東芝の粉飾決算は、「嫉妬」が生んだ原発スキャンダルだった? | 日本のお姉さん

東芝の粉飾決算は、「嫉妬」が生んだ原発スキャンダルだった?

どういうこと?と言いたくなる題名の記事。↓

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東芝の粉飾決算は、「嫉妬」が生んだ原発スキャンダルだった?
2015年7月28日 640

連日報道されている東芝の不正会計問題。そのどれもが同社の企業統治を問うものばかりですが、評論家の高野孟さんはメルマガ『高野孟のTHE JOURNAL』の中で「これは疑いもなく原発スキャンダル
だ」と言い切ります。

原子力ムラの苦悶を象徴する東芝の粉飾決算

東芝の歴代3社長が揃って辞任することになった同社の3年間1,500億円にも及ぶ粉飾決算問題を、ほとんどのマスコミは「企業統治」のあり方を問うとかいう気の抜けた視点でしか論じていない。しかし、これは疑いもなく「原発スキャンダル」である。日本最大の原子炉・関連機器メーカーである同社が政府・経産省と一心同体となって「原子力ルネッサンス」を推進しようとして福島第一事故で挫折、稼ぎ頭だった原子力部門がほとんど頓死状態に陥る中で、海外に活路を求めて悪あがきした挙げ句にその巨大損失を何とか世間の目に触れさせまいとして前代未聞の虚飾に走ったことに根本原因がある。

その視点を早々と提起したのは「週刊金曜日」7月10日号の「東芝不正経理の影に原発事業の不振」で、その後、先週の「週刊朝日」7月31日号「東芝を食い潰した日米の原発利権」、「AERA」8月3日号の山田厚史「大ばくちが招いた無惨/東芝が原発事業で抱える危機的な隠れ損失」などが続いた。

佐々木則夫の天国と地獄

辞任した歴代3社長のうちキーマンは佐々木則夫副会長である。なでしこジャパン監督と同姓同名のこの人物は、原子力事業を東芝の主柱の1つにまで仕立てた功労者で、03年に電力システム社の原子力事業部長に就いて以降、05年に東芝常務、06年に兼電力システム社長となって米ウェスティングハウスの買収=子会社化という大勝負をやってのけ、それをバネに07年に専務、08年に副社長、09年に社長と、1年刻みで階段を駆け上って、東芝の頂点に立った。

リーマン・ショック不況の中、09年3月期の決算では営業損益2,500億円の赤字を出したが、同年6月に社長となった佐々木は「15年度に原発事業の売上げ1兆円」と、得意の原子力を主軸に経営を立て直す大方針を打ち出した。この時が彼の人生の絶頂だったろう。その大方針が成果を上げ始める暇もない2年後、11年3月11日に福島第一原発の爆発事故が起きて地獄の底に落ちることになった。東京電力として最初の原発基地となった福島第一の1号機はGE、2号機と6号機はGE・東芝、3号機と5号機は東芝、4号機は日立が手がけており、ここは言ってみれば東芝・GE連合にとっての「聖地」である。それが吹き飛んだことのダメージは計り知れなかった。

佐々木は、政府・東電の要請を受けて750人もの専門家・技術者のチームを編成して事故処理に当たると共に、メルトダウンを起こして未だに人が立ち入ることが出来ない建屋内に送り込むロボットの開発や、多核種除去装置ALPSの開発と建造にも取り組むが、いずれも失敗の連続で、東芝の技術能力に疑問符が付けられている。ALPSは、毎日300トンずつ増え続ける高濃度汚染水から、現在の技術では除去が困難なトリチウムを除く62種類の放射性物質を吸着・分離させて、一応無害ということになっているトリチウムを含んだ処理済みの水を海に流そうというもの。しかし、これに対しては、トリチウムの生物学的な毒性について全く無害とは言えないという説があり、それを基準値の10倍も含んだ処理水を海に放出することには、専門家から「設計のコンセプトそのものがおかしい」と強い警告がなされており、また実際に放出について漁業関係者などから同意を取り付けられていない。が、それにしても、東芝製のシステムが試運転と故障を繰り返して今以てまともに作動していないのに対して、後から投入された日立製のほうが役に立っていると言われる体たらくである。

>>次ページ 東芝スキャンダル暴発の一因になった「嫉妬」とは?
次期経団連会長だと?

