ほとんどのTRAPSの患者は北ヨーロッパ系と中東系の人種で、ユダヤ人の名前はその中にあります。
NF受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)とユダヤ?
TNF受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)とも呼ばれる家族性アイルランド熱については、以前、日本でも発症例があることは触れたが、アイルランドがケルトの多い土地であり、日本とケルトの繋がりが見えることの方に注目したのでした。
詳しいことには、あまり踏み込みませんでしたね。
あの時は、家族性地中海熱の方がメインでしたからね。
改めてこの遺伝性疾患に注目したのは、この病気にもユダヤ人が絡んでいるからなのです。
家族性地中海熱と家族性アイルランド熱、どちらもユダヤ人が絡んでいるなら、日ユ同祖論者は喜んで飛びつきますね。
ただ、ユダヤ人が以外の発症者がいることを、どう見るかですね。
TRAPS患者は、今までのところ日本以外の東南アジア諸国において報告されていないと言います。
報告された最初の症例は、アイルランドとスコットランド系の人種でした。
その後それ以外の人種でも報告があったけどほとんどのTRAPSの患者は北ヨーロッパ系と中東系の人種で、ユダヤ人の名前はその中にあります。
フランス人、イタリア人、スペイン人、アルメニア人、プエルトリコ人、アルメニア人、ユダヤ人、アラブ人、カブール人、アフリカ系アメリカ人です。
東南アジアどころか、東アジアで見ても、日本だけでしょ。
家族性地中海熱は、ユダヤ人特にセファルディ(スペイン・ポルトガル系のユダヤ人)・トルコ人・アルメニア人、イタリア人・ギリシャ人・アメリカ人だから、イギリスを除けば似た地域ですね。
地中海やアメリカにまで症例が見つかったので今ではTRAPSと略称で呼ばれることが多いが、この遺伝性疾患もまた日本と地中海との繋がりを示すと言えますね。
TRAPSは、常染色体優性遺伝とみられてきました。
優性遺伝性の自己炎症性疾患であろうと思われ、皮疹、腹痛、筋痛、結膜炎、胸痛、関節痛に関連した発熱発作を繰り返すことを特徴とします。
強い腹痛を呈し、腹部手術に至る患者もいます。
遺伝性疾患なので、伝染することはありません。
常染色体優性遺伝は、Autosomal Dominant、ADと略され、常染色体上に存在する1対の遺伝子の一方に異常があれば発症します。
TRAPSの責任遺伝子は、12P13resionと言う12番目の遺伝子上に存在します。
この遺伝子の突然変異により異常なTNFレセプターが誘導され、それが不適当な炎症反応を引き起こします。
この遺伝子に関しては、33カ所の異なった突然変異が特定されています。
TRAPSを発症した子ども達は、胎児期の突然変異ではなく、この病気の遺伝子をTNFレセプター異常の遺伝子のキャリアである両親のどちらかから受け継いでいます。
この突然変異を持っている人は、TRAPSの臨床的な症状を持っているかもしれないし、持っていないかもしれません。
ただ、最近の研究では、TNF遺伝子の突然変異が証明された症例のみTRAPSとして含められるべきであるとされるようになってきているようです。
それと言うのも、常染色体優性の遺伝形式を示すが、家族歴のない孤発例も報告されているからだそうです。
そんなわけで、実は発症のメカニズムがまだ十分に突き止められたとは言えないようなのです。
遺伝性疾患の可能性は高いが、例外と思える発症例がある以上断定には慎重になっているのですね。
TNF遺伝子のTNFとは、腫瘍壊死因子と呼ばれる白血球の出すサイトカインの一つです。
サイトカインは、特定の生理的調節機能に対して作用する白血球の出す生理活性物質の総称です。
突然変異が証明された場合された症例のみとするとは言え、特定の民族に発症例が集中している以上、遺伝性疾患としての性格を完全には無視しきれないはずです。
