最高 0.149 μSv/h)。その内、福井県・高知県の計5例については原子力規制庁では異常値として扱っていない。
●2013 年・・・山形県(2ヵ所、最高 1,457.000 μSv/h)、茨城県(1ヵ所、最高 0.239 μSv/h)、新潟県(1ヵ所、最高 10.213 μSv/h)。
●2012 年・・・兵庫県(1ヵ所、最高 0.279 μSv/h)。

 高い数値が目立つのは全て福島県の隣県。原発事故由来であることは明らか。
 但し、日本海側については北九州から北海道の道西まで大陸からの放射性プルームが日常的に飛来しており、通常値の2倍程度の穏やかな上昇・下降は珍しくなく、異常値はそちらの関係が濃い。
 また、山形県では福島県との県境の米沢市で高い数値が目立ち、2013 年には同市の森林体験交流センター(福島県 北塩原村から北に4km)で 1.457 mSv(通常 0.05 μSv/h)。ここは同年 6/ 6 にも最高 195.241 μSv/h を記録。規制庁は何れも「機器の不具合」で処理。栃木県と同様、山形県にはモニタリング ポストが数えるほどしかなく、福島県並みに増設したら、全く違う汚染図になるだろう。
 尚、静岡県 御前崎市 草笛地区ではたまに、神奈川県 川崎市 浮島地区辺りでは頻繁に民間によるX線による非破壊検査が行われていて、近隣のモニタリング ポストの数値を跳ね上げている。
 (3)2012・2013 年はポストの数が今より遥かに少なかったが、1mSv/h 超えが目立ち、且つ、総じて数値が高い。これらはモニタリング ポストの試用期間に起きたものではなく、そうした例はマップに取り上げていない。

< 高線量だけを見ると >
●1mSv/h 超え:2012 年6回、2013 年5回、2014 年2回。
●100μSv/h ~1mSv 未満:2012 年2回、2013 年9回、2015 年6回。
●最高値:2012 年 117,005.730 μSv/h、2013年 77,479.470 μSv/h、2014 年 1,068.907 μSv/h。以上は確認できた限り。
 このことは高線量のダストが拡散する、核種が壊変して安定する → 全体的な数値の低下傾向と一致する。

 これらの事実は至るところに吹き溜まりになっている高線量のダストや3機などの爆発で飛散したガレキの舞い上がり、或いは、今も続く福一原発からの核種の拡散などと異常値が無関係とは言い難いことを意味する。
 ところが、規制庁では、毎回の異常値を記録・整理することさえしていない、と言う。
 以下、具体的に説明する。

<< 異常値の“形” >>
 時間経過のグラフで観ると、波形は色々だが、こうしたスパイク状になる場合が割と多い(スパイク = 故障ではない)。
横軸の1メモリは10分間の平均値なので、10~20分以内でのスパイクだと瞬間的にはどこまで数値が上がったものか分からない。

 しばらくの間、断続的に続くケースも多い。原子力規制庁の監視情報課が対応するまで収まらないケースも。

 2014 年の1mSv/h 超えを幾つか書き出してみると、10~20分以内でのスパイクの他、急上昇・急降下を繰り返す場合が多いほか、急上昇したあと不規則に変化する場合など、波形は様々。
 原子力規制庁の監視情報課では上のような折れ線グラフにした場合、どういう波形なら原因は何と考えられるといった実証も分類もやっていない。それにも拘わらず、一様に「機器の不具合」と断定する。

●6/29 大熊町の小入野地区公民館、13:10、174.723 μSv/h、13:20、677.308 μSv/h(通常 16.5 μSv/h)
●7/ 1 いわき市の市立勿来公民館、4:50、0.347 μSv/h、5:00、0.238 μSv/h、5:10、1.714 μSv/h、5:20、3.163 μSv/h、6:00、0.956 μSv/h、6:10、9.220 μSv/h、6:20、79.854 μSv/h、6:30、86.350 μSv/h、6:40、105.373 μSv/h、6:50、19.429 μSv/h(通常 0.08 μSv/h)
●7/ 3 二本松市の市立川崎幼稚園、13:20、1.008 μSv/h、13:30、1,068.907 μSv/h、13:40、230.575 μSv/h、14:00、11.147 μSv/h、14:10、2.228 μSv/h、14:20、699.528 μSv/h、14:30、17.471 μSv/h(通常 0.140 μSv/h)
●7/25 浪江町の津島集会所、3:10、6.196 μSv/h、3:20、9.909 μSv/h、3:30、17.546 μSv/h、3:40、9.349 μSv/h、5:00、3.444 μSv/h、6:10、6.093 μSv/h、6:50、6.106 μSv/h、7:20、10.896 μSv/h、7:40、7.814 μSv/h、7:50、15.628 μSv/h、8:00、29.548 μSv/h~10:50、26.083 μSv/h、11:00、58.914 μSv/h、11:10、61.380 μSv/h、11:20、141.000 μSv/h、11:30、144.992 μSv/h(通常 1.65 μSv/h)

