マッハンタンの総面積の六倍が空室です
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月23日(金曜日)
通算第4695号
マッハンタンの総面積の六倍が空室です
中国の不動産バブルの付け、NYの繁華街六個分とは
****************************************
「中国不動産情報センター」の調査結果に拠れば、中国大手不動産企業45社のうち、75%が減益となり、25%は赤字経営に陥ったことが分かった(10月14日)。
「売れ残りの在庫処分には8年から10年を要するだろう」と不動産専門家はみているという。
北京では不動産の売れ残りが新築ビルの30%を占めるとも見られ、当局は頭金の低減、各種ローンの延長など、泥縄の対策を講じているが、まったく焼け石に水。
工事中断のビルが目立ち、夜はゴーストタウン化していることは、いまや世界承知の事実である。
不動産取得税、取引税で成り立っていた地方政府は歳入が激減しており、これは中央政府の歳入激減に繋がる。「中国の財政危機は過去三十年で最悪」(張智威ドイツ銀行ストラテジスト)。
なにしろ売れ残りだけでも、NYマッハンタンのテナント総面積の六倍というのである。
♪
(読者の声1)習主席の英国訪問と政府及び王室の対応についての感想を一言。
習主席は、女王が隣にいる晩餐会のスピーチで「日本の悪口」を言ったとか。
2度のアヘン戦争で英国にメタメタに国力をそがれ、それが大きな原因の一つで日清戦争ひいては日中戦争で日本に敗れた。
彼の「歴史認識」を問いたいくらいだが、今回の訪英で往復7兆円を超える商談が成約したことを聞かされると、やはり、[政治は現実」であることを改めて認識させられる。
更に政府・王室の「手厚い対応振り」を見せられると、政治はまたカネに弱いものであるコトの証とも見える。
ただ、老獪な英国外交のコト、どの様な深慮遠謀が隠さされているのかは知る由もないが、日本としてはある面でそれを期待したいところ。
(木内信胤信徒の一人)
♪
(読者の声2)チャールズ皇太子殿下は、習主席を招いた英国王室の晩餐に出席しましたが、翌日開かれた公式晩餐会は欠席です。
おそらく、女王陛下や英国政府の了解を得た十分に計算された動きでしょう。
英国政府と米国政府の対中姿勢も両者合わせて平均を取れば、バランスが取れているといえます。
意図的な連携か、天の配剤かはわかりませんが、。。。
(ST生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)英国は親中派になったのか、米英同盟は亀裂が入ったのか、などと質問をたくさん寄せられましたが、かの大英帝国は凋落しているとはいえ、情報でもっている金融国家です。
英国が損をする取引をするとは考えられませんし、今度の7兆円近い投資といえども、すべては一方的な中国側の投資であり、これがはたして実現するかどうか、不透明ではありませんか。
空騒ぎの趣き、なきにしもあらずです。
♪
(読者の声3)武蔵野市市議会は無責任です。調べもしないで意見を述べたりしており、緊急に有志あつまって武蔵野市で集会を開きます。
「多くの沖縄県民は辺野古移設を拒んではいませんーー武蔵野市議会の「無責任な意見書を撤回して下さい」
「国連人権委員会で証言した我那覇真子さんを迎えて武蔵野フォーラム」が開催されます。
記
とき 11月18日(水)午后六時半(六時開場)
ところ 武蔵野公会堂 大ホール
参加費 無料
基調報告 我那覇真子(琉球新報、丘縄タイムズを糺す県民、国民の会代表)
ゲストスピーチ 山田宏、呉善花ほか
呼びかけ人 加瀬英明、桜井よしこ、ケント・ギルバート、石平、高山正之
藤岡信勝、水島総、宮?正弘、宮脇淳子、八木秀次、渡辺登一ほか多数。
主催 沖縄の真実の声を聞く武蔵野市民の会
問い合わせ 090-3519-5402(高野)、090-2389-1932(越後)
宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月23日(金曜日)弐
通算第4696号
習近平訪英で総額7兆円の投資を約束したが
李嘉誠たったひとりの対英投資だけでも、かるく中国を凌駕していた
***********************
訪英はしたものの、英国王室と政界は騒いだが、庶民はさっぱり。産業界は疑いの目でみている。とくに鉄鋼業界は反中国感情が露骨であり、原子力業界は、中国の原子炉技術を疑う。
英マスコミの対中論調も冷たい。
投資額に目がくらんでいるのではないかとする声もあるが、たいした金額ではない。香港財閥第一の李嘉誠は、たった一人での英国投資は、かるく中国一国の投資額を超えていた。
2010年以来、李嘉誠が率いる長江実業と和記グループは総額250億ポンド。それまでの中国の対英国投資は総額で141億ポンドである。
欧州全体に対する中国の投資額は過去十年間に1550億ポンド、フランス、ドイツ、英国の順だった。
