腸内フローラを劇的に整える、たった2つのサプリメント•イヌリン•ラクツロース | 日本のお姉さん

腸内フローラを劇的に整える、たった2つのサプリメント•イヌリン•ラクツロース

腸内フローラを劇的に整える、たった2つのサプリメント
2015年5月10日2015年5月9日 12

テレビ等で紹介され大注目の腸内フローラ。そのバランスが崩れると、様々な生活習慣病を招くばかりか人格まで破綻するという研究結果もあるというから驚きです。そんな腸内フローラを整えるにはどうしたらいいのでしょうか? ダイエッ
トを科学的に分析するプロトレーナーの山本義徳さんが、ふたつのサプリメントを紹介しています。

腸内フローラを整えるふたつのもの

NHKの番組で腸内フローラについて取り上げられてから、腸内環境がヒトの様々な代謝に思っていたよりも大きな影響を与えることが知られるようになってきました。

肥満のヒトの腸内細菌をマウスに移植すると、そのマウスはどんどん肥っていった…、というのは多くの視聴者を驚かせたのではないでしょうか。

腸内細菌は乳酸や短鎖脂肪酸(酪酸、酢酸、プロピオン酸)などを生成し、これらは糖新生の原料になります。

特に酪酸は大腸でエネルギー源として使われます。

断食をすると、最初の数日は下痢が続くことがあります。これで「デトックスされた!」と喜ぶ人もいるのですが、真実は違います。

断食によって腸内細菌のエネルギーが不足し、酪酸を産みだすことができなくなったため、大腸で水分を吸収する能力が低下し、下痢してしまうのです。

NHKでは短鎖脂肪酸が体脂肪を燃やすというような表現を使っていましたが、それは言い過ぎです。ただし酪酸が腸脳神経回路を通して糖新生の遺伝子発現を活性化し、それはプロピオン酸を材料として起こる(※1)というのは有益な発見です。

さらに短鎖脂肪酸には遊離脂肪酸受容体が存在し、ケトン体であるβヒドロキシ酪酸も含め、Gタンパク共役受容体を介した神経系への作用や全身のカロリーコントロールなどに関する研究が進められています。(※2、※3)

さてNHKで取り上げられたトピックの中でも意外なのは、腸内環境が性格にも影響するというトピックではないでしょうか。番組では活発なマウスと臆病なマウスの腸内フローラを入れ替えたところ、性格も逆転したという研究結果を紹介していました。

このあたりはまだ追加実験のないところで鵜呑みにはできないのですが、最近の報告で「高脂肪食のマウスは性格が破たんする」というような内容の論文が出てきました。(※4)

高脂肪食だと体重は変わらないものの、探索的活動や認知機能、ステレオタイプな行動に破綻をきたし、腸のバリア機能が壊れ、体内を循環するエンドトキシン(毒素)が増え、リンパ組織における炎症関連タンパクが増加し、最終的には脳血管ホメオスタシスを破綻させるという内容です。

これまでに何度も紹介している通り、ローカーボ・ダイエットによって発生するケトン体は有益な作用が非常に多いのですが、高脂肪食による腸内環境の悪化は問題です。
そこで腸内環境を整えるふたつのものをここで紹介しましょう。

まずはイヌリンです。別名「フラクトオリゴ糖」。

これは上行結腸においてビフィズス菌を増加、横行結腸においてビフィズス菌と乳酸菌を増加&大腸菌(悪玉)を減少、下行結腸においてビフィズス菌と乳酸菌を増加&大腸菌とブドウ球菌(悪玉)を減少させてくれます。

さらにイヌリンによって増えたビフィズス菌が、プロピオン酸や酪酸などの短鎖脂肪酸の産生能を高めることも明らかにされています。またイヌリンが悪玉菌によって産生されたアンモニアを減少させることも示しています(※5)

摂取量としては一日に10g弱でいいでしょう。この程度の量でしたら、腹部膨満感などの胃腸症状を伴わずに使用できたとされています。(※6)

もう一つお勧めしたいのが、ラクツロース(ラクチュロース)です。

これはガラクトースとフルクトースを人工的に合成した糖質で、ビフィズス菌や乳酸菌を増やすことが分かっています。

最近話題になっている「水素水」というものがありますが、水素には活性酸素を除去する作用があるため、原理上は効果があるはずです。しかし、実はヒトの腸でも水素ガスは発生しており、その量は「一日に1リットル」です。これをグラムに直すと、約89mgです。

