「あの機種は満タンで5人乗ったらアウト」 | 日本のお姉さん

「あの機種は満タンで5人乗ったらアウト」

予定変更、6人乗り機使う=整備や運航状況分析―小型機墜落事故・警視庁
時事通信社 2015/7/29 05:00

東京都調布市の住宅街に小型プロペラ機が墜落し、乗っていた2人と民家の女性の計3人が死亡した事故で、機長の川村泰史さん(36)が、当初予定していた飛行機より大きい6人乗りの機体に変更していたことが29日、関係者の話で分かった。事故機には川村さんを含め5人が搭乗していた。
警視庁は小型機を管理する「日本エアロテック」や川村さんが社長を務めるパイロット養成会社「シップ・アビエーション」の家宅捜索で押収した資料を分析。整備や運航状況に問題がなかったか調べる。機体が変更された経緯についても関係者から事情を聴く。
日本エアロテックなどによると、川村さんは同社が管理する2人乗り、4人乗り、6人乗りの計3機を飛行させることができた。事故当日は、当初予定していた機体ではなく、6人乗りに変更。定員6人の機体に5人が搭乗し、伊豆大島を往復する計画だった。
同社によると、搭乗者の一人で負傷したプロデューサーの男性は年に1、2回、川村さんの飛行機に同乗。川村さんが操縦の技量を維持する「慣熟飛行」を行う際は、同乗を希望していたとされる。他に同乗した雑誌編集者や商社社員ら男性3人はプロデューサーの知り合いだったという。
飛行計画書には、飛行予定より3時間余分に飛べる量の燃料を入れると記載されていた。事故機には定員の6人に近い成人男性5人が搭乗しており、警視庁や国の運輸安全委員会は離陸時の制限重量に近かった可能性もあるとみて調べる。
[時事通信社]
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/3194151

燃料満タン+5人=アウト 小型機操縦者ら指摘「ベテランなら常識」
スポニチアネックス 2015/7/29 07:01

 東京都調布市の住宅街に小型プロペラ機が墜落し8人が死傷した事故で、小型機は予定していた伊豆大島までの片道分の5倍に当たる大量の燃料を積載していたことが28日、分かった。燃料だけで300キロに近く、さらに男性5人が乗り、総重量は離陸可能な限界ぎりぎりだったとみられる。

 小型機を操縦するパイロットたちは「あの機種は満タンで5人乗ったらアウト」と指摘する。事故を起こしたPA46―350P型と同じ、米パイパー・エアクラフト社製の別の小型機を操縦したことがある航空科学博物館の山川秀宏事務局次長は、高温による気温の高い夏場はエンジンの性能が下がるとした上で「燃料は満タンで、乗員も満席に近く、さらに荷物も満載だと、離陸にはかなり厳しい状況だったはずだ」と推測する。

 事故機の操縦経験があるというベテランのパイロット(57)も「この機種を燃料満タンにして5人も乗ったら、重くてアウトだ。ベテランなら常識だが…」と首をかしげ、「車なら5人乗りに5人乗っても大丈夫だが、飛行機はもの凄く条件が厳しい。この機種は、冬でも十分に高度を上げるのが難しいことがあるほどだ」と話した。

 国交省などによると、事故機の機体は約1200キロで、理論上の離陸可能な最大重量は約1950キロ。片道約1時間のフライトで、死亡した川村泰史機長(36)は飛行計画書に5時間分の燃料を積載と記載。PA46の燃費性能で計算すると、最大約280キロの燃料を積載していたことになる。男性1人が70キロの場合、5人で350キロで、荷物を加えると限界の重量まで100キロを切っていた可能性が高い。

 また、調布飛行場では滑走路を南に離陸した場合、中央自動車道まで直進し、十分な高度に達してから左右どちらかに旋回するルールになっているが、小型機は低空飛行のまま、すぐに左に旋回していたことも判明。捜査本部は、点検状況などを分析するとともに、負傷者からも回復を待って事情を聴くなどして墜落原因を詳しく調べる。
http://news.merumo.ne.jp/article/genre/3194356