「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」ベトナムへ巡視艇6隻を追加供与 | 日本のお姉さん

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」ベトナムへ巡視艇6隻を追加供与

ベトナムへ巡視艇6隻を追加供与

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)9月16日(水曜日)弐
通算第4695号

安倍首相、ベトナム書記長と会談、中国の軍事力へ深刻な懸念
巡視艇を追加で6隻供与、安保問題で共同歩調を確約
*********************************

9月15日、ベトナムの国家元首にあたるグエン・フー・チョン書記長が来日し、安倍首相との会談で「南シナ海の埋立て」などに「深刻な懸念」を表明した。

かねて日本はベトナムに巡視船の供与を約束してきたが、追加で中古船六隻の供与を決めた。この中古船は巡視船に改造できる。

このほか、中国軍の南シナ海進出に関して情報の共有化、レーダーの供与なども話し合われた模様である。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150915-00050152-yom-pol

********
ベトナムの声を聞こう!

――土曜日に「南シナ海をめぐる特別シンポジウム」が茗荷谷の拓殖大学で開催されます。一般の方も予約なしで参加できます。
中国がかってに珊瑚礁を破壊し、人口島を造成し、滑走路など軍事施設を建設、アジア諸国が総立ちで怒り、米国も抗議している。
ベトナムの訴えを中心にシンポジウムが行われます。

とき 9月19日(土)10時30分~12時00時
第一部 シンポジウム 「南シナ海をめぐる中越関係と日本」
同日 13時00分~15時00分
第二部 「南シナ海をめぐる中越関係に関するワークショッ
プ」
「ベトナムからの証言 中国の南シナ海進出の実態」(宮崎
正弘ほか)
ところ 拓殖大学文京キャンパス E館101教室 (通称)新渡戸ホール
(東京都文京区小日向3-4-14)
資料代 おひとり千円(第二部だけの方も同額です)
内容 「ベトナム人からの証言」
デイン・ホアン・タング氏
ホアン・ベト氏
主催 午前 拓殖大学海外事情研究所
午後 南シナ海問題を考える会


