アジサイを、葉ごと食べてしまうシカの食害から防ぐのが目的だった
「死んでわびたい」 設置の70代男性、心境語る―西伊豆感電事故
伊豆新聞 7月24日(金)11時33分配信
警察による規制線が解かれた事故現場。右は献花台=西伊豆町一色(23日午前8時すぎ)
西伊豆町一色の仁科川支流で、動物よけの電気柵に感電し子どもを含む男女7人が死傷した事故で、柵を設置した70代の男性が23日、取材に応じ「(亡くなった人に)本当に申し訳ない。死んでわびたい気持ち」と事故後の心境を語った。不正に改造した可能性もある電気柵については、元町企業課の技師で電気に詳しい男性の手製で、「1、2年ほど前に設置したようだ」と家族が説明した。
【写真】現場周辺では農作物に活用 地元住民の声
男性や家族の話では、電気柵を設置したのは観賞用に植えたアジサイを、葉ごと食べてしまうシカの食害から防ぐのが目的だったという。男性は事故で心身が疲労し、ここ数日は体調が優れない状況が続いているという。
■電線 総延長300メートル 小屋から別場所にも送電
子どもを含む7人が電気柵に感電した今回の事故について、下田署は23日、電気柵の設置男性が使用していた柵の電線部分について、総延長が約300メートルだったと発表した。男性には、電源のある農機具小屋から約25メートル離れた川向かいのアジサイの周辺だけでなく、同じ小屋から距離のある別の畑にも電気を送るために、より強い電流を流す意図があったとみられる。今回の事故では男性が電気柵に変圧器を使うことで400ボルト以上に昇圧していたことが分かっている。
一方、発生当時、周囲が最初に耳にした被害者の大きな悲鳴は、大人の声だったとみられる。同署によると、これまでに亡くなったいずれも会社員の尾崎匡友さん(42)、岩村知広さん(47)の左手には電気柵に触れたとみられるやけどの痕が確認され、さらに最初に川で遊んでいたのは尾崎さん親子と岩村さんの子どもの3人だったことから、電気柵に最初に触れたのは尾崎さんの可能性が高いとみられる。
これまでの捜査で同署は、男性が電源としていた小屋の家庭用コンセント(100ボルト)と柵との間には、本来必要とされる電流制御装置や、漏電遮断器が設置されていなかった、と結論づけた。
【写説】警察による規制線が解かれた事故現場。右は献花台=西伊豆町一色(23日午前8時すぎ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150724-00000003-izu-l22
<西伊豆感電事故>河川敷占用許可得ず 柵設置「4~5年前」
@S[アットエス] by 静岡新聞 7月24日(金)7時49分配信
西伊豆町一色の仁科川支流「川金川」で発生した獣害防止用の電気柵による感電事故で、柵を設置した男性が河川を管理する町に占用許可を得ていなかったことが23日、町への取材で分かった。町産業建設課の担当者は「把握していればアジサイの保護という理由では設置を許可しなかった」と説明している。
【写真】感電事故の現場・静岡県西伊豆町
市町村が管理するのは「準用河川」と「普通河川」の2種類で、川金川は準用河川に当たる。個人で橋を架けたり河川敷に工作物を設けたりする場合は管理自治体に届け出る必要があるが、男性は河川法に基づく申請書を提出していなかった。町も電気柵の設置を把握していなかった。
下田署によると、男性は「4~5年前に柵を設置した」と話しているという。町は今後、人が立ち入りそうな場所を中心に町内河川のパトロールを実施していく方針。
また、男性が設置した電気柵はアジサイと自宅裏山、畑の計3カ所だったことが23日、下田署への取材で分かった。いずれも電源は農機具小屋にある同じ家庭用コンセントから引いていたという。3カ所の電気柵の電線は総延長が計約300メートルで、このうちアジサイの柵の電線は48メートルだった。
◇川崎市の男性家族、過去にも数回現場に
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で7人が獣害防止の電気柵に感電した事故で、死亡した会社員男性(42)=川崎市宮前区=の家族が過去にも複数回、事故現場付近を遊びに訪れていたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。下田署などは川崎市の男性らが電気柵の存在を知っていた可能性があるとみて、事故に至る経緯を慎重に調べている。
