パキスタンを経由しての中国製武器が大量にISへ密輸されていることが判明した。 | 日本のお姉さん

パキスタンを経由しての中国製武器が大量にISへ密輸されていることが判明した。

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)12月14日(月曜日)弐
通算第4749号
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中国軍の改変は難産、七軍区を「五戦区」に再編は軍全体が不満噴出
当面「副主任」をひとり増員し、軍紀律委書記に劉源か
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習近平は軍の再編を指示し、9月の軍事パレードでは30万人を削減し、さらに後日、国連軍に8000名を派遣するとした。
しかし人民解放軍の効率的改変、再編作業は遅れに遅れている。

第一に既存の軍区それぞれが既得権益をもち、これを絶対に手放さないだろう。
また部隊長などは、ふたつ軍区が減らされると更迭、左遷、勇退、整理の対象になるのではないかと戦々恐々、再編への不満が爆発気味だという。

第二に軍区それぞれに付随する部隊の人事が必然的にともなくうえ、軍区所管の空軍、第二火砲部隊の再編は誰が決めるのか、どういう体系的方針があるのか不透明、これでは到底再編などとても無理であろうという声だ。

上層部の人事に関しては現在の「副主任」体制を、さらに一人増員させて、習近平側近らを充て、もっと強い人的結び付きで軍を掌握しようとしている。

現在の副主任は許其亮と氾長龍だが、いずれも胡錦濤の置きみやげ人事であり、習への忠誠心疑わしく、このため増員する「副主任」には太子党の張又峡(現「総装備部長」)か、北京武装警察司令員の王寧(習近平の子飼い)を充てるのではないか、との噂が飛んでいる。

他方、習の「軍師格」として昵懇の関係にあるのは劉源(総後勤部政治委員)を、中央軍事委員会の規律委員会書記に当て、反腐敗キャンペーンで、軍の腐敗構造に手をつっこませ、王岐山と同格の配置にするのではないか、との観測もある。
劉源はいうまでもなく劉少奇の息子、太子党でもあり、劉亜州と並んで「習近平のプライベートシンクタンンク」と言われた。

また軍のアルバイトは盛んであり、パキスタンを経由しての中国製武器が大量にISへ密輸されていることが判明した。

博訊新聞網(12月13日)に拠れば、中国は米ロについで世界三位の武器輸出国だが、「紛争当時国への武器輸出禁止」という列強の常識はまったく通じない。おもに小型ピストルなど中国製武器が確認されている。


樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1336回】
――「市店雜踏、穢臭衝鼻、覺頭痛??」(岡77)
岡千仞『觀光紀游』(岡千仞 明治二十五年)


これまでも岡は、孔孟の学問は後の中国の学問とは全く異なる。実学を求めた本来の孔孟の道は遥か昔に中国では廃れてしまった。実学重視の考えは、意外にも西洋近代の教育制度に生かされていると主張している。以下は岡の主張の集大成とも言えそうだ。

――孔孟の論ずるところは「大中至正」にあるが、後世の孔孟学徒は形式のみを紛々擾々と論ずるだけで、孔孟の学問の本質を考究しようとはしなかった。かくして現在に立ち至ったわけだが、『大学』は学問を論じて「格致」といい、「誠正」という。「誠正」とは「徳性」を尊ぶことであり、「格致」とはモノの本質を窮めること。徳性であり科学である。往古の三代の学には「誠正」と「格致」が鋳込まれていた。いま欧州の情況を概観すれば、宗教によって「徳性」を修めているが、上は王侯から下は衆庶に至るまで「救主(キリスト)」に誓い「十戒」を守る。だが、これは我が孔孟が論ずる志操の気高さとは異なる。

「格致」を深化させて「学問」となり、「天地萬物(てんちうちゅうのしくみ)」は実際に基づいて「實理」を極めるしかない。「政刑兵農工商(このよのいとなみ)」などありとあらゆる技芸は分れて「專門一科」となり実状に即するからこそ実業となる。それは万巻の書を渉猟して有り余る該博な知識を誇り、詩文を弄して名声を得て幸運にも財産を手にすることとは全く違うのだ。そんな世間の役に立たない行いなど、じつに恥ずべきことだ。