◆書評 ◇しょひょう ▼ブックレビュー
~~~~~~~~~~~

日本は随分とユダヤ人に助けられたものである
日露戦争の戦費調達ばかりか、日露戦争の軍艦もユダヤ人の造船技術だった


佐藤唯行『日本の恩人 ユダヤ人』(日新報道)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@

誰もが知っているのは日露戦争の戦費を調達して呉れたのがユダヤ人の大財閥ジェイコブ・シフだったことだろう。

この物語は渡米した高橋是清(当時日銀副総裁)との友情関係でも語られたが、シフの本音はロシアで虐待され続けたユダヤ人の怨念を晴らし、ユダヤ人の出国を助長するために、日本がロシアを負かすことが重要と考えていた。

シフが引き受けて呉れた日本の公債は2億円強。これは日露戦争の戦費の25%である。

対馬沖海戦の大勝利は英雄・東郷平八郎の大胆な作戦、英国諜報網の背後からの支援にあるが、「わが主力艦隊、即ち旗艦三笠以下、6隻の戦艦と8隻の装甲巡洋艦の購入代金が1億2000万円だった」。

そのうえシフは追加の公債も、ドイツに打電し、ハンブルグのユダヤ財閥ウォーバーグ家に販売を依頼していた。これはポーツマスの講話談判決裂にそなえての措置でもあった。

日露戦争の戦費調達に協力してくれたユダヤ人はほかにも大勢いた。
フランスのアルベール・カーンを忘れることができない。

「カーンは南アフリカのダイヤモンド鉱山デビアス社の株投資で莫大な利益を築き上げて」いた。
しかし日本はまさかフランスには期待していなかったのだが、それというのも、「フランスはロシアとの間で露仏同盟をいう強固な政治、軍事上の協力協定を結んで」いたからだった。

実はカーンは日露戦争の8年前に来日経験があり、大の親日家だった。

カーンは渋沢栄一とのつきあいも古く深く、ほかにも当時の日本の実業界を代表した大倉喜八郎、増田孝(日本経済新聞の創始者)らとも親交があった。

話は前後するが、日清戦争での日本の勝利もユダヤ人が関係している。
ユダヤ系のヤーロン社製装甲水雷艦が「威海衛夜襲でいかんなく威力を発揮した。

(中略。北洋艦隊の)巡洋艦威遠と砲艦宝?を撃沈、巡洋艦来遠を転覆」させたが、大きな軍艦はWASP企業が製造ノウハウと販路を握っていたため、ユダヤ系は「小型艦艇の建造に特化せざるを得なかった」という偶然が作用した。

本書には、このほか、これまで知られなかったユダヤ人と日本との意外な結び付きが多数紹介されており、教えられる事項が多かった。

他方、日本に余計なことをしてくれたGHQの憲法の制定にもユダヤ人がからみ、労働法など法律の改悪にも一役買っている。

評者(宮崎)は貿易会社を10年ほど経営していたので、世界各地のユダヤ人とも付き合ったが、なかにはたちの悪い詐欺師まがいもいたし、値切るだけ、ほかに能のないシビアなユダヤ人もいた。

米国の金融エリートたちは、イスラエルに批判的で、しかも金儲け以外に殆ど興味ないユダヤ系もが多かった。

したがってユダヤ人も千差万別、一概に親日派ばかりとは言えない。

戦後は企業買収などでマッチポンプのユダヤ人も多く、さらにいえば、世界金融を操ろうとするグループにも、ユダヤ人が多い。

本書は、後半で、こうしたユダヤ人を善意のもとに書いていることは気になった。


(読者の声1)軍事政権と不敬罪に批判的な記事を執筆したタイ・ネー
ション紙の記者が、軍事政権によって日曜日から拘束されているようです。

ネーション紙は即時釈放要求しています。また、タマサート大でのセミナーで平等原則発言をした74歳男性は拘束され、「二度とこうした発言はしない」といわされて釈放されたようです。

タイの軍事政権下では表現の自由はないみたいですね。

http://www.prachatai.com/english/node/5467
http://www.prachatai.com/english/node/5465
(R生、ハノイ)

(宮崎正弘のコメント)軍事政権であろうがなかろうが、完全なる言論の自由はタイにはありません。就中、国王に関しての批判は許されていません。

カンボジア、ラオス、ベトナムにも言論の自由はありません。
あるのは、ミャンマー、マレーシアくらい。フィリピンはさすが米国の占領ながく、米流ですから言論の自由はかなり高い。

シンガポールも疑似民主主義、言論の自由があるようで、ない。むしろ、香港のほうが言論の自由は台湾なみにあるとみて良いのではないでしょうか。


(読者の声2)最近急増している欧州への移民・難民ですが、中東からドイツを目指す難民について興味深い指摘があります。