TRAPSは、遺伝的には優性遺伝のパターンをしめします。
これは単一家系内にそれぞれの世代に一人以上の患者が見いだされることを意味します。
事実、血族結婚が少しずつ、減少してきていることで、TRAPSのような複雑な疾患の発症は減ってきていると言います。
突然変異が証明された場合された症例のみとするなら、このような傾向を説明できるでしょうか。
この病気は一般的に発症を防ぐ方法はありません。
通常2週間から3週間間隔の弛帳熱で発症し、消化管の通過障害、痛みを伴う赤い発疹、筋肉痛、歯肉の腫脹を伴うことがあります。
常染色体とは、性染色体以外の染色体のことであり、ヒトの体細胞は22対、44本の常染色体を持ちます。 患者の子が同疾患を発症する可能性は、男女を問わず50%です。
TNF受容体関連周期性発熱症候群はごく最近認知され、理解されてきました。 TRAPSの臨床経過は、14パーセントは2次的にアミロイドーシスと呼ばれる腎病変に移行するが、それ以外は良性で自己完結型の疾患です。
良性とは、病気が良好な経過をたどって治癒する性質であること、あるいは,癌性でないことです。
アミロイドーシスとは、「アミロイド」と呼ばれる蛋白が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患で、日本では特定疾患いわゆる難病に指定されています。
どの程度の頻度の病気でしょうか。
TRAPSは確認された患者の数は100人以下の稀な疾患で、日本でもこれまで10例程度が報告されている程度のようですね。
日本の発症数は、推定でも、30人程度とみられています。
本当の疾患の頻度は現在でもよく解っていないが、発症に男女差はなく、発症年齢は年長児や成人に多い傾向があります。
TRAPSの経過には季節や風土は無関係であり、一生のうちどの時期に発症するかは予測できません。
TRAPSはTNFRと呼ばれるタンパク質に起きた遺伝的な異常で引き起こされると言われており、その異常が起きたタンパク質は患者の正常の免疫反応を過剰な方向に誘導すると言われています。
TNFRとはTNF受容体の略で、赤血球を除いた生体内の細胞に広く存在しているタンパク質です。
TNFと呼ばれる炎症性のホルモンは、TNFRで正常にコントロールされない場合、過剰に働き、炎症反応の程度を減少させます。
この欠陥は、発熱、悪寒、痛みなどの患者の不快な症状を説明できます。
感染や外傷、精神的なストレスは疾患を増悪させると言われています。
アミロイドーシスとTRAPSとの共通性はおそらく、どちらも慢性的な炎症性疾患であり遺伝的な要素をもっているということです。
主要な症状は繰り返す2週間から3週間続く発熱発作です。
発熱は悪寒戦慄、体幹部と上肢の筋肉痛を伴います。
典型的な発疹は赤色で皮膚や筋肉の炎症部位に一致した痛みを伴います。
大部分の患者が経験するのは、発作が起こる際の痙攣を伴う深い部位の筋肉痛で、少しずつ痛みは増悪していき、また四肢の他の部分にも広がっていきます。
吐き気と嘔吐を伴う広範な部位の腹痛が通常みられます。
眼瞼結膜と眼窩周囲の腫脹は、TRAPSに特徴的な所見だが、これは例えばアレルギーと言った他の疾患でも認められます。
以上のような特徴的な症状の出現の仕方は、発作期間の長短により異なった表れかたをします。
胸痛もまた、胸膜炎や心外膜炎の結果として出現することがあります。
アミロイドーシスは頻度は稀だがTRAPSの最も重篤な合併症です。
尿中に巨大な蛋白が出現し腎不全を引き起こします。
TRAPSの、症状の出現の仕方は多様です。 すなわち、発症している期間も発作のない時期の期間も症例により異なります。 主要症状の、出現の組み合わせもまた様々です。
これらの違いは、遺伝要因により説明できると思われます。
