クリックしただけで直ちに契約は成立しないので、慌てて支払わない
アダルトサイト閲覧中に「カシャ」 巧妙な「ワンクリック詐欺」
2015.06.04
スマートフォンの急速な浸透により、アダルトサイト関連のワンクリック詐欺に関する相談件数が2014年度、過去最多を記録したという。多機能を売りにするスマホゆえ、その手口は日々“進化”している。最新の手口と、同種の詐欺に対する正しい対処法を紹介する。
《ワンクリック詐欺》
パソコンや携帯電話、スマートフォンを使いインターネットに接続し、サイトを閲覧中に、年齢認証や動画再生ボタンをクリックするだけで高額な利用料を請求される詐欺。一方的に会員登録となり、高額な料金を請求されるという相談が多く寄せられている。
国民生活センターに相談が相次ぐ
スマホの浸透で、アダルトサイト関連の相談件数は過去最多に
スマホの浸透とともにトラブルは急増しており、アダルトサイトの利用料請求などをめぐる国民生活センターへの相談件数は、2014(平成26)年度、過去最多の10万6279件に上った。このうちスマホ利用者は半数近い4万7515件だった。
アダルトサイト閲覧、突然「カシャ」…巧妙化する“ワンクリック詐欺”の手口
【手口1】閲覧中にカメラのシャッター音…「写真」で脅す
アダルトサイトを見ていると「カシャ」…登録完了の画面が表示され9万円の請求が
スマホでアダルトサイトを閲覧し、画面に表示された「18歳以上」のボタンをタップする(押す)と、シャッター音が聞こえ、スマホに登録完了の画面が表示される。約9万円の利用料を請求された実例も。
アダルトサイト閲覧、突然「カシャ」…巧妙化する“ワンクリック詐欺”の手口
問い合わせ先に電話も…相手側は「こちらには“写真”があるから払ってください」
慌てた利用者は、画面に表示された問い合わせ先の番号に電話。「取り消したい」と申し出て名前や住所を伝えるが、電話の相手は「こちらには“写真”があるから払ってください」とうそぶく。
【手口2】バイブを作動させ不安をあおる
閲覧中に作動させる仕掛けで、利用者を疑心暗鬼に
アダルトサイトを閲覧中、登録画面が表示されるタイミングでスマホのバイブレーション機能が作動するようにサイトに仕掛けを作っておき、利用者に「何かまずいことが起きたんじゃないか」と疑心暗鬼にさせる。
【手口3】ブラウザを操り自動的に業者に電話をかけさせる
料金や問い合わせ先が記載された「ポップアップメッセージ」が自動的に表示される
サイトにある動画の再生ボタンやメールのリンクをタップすると、登録完了画面が表示される。その際に、料金や問い合わせ先が記載された「ポップアップメッセージ」が自動的に表示される。
アダルトサイト閲覧、突然「カシャ」…巧妙化する“ワンクリック詐欺”の手口
メッセージを消そうと「OK」をタップすると電話発信画面が表示
ポップアップメッセージは画面の最前面に飛び出すように表示され、動揺した利用者がメッセージを画面から消そうと「OK」ボタンをタップすると、今度は電話発信をするかどうか確認するメッセージが表示される。
普段は非通知設定にしていたとしても電話番号を通知させる仕掛け
無警戒に「発信」ボタンをタップしてしまうと、サイトの運営業者に電話がかかってしまう。発信する相手先番号の頭には、あらかじめ電話番号を相手に通知する「186」が付け加えられており、普段は非通知設定にしていたとしても電話番号を知られてしまう。
【手口4】ユーザーに詐欺アプリをインストールさせる
アダルト動画を再生しようとすると、OS側が有害でとの警告を出しダウンロードを指示
大手セキュリティー会社「シマンテック」が5月31日にブログで紹介した手口は、ユーザーに詐欺アプリをインストールさせるもの。サイト上で動画を再生すると、「この種類のファイルはお使いの端末に悪影響を与える可能性があります」と表示され「player.apk」をダウンロードするように指示が出る。