「短足おじさん」のブログでドイツ在住の丸山光三さんという方からの「ドイツで発生しているのは移民問題ではなく戦争であるという件」というコメントなどをまとめたもの。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1163.html
2015-09-14 09:57

欧州の移民問題は新たな戦争?

9月12日に「ドイツの移民受け入れに思う事」をエントリーした。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1162.html

此処にドイツ在住の丸山光三さんから極めて興味深いコメントを頂いた。
このコメントを紹介しながらこの問題をもう少し考えてみたい。

最初に丸山光三さんのコメント

「独逸で発生しているのは移民問題ではなく戦争であるという件
まず結論から述べます。北イラクのクルド人対ISIS(その背後のトルコ)に関与してしまったドイツ政府に対するトルコ政府の報復がドイツへ押し寄せるシリア難民です。

事の経緯はこうです。
トルコ東南部、シリア、北イラク、西イランにまたがるクルデイスタンの復興建国をめざすクルド人(その総人口3千万人)の独立闘争はトルコにとって眼中の釘、獅子身中の虫です。

8日、北イラクとトルコ南東部の国境地帯でPKK(クルド労働党)部隊がトルコの国境警備隊を攻撃し16人を殺害しました。トルコ軍が国境を超えて北イラクへ進撃したからです。

2013年両者は停戦に合意していました。しかし、北イラクとシリアの混乱においてISISと激しく対立し武装闘争をするクルド人に対しドイツ政府が武器と軍事顧問団を派遣し間接的にISISに対する闘争に関与した。暗にISISを支持し実質的にISISの後方基地となっているトルコ政府がこれに不快感をもったのは当然でしょう。

7月、トルコ政府はISISへの空爆と称して其の実クルド人部隊への空爆を実施した。これで2年来の停戦が破られた。現在両者間の戦争は拡大中です。

トルコ政府は、最近これまで受け入れていた北イラクとシリアの難民170万人を陸続とドイツへと放出中です。三歳児の溺死死体の胡散臭いプロパガンダを観よ。これがいま欧州とくにドイツを混乱させるシリア難民の真相でしょう。

ゆえに、ドイツへ押し寄せる難民の大部分は実はクルド人であろうということが容易に想像されます。その事実はまもなく明らかになるでしょう。

なぜドイツ政府が国民への十分な説明もなしに北イラク紛争に介入したのか、なぜトルコ政府はこれまでのような対クルド宥和政策を転換して対立政策をとるのか、すべて奇怪な経緯で歴史に登場したISISの背景と関係がありそうです。
2015-09-13 02:22 URL 丸山光三 」

更に丸山光三さんはご自身のブログにこの意見をもっと詳しく解説されている。詳細はこちらも参照ください。
http://marcooichan2.blog129.fc2.com/blog-entry-4869.html


問題を整理するために欧州に押し寄せている移民・難民問題がどうなっているか
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-1153.html

ここでこんな図を紹介しました

2015-8-30難民ルートby読売新聞一面

移民・難民問題には大雑把にいって二つのルート、一つは北アフリカのリビア辺りに集結してそこから船で地中海を渡るルート、
彼らの目指す最終目的地はイギリスである。しかしイギリスへはドーバー海峡が有る為簡単には渡れない。イギリスも簡単には受け入れしない。

もう一つのルートが中東シリア難民が中心でトルコ、ギリシア、マケドニア、セルビア、ハンガリー、オーストラリアを通って、最終目的地はドイツである。(上掲の図の右側のルート)

ハンガリーからの情報によれば
「今年の1~8月に17万人の難民がシリア、イラク、アフガニスタンなどからハンガリーに不法入国している。多くの難民はトルコ、ギリシャ、マケドニア、セルビアを経由してハンガリーに入り、より豊かで難民に友好的なドイツなどに落ち着くことを望んでいる。」
http://jp.wsj.com/articles/SB11970227293124023368304581227690669134146?mod=WSJJP_hpp_MIDDLENexttoWhatsNewsSecond

こんな凄い数の移民集団がドイツを目指している訳だ。
尚この人数がいかに凄いか、日本で東日本大震災の場合、震災直後の避難者は推計47万人、2015年8月末現在19万8513人。
これは言葉の通じる日本人の中での事で、しかも避難者は住む所を失ったり、職場を失ったりしたが、国を失ったわけではない。
ドイツを目指す移民たちは若い人が中心で、何もかも捨てて逃げ出した人たちが中心なのだ。

