青春18切符の使用期限が残り二日。
青春18切符を友人と共同購入した。5枚の内3枚を消費する約束だったため、早く消費しようと無駄に忙しい日々を過ごしていた。
滋賀や、姫路にとあちこち移動して、いったい何をしているんだろうと思う時もあったが、考えてみたら、青春18切符のおかげで何の目的も無い一人旅を楽しめるようになったワケだし、人間として一歩か半歩、成長できたような気にもなった。
一番最初に青春18切符を購入した時に出かけたのは、たしか琵琶湖の近江八幡。
葦の林の中を船で行くお侍さんにあこがれて、バスで琵琶湖のほとりまで行き、船着き場で並んで昔ながらの船頭さん付きの船に乗船した。
本当にわたしが乗りたかったのは一人か二人しか乗れない木船だったがそんなものはあるはずもない。観光客用に屋根がついた8人乗りぐらいの大きな船に乗る際に、船頭さんが「頭、気を付けてね」と言ってくれたにもかかわらず、思い切り屋根の端で頭を打った記憶がある。どんくさすぎて、自分が恥ずかしい。
琵琶湖には、薄紫色の花を付けた浮草が浮かんでいた。
船頭さんは陽気なタイプで、ずっとしゃべり続けてくれて、それなりに面白かった。
「この花は今だけ咲くんや。もう終わりやけどな」「ここだけの秘密やけど、あの木、みてみ。あの木に毎年おいしいきのこが生えるんや!わしだけ知ってんねん。毎年わし、とりにいくねん」と言っていた。琵琶湖の葦の水路を通ると、かいつぶりのひよこが船に向かって泳いできた。
「こいつら、もっとおったんや。もう、1羽しかおれへん。親はどっかいってもうたんや。育児放棄やな。毎日数、減っていくねん。みんな蛇に食われてもうてん」
言っているしりからひよこの後ろから蛇がくねくね体をくねらせながら泳いで来てひよこに迫ってきていた。
ひよこは、向きを変えて逃げていったが、その後ろから蛇が泳いで付いていくのを見送った。
自然界の厳しさを垣間見た。あのひよこも蛇に食われるんだと思うと悲しくなった。
親鳥もなく、兄弟も食べられてしまい1羽だけで寂しかったから船に寄ってきたんだろう。
琵琶湖のほとりに生えている木のあちこちにフクロウが潜んでいて可愛らしかった。
「ほら、あそこにフクロウおるやろ」と船頭さん。「昼間やから、じっとしてんねん」
言われないと全然分からないぐらいフクロウは周囲に溶け込んでいた。
帰りの船着き場に戻る途中で、朽ちかけた木造の小さな船を発見!本当は、ああいう船に乗りたかったのよ。
琵琶湖の船旅は、あっと言う間に終わったが、いつかまた来るだろうと思った。
船頭さんは、駅で船旅の仲間を集めてグループになって乗船したら、一人分の乗車賃が安くなると教えてくれた。なかなか見ず知らずの人々を集めてグループにするのは、難しいと思った。
おばちゃんになったらできるかもしれないとその時は思った。
今は正真正銘のおばちゃんになったが、やはり、わたしにはムリだ。
琵琶湖の船旅は、用水路をめぐる別のコースもあるようだった。いつかそちらも経験してみたい。琵琶湖の水がちゃぷちゃぷいう音やとろみのあるような水面を滑るように進む船。にぎやかな船頭さんの声。水の上からしか見ることができない景色と琵琶湖を渡ってきた涼しい風。この時間を忘れないでいようと思った。
ちょうど、9月4日から7日ぐらいに出かけたような記憶がある。
いつも、青春18切符はギリギリになってから使っているってことだ。
今年は、姫路城を見ようとして家を出たが、大阪駅で急に金沢まで行こうとして駿河行に乗車した。でも青春18切符は特急は乗れない。
駿河からは、特急か各停しかなくて、どうも、金沢までは行けるけど、帰りの便を見たら夕方の6時には、駿河に戻っていないと大変そうだと気付いて、急きょ最初の予定通り姫路に行くことにした。白くなった姫路城を観に姫路行の快速列車に乗った。
本当に行き当たりばったりで、何をしているのやら。
車窓から、川原に佇むサギの群れや本物の農家の広い家を楽しんでいたら、いつのまにか寝ていて気が付けば京都を過ぎていた。
姫路城は、TVでみたまんま。屋根まで白っぽくなっていた。
修復前の方が、裏手の方がジャングル化していていかにも当時の雰囲気そのままな感じで趣があったのだが、今は、きれいに整備されて「あれっ?こんなんやったかな?」と違う場所に来たような気になった。お岩の井戸もどこかにあったはずだが、見つけることができなかった。
去勢済みのマークの桜耳にされた地域猫らがエサをもらっていて、のんびりとした風景があった。お土産に赤穂の塩と地元産の大豆のきなこを購入。青春18切符の使用期限が残り二日。
共同購入した友人は、残りを使い切ることができるのだろうか?