アダルトサイトのワンクリック詐欺にひっかかるのは日本人ばかり--Symantec〔マイナビニュース〕
インストールで詐欺アプリが入り込み、料金の支払いを求められる
ダウンロードしたファイルをインストールすると、端末内に詐欺アプリが入り込む。アプリを起動すると会員用ページが開き、アダルト動画のリストが表示。しばらくすると、ユーザーが契約したとする登録についての情報が表示され、料金が請求される。料金は支払い期限を過ぎると大幅に値上げされるする。
アダルトサイトのワンクリック詐欺にひっかかるのは日本人ばかり--Symantec〔マイナビニュース〕
従来の銀行振り込みではなく、クレジットカードを求められる
新手口の詐欺では、支払い方法としてクレジットカードが求める。これまで銀行振込が一般的な手口であり、カード払いを確認したのは初めてのことだという。シマンテックでは、「支払いプロセスを被害者にとってできるだけ簡単にしようと意図している」と説明している。
アダルトサイトのワンクリック詐欺にひっかかるのは日本人ばかり--Symantec〔マイナビニュース〕
詐欺グループはスマホへの「不慣れ」に漬け込んでいる
国内のスマホ契約数は6248万件。携帯電話の契約数全体の5割に
民間リサーチ会社「MM総研」の調査では、2014年9月末時点の国内のスマホ契約数は6248万件で、携帯電話の契約数全体の50・3%に達したという。
アダルトサイト閲覧、突然「カシャ」…巧妙化する“ワンクリック詐欺”の手口
情報処理推進機構「情報機器に不慣れな人も多く、つけ込まれやすい」
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)の担当者は「スマホで初めて情報機器に触れたという人も少なくない。ネットにも不慣れなため、つけ込まれやすい」と指摘する。
ワンクリック詐欺に遭遇した際の対処法は?
警視庁は主に以下3つを挙げる
(1)クリックしただけで直ちに契約は成立しないので、慌てて支払わない
(2)相手に自分の連絡先を伝えてしまうことになるので、相手業者に連絡をしない
(3)ダウンロードなどした不正な登録・料金請求画面は消す
ワンクリック料金請求にご用心〔警視庁〕
そもそも、サイトを閲覧するだけでカメラを操作することはできない
情報処理推進機構の担当者は「サイトを閲覧するだけでスマホのカメラを操作したり、撮影した画像を送信させたりすることはできない」と話す。これは、企業などのサイトを見た場合にBGMが流れるのと同じ仕組み。
アダルトサイト閲覧、突然「カシャ」…巧妙化する“ワンクリック詐欺”の手口
そして、自分から相手に教えない限り、個人情報は分からない
警視庁によると、パソコンのIPアドレスや、携帯電話の個体識別番号から個人情報は分からないため、これらの情報が画面に表示されたとしても、相手に送信されたわけではないという。
ワンクリック料金請求にご用心〔警視庁〕
ただ、Android OSのスマホでは、不正アプリを通じ個人情報が相手業者に伝わる可能性も
警視庁よると、Android端末において料金請求画面に自分の電話番号やメールアドレスが表示された場合は、不正なアプリによって、端末の個人情報等が相手業者に伝わっている可能性があるという。Android端末の場合は、アプリのインストール時にアクセス許可をよく確認することが大切。
ワンクリック料金請求にご用心〔警視庁〕
http://www.iza.ne.jp/topics/events/events-7046-m.html
警視庁 Metropolitan Police Department
警視庁のウェブサイトからさがす
ワンクリック料金請求にご用心
クリックしただけで料金請求?