そしてこの図は第一次大戦でも同盟国の図。

2015-9-14第一次大戦の同盟国の図

第一次大戦の同盟国はドイツ帝国・オーストリア=ハンガリー帝国・オスマン帝国・ブルガリアの4カ国
今ドイツを目指す移民たちの関係国を見ると第一次大戦の関係国と妙に重なっている。


ドイツの移民80万人受け入れ政策は多分こんな積年の問題を浮き彫りにしたのではないだろうか。
http://mainichi.jp/select/news/20150901k0000e030218000c.html


冒頭紹介した丸山光三さんのコメント
独逸で発生しているのは移民問題ではなく戦争であるという件
まず結論から述べます。北イラクのクルド人対ISIS(その背後のトルコ)に関与してしまったドイツ政府に対するトルコ政府の報復がドイツへ押し寄せるシリア難民です

この問題は第一次大戦以来の積年の問題が今噴き出した、そんな事ではないでしょうか。

そして今欧州マスゴミは可哀そうだキャンペーン実行中。
例えばこんなモノ

<以下引用>

http://www.afpbb.com/articles/-/3060090?pid=16437511&page=2
同情か罪の償いか、ドイツ人が難民を支援する理由
2015年09月12日 15:31 発信地:ベルリン/ドイツ

【9月12日 AFP】ドイツの年金生活者フランク・ディトリヒ(Frank Dittrich)さんはこの4週間、午前8時から午後7時までベルリン(Berlin)の難民登録センターに並ぶ人たちに飲み水を渡している。

「家でテレビの前に座っているよりもずっと有意義な時間の使い方だよ」と、ディトリヒさんはAFPに語る。「登録希望者が多すぎて政府には絶対に対応しきれない。だから手伝わないとね」と、ディトリヒさんはあっさりとした口調で語った。

今年予想されている難民申請者80万人の受け入れ準備が進められているドイツでは、ディトリヒさんのような大勢の市民が、第2次世界大戦(World War II)後最大規模の難民支援に自発的に参加して
いる。

難民の一時収容施設の隣に自宅兼スタジオを構えるアーティストのアンデレル・カマーマイアー(Anderl Kammermeier)さんは「毎週末、あるいは毎晩、難民のための物資を積んだ
車が次々にやってくるのが見える」と語る。

「われわれの歴史、ドイツの記憶と関係していることなのだろう。ほぼ全てのドイツ人は、かつて難民あるいは移民だった家族を持っている」

ノーベル文学賞作家ヘルタ・ミュラー(Herta Mueller)氏は「私も難民だった」と題した独大衆紙ビルト(Bild)の論説で、ナチス・ドイツ(Nazi)の統治下で数十万人規模のドイツ人が国を逃れたことや、その後に大勢のドイツ人が東欧や東ドイツの共産圏を逃れたことを振り返り、「ナチスを逃れて亡命した人々はみんな助かった。

…過去に他の国々がドイツ人にしてくれたことを、ドイツもしなければならない」と述べた。

歴史家のアルヌルフ・バーリング(Arnulf Baring)氏は「われわれが今行っている善行はなんであれ、過去にわれわれが犯した悪行、とりわけナチス時代のそれとつながりがある」と述べる。

同氏によると、反移民の論調が出るたびに、ソーシャルメディアで激しい反論が巻き起こっているという。

自身や家族の体験が原動力

ドイツのDPA通信の委託で英世論調査会社ユーガブ(YouGov)が実施した調査によると、難民支援を手伝った人は、すでにドイツ人の5人に1人に上っている。カマーマイアーさんによると、難民の一時収容施設に寄付した人の多くは、最近ドイツに移住した人や、家族が移民だった人だという。
・・・以下略
<引用終り>
そして最後に丸山さんがご自身のブログで指摘しているこんな部分。

>シリア難民と一口に呼ばれますがその大部分はクルド人であろうことが容易に想像されます。知り合いのクルド人もそういっていました。

斯くの如き中東地域を巡る情勢の変化、欧米の対ロシア政策、米国の意にそわないドイツの動きなどが絡み合って計画された今回のドイツへの移民潮であるのは確かだろうと思います。

結論的には、トルコ政府の報復の裏にはウクライナのナチ政権成立及内戦と同様に国際金融・国際石油資本とその手先某国がいるのではないか、という合理的な懐疑が成り立つと思います。

ひょっとすると欧米を巻き込んだ世界戦争はすでに始まっている。

一方はISISを創設し操作する勢力である米国・イスラエル・サウジ・トルコ枢軸、対立する一方はロシア・ドイツ(+イラン?)連合 でフランス等欧州諸国は模様眺めというところでしょうか


どうもこんな所が裏に隠れているようです。
注意深く推移を見守りたいと思います。
~~~~引用ここまで。

