中国の狙いはなんとしても日本にAIIBに参加して貰いたいのです。
中国の狙いはなんとしても日本にAIIBに参加して貰いたいのです。
~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)6月23日(火曜日)
通算第4584号 <前日発行>
ISILの陰の胴元サウジアラビアの機密文書が漏れた
ウィキリークスが50万通の外交機密文書をを入手し公開しはじめる
********************
6月20日のAP電ではウィークリークスがサウジアラビアの外交文書およそ50万通を手に入れ、そのうちの6万通を公開したと伝えた。六万通の殆どがアラビア語のため、いまのところ欧米には甚大な被害はないが、サウジアラビア政府は沈黙している。
サウジアラビア王国と書かれた緑のレターヘッドを用いたりしているため、一部には偽造文書あるいは捏造による攪乱情報かも知れないという疑惑が広がっているが、発表された日は、たまたまジュリアンン・アサンジ容疑者が英国のエクアドル大使館へ亡命してから三年目にあたり、ウィキリークスが健在という宣伝が目的かという観測もある。
漏れた情報の中にはサウジアラビア内務省が、オアマ・ビンラディンの息子を呼び出し、同盟国アメリカの在リヤド大使館からの通知で、父親は死亡したと知らせてきたと通知したところ、証拠を見せてほしいといわれ、「確認の方法がない」というやりとりがあったなどと、眉唾のような話も含まれている。
ウィキリークスの主催者だったアランジは、スエーデン警察から「セックス犯罪」で逮捕状が出ている。
サウジがもっとも敵視するイランに関しての報告も夥しく含まれていると言われイランの核施設に関しての情報のほか、シリアの反政府武装勢力を支援するイランと過激派のやりとり、シリア政権を支援するエジプトとの通信記録など。イエーメンへのエジプト軍との共同軍事作戦の通信も含まれている
なにが飛び出すか?
◆書評 ◇しょひょう
中国、韓国の謝罪要求は際限がないが、日本は反論するより無視したほうが良い
かれらがいかに出鱈目な、でっち上げの歴史に基づいているかがよく分かる本だ
♪
黄文雄『米中韓が仕掛ける「歴史戦」』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
自虐史観ならぬ「中華史観」を黄文雄氏はこういう。
「すべてが政治」「勝者が歴史を創作」「独善的な史観の押しつけ」
わかりやすく言えば、科学的客観性は不要で、中国に於ける「歴史」とは政治的プロパガンダのこと、勝てば出鱈目な話を吹聴し、そのフェイクを他者、他国にも平然と押しつける悪癖。
それが「歴史を鏡とする」中国共産党の独善的ジコチュー史観である。それはいまに始まったことではない。
『史記』なるものは「皇帝中心史観の草分け」であり、『漢書』以来、官製の正史は王朝一代記のみ。『資治通鏡』は中華思想の魂としての正統主義史観を確立した」
つまり、こういうことだ。
「易姓革命の国、中国の歴代王朝にとっては「正統」王朝として認知されることが最大の関心事である。また、『正史』の編集については、易姓革命の正統性や大義名分以外に、『歴史を鏡』にして前王朝の成敗を学ぶのも目的の一つであった(中略)。韓国・北朝鮮も易姓革命の国である。ことに李朝時代に入って、易姓革命の正統性と事大の必要性から明に国名を下賜されただけでなく、国王まで明の認可が必要だった。こうして尊儒排仏を徹底的に断行し、中華思想がベースとなった中華史観を受容した」(51p)
だから結論はこうである。
「そもそも『歴史』について正しいか正しくないか、ことに中華史観に基づく史観も史説も『政治』であって、歴史ではない。もちろん、『反省も謝罪』も政治であって、歴史と『反省と謝罪』とは本来関係がない」
黄さんの結論。きわめて分かりやすい。
