7割の儲け | 日本のお姉さん

7割の儲け

大手の建設会社は、建売の仕事が入ると、子会社に丸投げするのだけど、その際に7割の儲けを持っていってしまうと、ネットで読んだ。
子会社は少ない費用で家を建てないといけないから、儲けを少しでも増やそうと「努力」する。
それで、手抜き工事の家やマンションができあがるというわけだ。
7割も儲けを持っていくわけは、事故が起こると、大手の会社が責任を持って修理や立て直しをしないといけないからだと言う。
それなら、ちゃんとした現場監督を派遣して、事故や手抜き工事が無いか責任を持ってチェックするべきなのに、それもしないらしい。
知っている教会も、建設会社に渡した工事費の大部分を建設会社が持っていき、残りのお金で下請けの会社が建てたので、すごく貧相なプレハブの教会になってしまったそうだ。
大手の建設会社が名前だけで仕事を手に入れて、下請けに丸投げして儲けを得る。
そんなおかしなことが当たり前になっているのは、日本だけなのかなあ~?

こうなったら、自分で家を建てないといけないかもね。

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杭打ち1次下請けの日立ハイテクが否定する「禁断の丸投げ」疑惑=近藤駿介

2015年10月29日
横浜市のマンション傾斜問題で、杭打ち工事に1次下請けとして関与した日立ハイテクノロジーズ<8036>は26日、2次下請けの旭化成建材に工事を「丸投げしていた認識はない」と釈明しました。

これについて元ファンドマネジャーの近藤駿介氏は、「会社側がこのように発言するのは当たり前」としたうえで、「万一、工事の丸投げが明らかになれば、建設業法で禁じられた『一括下請負』を認めることになり、営業停止処分となる恐れもある」との認識を示しました。

問題は旭化成建材に留まらず、発注者や元請を巻き込む展開に

「丸投げしていた意識はない」日立ハイテクの苦しい釈明

横浜市のマンション傾斜問題が発覚してから約2週間経過した10月26日、1次下請けという重要な立場にあった日立ハイテクノロジーズ社の社長が、ようやく公に謝罪をしました。

しかし、それは公の記者会見でも、住民説明会の場でもなく、同社のアナリスト向け決算説明会の席上であったことが理解できないところ。


「旭化成建材に丸投げしていた認識はない」(幹部)という日立ハイテクも品質管理への関与などが求められる現行の建設業法に照らせば、対応が十分だったとはいえない。
出典:傾斜マンション1次下請け 日立ハイテク、対応遅さ際立つ 事実関係は「調査中」 – 日本経済新聞

日立ハイテクノロジーズ社側は「2次下請けの旭化成建材に丸投げしていた意識はない」という認識を示しているようですが、会社側がこのように発言するのは当たり前のこと。

建設業法では、公共工事と民間工事における共同住宅の新築工事については、請け負った建設工事の全部またはその主たる部分を一括して他の業者に請け負わせる「一括下請負」は全面的に禁止されています。

ですから、「丸投げしていた認識」を持っていることを認めたら、それは即、建設業法違反を認めたことになってしまいます。


問題があった場合の責任は2次下請けが負うとの契約も結んでいたという。技術的な知見はなく、旭化成建材の担当者が改ざんした工事データの「信ぴょう性は判断できなかった」(日立ハイテク幹部)
出典:同・日本経済新聞

建設業法では、元請負人が自ら総合的に企画、調整及び指導(施工計画の総合的な企画、工事全体の的確な施工を確保するための工程管理及び安全管理、工事目的物、工事仮設物、工事用資材等の品質管理、下請負人間の施工の調整、下請負人に対する技術指導、監督等)を行うなど、「実質的に関与」していると判断されない場合は「一括下請負」に該当するとしています。

「技術的な知見」を持たず、「問題があった場合の責任は2次下請けが負うとの契約も結んでいた」としたら、たとえ「工事の進捗確認や現場の安全確保」を担当していたといっても実質的に「一括下請負」であったと疑われてもしかたありません。

Next: 「一括下請負」による丸投げ発覚なら営業停止処分も?
「一括下請負」による丸投げ発覚なら営業停止処分も?

また、「建設工事の発注者が受注者となる建設業者を選定するに当たっては、過去の施工実績、施工能力、経営管理能力、資力、社会的信用等様々な角度から当該建設業者の評価をする」(平成13年建設省建設経済局長 通達)ことが前
提とされていますから、発注者である三井不動産グループや元請である三井住友建設がなぜ「技術的な知見」を持たない日立ハイテクノロジーズ社を1次下請けに選定したのかにも疑問が残ります。

自ら「技術的な知見」を持っていないことを認め、「問題があった場合の責任は2次下請けが負うとの契約も結んでいた」会社を1次下請けに選定するということは、発注者も元請会社も実質的に「一括下請負」が行われることを黙認していたということになってしまいます。

「一括下請負は、発注者が建設業者に寄せた信頼を裏切る行為であることから、国土交通省としては、原則として営業停止処分により厳正に対処」「一括下請負は、下請工事の注文者だけでなく下請負人も監督処分(営業停止)の対象になります」というように、国土交通省は「一括下請負」に対して原則営業停止処分という厳しい対応を行う方針を示しています。

