エマニュエル・トッド、中国の未来を語るー自国の国民に対して使うべき富を海外に流出させているのです
予言者と言うより、全体の読みが上手い人。
予見ができる賢い人でいいでしょう。
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★予言者エマニュエル・トッド、中国の未来を語る
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
今日は、「予言者エマニュエル・トッドさんは、『中国の未来』についてどう考えておられるのか?」です。
エマニュエル・トッドさんは、フランス人の歴史人口学者。
1976年に「ソ連崩壊」を予言したのを皮切りに、今にいたるまで予測をあてつづけている、すごい方です。
文藝春秋ウェブ9月14日に掲載された、
【幻想の大国を恐れるな】
を参考にさせていただきます。
(読者の松本様から教えていただきました。ありがとうございます!)
元記事アドレスはこちら。↓
http://gekkan.bunshun.jp/articles/-/1414
▼中国という国
最近になって、「中国はもうダメだ!」という人が急増しました。
予言者エマニュエル・トッドさんは、違います。
「大昔から、中国はダメだ」といいつづけてきた。
その理由はなんでしょうか?
<ここ最近の株価の下落や経済成長率の鈍化などを見て、「中国の危機」を言い立てる人が急に増えてきました。
しかし私は、中国が桁外れの経済成長を続け、「このまま行けば世界トップの国になるかもしれない」などと言われていた時代から、「この国は非常に不安定で、問題の多い国家だ」と常に指摘してきました。
中国はずっと以前から不安定化に向かって走っており、いまは危機の兆候が顕在化してきたと見ています。>
▼中国経済の本質
中国経済が絶好調であった時代、日本でも「中国を見習え!」などという評論家があらわれはじめました。
日本から30年遅れている中国を「見習え」とは・・・・。
トッドさん、中国経済は、
「指導者が優秀だから発展した説」を一蹴します。
では、なぜ中国経済は驚異の成長をつづけてこれたのでしょうか?
<中国の経済は確かに急成長を遂げてきました。
しかし、それは自立的に達成したものではまったくありません。
アメリカやヨーロッパ、そして日本の資本家たちが中国にたくさん投資し、そしてまた中国からたくさん輸入する──
このモデルを作って、中国の最高指導者たちに受け入れさせてきた。
これこそが、中国の経済成長の実態です。>
中国経済は、
1、日欧米がたくさん投資して製品をつくる
2、日欧米が、それをたくさん輸入する
というモデルで成長してきた。
当たり前のことをいっているように思えますが、これのどこが問題なのでしょうか?
<つまり、この経済的な繁栄は、中国の指導者たちが有益な決断を主体的に下した結果、得られたものではなく、経済的な力関係の中で、西洋の資本主義諸国から押し付けられたものを受け入れたからこそ得られたものなのです。
一見、中国の最高指導者たちは賢そうに見えますが、実はそう賢くもありません。
彼らの進路を決めてきたのは、中国の膨大な人口を安価な労働力として「使ってきた」西洋のグローバル企業なのです。>
なるほど~~~~。
トッドさんによると「中国経済を発展させた主体」が違うのですね。
つまり、「中国共産党の指導者層が優秀だから経済が成長した」のではない。
ただ、「西洋のグローバル企業」が中国を「使ってきた結果」なのだと。
そういえば、2015年3月に起こった「AIIB事件」。
これでアメリカの支配層は、「なんか中国は『自分は偉い』と勘違いしているみたいだぞ」と気がついた。
その後、中国経済が急速にボロボロになっていったこと、皆さんも気づいておられるでしょう。
(中国経済の問題は前々から指摘されていたが、いまほど大声でさわがれていなかった。)
▼中国は、「世界の脅威」になりつつある
トッドさん、中国は「経済的にも軍事的にもたいしたことない」という見方。
しかし、一点中国の振る舞いで非常に懸念していることがあります。
それはなんでしょうか?
<私が危うさを感じているのは、その巨大国家が、ナショナリズムの熱狂によって自ら戦争に突き進んだかつてのヨーロッパの大国と同じような振る舞いをしていることです。>
確かに。
中国指導者の言動は、「20世紀前半の列強のようだ」と感じることがしばしばあります。
その中国のターゲットになっているのが、わが国日本。
気をつけなければなりません。
▼中国の「人口問題」
トッドさんは、現在の中国には、大きく「二つの問題」があると指摘されています。
1、人口問題
<中国では現在、猛スピードで少子高齢化が進んでいます。
まだ国家全体が豊かになっていないために、年金をはじめとする社会保障制度の整備もできないまま、高齢化社会を迎えてしまった。
これが近い将来、社会不安を増大させることは間違いありません。>
中国は、「一人っ子政策」という愚策によって、崩壊の道を歩んでいます。
ちなみにトッドさんは、「人口の動向」から、「ソ連崩壊」を予測しました。
ですから、トッドさんの予言はあなどれません。
▼中国の「経済問題」
2、経済問題
いまでは、誰もが「問題大あり」と認識しはじめた中国経済。
トッドさんは、
・高すぎる設備投資(スターリン時代の経済メンタリティーである)
・低すぎる内需
・高すぎる外需依存
などを問題としてあげています。
そして話題のAIIBについては?