こうして、福島事故のA級戦犯の1人に列せられておかしくない佐々木だが、そうは簡単にはあきらめない。第2次安倍政権が誕生するや、13年1月には早速「経済財政諮問会議」の2人の民間議員に三菱ケミカルの小林喜光会長/経済同友会代表幹事と共に名を連ね、14年9月には小林と2人揃って「産業競争力会議」の民間議員に移り、それを通じてアベノミクスの「成長戦略」の中に原発再稼働と海外への輸出を柱として織り込むよう奮闘した。もはや「安倍と最も親しい財界人」となった佐々木は、13年6月には東芝の副会長になると同時に経団連の副会長にも就任し「次期経団連会長候補」に名を上げられるまでになった。

世に「原子力ムラ」と言われるが、その骨格をなすのは

電力会社や東芝はじめ原子炉・発電機メーカーなど産業界
経産省はじめエネルギー庁・規制庁など官界
東大工学部原子力学科を中心とする御用学者群
──の産官学のトライアングルである。原子力の裾野は広く、原子炉などの機器メーカーだけでなく、素材や部品をつくる鉄鋼・特殊金属メーカー、大規模工事を請け負うゼネコン、燃料の輸入や原発の輸出に携わる大手商社、それらの金融を受け持つメガバンクなどはみな広義での原子力関連産業であり、それは実は、ほぼそのまま、経団連の中心企業なのである。

かつて「経団連御三家」と言えば東芝、新日鉄、東電(今や東電にかわってトヨタか?)で、中でも東芝は「経団連を作ったのは我が社」と言い出しかねないほどの強烈な本流意識を抱いてきた。それはある意味で当然で、経団連の初代会長は石川一郎(日産化学社長)で、後述のように彼こそが「原子力ムラ」の基礎を築いた中枢人物なのだが、その後を受けて1956年に第2代会長に就いたのが石坂泰三(東芝社長)で、68年まで12年間君臨して「財界総理」という称号をマスコミから与えられた。1代おいて74年から80年までの6年間、第4代を務めたのが土光敏夫(東芝会長)で、そうしてみると復興から高度成長に向かい、石油ショックをも乗り越えてさらに前進した戦後日本経済の最も輝かしい時期の財界トップを東芝出身の2人が計20年間も占めていたことになる。

その後、会長の座は稲山嘉寛(新日鉄)、斎藤英四郎(同)、平岩外四(東電)、豊田章一郎(トヨタ)、今井敬(新日鉄)、奥田碩(トヨタ)、御手洗冨士夫(キャノン)、米倉弘昌(住友化学)、榊原定征(東レ)と遷移して、東芝に戻ることはなかった。それだけに、東芝にしてみれば3人目の経団連会長を出すことは悲願で、実際、00年に東芝の社長から会長になった西室泰三(現日本郵政社長/70年談話有識者懇座長)も、その直系で次の次の社長・会長だった西田厚聡(今回相談役を辞任)も、東芝会長の任期を伸ばすなどしてさんざん足掻き回ったが、届かなかった。パソコン・半導体など軽電部門出身の西室・西田からすれば、重電部門から駆け上がってきてしかも原子力で巨額損失を作りだした張本人である佐々木が、自分らを差し置いて財界トップの座を手に入れることだけは許せなかった、という経営陣内部の嫉妬狂いが、このスキャンダル暴発の一因だったと言われている。

>>次ページ どうして東芝は粉飾決算せざるを得なかったのか?
経団連、一皮剥けば原子力ムラ

さて、石川一郎は、戦時中の化学工業統制会の会長を務めた化学工業界のトップリーダーで、戦後、一万田尚登=日銀総裁の推挙で初代の経団連会長となった。東電の取締役でもあった彼が、熱心に取り組んだのが原子力産業の導入と育成で、経団連会長だった時代に日本原子力研究所理事長となり、55年には米政府が旗を振った「原子力平和利用国際会議」の日本主席代表としてジュネーブに赴いた。56年に経団連の会長を石坂に渡すとすぐに、正力松太郎=科学技術庁初代長官を委員長とする「原子力委員会」が発足し、石川が委員長代理となった。

つまり、日本の原子力体制は、政界では正力、財界では石川を中枢とし、その石川が経団連の会長に東芝の石坂を、経団連の実質的ナンバー2である評議員会議長に東電の菅礼之助会長を、それぞれ据える恰好で始まったのであり、また石坂と土光の20年の後には引き続き新日鉄が2人で10年、その後に東電が4年、経団連会長を務めることになったのである。経団連とは、一皮剥けば原子力ムラそのものなのである。

だから、もし佐々木が次期経団連会長に登り詰めることが出来ていれば、それある意味で順当というか、一皮剥けば原子力ムラという経団連の「本質」に相応しい人事とも言えた。しかし運命は皮肉で、佐々木が「次期経団連会長候補」と言われ出した時にはすでに原子力は、まさに東芝の炉がもたらした福島の大惨事によって、日本ではもちろん全世界的に退潮が始まっていて、それを何とかして食い止めようとすればするほど東芝の赤字は膨らんで巨額粉飾なしには体面も取り繕えないまでに傷が広がってしまい、最後は安倍晋三首相の政治力にすがって切り抜けようとしたのに、今では安倍の政権自身がどうなるか分からなくなってきた。