日本は中国、韓国の謝罪要求は突っぱね、これらを背後で黙認する米国に謝罪を要求するべきである。
歴史戦を戦わせる際に、大いなる論争の武器になる本である。
◇○▽□◎
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 1256回】
――「清人の己が過を文飾するに巧みなる、實に驚く可き也」(尾崎13)
尾崎行雄『遊清記』(『尾崎行雄全集』平凡社 大正十五年)
△
またまた淡水からの戦況報道だが、今度は「英人の手に成れる者なれば強ち偏頗の報道には非ざる可しと思うはる」。いわば中国人の報道は客観性の欠片もなく、自己中心の「偏頗」に過ぎるということだろう。
この「英人の手に成る」報道から、この戦争に対するフランスの目的を「固と大規模大計劃有て、施措する者に非ず、その目的唯安南の保護權を確定し、實費に倍?する所の償金を攫取するに過ぎ」ずと見做した。これは「世人皆推測する所」のようだ。つまりフランスは、?安南(ヴェトナム)の保護領化、?実費を数倍する賠償金の獲得を狙っているに過ぎない――というわけだ。
ならば「速やかに其目的を達するの要は、先づ支那政府を錯愕恐怖せしむるに在て、之を錯愕恐怖せしむるの道唯充分の兵力を備へ、迅雷耳を蔽ふに及ばざるの勢を以て、連りに沿海の要地を陥るゝに在り」。つまり、戦争目的を達するためにフランスは、十分な軍事力で中国沿海の要衝を一気に占領し、清国政府の度肝を抜いて恐怖愕然とさせればいいだけのこと。だがフランスは僅かな兵力を「南洋の僻地」、つまり台湾に派遣して破れるという情けない始末だ。こんなことを繰り返していては、「唯其目的を達する所以に非ざるのみならず、却て?々を遠ざかる所以也」と。清国にすらバカにされてしまうぞ、である。
そこで尾崎は戦況視察から上海に戻った我が海軍の天城艦を訪れ、台湾の実情を聞き質す。士官の懇切な解説に拠れば、基隆に上陸したフランス兵を清国軍が敗退したなどということは「全く無根の妄説なり」。やはり、そうだった。
じつはフランス兵は少数だが、全員がヴェトナムでの戦争を体験してきており、実戦経験十分であり「裕然として毫も清兵に恐るゝ所なき者の如し」。フランス兵に倍増すと思われる清国兵は有利な態勢で「天險の地を守る、之をして苟も戰意あらしむれば、佛将の戰に長ずるも、其一兵だに上陸する能はざるべし」。だから「若し基隆の守兵をして、敵と同等の勇氣と熟練とを有せしめれば」、決してフランス兵などに敗れることなどないはず。フランス兵の上陸を許し敗れたということは、とどのつまり清国兵の「其怯弱實に驚く可し」。
これに対し淡水では、「明治七年我が兵臺灣を征伐の日、命を受け該島に赴」いて以来、台湾防備に当たっている「守将孫開華」の指揮の下、清兵は奮戦健闘し、フランス軍を退けている。それというのも、「孫将軍臺灣に守る十年間、數々生蕃を討て、其兵稍や戰に慣るゝの致す所には非ざる乎」と。ということは「其怯弱實に驚く可」き清国兵でも、勇将の下で実戦を重ねさえすれば善戦敢闘するのではなかろうか。
某日、友人を伴って上海城内で買い物をするものの、その惨状に唖然・呆然・慄然。
「惡臭の鼻を衝くこと依然として曩時に異ならず、乞丐児の街側糞便堆裡に平坐して、錢を乞ふ者?々多きを覺ふ。其内糞中に横臥し血を吐く數升、呼吸将さに絶えなんとして未だ絶えず、呻吟苦を叫ぶの際、尚ほ既に冷却せりと思はるゝ計りの痩手を出して、錢を乞ふ者り」。そこで尾崎は「一見慄然寒からずして膚粟を生ず」。にもかかわらず「支那人毫も之を怪しまず、平視調笑して過ぐ」。
それしても「糞便堆裡に平坐し」、「糞中に横臥し血を吐く數升、呼吸将さに絶えなんとして未だ絶えず」して「錢を乞ふ」とは、凄まじい限りの情景である。想像してみるだけで、尾崎ならずとも「一見慄然寒からずして膚粟を生ず」る。だが、街角の惨状を「毫も之を怪しまず、平視調笑して過ぐ」という。ということは、そういう振る舞いは「支那人」の豪胆に拠るのか、無慈悲・無関心からなされるのか。それとも、余りにも日常的な風景だからなのか。おそらくは余りにも見慣れた風景であればこそ、なんだろうな。