大陸由来の放射性のダストが地表を通り過ぎた新潟県の例(異常値に含めない)。
ダストが広く薄く拡散したプルームでは山も徐々に上がり下がりする。
原子力規制庁はこれを中国西部・カザフスタン東部での大気圏内核実験による残留粉塵がPM2.5や1.0、又は、黄砂に混じって飛来したものと言うが、中国では全土で 200 機以上の火力発電所が娘・孫核種がガンマ線を出すウラン・ラドン 222・ビスマス(以上、α線核種)などを混合した石炭を燃やしていて、韓国ではこの所謂「ウラン混合石炭」の粉塵が一番の原因だと問題になっている。

 こちらも大陸由来のダストで(この日、隣県の各所でも同様の上昇あり)、纏まった気団が一気に飛来したケース。
 線源が遠い大陸由来で、ダストの場合でも、●数値が急上昇すること、●数値が短時間に元のレベルまで戻ること、●ダストがポストの周辺に目立って残るわけではないこと、が分かる。

 福島県内でも大陸由来の線源による急上昇はある。
この日、隣接する栃木・群馬県の各地と新潟県の一部でも空間線量の目立った上昇があり、経時的に西の方から上昇しており、ホワイトフードの全国マップで確認できる。
 これと「異常値」は別。

<< 復興計画や原発再稼働が吹き飛ぶので、規制庁は吸引被曝の現実を認めようとしない >>
 原子力規制庁には監視情報課を中心に 2014/ 7 月末から取材を始めた。
 福島県では災害対策本部の放射線監視室が環境放射線のモニタリングを担当。両者は日常的に異常値の情報を共有してはいるが、異常値があると、県は殆どのポストが規制庁の管理だからとして万事 規制庁の判断待ちで、地域住民へ知らせることを今まで一切して来ておらず、他方、規制庁は、観測データの集約はしているが、県が地元の対応に当たるのは当前ではないか、としており、普段の責任関係が曖昧。県庁内でも末端自治体との連絡関係は危機管理課(⊃ 放射線監視室)・原子力安全対策課の間で役割が決まっていない。

 空間線量率に異常値があると、規制庁の監視情報課では、地元の役所に電話をしてポスト周辺の環境に何か変化があるかを確認すると共に、契約する事業者をそのポストに状況確認に行かせるが、周辺の地上1mの空間線量率を測らせ(当然 既に数値は下がっている)、毎回々々「~ の測定値は機器不具合によるものです。現地ポスト周辺の線量に異常がないことは確認済みです」とか「通信の不具合」として片付けている。数値が数百 μSv/h にもなると「ノイズと思われる」として処理。あるいは、周囲で除染作業、機器を移動、機器を点検、のためとする(それぞれ元データなどに記載)。以前は様々な理由をこしらえて付けていたが、最近は「機器の不具合」ばかり。
 この地上1m測定で示される数値は、いろいろ確認してみれば分かるが、相当 高線量のダストであっても、地面であれば面的な広さが、大気中であれば厚みがないとないと、1mも離れればバック グラウンドの数値に埋没する。規制庁は、この地上1m測定のみで、ポストの周辺の地表に落ちているも知れない放射性のダストやガレキの小片の存在を無視する。ポストの表面線量も測らない。不具合だとして回収した機器(センサーや検出器)も、故障の内容を確認したことがないと言う。
 除染作業を理由にする場合には、電話確認でもって周辺で除染をやっているとなると、ああそれに違いない、とやっている様子が窺える。質しても、その判断の根拠を示さない。本当の原因は承知しているので、原因を追求はしない。常に、想像・断定で片付けている。
 また、あるポストが再び異常値を示したり、数値が上昇したままだったりすると、鳥や小動物の影響を挙げたりして、不都合な問題は曖昧なままにする。何事も表沙汰にせず、放置。
 規制庁の監視情報課は、異常値の原因が環境中の放射性物質だと認めたことは 2014/ 8 中旬に南相馬市小高地区で稲穂の汚染が問題になった時の一度だけ(ポスト不詳)。
 規制庁の膨大な空間線量率の元データを調べると、3.11以来ずっとこのデタラメを続けている。