そのため、日立ハイテクノロジーズ社が今回の工事に「実質的に関与」していたのかも大きな焦点になりそうです。

日立ハイテクノロジーズ<8036> 日足(SBI証券提供)
日立ハイテクノロジーズ<8036> 日足(SBI証券提供)

これまで表舞台に顔を出してこなかった日立ハイテクノロジーズ社が登場したことで、マンション傾斜問題は、杭打ち技術担当者の個人的な問題から、発注者と元請会社を含む施工体制のあり方、業界の問題点へと広がりを見せる可能性が高くなったように思えます。

今回の問題を受け、旭化成建材が施工した工事の調査が行われていますが、もし今回のような「技術的な知見」を持たない業者を下請け業者にするという実質「一括下請負」が横行していたとしたら、問題は旭化成建材に留まらない可能性が高いように思います。

旭化成建材が施工した工事の洗い出しをすると同時に、日立ハイテクノロジーズ社が下請けに名を連ねた工事も洗い出す必要がありそうです。

『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2015年10月27日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
近藤駿介~金融市場を通して見える世界
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来た近藤駿介の、教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝えるマガジン。
http://www.mag2.com/p/money/6002

杭打ち工事、現場の言い分。データ再調査は「パンドラの箱」となるか?=近藤駿介
2015年11月1日
新たな不正が見つかり、日増しに批判の声が高まっているマンションデータ改ざん問題。この風潮に異を唱えるのが、30年前に元請会社の技術者として杭打ち工事を担当した経験を持つ、元ファンドマネジャーの近藤駿介さんです。自然相手の工事における「必要悪」としてのデータ改ざんとは?

マンションデータ改ざん問題、同情したくなる現場の実情

「施工の品質」と「データ改ざん」は別問題

案の定、新たなデータ改ざん・流用が見つかった。発注した地方公共団体もメディアのコメンテーターたちも、こぞって建設会社の体質などに問題があるという怒りのコメントを繰り返している。

お怒りはごもっともだが、忘れて欲しくないのは「施工の品質とデータの改ざん・流用とは別の問題」だということ。ちゃんと施工された物件でも、データの改ざん・流用と指摘されても仕方ない行為が行われることは多々あるのが現実。

今回新たに見つかったデータ改ざん・流用は4件だが、興味深いのは4件とも公営住宅、中学といった公共のもの、つまり公共事業として行われたものだというところ。

公共事業では、工事が完成するまでに数回の調査が実施される。ここでの問題は、調査する側の人間が「専門的知見」を持っていないこと。たとえ大学等で建築や土木の勉強をしていても、実務経験がゼロである限り、実務的な「専門的知見」は身につかない。

「専門的知見」を持たない人達による検査は必然的に、必要な書類が揃っているかという「形式検査」になる。特に杭打ちとか、薬注といった完成した状況を目で見て確認できない部分はほぼ100%「形式検査(マニュアル検査)」になる。

つまり、施工者側からいうと、必要な書類・データを揃えておくことが目的化するということ。これは施工の品質とは別問題。

自然相手の工事における「必要悪」としてのデータ改ざん

当たり前であるが、杭打ち工事は外で行われる。雨も降れば雪も降るし、風も吹く。当然機械が故障することも電子機器類が故障することもある。作業環境を同一に保つことで、不良品を限りなくゼロに近づけるように運営されている工場とは環境が180度異なるのだ。

流量計が故障する、データ用紙が詰まる、データが雨に濡れて滲むということは、現場では想定されるトラブルでしかない。

例えば、コンクリートを注入し始めた時にこうした想定されるトラブルが起きた場合、データが正確にとれるまで作業を中止するだろうか。そんなことはない。

コンクリートを打ち始めたら途中で止めることはできない。止めてしまうと、そこに継ぎ目が生じ、所定の強度を保てなくなるうえ、作業を止めてしまえば、コンクリートがミキサー車や配管の中で固まってしまいコンクリートの品質が低下するといった、品質の面で大きな障害が生じるからだ。

品質のいいコンクリートを打つということは、時間との戦いでもある。

こうした品質上の問題があるため、作業中に想定されるトラブルが生じた場合、作業続行を優先するというのは、品質管理を優先する現場監督としては当然の判断になる。

しかし、データがないと検査が通らない。検査に通らなければ施工代金を受取ることができない。そこで現場監督は事務所に戻ってから、検査に必要なデータを準備することになる。こうして施工品質とは関係なく、データ改ざん・流用が行われていくことになる。

Next: データ再調査は、全員を不幸にする「パンドラの箱」だ

『近藤駿介~金融市場を通して見える世界』(2015年10月30日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による

近藤駿介~金融市場を通して見える世界
ファンドマネージャー、ストラテジストとして金融市場で20年以上の実戦経験を持つと同時に、評論家としても活動して来た近藤駿介の、教科書的な評論・解説ではなく、市場参加者の肌感覚を伝えるマガジン。
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