捜査関係者によると、川崎市の男性家族は西伊豆町に親戚がいて、昨年以前も年に数回、現場付近を訪れていたとみられる。事故があった19日は死亡した神奈川県逗子市会社員男性(47)の家族と一緒に同町を訪れていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150724-00000002-at_s-l22
<西伊豆感電事故>司法解剖 男性2人、即死状態
(2015/7/23 14:22)
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で7人が獣害防止の電気柵に感電した事故で、死亡した会社員の男性(42)=川崎市宮前区=と、会社員の男性(47)=神奈川県逗子市=の司法解剖の結果、2人の肺には水がほとんど入っていなかったことが23日、捜査関係者への取材で分かった。
下田署などは2人が感電により即死した可能性があるとみて、詳しく調べている。
司法解剖による2人の死因は感電死。2人は川に漬かった状態で見つかったが、感電してすぐに心肺停止状態になったため、水を飲み込むことがなかったとみられる。2人の左手のひらには重いやけどの痕があり、電線を触って感電した可能性があるという。
捜査関係者によると、現場で使用されていた獣害防止用の電線は、電気柵を設置した地元の男性がホームセンターなどで購入したとみられる。変圧器は別に販売されていたとみられ、男性が自作で組み合わせて使用した可能性が高いという。
◇電気柵、裏山へも
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で、7人が獣害防止の電気柵に感電し、男性2人が死亡した事故で、近くに住む所有者の男性は、事故が起きた川ののり面のほかに、男性宅の裏山にある畑など数カ所でも電気柵を使い、同じ電源から電気を引いていたことが、23日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、裏山の畑では、周囲200メートルを囲うように電気柵を設置している。電源は、男性宅の農機具小屋にある家庭用コンセント(100ボルト)だった。下田署は、一つの電源から複数の場所に電気を送る必要性があったことから、男性が変圧器で電圧を440ボルトまで高めていたとみている。
電気柵は、男性が購入した資材などを使って自分で設置していたとみられる。漏電遮断器や電気を断続的に送ることで感電事故を防ぐ「パルス発生装置」と呼ばれる安全装置は付設されていなかった。
電気柵の作動は普段、男性がプラグを家庭用コンセントに抜き差しすることで行っていたという。
http://www.at-s.com/news/detail/1174216825.html
<西伊豆2人感電死>「助けて」「電源を切れ」 山里に悲鳴
(2015/7/20 07:14)
事故現場を心配そうに見守る地域住民ら(右)=19日午後5時50分ごろ、西伊豆町一色
「助けて」「早く電源を切れよ」―。3連休のまっただ中の19日午後、川遊びで楽しい時を過ごすはずだった2組の親子連れを襲った悲惨な感電事故。普段は静かな西伊豆町一色の集落に、悲鳴と叫び声が響き渡った。
助けを求める声を聞いて救助に駆けつけた男性(51)は「意識のない男性を運ぼうと川に入ったら自分もビリッときて驚いた。とにかく早く電源を切るよう叫んだ」と興奮した様子で話した。
近くに住む30代の男性は「救急車が何往復もしていて『何だろう』と思って行ってみたら、うつぶせに倒れた男性や泣いている子どもがいた」と、事故直後の様子を語った。
地元住民によると、事故現場周辺は特にイノシシやシカによる被害がひどく、農作物を育てる多くの住民が電気柵を使用しているという。様子を見に来た農業の男性(62)は「普通に触ったくらいだと大丈夫だが、川の付近など水から感電する可能性がある場所で使うなら注意が必要だ」と指摘。地元区長の男性(69)は「普通昼間は通電しないものなのに、なぜ電源を入れていたのか。こんな大事故になるとは」と驚いた様子だった。
◇遺族「強い憤り」
西伊豆町で発生した感電事故で、死亡した川崎市の男性(42)が搬送されたとみられる町内の病院には19日午後10時40分ごろ、遺族4人が乗用車で到着した。