英国は李嘉誠に爵位を授与してもてなし、その破天荒な投資を歓迎してきた。
ちなみに李嘉誠がなして英国投資を一覧すると、
2000年 36億ポンドを投じて3G(電信送信企業)を買収
2010年 90億ポンドを投資し英国電網を買収
2011年 39億ポンドを投じて水力供給企業を買収
2012年 30億ポンドを投じてガス供給企業を買収
2014年 15億ポンドを投じて、商業地区施設を買収
2015年 10億ポンドで鉄道企業を買収し、同年103億ポンドで「02UK」社買収を提案。
これらは主としてユテリティ分野だが、ほかに高級住宅地開発、マンション群の建設を販売を手がけている。
□○ ◎□ □○ ◇○ ◎○ ◎○ □◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これほど衝撃的な情報が詰め込まれたチャイナレポートは珍しい
市井の「株民」(株式市場参加者)はひとり平均800万円を失った。
♪
近藤大介『中国経済「1100兆円破綻」の衝撃』(講談社α新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
表題にある「1100兆円」という意味は中国が公表しているGDPを日本円に換算した数字である。本書で述べられている概要は、この1100兆円がまるまる失われたという意味ではなく、中国経済の破綻を象徴する意味で筆者は使っている。
それにしても、本書で述べられていることは、すべてが衝撃的であり、これまではこういう話を聞いても眉唾といわれたものだったが、いまの読書界は、中国の公表数字をもはや誰も相手にせず、真実に近い数字、本当の中国経済の姿を知りたいと思うようになった。世の中の変化である。
日本の主流マスコミを見ても、随分と真実に近い報道をするようになったが、見出しは依然として作為的であり、昨今は中国人の「爆買い」ブームが「まだ去っていない」と、一縷の望みをインバウンドの中国人旅行者にかけているかのごとくでもある。
爆買いはいずれ「突然死」することは目に見えている。
中国国内に複数の情報源をもつ、筆者の近藤さんは同時に大連ダボス会議にも毎回出席して取材し、政治局、銀行や企業幹部に突撃インタビューをこなしてきた有数の情報通でもあり、実際に北京にも三年間駐在して経験をもつ。この北京時代、評者(宮崎)は北京へ行くと必ず氏と会って話を聞いたこともあった。
導入部のおもしろさは上海株暴落を、筆者が間近の友人・知己らが受けたショックを目撃したうえでの悲喜劇である。
抽象論ではなく、いかに庶民が大事なへそくりを失ったか、無理して借金して自殺へ追い込まれたかの過程を時系列に再現している。
テレビドラムの家庭崩壊という悲劇を見ているようでもある。
そして、人々がこれを「習近平暴落」と呼び、不況を「習近平不況」と呼び変えている現実を伝えてくれる。すでに「習近平暴落」は六回起こっている。
さらに筆者は習近平の権力闘争の裏面に大きくページを割いて、その背後の人脈と金脈を具体的事件、失脚した幹部と交錯させながら、スリラー小説風に描く。
まして、8月12日におきた「天津大爆発」事故は、江沢民派がしかけて習暗殺のプロットがあったのではないかと強く推測している。じつは評者(宮?)も、来週に出す新刊『中国のおわりに、いよいよ備え始めた世界』(徳間書店)のなかで、あの天津大爆発は暗殺未遂の可能性が高いことを詳述した。
いずれにしても、本書は日本のマスコミが伝えない中国の裏面をえぐった直近のチャイナレポートである。
♪
(読者の声1)以下のURLにFOX NEWSの韓国兵士によるベトナム人女性の性奴隷化に関する記事があります。ご参考までに。
http://www.foxnews.com/opinion/2015/10/13/president-park-should-use-us-visit-to-publicly-apologize-for-south-koreas-sexual-violence-in-vietnam.html
(ST生、千葉)
はやくもアマゾン(地域研究、中国部門)でベストセラー第一位!
宮崎正弘 vs 石平
『私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国』(ワック、定価972円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――大好評の宮崎正弘 vs 石平 対談シリーズ 第七弾。お待たせしました!
――予約募集中
http://www.amazon.co.jp/dp/4898317286
――今頃になって日本のマスコミは中国経済の崩壊予測を流し始めているが、バブル崩壊から、人民元の切り下げ、上海株暴落はふたりが以前から予測したとおりで、次におこることは未曾有のシナリオになる、とする。
――凄まじい権力闘争が中国国内で闘われている。日本のマスコミは、なぜ、その裏面をもっとつたえないのだろうか?