《QED》
♪
(読者の声1)トヨタ米国人女性役員麻薬事件は、謎が多い。単純な個人の麻薬密輸入事件なのかもしれないが、一応可能性を考えて見た。
1.まずこの人物のトヨタの採用では、当然米国最高レベルのヘッドハンティング会社が動いている。この事件は、この会社の信用を失わせることになる。しかし、さらに考えてみたい。
2.この人物の麻薬利用は常習だから、裏世界ではすでに知られていたのではないか。だとするとトヨタの名声を傷つけるための工作ということが考えられる。
3.今回の摘発も、税関が発見したのではなく、何らかの密告がFBIあるいは日本警察にあったのではないか。
4.ということで、ヘッドハンティング会社の担当者がはじめから麻薬中毒と分かっていてこの人物をトヨタに推薦したということが考えられる。勿論十分な代償をもらってだが。
以上考えすぎですが、ご参考まで。
なお、豊田社長の陳謝談話は、本件が役員の私生活の問題である以上、感情移入せず司直の調査結果を待つというだけで良いと思う。
トヨタは善意の被害者であるが、文化が違うので米国のコンサルティン会社の意見を聞いて対応すべきであろう。
この事件を利用して恐喝しようとする内外の悪党たちが手ぐすね引いて待っているだろうから。
(東海子)
♪
(読者の声2) 最近、日本のマスコミは中国が徐々に対日関係改善に動き出したなどと報じています。
20日付け報道もその一つで、「安倍首相が中国に好意を示した」と香港テレビ 単独インタビューが反響。
安倍晋三首相が香港フェニックステレビのインタビューで過去の戦争への反省に言及し日中関係発展に意欲を示したことが、中国国内で安倍氏が対中姿勢を突然軟化させたと驚きをもって受け止められている。
同テレビのウェブサイトは「中国に好意を示したと言っても過言ではない」などといった調子です。
私は矢張り日本のマスコミは国際政治の厳しさがわかっていない~と感じました。情報統制に必死な中国が今なぜ、かような「春風」を吹かせはじめているかは、民主党などがめざす集団的自衛権関連法案の不成立を「援護」しているためとなぜ考えないのでしょう。 「せっかく中国が友好的な対日関係を築いてゆく兆しを見せているのに、
この法案成立は平和に反することだ」といった日本の世論形成を狙ったものであることはタイミングからして間違いありません。
逆な言い方をすれば、日本の集団的自衛権の法制化はそれほど中国に対して抑止効果があるという証左であり、彼らは阻止したいのです。
書店では孫子の兵法に関する書籍が多く並んでいますが、それを現実に照らし合わせて消化できるマスコミ関係者はきわめて少ないことをしめしているのです。
(SSA生)
(宮崎正弘のコメント)もうひとつ、中国の狙いはなんとしても日本にAIIBに参加して貰いたいのです。
△□○ ◎◇ △□○ ◎◇△□ ○◎◇
宮崎正弘の新刊
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ベストセラー驀進中! 三刷出来!
――戦後70年を迎え日本攻撃の総仕上げに動く中国と韓国。反日式典が目白押しで「旅順大虐殺」「関東大虐殺」など新たな日本攻撃を用意する両国だが、実態経済はボロボロで、中国が推し進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)は空中分解が必至、政治も混迷を極め崩壊寸前。
――中韓の共闘も完全に失敗し、中国は日本にすり寄り、韓国は完全に見捨てられる!
今後の東アジア情勢の変化を両ウオッチャーが分析した決定版!
http://www.amazon.co.jp/dp/4198639353/
宮崎正弘の新刊 好評発売中 !