病院関係者から話を聞き終えた父親(82)は「事故に強い憤りを感じている。川遊びで感電した子どもを助けようとして、自分も感電したと聞いた」と険しい表情を浮かべた。
http://www.at-s.com/news/detail/1174215844.html
<西伊豆感電事故>電気柵電圧400ボルト以上 昼間電源切り忘れか
(2015/7/22 17:05)
検証が進む事故現場。アジサイを囲む電気柵が見える=22日午前10時25分ごろ、西伊豆町一色
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で、7人が獣害防止の電気柵に感電し、男性2人が死亡した事故で、電気柵が電源を取っていた家庭用コンセント(100ボルト)の電圧が変圧器で4倍以上に引き上げられていたことが22日、関係者への取材で分かった。電気柵を設置した地元の男性が「普段昼間は電源を切っている」と下田署に話していることも分かった。
関係者によると、変圧器により100ボルトの電圧は440ボルト程度まで上昇していたという。農機具小屋の中の家庭用コンセントと川を挟んで対岸の電気柵までは二十数メートル離れているため、同じ農機具小屋の中にある変圧器で電圧を高めることで、遠くまで電流を送ろうとしたとみられる。電圧は電線の距離が長いほど抵抗が増えて弱くなり、電流も弱くなる。
電気柵はホームセンターなどで販売されている、安全対策が施された「キット」ではなく、さまざまな部品を組み合わせて作られていた。設置した男性は電気工事に関する一通りの知識や経験があったという。男性は電気柵について「4~5年前に設置した。普段昼間は電源を切っている」と話している。同署は事故が19日午後4時半ごろに発生していることから電源を切り忘れた可能性もあるとみて調べている。
電気柵の電線の一部は切れて垂れ下がり、約1・2メートルが川に漬かっていた。同署は何らかの原因で電線が切れて川に着水して漏電し、川に入った7人が次々と感電したとみて調べている。同署は22日も現場検証を行い、付設されていた変圧器の作動状況などを調べる。死亡した男性2人の司法解剖も行う予定。
http://www.at-s.com/news/detail/1174216511.html
伊豆新聞 7月24日(金)11時33分配信
警察による規制線が解かれた事故現場。右は献花台=西伊豆町一色(23日午前8時すぎ)
西伊豆町一色の仁科川支流で、動物よけの電気柵に感電し子どもを含む男女7人が死傷した事故で、柵を設置した70代の男性が23日、取材に応じ「(亡くなった人に)本当に申し訳ない。死んでわびたい気持ち」と事故後の心境を語った。不正に改造した可能性もある電気柵については、元町企業課の技師で電気に詳しい男性の手製で、「1、2年ほど前に設置したようだ」と家族が説明した。
【写真】現場周辺では農作物に活用 地元住民の声
男性や家族の話では、電気柵を設置したのは観賞用に植えたアジサイを、葉ごと食べてしまうシカの食害から防ぐのが目的だったという。男性は事故で心身が疲労し、ここ数日は体調が優れない状況が続いているという。
■電線 総延長300メートル 小屋から別場所にも送電
子どもを含む7人が電気柵に感電した今回の事故について、下田署は23日、電気柵の設置男性が使用していた柵の電線部分について、総延長が約300メートルだったと発表した。男性には、電源のある農機具小屋から約25メートル離れた川向かいのアジサイの周辺だけでなく、同じ小屋から距離のある別の畑にも電気を送るために、より強い電流を流す意図があったとみられる。今回の事故では男性が電気柵に変圧器を使うことで400ボルト以上に昇圧していたことが分かっている。
一方、発生当時、周囲が最初に耳にした被害者の大きな悲鳴は、大人の声だったとみられる。同署によると、これまでに亡くなったいずれも会社員の尾崎匡友さん(42)、岩村知広さん(47)の左手には電気柵に触れたとみられるやけどの痕が確認され、さらに最初に川で遊んでいたのは尾崎さん親子と岩村さんの子どもの3人だったことから、電気柵に最初に触れたのは尾崎さんの可能性が高いとみられる。