滋賀や、姫路にとあちこち移動して、いったい何をしているんだろうと思う時もあったが、考えてみたら、青春18切符のおかげで何の目的も無い一人旅を楽しめるようになったワケだし、人間として一歩か半歩、成長できたような気にもなった。
一番最初に青春18切符を購入した時に出かけたのは、たしか琵琶湖の近江八幡。
葦の林の中を船で行くお侍さんにあこがれて、バスで琵琶湖のほとりまで行き、船着き場で並んで昔ながらの船頭さん付きの船に乗船した。
本当にわたしが乗りたかったのは一人か二人しか乗れない木船だったがそんなものはあるはずもない。観光客用に屋根がついた8人乗りぐらいの大きな船に乗る際に、船頭さんが「頭、気を付けてね」と言ってくれたにもかかわらず、思い切り屋根の端で頭を打った記憶がある。どんくさすぎて、自分が恥ずかしい。
琵琶湖には、薄紫色の花を付けた浮草が浮かんでいた。
船頭さんは陽気なタイプで、ずっとしゃべり続けてくれて、それなりに面白かった。
「この花は今だけ咲くんや。もう終わりやけどな」「ここだけの秘密やけど、あの木、みてみ。あの木に毎年おいしいきのこが生えるんや!わしだけ知ってんねん。毎年わし、とりにいくねん」と言っていた。琵琶湖の葦の水路を通ると、かいつぶりのひよこが船に向かって泳いできた。
「こいつら、もっとおったんや。もう、1羽しかおれへん。親はどっかいってもうたんや。育児放棄やな。毎日数、減っていくねん。みんな蛇に食われてもうてん」
言っているしりからひよこの後ろから蛇がくねくね体をくねらせながら泳いで来てひよこに迫ってきていた。
ひよこは、向きを変えて逃げていったが、その後ろから蛇が泳いで付いていくのを見送った。
自然界の厳しさを垣間見た。あのひよこも蛇に食われるんだと思うと悲しくなった。
親鳥もなく、兄弟も食べられてしまい1羽だけで寂しかったから船に寄ってきたんだろう。
琵琶湖のほとりに生えている木のあちこちにフクロウが潜んでいて可愛らしかった。
「ほら、あそこにフクロウおるやろ」と船頭さん。「昼間やから、じっとしてんねん」
言われないと全然分からないぐらいフクロウは周囲に溶け込んでいた。
帰りの船着き場に戻る途中で、朽ちかけた木造の小さな船を発見!本当は、ああいう船に乗りたかったのよ。
琵琶湖の船旅は、あっと言う間に終わったが、いつかまた来るだろうと思った。
船頭さんは、駅で船旅の仲間を集めてグループになって乗船したら、一人分の乗車賃が安くなると教えてくれた。なかなか見ず知らずの人々を集めてグループにするのは、難しいと思った。
おばちゃんになったらできるかもしれないとその時は思った。
今は正真正銘のおばちゃんになったが、やはり、わたしにはムリだ。
琵琶湖の船旅は、用水路をめぐる別のコースもあるようだった。いつかそちらも経験してみたい。琵琶湖の水がちゃぷちゃぷいう音やとろみのあるような水面を滑るように進む船。にぎやかな船頭さんの声。水の上からしか見ることができない景色と琵琶湖を渡ってきた涼しい風。この時間を忘れないでいようと思った。
ちょうど、9月4日から7日ぐらいに出かけたような記憶がある。
いつも、青春18切符はギリギリになってから使っているってことだ。
今年は、姫路城を見ようとして家を出たが、大阪駅で急に金沢まで行こうとして駿河行に乗車した。でも青春18切符は特急は乗れない。
駿河からは、特急か各停しかなくて、どうも、金沢までは行けるけど、帰りの便を見たら夕方の6時には、駿河に戻っていないと大変そうだと気付いて、急きょ最初の予定通り姫路に行くことにした。白くなった姫路城を観に姫路行の快速列車に乗った。
本当に行き当たりばったりで、何をしているのやら。
車窓から、川原に佇むサギの群れや本物の農家の広い家を楽しんでいたら、いつのまにか寝ていて気が付けば京都を過ぎていた。
姫路城は、TVでみたまんま。屋根まで白っぽくなっていた。
修復前の方が、裏手の方がジャングル化していていかにも当時の雰囲気そのままな感じで趣があったのだが、今は、きれいに整備されて「あれっ?こんなんやったかな?」と違う場所に来たような気になった。お岩の井戸もどこかにあったはずだが、見つけることができなかった。
去勢済みのマークの桜耳にされた地域猫らがエサをもらっていて、のんびりとした風景があった。お土産に赤穂の塩と地元産の大豆のきなこを購入。青春18切符の使用期限が残り二日。
共同購入した友人は、残りを使い切ることができるのだろうか?