専門医は臨床症状と家族歴からTRAPSを疑います。
いくつかの血液検査結果は発作中の炎症反応の程度を検出するのに有効です。
TRAPSの診断の唯一の方法は、突然変異の証拠を遺伝子診断で確定することです。
鑑別診断としては、特に家族性地中海熱や高IgD症候群などが挙げられます。
TRAPSは時として成人スチル病や若年性関節リウマチと症状が類似しており、鑑別が必要となることもあると言います。
類似の症状としては、これらがあげられるそうです。
原因不明の発熱に加えて、同時に腹痛、筋肉痛、皮疹、関節痛、結膜炎・ 眼窩周囲浮腫、胸痛などの症状のうち、いくつかを合併することが多い。
症状は通常5日間以上持続し、長い場合には数カ月続くこともある。
これらの症状が数カ月から数年の周期で出現するという経過を繰り返す。
筋肉痛と皮疹は場所が移動しうる。
鑑別についての詳しくは、医師に尋ねてください。
遺伝性疾患の可能性が高い、このような症状があると紹介するのが、今回の目的ですので。
現在のところ、TRAPSに対する治療はありません。
NSAIDsは発作時の症状を緩和するのに役立ちます。
大量ステロイド療法(ステロイドパルス)はしばしば有効だが、逆に深刻な不利益をもたらすこともあります。
特異的なTNF阻害剤は、発熱発作の初期の患者には有効なことがあることも知られています。
発熱を予防する方法がないので、治療は急性期の症状がある時だけです。
生涯を通じて不定期に反復するのがTRAPSの自然経過です。
最悪の転帰をとるのはごく少数の患者ですが、2次性のアミロイドーシスが危険因子となります。
この危険因子は、遺伝的な要因と環境因子の両方が関係しますので簡単には決めつけられません。
アミロイドーシスは深刻な合併症であり、しばしば腎不全に移行します。
現時点では、この合併症が避けられるものかどうかの判定は誰にもできません。 完全に治癒する可能性は否定されていません。
実際、遺伝子的なTNFRの構造変化は、全身の機能に異常を引き起こしません。
さらに、発熱を引き起こす強力な物質にさらされなくなると、寛解が得られるかもしれません。
治療としては、発作時に副腎皮質ステロイド剤を投与することが多いそうです。
ただし症状の程度 には幅があり、安静や非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)のみでコントロールできる症例や、副腎皮質ステロイド剤に抵抗性の症例も存在すると言います。
難治性の場合には、抗TNF製剤(エタネルセプト)が有効な場合もあるそうです。
2014年6月 2日 (月) アフリカ, アメリカ, アラブ・アラビア, イスラエル・ユダヤ,
イタリア, スペイン・ポルトガル, フランス, ヨーロッパ, 心と体 | 固定リンク
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/tnftraps-eebd.html
日本人も家族性地中海熱と家族性アイルランド熱に注意したほうが良い。
日本人は西方から来た可能性があると話をしていたら、こんな感想が寄せられました。
『日本人は西方から来た』
私もそうに思います。
私は家族性地中海熱という遺伝性疾患を持っています。
詳しい事は、恐れ入りますが検索して下さい。
医者の話によると、地中海沿岸に暮らす民族に多い疾患で、日本人には稀であると言うことでした。
ですが、日本人である私と私の親族の遺伝子の中にセファルディ系ユダヤ人、北アフリカのアラブ人をはじめとする地中海沿岸部に暮らす民族と同じ劣性遺伝子が確実に存在しています。
ここからは個人的な意見ですがこの遺伝病、本当は日本人に多いんじゃないかな?と思っています。
日本人には起こらないと除外されていたせいで知られていないせいで、正しく家族性地中海熱と診断されずに他の病気の診断がされていたりしている日本人は結構いるのでは?