<私はAIIBの設立は、時期尚早だったと考えています。
中国は経済的にまだ未熟で、自立できていない国です。
それが、自分のサイズを超えて手を広げているように見えるのです。>
中国といえば、世界中に金をバラマキ、影響力を着実に増しているように見えます。
それについては?
<中国は海外で多くの投資を行い、さまざまなものを買いあさっていますが、それ自体は経済的な成熟の証ではありません。
むしろ自国内でお金を使っていないことを表しています。
自国の国民に対して使うべき富を海外に流出させているのです。>
いわれてみれば、ですね。
▼日本はどうするべきか?
というわけで、予言者エマニュエル・トッドさんによると、中国の未来は暗そうです。
中国に進出している企業群も、実は気づいている。
それで、「チャイナ プラス ワン」などといって、東南アジア諸国に生産拠点を移す動きが加速しています。
日本に戻ってきている企業も多いのですね。
全世界が中国経済の問題点に気がつきはじめた今日。
日本企業は、「帰国」されてはいかがでしょうか?
日本政府も、困っている日本企業の「救済策」をとるべきです。
政府は、東日本大震災の被害が大きかった、
福島県、宮城県、岩手県
で一定数雇用した企業の法人税を「ゼロ」にするべきです。
そして、「外国(中国と名指ししてはいけない)で生産している企業の皆さん、戻ってきて復興を手伝ってくださいませんか?」
と呼びかけます。
そうすれば、外国から大挙して企業が戻ってきて、復興が急速に進むことでしょう。
日本企業は、来るべき中国の経済破局から救われます。
被災県の皆さんは、仕事を見つけることができ、収入を得て、幸せな生活を送ることができるようになるでしょう。
そして、安倍総理の支持率も大いに上がることでしょう。
是非ご検討いただければと思います。
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●面白かったら、拡散お願いいたします。>
予見ができる賢い人でいいでしょう。
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★予言者エマニュエル・トッド、中国の未来を語る
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
今日は、「予言者エマニュエル・トッドさんは、『中国の未来』についてどう考えておられるのか?」です。
エマニュエル・トッドさんは、フランス人の歴史人口学者。
1976年に「ソ連崩壊」を予言したのを皮切りに、今にいたるまで予測をあてつづけている、すごい方です。
文藝春秋ウェブ9月14日に掲載された、
【幻想の大国を恐れるな】
を参考にさせていただきます。
(読者の松本様から教えていただきました。ありがとうございます!)
元記事アドレスはこちら。↓
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▼中国という国
最近になって、「中国はもうダメだ!」という人が急増しました。
予言者エマニュエル・トッドさんは、違います。
「大昔から、中国はダメだ」といいつづけてきた。
その理由はなんでしょうか?
<ここ最近の株価の下落や経済成長率の鈍化などを見て、「中国の危機」を言い立てる人が急に増えてきました。
しかし私は、中国が桁外れの経済成長を続け、「このまま行けば世界トップの国になるかもしれない」などと言われていた時代から、「この国は非常に不安定で、問題の多い国家だ」と常に指摘してきました。
中国はずっと以前から不安定化に向かって走っており、いまは危機の兆候が顕在化してきたと見ています。>
▼中国経済の本質
中国経済が絶好調であった時代、日本でも「中国を見習え!」などという評論家があらわれはじめました。
日本から30年遅れている中国を「見習え」とは・・・・。
トッドさん、中国経済は、
「指導者が優秀だから発展した説」を一蹴します。
では、なぜ中国経済は驚異の成長をつづけてこれたのでしょうか?
<中国の経済は確かに急成長を遂げてきました。
しかし、それは自立的に達成したものではまったくありません。
アメリカやヨーロッパ、そして日本の資本家たちが中国にたくさん投資し、そしてまた中国からたくさん輸入する──
このモデルを作って、中国の最高指導者たちに受け入れさせてきた。
これこそが、中国の経済成長の実態です。>
中国経済は、
1、日欧米がたくさん投資して製品をつくる
2、日欧米が、それをたくさん輸入する
というモデルで成長してきた。
当たり前のことをいっているように思えますが、これのどこが問題なのでしょうか?