丸山光三さんのブログ「変容する世界」はこちら
http://marcooichan2.blog129.fc2.com/blog-entry-4869.html

ドイツで発生しているのは移民問題ではなく戦争であるという件
2015-09-13

まず結論から述べます。北イラクのクルド人対ISIS(その背後のトルコ)に関与してしまったドイツ政府に対するトルコ政府の報復がドイツへ押し寄せるシリア難民です。

事の経緯はこうです。
トルコ東南部、シリア、北イラク、西イランにまたがるクルデイスタンの復興建国をめざすクルド人(その総人口3千万人)の独立闘争はトルコにとって眼中の釘、獅子身中の虫です。

8日、北イラクとトルコ南東部の国境地帯でPKK(クルド労働党)部隊がトルコの国境警備隊を攻撃し16人を殺害しました。トルコ軍が国境を超えて北イラクへ進撃したからです。

16 solidaten
http://www.n24.de/n24/Nachrichten/Politik/d/7258850/16-soldaten-bei-pkk-angriff-und-gefechten-in-suedosttuerkei-getoetet.html

2013年両者は停戦に合意していました。しかし、北イラクとシリアの混乱においてISISと激しく対立し武装闘争をするクルド人に対しドイツ政府が武器と軍事顧問団を派遣し間接的にISISに対する闘争に関与した。

暗にISISを支持し実質的にISISの後方基地となっているトルコ政府がこれに不快感をもったのは当然でしょう。

7月、トルコ政府はISISへの空爆と称して其の実クルド人部隊への空爆を実施した。これで2年来の停戦が破られた。

現在両者間の戦争は拡大中です。

トルコ政府は、最近これまで受け入れていた北イラクとシリアの難民170万人を陸続とドイツへと放出中です。

三歳児の溺死死体の胡散臭いプロパガンダを観よ。

これがいま欧州とくにドイツを混乱させるシリア難民の真相でしょう。

gedenk-aktion-ailan-rabat.jpg
臭いパフォーマンス

ゆえに、ドイツへ押し寄せる難民の大部分は実はクルド人であろうということが容易に想像されます。

その事実はまもなく明らかになるでしょう。

なぜドイツ政府が国民への十分な説明もなしに北イラク紛争に介入したのか、なぜトルコ政府はこれまでのような対クルド宥和政策を転換して対立政策をとるのか、すべて奇怪な経緯で歴史に登場したISISの背景と関係がありそうです。

さてドイツの難民受け入れに対し批判の声が上がりました。

marie lrpen
仏極右党首、ドイツは「奴隷が欲しいだけ」=難民流入、歓迎デモも

6日、フランス南部マルセイユで演説する極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首(EPA=時事)
ロイター通信によると、フランスの極右政党・国民戦線(FN)のルペン党首は6日、仏南部マルセイユで開いた党集会で、シリアなどから押し寄せる難民の受け入れに前向きなドイツについて「自国の人口が頭打ちだと考え、より低賃金(の労働力)が欲しいから、大量の移民を通じて奴隷を雇いたいのだろう」と批判した。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201509/2015090700024&g=int

フランスNF党のマリー・ルペンが、ドイツは奴隷労働者を受け入れたいのだ、と発言しましたが、そのような経済的理由はドイツにはありません。

失業率が下がり就業者が増加傾向にありますが、好景気というわけではなく、政府の失業者に自営を促す政策で労働市場に好影響があるのは事実ですが、自立したものの数年で失敗して失業者に逆戻りというケースも半数近くあるそうです。http://ecodb.net/country/DE/imf_persons.html

そんな労働市場に廉価な労働力を導入すれば市場は混乱しドイツ人の失業率は跳ね上がるでしょう。

しかも80万人受け入れのために100億ユーロの特別支出を計上するそうですが財源はどうするのでしょうか?

巷間、ユーロ導入でドイツだけが利得しているというデマがまかり通っていますが、ドイツは輸入超過でしかも財政は赤字、これで勝ち組といえるのでしょうか?https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E7%B5%8C%E6%B8%88

さらにそのうえ邦貨1兆円相当(これは国の2016年度予算総歳出の約3%に相当)を特別支出する余裕は実はないのです。
http://news.nna.jp/free_eu/news/20150319dem001A.html

難民受け入れ政策ついては今年7月、TVの討論番組で明確な滞在延長が許されずパレスチナ難民少女が泣き出す事件があってB層の涙を誘ったのですが、その時メルケルは彼女を追い返すと発言したのではなく、難民は合理的に処理すると明言したのでした。
(件の少女は結局滞在延期許可される)
しかし国民には冷淡だとさえ受け止められたのです。http://www.afpbb.com/articles/-/3054874

merkel-561-_v-teaserM.jpg
http://meta.tagesschau.de/id/100811/merkel-und-das-fluechtlingsmaedchen-die-geste-war-ok