また、発症しない保因者としての日本人も多く存在しているのでは?と、思っています。
そこで、家族性地中海熱について検索してみました。
詳しいことは、家族性地中海熱で自分で検索してください。
説明すると長くなるからです。
たとえば、家族性地中海熱http://www.printo.it/pediatric-rheumatology/information/Japan/14.htmなどは、比較的よくまとまっています。
私が気になったところだけ、紹介しますね。
名前に地中海とあるのは、この病気は地中海沿岸域の人々や、中近東つまり、ユダヤ人特にセファルディ(スペイン・ポルトガル系のユダヤ人)・トルコ人・アルメニア人に現れるからです。
上記で説明したような地域や人種では、1000人に3人の割で病気がおこるが、他の地域では希です。
しかし、原因遺伝子がわかってからは、それまでこの病気はほとんどないと思われていた様な、イタリア人・ギリシャ人・アメリカ人の中にもこの疾患が見つかるようになりました。
家族性地中海熱は、伝染しません。
気候風土は、病気に影響しません。
家族性地中海熱は 腹部、胸部、関節の疼痛と腫脹を伴う発作性におこる発熱を特徴として、周期的に症状が繰り返される遺伝性の病気です。
家族性地中海熱の治療はシンプルで、コストも安く、大きな副作用も起こしません。
今日、コルヒチンがこの病気治療の唯一の薬です。
診断がついた患児は、一生涯コルヒチンの内服をします。
約60%の患者で、発作が現れなくなります。
30%で、一部効果があります。
5-10%の患者では効果がありません。
インターフェロンガンマや、抗TNF療法やサリドマイドによる治療の報告があるが、薬剤の効果と安全性では、コルヒチンの方が優れています。
患者の約90%が20歳前にこの病気を発症し、その半数以上が10歳前に発症します。
13対10で、男の子が女の子よりややなりやすい傾向にあります。
この病気に関係した遺伝子や、治療につながる遺伝子の解明が進んでいるところです。
家族性地中海熱は、常染色体劣性遺伝の場合です。
性染色体上には、この病気に関係した遺伝子は存在しません。
常染色体劣性遺伝というのは、父親の遺伝子から一つ、母親の遺伝子からひとつ 2つの変異した遺伝子がそろったときに病気が発症してくるということです。
つまり、両親伴にキャリアー、すなわち、病気の素因は持っているが病気にはなっていない場合です。
なので、家族内に たとえば、兄姉弟妹、いとこ、叔父 さらに、血縁関係のある遠い親戚の中に、この病気は散見されます。
この病気で、両親が家族性地中海熱と、キャリアーの組み合わせの時、病気全体の率ではわずかの率ですが、その子供は、2人に一人はこの病気を発症します。
わたしが注目したいのは、発症が報告される民族や地域のほとんどは、これまで日本人の起源との関わりで取り上げてきたところが多いことです。
遺伝子の異常に起因する周期性発熱には、他にも家族性アイルランド熱あるいはTNF受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)があります。
これについても、先に紹介したサイトに説明があります、
http://www.printo.it/pediatric-rheumatology/information/Japan/13.htm
アイルランドと言えば、ケルトが多い地域です。
アメリカのケネウィックで見つかった古代人骨は当初、あるイギリス人との類似が注目されました。
その人の出身地は、ケルトが多いことで知られる土地なのです。
後で、アイヌとの類似が見つかりましたけどね。
古代アメリカの先住民と日本先住民は、起源を同じくするのはほとんど常識になっているので当然過ぎる結果ですね。
幕末の日本に来たヨーロッパ人に中には、日本にはブリティッシュ的な顔の人々がいるという声もあったそうです。
日本でも家族性アイルランド熱の発症例があるなら、ケルトで日本とアイルランドは繋がっている可能性を疑っても良いかもしれませんね。
遺伝子による病気の情報を戴いたことは、これまでの探求の裏が取れたに等しいので、本当に感謝です。
追記
家族性地中海熱(平成22年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/707