――中国論、必読の対話、封切り版です。
宮崎正弘のロングセラー
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
************
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 黄文雄『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
平成27年(2015)10月23日(金曜日)
通算第4695号
マッハンタンの総面積の六倍が空室です
中国の不動産バブルの付け、NYの繁華街六個分とは
****************************************
「中国不動産情報センター」の調査結果に拠れば、中国大手不動産企業45社のうち、75%が減益となり、25%は赤字経営に陥ったことが分かった(10月14日)。
「売れ残りの在庫処分には8年から10年を要するだろう」と不動産専門家はみているという。
北京では不動産の売れ残りが新築ビルの30%を占めるとも見られ、当局は頭金の低減、各種ローンの延長など、泥縄の対策を講じているが、まったく焼け石に水。
工事中断のビルが目立ち、夜はゴーストタウン化していることは、いまや世界承知の事実である。
不動産取得税、取引税で成り立っていた地方政府は歳入が激減しており、これは中央政府の歳入激減に繋がる。「中国の財政危機は過去三十年で最悪」(張智威ドイツ銀行ストラテジスト)。
なにしろ売れ残りだけでも、NYマッハンタンのテナント総面積の六倍というのである。
♪
(読者の声1)習主席の英国訪問と政府及び王室の対応についての感想を一言。
習主席は、女王が隣にいる晩餐会のスピーチで「日本の悪口」を言ったとか。
2度のアヘン戦争で英国にメタメタに国力をそがれ、それが大きな原因の一つで日清戦争ひいては日中戦争で日本に敗れた。
彼の「歴史認識」を問いたいくらいだが、今回の訪英で往復7兆円を超える商談が成約したことを聞かされると、やはり、[政治は現実」であることを改めて認識させられる。
更に政府・王室の「手厚い対応振り」を見せられると、政治はまたカネに弱いものであるコトの証とも見える。
ただ、老獪な英国外交のコト、どの様な深慮遠謀が隠さされているのかは知る由もないが、日本としてはある面でそれを期待したいところ。
(木内信胤信徒の一人)
♪
(読者の声2)チャールズ皇太子殿下は、習主席を招いた英国王室の晩餐に出席しましたが、翌日開かれた公式晩餐会は欠席です。
おそらく、女王陛下や英国政府の了解を得た十分に計算された動きでしょう。
英国政府と米国政府の対中姿勢も両者合わせて平均を取れば、バランスが取れているといえます。
意図的な連携か、天の配剤かはわかりませんが、。。。
(ST生、千葉)
(宮崎正弘のコメント)英国は親中派になったのか、米英同盟は亀裂が入ったのか、などと質問をたくさん寄せられましたが、かの大英帝国は凋落しているとはいえ、情報でもっている金融国家です。
英国が損をする取引をするとは考えられませんし、今度の7兆円近い投資といえども、すべては一方的な中国側の投資であり、これがはたして実現するかどうか、不透明ではありませんか。
空騒ぎの趣き、なきにしもあらずです。
♪
(読者の声3)武蔵野市市議会は無責任です。調べもしないで意見を述べたりしており、緊急に有志あつまって武蔵野市で集会を開きます。
「多くの沖縄県民は辺野古移設を拒んではいませんーー武蔵野市議会の「無責任な意見書を撤回して下さい」
「国連人権委員会で証言した我那覇真子さんを迎えて武蔵野フォーラム」が開催されます。
記
とき 11月18日(水)午后六時半(六時開場)
ところ 武蔵野公会堂 大ホール
参加費 無料
基調報告 我那覇真子(琉球新報、丘縄タイムズを糺す県民、国民の会代表)
ゲストスピーチ 山田宏、呉善花ほか
呼びかけ人 加瀬英明、桜井よしこ、ケント・ギルバート、石平、高山正之
藤岡信勝、水島総、宮?正弘、宮脇淳子、八木秀次、渡辺登一ほか多数。
主催 沖縄の真実の声を聞く武蔵野市民の会
問い合わせ 090-3519-5402(高野)、090-2389-1932(越後)
宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)10月23日(金曜日)弐
通算第4696号
習近平訪英で総額7兆円の投資を約束したが
李嘉誠たったひとりの対英投資だけでも、かるく中国を凌駕していた
***********************
訪英はしたものの、英国王室と政界は騒いだが、庶民はさっぱり。産業界は疑いの目でみている。とくに鉄鋼業界は反中国感情が露骨であり、原子力業界は、中国の原子炉技術を疑う。
英マスコミの対中論調も冷たい。
投資額に目がくらんでいるのではないかとする声もあるが、たいした金額ではない。香港財閥第一の李嘉誠は、たった一人での英国投資は、かるく中国一国の投資額を超えていた。
2010年以来、李嘉誠が率いる長江実業と和記グループは総額250億ポンド。それまでの中国の対英国投資は総額で141億ポンドである。
欧州全体に対する中国の投資額は過去十年間に1550億ポンド、フランス、ドイツ、英国の順だった。
英国は李嘉誠に爵位を授与してもてなし、その破天荒な投資を歓迎してきた。
ちなみに李嘉誠がなして英国投資を一覧すると、
2000年 36億ポンドを投じて3G(電信送信企業)を買収
2010年 90億ポンドを投資し英国電網を買収
2011年 39億ポンドを投じて水力供給企業を買収
2012年 30億ポンドを投じてガス供給企業を買収