と言うか、東芝の破滅と佐々木の失脚は、佐々木と組んで原発再稼働と輸出促進を、JR東海の葛西敬之名誉会長と組んでリニア新幹線と新幹線輸出を、「成長戦略」の2本柱にしてきた安倍にとって片足がもげるほどの大打撃であり、だから官邸は「東芝のことは早くなんとかしろ」と焦っている。8月にはいろいろな難題が降りかかってくる安倍の暑い夏になるが(前号参照)、それにさらにもう1つ加わって政権の前途を揺さぶるのがこの件である。

佐々木の夢は見果てぬままに終わり、原子力ムラは壊れていく。そして恐らく、東芝が3人目の経団連会長を握る日は、2度と訪れてこないのだろう。

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image by: flickr

『高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。
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最も参考になったカスタマーレビュー

704 人中、643人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
テレビドラマ化、映画化をして欲しい
投稿者 痔民党 投稿日 2013/9/19
形式: 単行本 Amazonで購入
朝日新聞の広告を見てアマゾンで購入し、通勤時間の2日で読み終わりました。
結論から言うと、今まで読んだ小説の中で(大して読んでいませんが・・・)、断トツ素晴らしい小説でした。
登場人物は、実在しない名前が使用されていますが、読者なりに実在する人物を推測できます。

例えば、
原発の再稼働に反対している新崎県知事 伊豆田清彦→新潟県知事 泉田裕彦氏
保守党で原発反対の一匹狼議員 山野一郎→自民党 衆議院議員 河野太郎氏
脱原発俳優 参議院議員 山下次郎→参議院議員 山本太郎氏
反原発運動を支援している弁護士 海土義之→弁護士 海渡雄一氏
中央大学教授刑事法 大木 守→中央大学教授刑事法 只木 誠氏
など

そのため、現実に存在する人物を想像しながら読み進めることができました。
著者は霞が関の官庁に勤務する東大法卒の現役キャリア官僚とのことですが、経済産業省の相当官邸に近い立場の方ではないかと推測されます。
日本の現状に憂い、小説という合法的な形で、官邸、自民党、経産省、電力会社等々を告発されたのだと思います。

この小説のテレビドラマ化、映画化を是非、実現して欲しいです。そうすることで、広く日本人に警告をすることができます。
フクシマの悲劇を二度繰り返す喜劇をしないために、テレビドラマ化、映画化の実現を心よりお願い致します。

522 人中、457人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
これは小説ではない!現実の告発だ
投稿者 bilderberg54 投稿日 2013/9/13
形式: 単行本
新聞広告を見てすぐさま書店で購入。一気に読了した。
福島原発事故のあと原子力政策を論じた本は何冊もでている。その多くが原子力村の人々が書いた再稼働推進のポジショントーク本か、反原発系の人が書いた感情的に放射能の脅威を論じる本であった。

本書は小説というスタイルをとることで様々な立場、ポジションの登場人物が自らの業界の利益を語る。電事連をモデルにした組織や自民党・民主党をモデルにした政党、佐藤元福島県知事のように国策捜査の毒牙にかかる原発立地県の改革派知事も登場する。様々な業界の「立場」が登場人物のセリフとして語られる。どの立場にもその立場なりの正義は存在する。

この作品は小説という体裁をとっているが、現在の福島原発事故後の日本が抱えている様々な原子力をめぐる問題をわかりやすくまとめてある。原子力問題は放射能問題というよりは、国の統治のあり方そのものを浮き彫りにする問題であることがよく分かる
。この本を読んだあとサイレントマジョリティの有権者は「原発再稼働はまだ時期尚早」と思うに違いない。客観的な情報の裏付けがあるとろこにこの本の価値がある。

著者の若杉氏は現役キャリア官僚のようだが、素性は一切書かれていない。本書の中でもマスコミに協力して内部情報をリークする善良な官僚が出てくるが、官僚というのは守秘義務を負うから、実名ではできないのだろう。

タイトルの「原発ホワイトアウト」。この意味は最後になって明かされる。ブラックアウトではないところに注目してほしい。
この本を読むことで、多くの読者が原子力問題を一歩立ち止まって考えることになれば、非常に良いことでしょう。「再稼働反対」だけを唱えるのではなく、国民が自分の頭で考えて一歩を踏み出さないと、また福島原発事故のような事故は必ず起きる。