そのようなメルケルが非合理的に80万もの難民を受け入れるはずもなく、経済的理由以外の何か隠された裏の事情がありそうだ、というのがわたしの意見です。

そこで話は一年前のISISの突然のイラク進攻以来の情勢に戻ります。

昨年8月31日に、北イラクのクルド人部隊に対して武器援助と軍事顧問団を派遣する法案がドイツ国会を通過しました。
http://matome.naver.jp/odai/2140971049610315501

それとほぼ同時期、9月5日メルケルはオランドとともにミンスクへ飛びプーチンとのマラソン会談の結果いわゆる「ミンスク合意」を実現しウクライナの停戦を曲がりなりにも成功させました。 これが某勢力の対ロシア政策を狂わせ彼らの怒りを買ったことが想像されます。

ausbildung in nordiraq
ドイツ連邦軍軍事顧問団によるクルド人部隊への軍事訓練(ドイツ連邦軍のHPより)
http://www.einsatz.bundeswehr.de/portal/a/einsatzbw/!ut/p/c4/LYvBCsIwEET_KJuIVfRm6MWrB7W9yLZZymKalLi1UPx4E-gMDMw8BlrIDvjlAYVjQA9PaHo-d4vqFkcv4vBBWXPFt8zk_TaRrASPcnak-hhISgoF4ZxDQolJTTGJL2ROKRPFDhptamuOe73J_E731lYHXe3qq73BNI6XP1JT580!/

それから一年、北イラクでのクルド人部隊はほぼISISを駆逐し戦争の舞台は再度シリアへと移りました。あ

るロシア人の言に拠ればシリア国土の80%はすでにISISに占拠されたそうですが、どうも眉唾です。

これはロシアのシリアへの直接介入へ向けての世論作りに彼が騙されているのでしょう。

putin.jpg
Wedge 9月11日(金)12時11分配信、ここ数日、ロシアがシリアに軍事介入を始めたのではないかとの観測が高まっており、米国も懸念を表明し始めた。筆者も別の媒体(http://bylines.news.yahoo.co.jp/koizumiyu/20150906-00049218/)
で詳しく検証したが、様々な傍証からシリアにロシア軍がかなりの規模で展開していることはほぼ確実と思われ、一部では軍事作戦に参加している可能性も考えられる。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150911-00010003-wedge-m_est

以下すでに述べたことですが重要な事なので繰り返します。

ISISを巡る関係各国の利害が入り乱れるなか、これまで400万といわれるこの地域からの難民のうち170万人を受け入れたトルコ政府がそのうちの一部分をドイツへむけて放出した、というのが今回の難民問題の真相だと思います。

暗にISISをサポートし実質上ISISの後方基地であるトルコはこれ以上のクルド人勢力の拡張を望んでおらず、北イラクへ軍事介入したドイツ政府へのトルコ政府による不快感の表明と外交的報復及警告がそれであろうと考えます。

シリア難民と一口に呼ばれますがその大部分はクルド人であろうことが容易に想像されます。知り合いのクルド人もそういっていました。

斯くの如き中東地域を巡る情勢の変化、欧米の対ロシア政策、米国の意にそわないドイツの動きなどが絡み合って計画された今回のドイツへの移民潮であるのは確かだろうと思います。

結論的には、トルコ政府の報復の裏にはウクライナのナチ政権成立及内戦と同様に国際金融・国際石油資本とその手先某国がいるのではないか、という合理的な懐疑が成り立つと思います。

ひょっとすると欧米を巻き込んだ世界戦争はすでに始まっている。

一方はISISを創設し操作する勢力である米国・イスラエル・サウジ・トルコ枢軸、対立する一方はロシア・ドイツ(+イラン?)連合 でフランス等欧州諸国は模様眺めというところでしょうか


ドイツ住民の一人としては言葉の真の意味での戦争が欧州で発生するのは当然回避させたい。

また、中東の紛争がなんとか平和的に解決し難民の発生が収まって欲しいと祈るばかりですが、現実は着々と進捗中のようです。

~~~~引用ここまで。