1997年に家族性地中海熱の責任遺伝子として16番染色体に位置する MEFV (Familial
Mediterranean Fever gene)遺伝子が同定された。
患者は変異型MEFVのホモ接合体もしくは複合ヘテロ接合体(compound hetero)となる。MEFV遺伝子のコード蛋白であるPyrinの機能異常が、病因に関連していることが示唆されている。
TNF受容体関連周期性症候群(平成22年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/917
1999年にTNF受容体1型が責任遺伝子として同定され、その後欧米 を中心に日本、中東でも相次いでTNF受容体1型遺伝子異常が報告された。
常染色体優性の遺伝形式を示すが、家族歴のない孤発例も報告されている。
TNF 受容体1型の細胞外領域の特定のドメインに変異が集中しており、変異に伴う受容体の構造変化が病態形成にかかわっていると考えられている。
すなわち構造変 化をきたした変異受容体が細胞表面あるいは細胞内に過剰にとどまることが周期性に繰り返す炎症の原因であると推測されているが、詳しいメカニズムは不明である。
2012年2月17日 (金)
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e5e8.html
TNF受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)とも呼ばれる家族性アイルランド熱については、以前、日本でも発症例があることは触れたが、アイルランドがケルトの多い土地であり、日本とケルトの繋がりが見えることの方に注目したのでした。
詳しいことには、あまり踏み込みませんでしたね。
あの時は、家族性地中海熱の方がメインでしたからね。
改めてこの遺伝性疾患に注目したのは、この病気にもユダヤ人が絡んでいるからなのです。
家族性地中海熱と家族性アイルランド熱、どちらもユダヤ人が絡んでいるなら、日ユ同祖論者は喜んで飛びつきますね。
ただ、ユダヤ人が以外の発症者がいることを、どう見るかですね。
TRAPS患者は、今までのところ日本以外の東南アジア諸国において報告されていないと言います。
報告された最初の症例は、アイルランドとスコットランド系の人種でした。
その後それ以外の人種でも報告があったけどほとんどのTRAPSの患者は北ヨーロッパ系と中東系の人種で、ユダヤ人の名前はその中にあります。
フランス人、イタリア人、スペイン人、アルメニア人、プエルトリコ人、アルメニア人、ユダヤ人、アラブ人、カブール人、アフリカ系アメリカ人です。
東南アジアどころか、東アジアで見ても、日本だけでしょ。
家族性地中海熱は、ユダヤ人特にセファルディ(スペイン・ポルトガル系のユダヤ人)・トルコ人・アルメニア人、イタリア人・ギリシャ人・アメリカ人だから、イギリスを除けば似た地域ですね。
地中海やアメリカにまで症例が見つかったので今ではTRAPSと略称で呼ばれることが多いが、この遺伝性疾患もまた日本と地中海との繋がりを示すと言えますね。
TRAPSは、常染色体優性遺伝とみられてきました。
優性遺伝性の自己炎症性疾患であろうと思われ、皮疹、腹痛、筋痛、結膜炎、胸痛、関節痛に関連した発熱発作を繰り返すことを特徴とします。
強い腹痛を呈し、腹部手術に至る患者もいます。
遺伝性疾患なので、伝染することはありません。
常染色体優性遺伝は、Autosomal Dominant、ADと略され、常染色体上に存在する1対の遺伝子の一方に異常があれば発症します。
TRAPSの責任遺伝子は、12P13resionと言う12番目の遺伝子上に存在します。
この遺伝子の突然変異により異常なTNFレセプターが誘導され、それが不適当な炎症反応を引き起こします。
この遺伝子に関しては、33カ所の異なった突然変異が特定されています。
TRAPSを発症した子ども達は、胎児期の突然変異ではなく、この病気の遺伝子をTNFレセプター異常の遺伝子のキャリアである両親のどちらかから受け継いでいます。
この突然変異を持っている人は、TRAPSの臨床的な症状を持っているかもしれないし、持っていないかもしれません。