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――AIIBはうまく行くはずがない
――共産党が運転する?「このバスには乗らない方が良い」
――中国の在庫一掃処分のはけ口に利用される懼れ大
――英国はじめ独仏が加盟申請したのは打算と思惑がある
――ロシアは本気で参加しているのではない。中国の風下に立つだろうか?
――アジア外交の攪乱が目的の「銀行もどき」は政治工作の武器なのだ
――日米カナダの不参加は見識である
http://www.amazon.co.jp/dp/4569825893/
(現在在庫切れ、一週間ほどお待ち下さい)
宮崎正弘『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
―そうか、こういう発想もあるのか!
大反響、防衛論壇に新しい波紋
http://www.amazon.co.jp/dp/4828418113/
衝撃と憂国の建白書!
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済! こうして突破できる日本経済』
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――アベノミクスで円安、株高、そして地方創成によって景気回復
――日本経済はこうすれば立ち直る(ワック 定価994円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4898317197/
宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
宮崎正弘のロングセラー
***********
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫、680円)
『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
************
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 西部遇『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示
~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015)6月23日(火曜日)
通算第4584号 <前日発行>
ISILの陰の胴元サウジアラビアの機密文書が漏れた
ウィキリークスが50万通の外交機密文書をを入手し公開しはじめる
********************
6月20日のAP電ではウィークリークスがサウジアラビアの外交文書およそ50万通を手に入れ、そのうちの6万通を公開したと伝えた。六万通の殆どがアラビア語のため、いまのところ欧米には甚大な被害はないが、サウジアラビア政府は沈黙している。
サウジアラビア王国と書かれた緑のレターヘッドを用いたりしているため、一部には偽造文書あるいは捏造による攪乱情報かも知れないという疑惑が広がっているが、発表された日は、たまたまジュリアンン・アサンジ容疑者が英国のエクアドル大使館へ亡命してから三年目にあたり、ウィキリークスが健在という宣伝が目的かという観測もある。
漏れた情報の中にはサウジアラビア内務省が、オアマ・ビンラディンの息子を呼び出し、同盟国アメリカの在リヤド大使館からの通知で、父親は死亡したと知らせてきたと通知したところ、証拠を見せてほしいといわれ、「確認の方法がない」というやりとりがあったなどと、眉唾のような話も含まれている。
ウィキリークスの主催者だったアランジは、スエーデン警察から「セックス犯罪」で逮捕状が出ている。
サウジがもっとも敵視するイランに関しての報告も夥しく含まれていると言われイランの核施設に関しての情報のほか、シリアの反政府武装勢力を支援するイランと過激派のやりとり、シリア政権を支援するエジプトとの通信記録など。イエーメンへのエジプト軍との共同軍事作戦の通信も含まれている
なにが飛び出すか?