 そして、2014 年の夏、県内で数値の急上昇が続発している事実がメディアで注目されると、規制庁は「暑さのために機器に不具合」と記者発表した。福島県は全国で最も暑いのか? 規制庁のデータでは異常値は季節に関係なく日常的に起きている。暑さ説は 365 日 全国の異常値を把握している監視情報課のその場しのぎのゴマカシ。メディアも記事や映像になりさえすれば満足して引き上げる。県内の新聞2紙、テレビ5局は、復興と風評被害は連呼するが、核汚染・被曝の話題は一切 扱わない(3ヵ月に一度の「県民健康調査」検討委員会の発表をニュースで取り上げるだけ)。
 また、監視情報課は、この夏の時季、異常値が福一原発の近くで頻発している点については、雷の影響ではないか、とのコメントをメディアに撒いた。とにかく、線源の浮遊を否定することが始めにありき。
 そこで、証拠を並べてこれらの言説を追及すると、彼らはソロソロとインチキ説を引っ込めた。

 2015/ 4 上旬には、福島県が南相馬市・飯舘村・川俣町ほかに新設した77機のリアルタイム線量測定システムで30数台に異常値が出た。方々から原因を質されると、規制庁の監視情報課は「富士電機の可搬型ポストの一部で光電子増倍管が高い線量の放射線を受けると実際の数値よりも跳ね上がる場合がある」というこの件とは全く関係のない話を撒いたので問題になった(メディアの多くは機器の不具合と理解して事なしの報道)。
 この時、南相馬市の北町西公園の新設ポストでは市議会議員によって実測で通常値の4倍の数値が記録されており、従来からある規制庁 管理の二本松市・福島市のポストでも異常値が出ており(全国でもこの時期に異常値はこの一帯だけ)、実は県の北部の広域で実際に被曝問題が起きていた。
 そして、監視情報課はこちらに対しては富士電機の可搬型ポストのことで「今まで大きなスパイクが出る原因が分からなかったが、その原因らしいものが見えて来た」と言い、これまでの「機器の不具合」云々はその場しのぎのデタラメだったことを暗に認めている。
 頻発する異常値は吸引被曝という大問題。α線・β線核種による内部被曝こそが汚染地での被曝の本質。そこで、異常値の原因を特定できるだけのまともな調査体制を日常的に組むか、あるいは、大きな予算を取って広域で核種ごとのホットスポットを徹底調査する必要を強く求めているが、「ご意見として窺っておきます」で終わり。

 異常値を「機器の不具合」などのためとするなら、例えば、平均値から下向きの急降下・急上昇のスパイクはなぜ殆ど見かけないのか? そういうスパイクがあった時、監視情報課は機器がどう故障しているのか確認が要る筈なのに何もしない。故障とは思っていないから。
 また、大型トラックなどがポストの前に一時停車しただけでもガンマ線が大きく遮蔽されて下向きのスパイクになりそうだが、そんな目立った波形はなかなか見ない。だから、監視情報課が撒いている「汚染された車両がポストのそばに止まって数値を上げる」説も可能性のケースの一つに過ぎないだろう。
 ある時から数値が下がったままになるのは、確認してみると、周辺を除染したか、近くにガンマ線の遮蔽物が置かれたか、のどちらかによる(数値が固定したままなら故障の可能性大)。うちの広野町ではポストが新設置されると暫くして数値が下がるが、周辺を除染して“目標値”の年間1mSv = 0.23 μSv/h 以下にする。国・県とは阿吽の呼吸のゼネコンのお仕事。

 下向きのスパイクは殆ど見かけない。

 規制庁とは監視情報課だけでも20時間は様々な問題についてやり取りしているが、母体の環境省は経済産業省と原発推進で一致しており、「福島は安全・安心」の結論ありきで事勿れを続けている。環境省の職員らは、過酷事故を起こしても福島は安全 → 甲状腺癌の子供が 150 人を超えても原発事故とは無関係と、どこまでも「安全神話」を続ける。
 最近は数値を臓器の容量で割って何ケタも過小評価にするICRP[国際放射線防護委員会]の被曝換算でもって、県内に住み続けても吸引被曝のリスクは小さい、と言い始めた。
 他方、福島県行政は、佐藤 雄平 知事の時代から、県民の流出阻止を何より優先しており、現実はどうあれ、県民の流出阻止と帰還の工作に明け暮れている。