ただ、最近の研究では、TNF遺伝子の突然変異が証明された症例のみTRAPSとして含められるべきであるとされるようになってきているようです。
それと言うのも、常染色体優性の遺伝形式を示すが、家族歴のない孤発例も報告されているからだそうです。
そんなわけで、実は発症のメカニズムがまだ十分に突き止められたとは言えないようなのです。
遺伝性疾患の可能性は高いが、例外と思える発症例がある以上断定には慎重になっているのですね。
TNF遺伝子のTNFとは、腫瘍壊死因子と呼ばれる白血球の出すサイトカインの一つです。
サイトカインは、特定の生理的調節機能に対して作用する白血球の出す生理活性物質の総称です。
突然変異が証明された場合された症例のみとするとは言え、特定の民族に発症例が集中している以上、遺伝性疾患としての性格を完全には無視しきれないはずです。
TRAPSは、遺伝的には優性遺伝のパターンをしめします。
これは単一家系内にそれぞれの世代に一人以上の患者が見いだされることを意味します。
事実、血族結婚が少しずつ、減少してきていることで、TRAPSのような複雑な疾患の発症は減ってきていると言います。
突然変異が証明された場合された症例のみとするなら、このような傾向を説明できるでしょうか。
この病気は一般的に発症を防ぐ方法はありません。
通常2週間から3週間間隔の弛帳熱で発症し、消化管の通過障害、痛みを伴う赤い発疹、筋肉痛、歯肉の腫脹を伴うことがあります。
常染色体とは、性染色体以外の染色体のことであり、ヒトの体細胞は22対、44本の常染色体を持ちます。 患者の子が同疾患を発症する可能性は、男女を問わず50%です。
TNF受容体関連周期性発熱症候群はごく最近認知され、理解されてきました。 TRAPSの臨床経過は、14パーセントは2次的にアミロイドーシスと呼ばれる腎病変に移行するが、それ以外は良性で自己完結型の疾患です。
良性とは、病気が良好な経過をたどって治癒する性質であること、あるいは,癌性でないことです。
アミロイドーシスとは、「アミロイド」と呼ばれる蛋白が全身の臓器の細胞外に沈着する疾患で、日本では特定疾患いわゆる難病に指定されています。
どの程度の頻度の病気でしょうか。
TRAPSは確認された患者の数は100人以下の稀な疾患で、日本でもこれまで10例程度が報告されている程度のようですね。
日本の発症数は、推定でも、30人程度とみられています。
本当の疾患の頻度は現在でもよく解っていないが、発症に男女差はなく、発症年齢は年長児や成人に多い傾向があります。
TRAPSの経過には季節や風土は無関係であり、一生のうちどの時期に発症するかは予測できません。
TRAPSはTNFRと呼ばれるタンパク質に起きた遺伝的な異常で引き起こされると言われており、その異常が起きたタンパク質は患者の正常の免疫反応を過剰な方向に誘導すると言われています。
TNFRとはTNF受容体の略で、赤血球を除いた生体内の細胞に広く存在しているタンパク質です。
TNFと呼ばれる炎症性のホルモンは、TNFRで正常にコントロールされない場合、過剰に働き、炎症反応の程度を減少させます。
この欠陥は、発熱、悪寒、痛みなどの患者の不快な症状を説明できます。
感染や外傷、精神的なストレスは疾患を増悪させると言われています。
アミロイドーシスとTRAPSとの共通性はおそらく、どちらも慢性的な炎症性疾患であり遺伝的な要素をもっているということです。
主要な症状は繰り返す2週間から3週間続く発熱発作です。
発熱は悪寒戦慄、体幹部と上肢の筋肉痛を伴います。
典型的な発疹は赤色で皮膚や筋肉の炎症部位に一致した痛みを伴います。
大部分の患者が経験するのは、発作が起こる際の痙攣を伴う深い部位の筋肉痛で、少しずつ痛みは増悪していき、また四肢の他の部分にも広がっていきます。
吐き気と嘔吐を伴う広範な部位の腹痛が通常みられます。
眼瞼結膜と眼窩周囲の腫脹は、TRAPSに特徴的な所見だが、これは例えばアレルギーと言った他の疾患でも認められます。
以上のような特徴的な症状の出現の仕方は、発作期間の長短により異なった表れかたをします。
胸痛もまた、胸膜炎や心外膜炎の結果として出現することがあります。
アミロイドーシスは頻度は稀だがTRAPSの最も重篤な合併症です。