これまでの捜査で同署は、男性が電源としていた小屋の家庭用コンセント(100ボルト)と柵との間には、本来必要とされる電流制御装置や、漏電遮断器が設置されていなかった、と結論づけた。
【写説】警察による規制線が解かれた事故現場。右は献花台=西伊豆町一色(23日午前8時すぎ)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150724-00000003-izu-l22
<西伊豆感電事故>河川敷占用許可得ず 柵設置「4~5年前」
@S[アットエス] by 静岡新聞 7月24日(金)7時49分配信
西伊豆町一色の仁科川支流「川金川」で発生した獣害防止用の電気柵による感電事故で、柵を設置した男性が河川を管理する町に占用許可を得ていなかったことが23日、町への取材で分かった。町産業建設課の担当者は「把握していればアジサイの保護という理由では設置を許可しなかった」と説明している。
【写真】感電事故の現場・静岡県西伊豆町
市町村が管理するのは「準用河川」と「普通河川」の2種類で、川金川は準用河川に当たる。個人で橋を架けたり河川敷に工作物を設けたりする場合は管理自治体に届け出る必要があるが、男性は河川法に基づく申請書を提出していなかった。町も電気柵の設置を把握していなかった。
下田署によると、男性は「4~5年前に柵を設置した」と話しているという。町は今後、人が立ち入りそうな場所を中心に町内河川のパトロールを実施していく方針。
また、男性が設置した電気柵はアジサイと自宅裏山、畑の計3カ所だったことが23日、下田署への取材で分かった。いずれも電源は農機具小屋にある同じ家庭用コンセントから引いていたという。3カ所の電気柵の電線は総延長が計約300メートルで、このうちアジサイの柵の電線は48メートルだった。
◇川崎市の男性家族、過去にも数回現場に
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で7人が獣害防止の電気柵に感電した事故で、死亡した会社員男性(42)=川崎市宮前区=の家族が過去にも複数回、事故現場付近を遊びに訪れていたことが23日、捜査関係者への取材で分かった。下田署などは川崎市の男性らが電気柵の存在を知っていた可能性があるとみて、事故に至る経緯を慎重に調べている。
捜査関係者によると、川崎市の男性家族は西伊豆町に親戚がいて、昨年以前も年に数回、現場付近を訪れていたとみられる。事故があった19日は死亡した神奈川県逗子市会社員男性(47)の家族と一緒に同町を訪れていた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150724-00000002-at_s-l22
<西伊豆感電事故>司法解剖 男性2人、即死状態
(2015/7/23 14:22)
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で7人が獣害防止の電気柵に感電した事故で、死亡した会社員の男性(42)=川崎市宮前区=と、会社員の男性(47)=神奈川県逗子市=の司法解剖の結果、2人の肺には水がほとんど入っていなかったことが23日、捜査関係者への取材で分かった。
下田署などは2人が感電により即死した可能性があるとみて、詳しく調べている。
司法解剖による2人の死因は感電死。2人は川に漬かった状態で見つかったが、感電してすぐに心肺停止状態になったため、水を飲み込むことがなかったとみられる。2人の左手のひらには重いやけどの痕があり、電線を触って感電した可能性があるという。
捜査関係者によると、現場で使用されていた獣害防止用の電線は、電気柵を設置した地元の男性がホームセンターなどで購入したとみられる。変圧器は別に販売されていたとみられ、男性が自作で組み合わせて使用した可能性が高いという。
◇電気柵、裏山へも
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で、7人が獣害防止の電気柵に感電し、男性2人が死亡した事故で、近くに住む所有者の男性は、事故が起きた川ののり面のほかに、男性宅の裏山にある畑など数カ所でも電気柵を使い、同じ電源から電気を引いていたことが、23日、関係者への取材で分かった。