原発政策は国家の最高機密であるという問題から本書は内部告発や機密保全法をめぐる問題にまで踏み込んでいる。
154 人中、135人の方が、「このレビューが参考になった」と投票しています。
警告の書
投稿者 本格派 トップ500レビュアー 投稿日 2013/10/2
形式: 単行本
福島原発事故以降の、日本の原発を取り巻く利害関係者の間で起こってきたこと、そしてこれから先に起きるであろうことを小説の形で暴露、そして予測している。

小説の中でも原子力規制組織の若手官僚が内部告発をする件があるが、その若手官僚は著者の投影なのだろう。小説の形を取ることで追求の手を逃れる狙いがあるのかもしれないが、小説の中の彼は結局逮捕されてしまうのだが。

原子力行政の実態が国民の前にオープンにされた意味は大きいだろう。この本を読めば、原発を推進してきた自民党政権であるうちは原発がなくならないであろうことが確信できる。自民党を政権の座から引き摺り下ろさない限り、日本は使用済み核燃料を増やし続けるのである。

本書は小説の形を取っているため、難しい本を普段は読まない人にとっても非常に読みやすいものになっていると感じる。ハニートラップの件ではお色気のある描写が続き、大人向け週刊誌の小説を読んでいる気分になる。文章は不慣れな官僚が一人で書いたとは思えないほどこなれているので読み応えは充分である。恐らく何人かのプロジェクトによって書かれたのではないだろうか。

ちなみに、この小説の中に別名で出てくる新潟県の泉田知事は、国策捜査により小沢一郎氏のように逮捕されることになっている。
事実がこの本の通りに進むのかどうかも見所のひとつであろう。

本書の最後の章では再びメルトダウンが起きる。これは福島原発事故で原発の危険性にようやく目覚めたにもかかわらず、再度のメルトダウンを防げなかった日本人と一部の政治家に対する最後の警告にも思える。「あんたら、事故が起こらないと本気で考えようとしないのか?次にメルトダウン事故が起きたら日本は今度こそ終わりなんだよ」と。それを「小説」という仮想の世界、それも限りなく現実に近い仮想の世界で我々に見せているのだろう。
現実の結末をこの小説とは別のものにしなければいけない。それがこの著者の人生を賭けた思いなのだから。
電力会社の「あざとさ」と、原発の「もろさ」を告発した力作!
投稿者 博多ムーミン トップ500レビュアー 投稿日 2013/11/8
形式: 単行本
電力会社の「あざとさ」と、原発の戦慄するほどの「もろさ」。
それらを告発した本書を読み終えた後、怒りと恐怖で、身が震えるような思いとなった。


まず、電力会社の「あざとさ」について。
電力会社が、地域の独占企業であり、マスコミや政治家にとって、巨大なスポンサーであることから、大きな影響力を持つことは、以前から感じていた。
しかし、本書を読んで、驚くほど狡猾に作り上げた「モンスター・システム」によって、政治社会を強力に支配する巧妙さを知り、あ然とするばかりであった。
本書には、その「からくり」が、実にリアルに描かれており、社会のウラ側を、まるで手品の種明かしをするような明快さで暴露している。

もう一つ印象に残ったのは、原発の意外なほどの「もろさ」である。
東電が、福島や新潟など、地域外に持つ原発から、関東地域にまで電気を送る送電線。その距離の長さを思うと、安全管理が大変なものになることは、容易に想像できる。
そして、原発で作った電力が、送電塔の破壊などで送れなくなった場合に、原子炉を緊急停止せざるを得ないのだという。
その時に、原子炉の冷却に支障をきたすような状況が起きたとすれば……。
「ホワイトアウト」という、視界がさえぎられるような大雪。危機に対応する企業がすぐには動けない「正月」。そして、その時を狙って送電塔を爆破する犯罪者の存在。
著者は、これらを想定して、小説内でパニックのシュミレーションを行ってみせている。

福島で実際に起こったことを検証した上での記述だけに、非常にリアリティを感じる。

「原発をメルトダウンに至らせる1000本以上の送電塔が無防備なまま残される」。

テロなどへの危機感が薄い私たち島国・日本人にとって、著者の指摘は、不気味なまでの恐怖感を伴って響いてくる。

そして、著者の次の記述は、深く心に留めておかねばならないだろう。
「フクシマの悲劇に懲りなかった日本人は、今回の新崎原発事故でも、それが自分の日常生活に降りかからない限りは、また忘れる。喉元過ぎれば熱さを忘れる。日本人の宿痾であった。――歴史は繰り返される。しかし二度目は喜劇として」。

巨大なシステムを前に、ともすれば無力感を感じそうになる。
だからこそ、日本社会の実態の一端を一人でも多くの人に直視し共有してもらいたい。

そのために、心ある人々にこそ、ぜひとも読んで欲しい力作である。
小説の方を借りた原発告発本の内容に驚愕