◆書評 ◇しょひょう
中国、韓国の謝罪要求は際限がないが、日本は反論するより無視したほうが良い
かれらがいかに出鱈目な、でっち上げの歴史に基づいているかがよく分かる本だ
♪
黄文雄『米中韓が仕掛ける「歴史戦」』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
自虐史観ならぬ「中華史観」を黄文雄氏はこういう。
「すべてが政治」「勝者が歴史を創作」「独善的な史観の押しつけ」
わかりやすく言えば、科学的客観性は不要で、中国に於ける「歴史」とは政治的プロパガンダのこと、勝てば出鱈目な話を吹聴し、そのフェイクを他者、他国にも平然と押しつける悪癖。
それが「歴史を鏡とする」中国共産党の独善的ジコチュー史観である。それはいまに始まったことではない。
『史記』なるものは「皇帝中心史観の草分け」であり、『漢書』以来、官製の正史は王朝一代記のみ。『資治通鏡』は中華思想の魂としての正統主義史観を確立した」
つまり、こういうことだ。
「易姓革命の国、中国の歴代王朝にとっては「正統」王朝として認知されることが最大の関心事である。また、『正史』の編集については、易姓革命の正統性や大義名分以外に、『歴史を鏡』にして前王朝の成敗を学ぶのも目的の一つであった(中略)。韓国・北朝鮮も易姓革命の国である。ことに李朝時代に入って、易姓革命の正統性と事大の必要性から明に国名を下賜されただけでなく、国王まで明の認可が必要だった。こうして尊儒排仏を徹底的に断行し、中華思想がベースとなった中華史観を受容した」(51p)
だから結論はこうである。
「そもそも『歴史』について正しいか正しくないか、ことに中華史観に基づく史観も史説も『政治』であって、歴史ではない。もちろん、『反省も謝罪』も政治であって、歴史と『反省と謝罪』とは本来関係がない」
黄さんの結論。きわめて分かりやすい。
日本は中国、韓国の謝罪要求は突っぱね、これらを背後で黙認する米国に謝罪を要求するべきである。
歴史戦を戦わせる際に、大いなる論争の武器になる本である。
◇○▽□◎
樋泉克夫のコラム
@@@@@@@@
【知道中国 1256回】
――「清人の己が過を文飾するに巧みなる、實に驚く可き也」(尾崎13)
尾崎行雄『遊清記』(『尾崎行雄全集』平凡社 大正十五年)
△
またまた淡水からの戦況報道だが、今度は「英人の手に成れる者なれば強ち偏頗の報道には非ざる可しと思うはる」。いわば中国人の報道は客観性の欠片もなく、自己中心の「偏頗」に過ぎるということだろう。
この「英人の手に成る」報道から、この戦争に対するフランスの目的を「固と大規模大計劃有て、施措する者に非ず、その目的唯安南の保護權を確定し、實費に倍?する所の償金を攫取するに過ぎ」ずと見做した。これは「世人皆推測する所」のようだ。つまりフランスは、?安南(ヴェトナム)の保護領化、?実費を数倍する賠償金の獲得を狙っているに過ぎない――というわけだ。
ならば「速やかに其目的を達するの要は、先づ支那政府を錯愕恐怖せしむるに在て、之を錯愕恐怖せしむるの道唯充分の兵力を備へ、迅雷耳を蔽ふに及ばざるの勢を以て、連りに沿海の要地を陥るゝに在り」。つまり、戦争目的を達するためにフランスは、十分な軍事力で中国沿海の要衝を一気に占領し、清国政府の度肝を抜いて恐怖愕然とさせればいいだけのこと。だがフランスは僅かな兵力を「南洋の僻地」、つまり台湾に派遣して破れるという情けない始末だ。こんなことを繰り返していては、「唯其目的を達する所以に非ざるのみならず、却て?々を遠ざかる所以也」と。清国にすらバカにされてしまうぞ、である。
そこで尾崎は戦況視察から上海に戻った我が海軍の天城艦を訪れ、台湾の実情を聞き質す。士官の懇切な解説に拠れば、基隆に上陸したフランス兵を清国軍が敗退したなどということは「全く無根の妄説なり」。やはり、そうだった。
じつはフランス兵は少数だが、全員がヴェトナムでの戦争を体験してきており、実戦経験十分であり「裕然として毫も清兵に恐るゝ所なき者の如し」。フランス兵に倍増すと思われる清国兵は有利な態勢で「天險の地を守る、之をして苟も戰意あらしむれば、佛将の戰に長ずるも、其一兵だに上陸する能はざるべし」。だから「若し基隆の守兵をして、敵と同等の勇氣と熟練とを有せしめれば」、決してフランス兵などに敗れることなどないはず。フランス兵の上陸を許し敗れたということは、とどのつまり清国兵の「其怯弱實に驚く可し」。