尿中に巨大な蛋白が出現し腎不全を引き起こします。
TRAPSの、症状の出現の仕方は多様です。 すなわち、発症している期間も発作のない時期の期間も症例により異なります。 主要症状の、出現の組み合わせもまた様々です。
これらの違いは、遺伝要因により説明できると思われます。
専門医は臨床症状と家族歴からTRAPSを疑います。
いくつかの血液検査結果は発作中の炎症反応の程度を検出するのに有効です。
TRAPSの診断の唯一の方法は、突然変異の証拠を遺伝子診断で確定することです。
鑑別診断としては、特に家族性地中海熱や高IgD症候群などが挙げられます。
TRAPSは時として成人スチル病や若年性関節リウマチと症状が類似しており、鑑別が必要となることもあると言います。
類似の症状としては、これらがあげられるそうです。
原因不明の発熱に加えて、同時に腹痛、筋肉痛、皮疹、関節痛、結膜炎・ 眼窩周囲浮腫、胸痛などの症状のうち、いくつかを合併することが多い。
症状は通常5日間以上持続し、長い場合には数カ月続くこともある。
これらの症状が数カ月から数年の周期で出現するという経過を繰り返す。
筋肉痛と皮疹は場所が移動しうる。
鑑別についての詳しくは、医師に尋ねてください。
遺伝性疾患の可能性が高い、このような症状があると紹介するのが、今回の目的ですので。
現在のところ、TRAPSに対する治療はありません。
NSAIDsは発作時の症状を緩和するのに役立ちます。
大量ステロイド療法(ステロイドパルス)はしばしば有効だが、逆に深刻な不利益をもたらすこともあります。
特異的なTNF阻害剤は、発熱発作の初期の患者には有効なことがあることも知られています。
発熱を予防する方法がないので、治療は急性期の症状がある時だけです。
生涯を通じて不定期に反復するのがTRAPSの自然経過です。
最悪の転帰をとるのはごく少数の患者ですが、2次性のアミロイドーシスが危険因子となります。
この危険因子は、遺伝的な要因と環境因子の両方が関係しますので簡単には決めつけられません。
アミロイドーシスは深刻な合併症であり、しばしば腎不全に移行します。
現時点では、この合併症が避けられるものかどうかの判定は誰にもできません。 完全に治癒する可能性は否定されていません。
実際、遺伝子的なTNFRの構造変化は、全身の機能に異常を引き起こしません。
さらに、発熱を引き起こす強力な物質にさらされなくなると、寛解が得られるかもしれません。
治療としては、発作時に副腎皮質ステロイド剤を投与することが多いそうです。
ただし症状の程度 には幅があり、安静や非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)のみでコントロールできる症例や、副腎皮質ステロイド剤に抵抗性の症例も存在すると言います。
難治性の場合には、抗TNF製剤(エタネルセプト)が有効な場合もあるそうです。
2014年6月 2日 (月) アフリカ, アメリカ, アラブ・アラビア, イスラエル・ユダヤ,
イタリア, スペイン・ポルトガル, フランス, ヨーロッパ, 心と体 | 固定リンク
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2014/06/tnftraps-eebd.html
日本人も家族性地中海熱と家族性アイルランド熱に注意したほうが良い。
日本人は西方から来た可能性があると話をしていたら、こんな感想が寄せられました。
『日本人は西方から来た』
私もそうに思います。
私は家族性地中海熱という遺伝性疾患を持っています。
詳しい事は、恐れ入りますが検索して下さい。
医者の話によると、地中海沿岸に暮らす民族に多い疾患で、日本人には稀であると言うことでした。
ですが、日本人である私と私の親族の遺伝子の中にセファルディ系ユダヤ人、北アフリカのアラブ人をはじめとする地中海沿岸部に暮らす民族と同じ劣性遺伝子が確実に存在しています。
ここからは個人的な意見ですがこの遺伝病、本当は日本人に多いんじゃないかな?と思っています。
日本人には起こらないと除外されていたせいで知られていないせいで、正しく家族性地中海熱と診断されずに他の病気の診断がされていたりしている日本人は結構いるのでは?