関係者によると、裏山の畑では、周囲200メートルを囲うように電気柵を設置している。電源は、男性宅の農機具小屋にある家庭用コンセント(100ボルト)だった。下田署は、一つの電源から複数の場所に電気を送る必要性があったことから、男性が変圧器で電圧を440ボルトまで高めていたとみている。
電気柵は、男性が購入した資材などを使って自分で設置していたとみられる。漏電遮断器や電気を断続的に送ることで感電事故を防ぐ「パルス発生装置」と呼ばれる安全装置は付設されていなかった。
電気柵の作動は普段、男性がプラグを家庭用コンセントに抜き差しすることで行っていたという。
http://www.at-s.com/news/detail/1174216825.html
<西伊豆2人感電死>「助けて」「電源を切れ」 山里に悲鳴
(2015/7/20 07:14)
事故現場を心配そうに見守る地域住民ら(右)=19日午後5時50分ごろ、西伊豆町一色
「助けて」「早く電源を切れよ」―。3連休のまっただ中の19日午後、川遊びで楽しい時を過ごすはずだった2組の親子連れを襲った悲惨な感電事故。普段は静かな西伊豆町一色の集落に、悲鳴と叫び声が響き渡った。
助けを求める声を聞いて救助に駆けつけた男性(51)は「意識のない男性を運ぼうと川に入ったら自分もビリッときて驚いた。とにかく早く電源を切るよう叫んだ」と興奮した様子で話した。
近くに住む30代の男性は「救急車が何往復もしていて『何だろう』と思って行ってみたら、うつぶせに倒れた男性や泣いている子どもがいた」と、事故直後の様子を語った。
地元住民によると、事故現場周辺は特にイノシシやシカによる被害がひどく、農作物を育てる多くの住民が電気柵を使用しているという。様子を見に来た農業の男性(62)は「普通に触ったくらいだと大丈夫だが、川の付近など水から感電する可能性がある場所で使うなら注意が必要だ」と指摘。地元区長の男性(69)は「普通昼間は通電しないものなのに、なぜ電源を入れていたのか。こんな大事故になるとは」と驚いた様子だった。
◇遺族「強い憤り」
西伊豆町で発生した感電事故で、死亡した川崎市の男性(42)が搬送されたとみられる町内の病院には19日午後10時40分ごろ、遺族4人が乗用車で到着した。
病院関係者から話を聞き終えた父親(82)は「事故に強い憤りを感じている。川遊びで感電した子どもを助けようとして、自分も感電したと聞いた」と険しい表情を浮かべた。
http://www.at-s.com/news/detail/1174215844.html
<西伊豆感電事故>電気柵電圧400ボルト以上 昼間電源切り忘れか
(2015/7/22 17:05)
検証が進む事故現場。アジサイを囲む電気柵が見える=22日午前10時25分ごろ、西伊豆町一色
西伊豆町一色の仁科川の支流「川金川」で、7人が獣害防止の電気柵に感電し、男性2人が死亡した事故で、電気柵が電源を取っていた家庭用コンセント(100ボルト)の電圧が変圧器で4倍以上に引き上げられていたことが22日、関係者への取材で分かった。電気柵を設置した地元の男性が「普段昼間は電源を切っている」と下田署に話していることも分かった。
関係者によると、変圧器により100ボルトの電圧は440ボルト程度まで上昇していたという。農機具小屋の中の家庭用コンセントと川を挟んで対岸の電気柵までは二十数メートル離れているため、同じ農機具小屋の中にある変圧器で電圧を高めることで、遠くまで電流を送ろうとしたとみられる。電圧は電線の距離が長いほど抵抗が増えて弱くなり、電流も弱くなる。
電気柵はホームセンターなどで販売されている、安全対策が施された「キット」ではなく、さまざまな部品を組み合わせて作られていた。設置した男性は電気工事に関する一通りの知識や経験があったという。男性は電気柵について「4~5年前に設置した。普段昼間は電源を切っている」と話している。同署は事故が19日午後4時半ごろに発生していることから電源を切り忘れた可能性もあるとみて調べている。
電気柵の電線の一部は切れて垂れ下がり、約1・2メートルが川に漬かっていた。同署は何らかの原因で電線が切れて川に着水して漏電し、川に入った7人が次々と感電したとみて調べている。同署は22日も現場検証を行い、付設されていた変圧器の作動状況などを調べる。死亡した男性2人の司法解剖も行う予定。
http://www.at-s.com/news/detail/1174216511.html