最近、パソコンや携帯電話、スマートフォンを使いインターネットに接続し、サイトを閲覧していたら、年齢認証を求められクリックしたところ、一方的に会員登録となり、高額な料金を請求されるという相談が多く寄せられています。
不当な請求に応じないよう、次のことを参考にしてください。
慌てて支払わない
クリックしただけで、直ちに契約は成立しないので、まずは最寄りの消費生活センターで相談をしてください。利用規約があったとしても、契約が成立していない場合が多いので、慌てず、落ち着いて対応してください。
個人情報は分からない
パソコンのIPアドレスや、携帯電話の個体識別番号から個人情報は分かりませんので、これらの情報が画面に表示されたとしても慌てないでください。
自分から相手に教えない限り、個人情報は分かりません。
【スマートフォンの場合に注意!】
※ Android OSのスマートフォンにおいて、料金請求画面に自分の電話番号やメールアドレスが表示された場合は、不正なアプリケーション(アプリ)によって、端末の個人情報等が相手業者に伝わっている可能性があります。
相手業者から料金請求の電話がかかってきたり、メールが送られてきた場合は、電話の着信拒否やメールの受信拒否等で対応してください。
Android端末の場合は、アプリのインストール時にアクセス許可をよく確認することが大切です。アプリの動作から考えると、不必要なアクセス許可があるものは、インストールを中止してください。
また、提供元が不明など、信頼できないアプリはインストールしない設定にしてください。
※参考にしてください
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[1月分]について
「スマートフォンでもワンクリック請求に注意!」
※スマートフォンのセキュリティ対策についてはこちらを参考にしてください
IPA 独立行政法人 情報処理推進機構 対策のしおりシリーズ8
スマートフォンのセキュリティ<危険回避>対策のしおり(第1版)
相手業者に連絡をしない
相手業者に電話をしたり、確認のメールを送ったりすることは、相手に自分の連絡先を伝えてしまうことになるので注意してください。
相手業者に連絡すると、代金の支払いに関してメールが大量に届いたり、電話がかかってくる場合があります。メールがたくさん届くようになった場合は、メールの受信拒否をする方法などがあります。また、電話がかかってくる場合は着信拒否の設定をしましょう。詳しくは、各携帯電話会社に問い合わせてください。
※参考にしてください
迷惑メール相談センター 迷惑メール対策
不正な登録・料金請求画面は消せる
動画だと思ってダウンロードしたものが、料金請求画面を表示する不正なプログラムであり、パソコンのデスクトップ上から消えないことがあります。このような場合は、「システムの復元」という機能を使えば消える場合があるので、情報処理推進機構の解説を参考にして対応してください。
※システムの復元の実施に当たっては、説明をよく読み、自己責任でお願いします。
○こちらのページもご覧ください
料金請求画面が消えない
ワンクリック料金請求サイトの表示例
認証画面をクリックして次に進んだところ、料金の説明や、入会登録するにあたり、契約の確認画面が一切なかったにも関わらず、急に「登録完了」と表示されるようです。
同様に、パソコンに送られてきたメールに記載されているURLをクリックしただけで、料金請求画面が表示される場合もあります。
相手の連絡先が記載してあったとしても、自ら連絡せず、無視することが一番よい対処法です。
YESはもとより、NOをクリックしても
YESをクリックしたのと同じ画面に進んでしまうことも・・・
多くの不当料金請求のサイトには、金額だけではなく、
「ご登録完了しました。」
「携帯電話情報を送信します。」
「あなたの個体識別番号はxxxxxです。手続きを完了しました。」
・・・などと記載されています。
実際に自らサイトにアクセスしたことによって料金請求の画面が表示されるため、驚いてしまう人が多いようです。
たとえ携帯電話の機種名や個体識別番号、自分の位置情報が事実だったとしても、それらの情報から個人情報が漏れてしまうことはありません。
もっともらしく文面に記載されていることをすぐに信じたりせず、料金の支払いや返信をしないようにしましょう。
位置情報が記載されたワンクリック料金請求画面のイメージ例
たとえ、このような画面が表示されても
位置情報から個人情報がもれることはありません!