また、発症しない保因者としての日本人も多く存在しているのでは?と、思っています。
そこで、家族性地中海熱について検索してみました。
詳しいことは、家族性地中海熱で自分で検索してください。
説明すると長くなるからです。
たとえば、家族性地中海熱http://www.printo.it/pediatric-rheumatology/information/Japan/14.htmなどは、比較的よくまとまっています。
私が気になったところだけ、紹介しますね。
名前に地中海とあるのは、この病気は地中海沿岸域の人々や、中近東つまり、ユダヤ人特にセファルディ(スペイン・ポルトガル系のユダヤ人)・トルコ人・アルメニア人に現れるからです。
上記で説明したような地域や人種では、1000人に3人の割で病気がおこるが、他の地域では希です。
しかし、原因遺伝子がわかってからは、それまでこの病気はほとんどないと思われていた様な、イタリア人・ギリシャ人・アメリカ人の中にもこの疾患が見つかるようになりました。
家族性地中海熱は、伝染しません。
気候風土は、病気に影響しません。
家族性地中海熱は 腹部、胸部、関節の疼痛と腫脹を伴う発作性におこる発熱を特徴として、周期的に症状が繰り返される遺伝性の病気です。
家族性地中海熱の治療はシンプルで、コストも安く、大きな副作用も起こしません。
今日、コルヒチンがこの病気治療の唯一の薬です。
診断がついた患児は、一生涯コルヒチンの内服をします。
約60%の患者で、発作が現れなくなります。
30%で、一部効果があります。
5-10%の患者では効果がありません。
インターフェロンガンマや、抗TNF療法やサリドマイドによる治療の報告があるが、薬剤の効果と安全性では、コルヒチンの方が優れています。
患者の約90%が20歳前にこの病気を発症し、その半数以上が10歳前に発症します。
13対10で、男の子が女の子よりややなりやすい傾向にあります。
この病気に関係した遺伝子や、治療につながる遺伝子の解明が進んでいるところです。
家族性地中海熱は、常染色体劣性遺伝の場合です。
性染色体上には、この病気に関係した遺伝子は存在しません。
常染色体劣性遺伝というのは、父親の遺伝子から一つ、母親の遺伝子からひとつ 2つの変異した遺伝子がそろったときに病気が発症してくるということです。
つまり、両親伴にキャリアー、すなわち、病気の素因は持っているが病気にはなっていない場合です。
なので、家族内に たとえば、兄姉弟妹、いとこ、叔父 さらに、血縁関係のある遠い親戚の中に、この病気は散見されます。
この病気で、両親が家族性地中海熱と、キャリアーの組み合わせの時、病気全体の率ではわずかの率ですが、その子供は、2人に一人はこの病気を発症します。
わたしが注目したいのは、発症が報告される民族や地域のほとんどは、これまで日本人の起源との関わりで取り上げてきたところが多いことです。
遺伝子の異常に起因する周期性発熱には、他にも家族性アイルランド熱あるいはTNF受容体関連周期性発熱症候群(TRAPS)があります。
これについても、先に紹介したサイトに説明があります、
http://www.printo.it/pediatric-rheumatology/information/Japan/13.htm
アイルランドと言えば、ケルトが多い地域です。
アメリカのケネウィックで見つかった古代人骨は当初、あるイギリス人との類似が注目されました。
その人の出身地は、ケルトが多いことで知られる土地なのです。
後で、アイヌとの類似が見つかりましたけどね。
古代アメリカの先住民と日本先住民は、起源を同じくするのはほとんど常識になっているので当然過ぎる結果ですね。
幕末の日本に来たヨーロッパ人に中には、日本にはブリティッシュ的な顔の人々がいるという声もあったそうです。
日本でも家族性アイルランド熱の発症例があるなら、ケルトで日本とアイルランドは繋がっている可能性を疑っても良いかもしれませんね。
遺伝子による病気の情報を戴いたことは、これまでの探求の裏が取れたに等しいので、本当に感謝です。
追記
家族性地中海熱(平成22年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/707
1997年に家族性地中海熱の責任遺伝子として16番染色体に位置する MEFV (Familial
Mediterranean Fever gene)遺伝子が同定された。
患者は変異型MEFVのホモ接合体もしくは複合ヘテロ接合体(compound hetero)となる。MEFV遺伝子のコード蛋白であるPyrinの機能異常が、病因に関連していることが示唆されている。
TNF受容体関連周期性症候群(平成22年度)
http://www.nanbyou.or.jp/entry/917
1999年にTNF受容体1型が責任遺伝子として同定され、その後欧米 を中心に日本、中東でも相次いでTNF受容体1型遺伝子異常が報告された。
常染色体優性の遺伝形式を示すが、家族歴のない孤発例も報告されている。
TNF 受容体1型の細胞外領域の特定のドメインに変異が集中しており、変異に伴う受容体の構造変化が病態形成にかかわっていると考えられている。
すなわち構造変 化をきたした変異受容体が細胞表面あるいは細胞内に過剰にとどまることが周期性に繰り返す炎症の原因であると推測されているが、詳しいメカニズムは不明である。
2012年2月17日 (金)
http://cova-nekosuki.cocolog-nifty.com/blog/2012/02/post-e5e8.html