2014年 15億ポンドを投じて、商業地区施設を買収
2015年 10億ポンドで鉄道企業を買収し、同年103億ポンドで「02UK」社買収を提案。
これらは主としてユテリティ分野だが、ほかに高級住宅地開発、マンション群の建設を販売を手がけている。
□○ ◎□ □○ ◇○ ◎○ ◎○ □◇
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
書評 しょひょう BOOKREVIEW 書評
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
これほど衝撃的な情報が詰め込まれたチャイナレポートは珍しい
市井の「株民」(株式市場参加者)はひとり平均800万円を失った。
♪
近藤大介『中国経済「1100兆円破綻」の衝撃』(講談社α新書)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
表題にある「1100兆円」という意味は中国が公表しているGDPを日本円に換算した数字である。本書で述べられている概要は、この1100兆円がまるまる失われたという意味ではなく、中国経済の破綻を象徴する意味で筆者は使っている。
それにしても、本書で述べられていることは、すべてが衝撃的であり、これまではこういう話を聞いても眉唾といわれたものだったが、いまの読書界は、中国の公表数字をもはや誰も相手にせず、真実に近い数字、本当の中国経済の姿を知りたいと思うようになった。世の中の変化である。
日本の主流マスコミを見ても、随分と真実に近い報道をするようになったが、見出しは依然として作為的であり、昨今は中国人の「爆買い」ブームが「まだ去っていない」と、一縷の望みをインバウンドの中国人旅行者にかけているかのごとくでもある。
爆買いはいずれ「突然死」することは目に見えている。
中国国内に複数の情報源をもつ、筆者の近藤さんは同時に大連ダボス会議にも毎回出席して取材し、政治局、銀行や企業幹部に突撃インタビューをこなしてきた有数の情報通でもあり、実際に北京にも三年間駐在して経験をもつ。この北京時代、評者(宮崎)は北京へ行くと必ず氏と会って話を聞いたこともあった。
導入部のおもしろさは上海株暴落を、筆者が間近の友人・知己らが受けたショックを目撃したうえでの悲喜劇である。
抽象論ではなく、いかに庶民が大事なへそくりを失ったか、無理して借金して自殺へ追い込まれたかの過程を時系列に再現している。
テレビドラムの家庭崩壊という悲劇を見ているようでもある。
そして、人々がこれを「習近平暴落」と呼び、不況を「習近平不況」と呼び変えている現実を伝えてくれる。すでに「習近平暴落」は六回起こっている。
さらに筆者は習近平の権力闘争の裏面に大きくページを割いて、その背後の人脈と金脈を具体的事件、失脚した幹部と交錯させながら、スリラー小説風に描く。
まして、8月12日におきた「天津大爆発」事故は、江沢民派がしかけて習暗殺のプロットがあったのではないかと強く推測している。じつは評者(宮?)も、来週に出す新刊『中国のおわりに、いよいよ備え始めた世界』(徳間書店)のなかで、あの天津大爆発は暗殺未遂の可能性が高いことを詳述した。
いずれにしても、本書は日本のマスコミが伝えない中国の裏面をえぐった直近のチャイナレポートである。
♪
(読者の声1)以下のURLにFOX NEWSの韓国兵士によるベトナム人女性の性奴隷化に関する記事があります。ご参考までに。
http://www.foxnews.com/opinion/2015/10/13/president-park-should-use-us-visit-to-publicly-apologize-for-south-koreas-sexual-violence-in-vietnam.html
(ST生、千葉)
はやくもアマゾン(地域研究、中国部門)でベストセラー第一位!
宮崎正弘 vs 石平
『私たちの予測した通り、いよいよ自壊する中国』(ワック、定価972円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――大好評の宮崎正弘 vs 石平 対談シリーズ 第七弾。お待たせしました!
――予約募集中
http://www.amazon.co.jp/dp/4898317286
――今頃になって日本のマスコミは中国経済の崩壊予測を流し始めているが、バブル崩壊から、人民元の切り下げ、上海株暴落はふたりが以前から予測したとおりで、次におこることは未曾有のシナリオになる、とする。
――凄まじい権力闘争が中国国内で闘われている。日本のマスコミは、なぜ、その裏面をもっとつたえないのだろうか?
――中国論、必読の対話、封切り版です。
宮崎正弘のロングセラー
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
************
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済!』(ワック、994円)
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 西部遭『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘 v 黄文雄『世界が知らない中国人の野蛮』(徳間書店)
宮崎正弘 v 佐藤優『猛毒国家に囲まれた日本』(海竜社)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示