西欧は日に日に強大になり、こちらは衰退するばかり。それもこれも学問の神髄に対する心構えが違うからだろう。かねてから西欧の学問を是とし、中国古来の学問を非としてきたわけではない。じつは「三代の聖人」が天下を率い「誠正格致之學(しんのがくもん)」を行なっていたなら、現在のようなブザマな姿になろうはずもなかった。

これまでも説いてきたことだが、西洋では5歳にして小学校に進み、「語言文字圖畫算數體操。人生普通學科」を学ぶ。長ずるに及んで頭も良くなく困窮した家庭の子女は、「農商職工諸業(てんしょく)」に就いて生計の道を身につける。頭のいい子供は上級の中学に進学し、「天文地理動物植物(しぜんのことわり)」などを学び、自然科学の本質を窮める。その先は各科専門学校に入り、実際の情況に即して「實事」、つまり西欧流の人智を開き事業を成し遂げ宇宙が持つ生成化育の仕組みを学ぶことだ。

専門学校を修了したら、在学中に学んだ学科に従って仕事に就く。文武百官はいうまでもなく、農商業、あるいは紡織に携わり、懸命に理財に努め機器を改良する。まさに科学技術は学問が生み出すのである。

清国の惨状はいわずもがなではあるが、すでに往古三代の世では大学と小学を設置し、8歳の学童に「禮樂射御書數(じつようがくもん)」を教えていたではないか。三代の世に人材が輩出したのは、この制度があったからだ。(3月6日)――

実学を軽んじて廃し、古典の字面のみの詮索に固執して数千年。ついに中華王朝は断末魔の時を迎えた、ということだ。とはいうものの岡に逆らうようだが、往古三代にマトモな学問が行なわれていたとは到底信じ難い。

ここで現代に。毛沢東は人民に「専より紅」を求めた。専門知識(「専」)はその多寡や優劣によって人々に等級をつけ、何より平等を求める毛沢東式社会主義社会に格差を生む。だから誰もが「為人民服務」を柱とする毛沢東思想(「紅」)を断固として拳々服膺すべし、と。一方、毛沢東が築きあげた壮大な貧乏の共同体の解体という難事業に立ち向かった?小平が唱えた「白ネコでも黒ネコでもネズミを捕るネコがいいネコだ」は実事求是、つまり屁の役にも立たなかった毛沢東思想への断固たる決別宣言。かく考えると、?小平の決断は、岡による中国の伝統学問に対する批判と互いに通ずるようにも思えるのだ。
《QED》
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(読者の声1)貴誌通算第4748号 で、宮崎先生はコメントで「トルコはオスマントルコ帝国の再建を夢み、シリアは大アッシリア帝国の夢を見、サダムフセインがバビロニア帝国の再現をめざし、自らをネブカドネザルに擬していた」と仰言っていますが、正にその様に思えます。
英国のオズボーン財務相は嘗ての「大英帝国」を夢見、極東では支那が「大中華帝国」を夢みています。世界中では夢がいっぱいの様です。日本は一日も早く「GHQの悪夢」から目が覚めてもらいたいものです。
ところで、昨日の貴誌で「通州事件」をユネスコの記憶遺産に登録運動の記事がありましたが、大賛成です。
私は常々「日韓合邦時の記憶遺産」も良いのではと思っています。
合邦に至るまでの経緯、高宗皇帝から明治天皇に併合を依頼した手紙、一進会や一般庶民から日本政府に対して併合を依頼した手紙や電報、そして、海外のマスコミや海外諸国が日本の併合、経営を礼賛した新聞記事・・・・など。韓国政府は大反対の合唱でしょうが、歴史的事実、真実は感情論ではなく、歴史的資料・文献を元に世界に知らされるべきだと思います。
(AK生)


(読者の声2)フランス国民戦線などを日本の新聞が(日経、産経を含めて)「極右」と書いていますが、これは間違いではありませんか。左翼独特の言葉によるイメージ定着作戦に思います。かれらは健全な保守政治家では?
(SY生、三鷹)

(宮?正弘のコメント)その通りです。ちゃんとして保守思想に基づき国益を追求するナショナリストですが、左翼ジャーナリズムの意図的な曲解により、悪いイメージを定着させる戦術です。
70年安保のときでも「暴力学生」を「全共闘」とか、「ノンセクトラジカル」とか命名し極左暴力団とは報じませんでした。
一方で、良識派学生を「右翼学生」と呼んでいたように。
つまり私たちは依然として「言葉の戦争」に負けているのです。
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