これに対し淡水では、「明治七年我が兵臺灣を征伐の日、命を受け該島に赴」いて以来、台湾防備に当たっている「守将孫開華」の指揮の下、清兵は奮戦健闘し、フランス軍を退けている。それというのも、「孫将軍臺灣に守る十年間、數々生蕃を討て、其兵稍や戰に慣るゝの致す所には非ざる乎」と。ということは「其怯弱實に驚く可」き清国兵でも、勇将の下で実戦を重ねさえすれば善戦敢闘するのではなかろうか。
某日、友人を伴って上海城内で買い物をするものの、その惨状に唖然・呆然・慄然。
「惡臭の鼻を衝くこと依然として曩時に異ならず、乞丐児の街側糞便堆裡に平坐して、錢を乞ふ者?々多きを覺ふ。其内糞中に横臥し血を吐く數升、呼吸将さに絶えなんとして未だ絶えず、呻吟苦を叫ぶの際、尚ほ既に冷却せりと思はるゝ計りの痩手を出して、錢を乞ふ者り」。そこで尾崎は「一見慄然寒からずして膚粟を生ず」。にもかかわらず「支那人毫も之を怪しまず、平視調笑して過ぐ」。
それしても「糞便堆裡に平坐し」、「糞中に横臥し血を吐く數升、呼吸将さに絶えなんとして未だ絶えず」して「錢を乞ふ」とは、凄まじい限りの情景である。想像してみるだけで、尾崎ならずとも「一見慄然寒からずして膚粟を生ず」る。だが、街角の惨状を「毫も之を怪しまず、平視調笑して過ぐ」という。ということは、そういう振る舞いは「支那人」の豪胆に拠るのか、無慈悲・無関心からなされるのか。それとも、余りにも日常的な風景だからなのか。おそらくは余りにも見慣れた風景であればこそ、なんだろうな。
《QED》
♪
(読者の声1)トヨタ米国人女性役員麻薬事件は、謎が多い。単純な個人の麻薬密輸入事件なのかもしれないが、一応可能性を考えて見た。
1.まずこの人物のトヨタの採用では、当然米国最高レベルのヘッドハンティング会社が動いている。この事件は、この会社の信用を失わせることになる。しかし、さらに考えてみたい。
2.この人物の麻薬利用は常習だから、裏世界ではすでに知られていたのではないか。だとするとトヨタの名声を傷つけるための工作ということが考えられる。
3.今回の摘発も、税関が発見したのではなく、何らかの密告がFBIあるいは日本警察にあったのではないか。
4.ということで、ヘッドハンティング会社の担当者がはじめから麻薬中毒と分かっていてこの人物をトヨタに推薦したということが考えられる。勿論十分な代償をもらってだが。
以上考えすぎですが、ご参考まで。
なお、豊田社長の陳謝談話は、本件が役員の私生活の問題である以上、感情移入せず司直の調査結果を待つというだけで良いと思う。
トヨタは善意の被害者であるが、文化が違うので米国のコンサルティン会社の意見を聞いて対応すべきであろう。
この事件を利用して恐喝しようとする内外の悪党たちが手ぐすね引いて待っているだろうから。
(東海子)
♪
(読者の声2) 最近、日本のマスコミは中国が徐々に対日関係改善に動き出したなどと報じています。
20日付け報道もその一つで、「安倍首相が中国に好意を示した」と香港テレビ 単独インタビューが反響。
安倍晋三首相が香港フェニックステレビのインタビューで過去の戦争への反省に言及し日中関係発展に意欲を示したことが、中国国内で安倍氏が対中姿勢を突然軟化させたと驚きをもって受け止められている。
同テレビのウェブサイトは「中国に好意を示したと言っても過言ではない」などといった調子です。
私は矢張り日本のマスコミは国際政治の厳しさがわかっていない~と感じました。情報統制に必死な中国が今なぜ、かような「春風」を吹かせはじめているかは、民主党などがめざす集団的自衛権関連法案の不成立を「援護」しているためとなぜ考えないのでしょう。 「せっかく中国が友好的な対日関係を築いてゆく兆しを見せているのに、
この法案成立は平和に反することだ」といった日本の世論形成を狙ったものであることはタイミングからして間違いありません。
逆な言い方をすれば、日本の集団的自衛権の法制化はそれほど中国に対して抑止効果があるという証左であり、彼らは阻止したいのです。
書店では孫子の兵法に関する書籍が多く並んでいますが、それを現実に照らし合わせて消化できるマスコミ関係者はきわめて少ないことをしめしているのです。
(SSA生)
(宮崎正弘のコメント)もうひとつ、中国の狙いはなんとしても日本にAIIBに参加して貰いたいのです。
△□○ ◎◇ △□○ ◎◇△□ ○◎◇
宮崎正弘の新刊
宮崎正弘 v 室谷克実『日本に惨敗し ついに終わる中国と韓国』(徳間書店)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
ベストセラー驀進中! 三刷出来!