これらの不当な料金請求は、出会い系サイトやアダルトサイトによく見られます。
怪しいサイトには、最初からアクセスをしないようにお願いします。
また、一方的に送られてくる勧誘メールに安易に登録したり、おもしろ半分や興味本位で、届いた勧誘・広告メールに記載されたURLをクリックするのはやめましょう。
特に、お子さんが不当料金請求にあってしまった場合は、どうしてそのようなサイトにアクセスできてしまったのか、フィルタリングの設定をよく見直してください。
料金請求の手段があまりにも悪質である場合、又は支払いに応じてしまった場合などは、最寄りの警察署へご相談ください。
参考ページ
架空請求の情報を集めています。(東京都 架空請求緊急対策班)
利用した覚えのない「料金請求」注意!(警視庁)
個人情報を入手していると偽って請求行為を行うサイトについて(NTTドコモ)
サイバー犯罪に係る電話相談窓口
ミヨミライ ハイテク
電話相談 03 - 3431- 8109
平日午前8時30分から午後5時15分まで
情報提供はこちらから
警視庁 サイバー犯罪対策課
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/haiteku/haiteku35.htm
警視庁 Metropolitan Police Department
警視庁のウェブサイトからさがす
料金請求画面が消えない!
ワンクリック料金請求などの悪質なサイトにアクセスした際に、メッセージに従って年齢確認ボタンや動画再生ボタンをクリックしたところ、料金請求画面が表示され、「×」ボタン(閉じる)をクリックしても画面を閉じることができず、パソコンを何度再起動してもまた同じ料金請求画面が繰り返し表示され、閉じることができずに困っている、という相談が多数寄せられています。
これは、ボタンをクリックした際に不正なプログラムをダウンロードしてしまい、パソコンの設定を変更されてしまったことが原因と思われます。
料金請求画面には、支払いをすれば画面が消える旨の記載がされていることがありますが、不当な請求には応じないでください。
料金請求画面が消えなくなったら
パソコンにウイルス対策ソフトがインストールされていれば、まずはコンピュータ内をウイルス対策ソフト(最新の定義ファイルを使用)でスキャンしてみましょう。ウイルス対策ソフトが不正なプログラムを削除してくれる場合があります。
ウイルス対策ソフトで消すことができなかった場合は、Windowsの標準機能である「システムの復元」を使用して、パソコンの設定が変更される以前の状態へ、システムを復元する方法があります。
「システムの復元」の起動方法(※自己責任において実施してください)
すべてのプログラム → アクセサリ → システムツール → システムの復元
(セーフモードでの実行を推奨します)
※ セーフモードでパソコンを起動する方法については、メーカーのマニュアル等を参照してください
※ 注意
「システムの復元」は、次の点に了解したうえで実行してください。
「システムの復元」実行時には、「保存したドキュメント、電子メール、履歴、お気に入り一覧などの最新の作業ファイルを失うことなく、コンピュータを以前の時点まで戻すことができます。」と表示されますが、これは保障されるものではありません。
一部のアプリケーションの動作が不安定になったり、最悪の場合、パソコンが起動しなくなるといった状態になる可能性もあります。重要なデータは、必ずバックアップを取ってから実行してください。
【参考ページ】
○ IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
【注意喚起】ワンクリック請求に関する相談急増!パソコン利用者にとっての対策は、まずは手口を知ることから!
Windowsでの「システムの復元」の実施手順
「システムの復元」で以前の設定へ戻しても、料金請求画面が消えない場合
最終的な手段として、パソコンの初期化(再セットアップ)を行う方法があります。
初期化の方法については、メーカーや機種によって違いがありますので、パソコンに添付されたマニュアルを参照するか、メーカー等に問合せてください。
なお、初期化をすると工場出荷時の状態に戻るため、パソコン上の記録データはすべて消去されますので、必要なデータは事前にUSBメモリやCD-R等の外部記録媒体へバックアップしておくことをお勧めします。
サイバー犯罪に係る電話相談窓口
ミヨミライ ハイテク
電話相談 03 - 3431- 8109
平日午前8時30分から午後5時15分まで
情報提供はこちらから
警視庁 サイバー犯罪対策課
http://www.keishicho.metro.tokyo.jp/haiteku/haiteku/haiteku36.htm