<つまり、この経済的な繁栄は、中国の指導者たちが有益な決断を主体的に下した結果、得られたものではなく、経済的な力関係の中で、西洋の資本主義諸国から押し付けられたものを受け入れたからこそ得られたものなのです。
一見、中国の最高指導者たちは賢そうに見えますが、実はそう賢くもありません。
彼らの進路を決めてきたのは、中国の膨大な人口を安価な労働力として「使ってきた」西洋のグローバル企業なのです。>
なるほど~~~~。
トッドさんによると「中国経済を発展させた主体」が違うのですね。
つまり、「中国共産党の指導者層が優秀だから経済が成長した」のではない。
ただ、「西洋のグローバル企業」が中国を「使ってきた結果」なのだと。
そういえば、2015年3月に起こった「AIIB事件」。
これでアメリカの支配層は、「なんか中国は『自分は偉い』と勘違いしているみたいだぞ」と気がついた。
その後、中国経済が急速にボロボロになっていったこと、皆さんも気づいておられるでしょう。
(中国経済の問題は前々から指摘されていたが、いまほど大声でさわがれていなかった。)
▼中国は、「世界の脅威」になりつつある
トッドさん、中国は「経済的にも軍事的にもたいしたことない」という見方。
しかし、一点中国の振る舞いで非常に懸念していることがあります。
それはなんでしょうか?
<私が危うさを感じているのは、その巨大国家が、ナショナリズムの熱狂によって自ら戦争に突き進んだかつてのヨーロッパの大国と同じような振る舞いをしていることです。>
確かに。
中国指導者の言動は、「20世紀前半の列強のようだ」と感じることがしばしばあります。
その中国のターゲットになっているのが、わが国日本。
気をつけなければなりません。
▼中国の「人口問題」
トッドさんは、現在の中国には、大きく「二つの問題」があると指摘されています。
1、人口問題
<中国では現在、猛スピードで少子高齢化が進んでいます。
まだ国家全体が豊かになっていないために、年金をはじめとする社会保障制度の整備もできないまま、高齢化社会を迎えてしまった。
これが近い将来、社会不安を増大させることは間違いありません。>
中国は、「一人っ子政策」という愚策によって、崩壊の道を歩んでいます。
ちなみにトッドさんは、「人口の動向」から、「ソ連崩壊」を予測しました。
ですから、トッドさんの予言はあなどれません。
▼中国の「経済問題」
2、経済問題
いまでは、誰もが「問題大あり」と認識しはじめた中国経済。
トッドさんは、
・高すぎる設備投資(スターリン時代の経済メンタリティーである)
・低すぎる内需
・高すぎる外需依存
などを問題としてあげています。
そして話題のAIIBについては?
<私はAIIBの設立は、時期尚早だったと考えています。
中国は経済的にまだ未熟で、自立できていない国です。
それが、自分のサイズを超えて手を広げているように見えるのです。>
中国といえば、世界中に金をバラマキ、影響力を着実に増しているように見えます。
それについては?
<中国は海外で多くの投資を行い、さまざまなものを買いあさっていますが、それ自体は経済的な成熟の証ではありません。
むしろ自国内でお金を使っていないことを表しています。
自国の国民に対して使うべき富を海外に流出させているのです。>
いわれてみれば、ですね。
▼日本はどうするべきか?
というわけで、予言者エマニュエル・トッドさんによると、中国の未来は暗そうです。
中国に進出している企業群も、実は気づいている。
それで、「チャイナ プラス ワン」などといって、東南アジア諸国に生産拠点を移す動きが加速しています。
日本に戻ってきている企業も多いのですね。
全世界が中国経済の問題点に気がつきはじめた今日。
日本企業は、「帰国」されてはいかがでしょうか?
日本政府も、困っている日本企業の「救済策」をとるべきです。
政府は、東日本大震災の被害が大きかった、
福島県、宮城県、岩手県
で一定数雇用した企業の法人税を「ゼロ」にするべきです。
そして、「外国(中国と名指ししてはいけない)で生産している企業の皆さん、戻ってきて復興を手伝ってくださいませんか?」
と呼びかけます。
そうすれば、外国から大挙して企業が戻ってきて、復興が急速に進むことでしょう。
日本企業は、来るべき中国の経済破局から救われます。
被災県の皆さんは、仕事を見つけることができ、収入を得て、幸せな生活を送ることができるようになるでしょう。
そして、安倍総理の支持率も大いに上がることでしょう。
是非ご検討いただければと思います。
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