――戦後70年を迎え日本攻撃の総仕上げに動く中国と韓国。反日式典が目白押しで「旅順大虐殺」「関東大虐殺」など新たな日本攻撃を用意する両国だが、実態経済はボロボロで、中国が推し進めるアジアインフラ投資銀行(AIIB)は空中分解が必至、政治も混迷を極め崩壊寸前。
――中韓の共闘も完全に失敗し、中国は日本にすり寄り、韓国は完全に見捨てられる!
今後の東アジア情勢の変化を両ウオッチャーが分析した決定版!
http://www.amazon.co.jp/dp/4198639353/
宮崎正弘の新刊 好評発売中 !
『アジアインフラ投資銀行の凄惨な末路』(PHP研究所、999円)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――AIIBはうまく行くはずがない
――共産党が運転する?「このバスには乗らない方が良い」
――中国の在庫一掃処分のはけ口に利用される懼れ大
――英国はじめ独仏が加盟申請したのは打算と思惑がある
――ロシアは本気で参加しているのではない。中国の風下に立つだろうか?
――アジア外交の攪乱が目的の「銀行もどき」は政治工作の武器なのだ
――日米カナダの不参加は見識である
http://www.amazon.co.jp/dp/4569825893/
(現在在庫切れ、一週間ほどお待ち下さい)
宮崎正弘『日本が在日米軍を買収し、第七艦隊を吸収・合併する日』(ビジネス社)
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
―そうか、こういう発想もあるのか!
大反響、防衛論壇に新しい波紋
http://www.amazon.co.jp/dp/4828418113/
衝撃と憂国の建白書!
宮崎正弘 v 渡邊哲也『激動する世界経済! こうして突破できる日本経済』
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
――アベノミクスで円安、株高、そして地方創成によって景気回復
――日本経済はこうすれば立ち直る(ワック 定価994円)
http://www.amazon.co.jp/dp/4898317197/
宮崎正弘の新刊案内 http://miyazaki.xii.jp/saisinkan/index.html
宮崎正弘のロングセラー
***********
『中国、韓国は自滅し、アジアの時代がやってくる!』(海竜社、1080円)
『中国大破綻 ついに失われる20年に突入する』(PHP研究所、1404円)
『日本と世界を動かす悪の「孫子」』(ビジネス社。1188円)
『吉田松陰が復活する』(並木書房、定価1620円)
『中国・韓国を“本気で”見捨て始めた世界』(徳間書店 1080円)
『台湾烈々 世界一の親日国家がヤバイ』(ビジネス社、1188円)
『「中国の時代」は終わった』(海竜社、定価1080円)
『中国共産党、三年以内に崩壊する!?』(海竜社、1080円)
『中国バブル崩壊が始まった』(海竜社、1080円)
『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫、680円)
『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円)
<宮崎正弘の対談シリーズ>
************
宮崎正弘 v 小川榮太郎『保守の原点』(海竜社。1620円)
宮崎正弘 v 大竹慎一『中国崩壊で日本はこうなる』(1512円。徳間書店)
宮崎正弘 v 室谷克実『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店)
宮崎正弘 v 川口マーン惠美『なぜ中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック)
宮崎正弘 v 石平『2015年 中国の真実』(ワック、シリーズ第五弾)
宮崎正弘 v 西部遇『日米安保五十年』(海竜社)
宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
(C)有限会社宮崎正弘事務所 2015 ◎転送自由。転載の場合、出典を明示