いっぽう、水素が飽和した水を1リットル飲んでも、水素は1.6mgしか摂取できません。

そこで、腸内環境を整えて水素ガスの発生を増やすことを目指します。

さて、ラクツロースを12.5g摂取したところ、水素ガスの発生が通常の8倍になったという報告があります。(※7)

ラクツロースはもともと薬剤で、肝性脳症や高アンモニア血症患者のアンモニアを減らすことを目的として開発されました。便秘の薬としても使われるので、下痢気味の人には向かないかもしれませんが。

ともあれ、ローカーボ・ダイエットで高脂肪食となっており、どうも腸の調子が悪いとか便秘気味になっているという方は、イヌリンやラクツロースの摂取を検討してみるといいかもしれません。

<<今日のまとめ>>
•腸内環境を整えよう。
•イヌリンやラクツロースがお勧め。


※1:
Microbiota-generated metabolites promote metabolic benefits via gut-brain
neural circuits.
Cell. 2014 Jan 16;156(1-2):84-96. doi: 10.1016/j.cell.2013.12.016. Epub 2014
Jan 9.

※2:
Short-chain fatty acids and ketones directly regulate sympathetic nervous
system
via G protein-coupled receptor 41 (GPR41).
Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 May 10;108(19):8030-5. doi:
10.1073/pnas.1016088108. Epub 2011 Apr 25.

※3:
β-Hydroxybutyrate modulates N-type calcium channels in rat sympathetic
neurons
by acting as an agonist for the G-protein-coupled receptor FFA3.
J Neurosci. 2013 Dec 4;33(49):19314-25. doi: 10.1523/JNEUROSCI.3102-13.2013.

※4:
Obese-type Gut Microbiota Induce Neurobehavioral Changes in the Absence of
Obesity.
Biol Psychiatry. 2015 Apr 1;77(7):607-15. doi:
10.1016/j.biopsych.2014.07.012. Epub 2014 Jul 18.

※5:
Prebiotic effects of chicory inulin in the simulator of the human intestinal
microbial ecosystem
FEMS Microbiol Ecol. 2004 Dec 27;51(1):143-53.

※6:
Gastrointestinal tolerance of chicory inulin products.
J Am Diet Assoc. 2010 Jun;110(6):865-8. doi: 10.1016/j.jada.2010.03.025.

※7:
Colonic hydrogen absorption: quantification of its effect on hydrogen
accumulation caused
by bacterial fermentation of carbohydrates.
Gut. 1993 Jun;34(6):818-22.


『【世界中の研究結果から学ぶ】博士のダイエット研究所』 Vol.147より一部抜粋

【Vol.147の目次】
1.世界中の研究結果から学ぶ ~腸内環境が性格を変える? ~
2.Q&A 「博士!このダイエットは効きますか?」
3.お知らせ

著者/山本義徳
プロアスリートから一般の方までのパーソナルトレーニングを行い、非常に高い信頼と結果を得ている。自身もボディビルの全米大会日本人初の重量級での優勝を達成。メルマガでは、日々進化を遂げるダイエットの最新情報をお届け
http://www.mag2.com/p/news/15006

【ダイエット】殺菌・除菌を止めて痩せる腸内フローラを作る
2015年2月23日
ダイエットにも効く腸内フローラ

2月22日(日)NHKスペシャルで報道するようですし、
3月8日(日)たけしのみんなの家庭の医学でも特集するそうなのでお先に紹介します。


NHKスペシャル予告サイトでは、このような説明がされています。


お肌の調子が良くない、ダイエットの成果がなかなかでない・・・

そんな時、あなたのお腹にいる“腸内フローラ”が影響しているかもしれません。

“腸内フローラ”とは、腸の中に住む細菌たちの生態系のことを言います。

いま、最新の遺伝子解析技術によって、

腸内細菌がもつ知られざるパワーが明らかになってきました。

腸内細菌と言えば、「善玉菌」「悪玉菌」という言葉が思い浮かぶかもしれませんが、


腸の中には実に100兆匹以上、数百種類もの細菌が住んでいて、

その細菌の出す物質が、私達の美容や健康に様々な影響を及ぼしていることが分かってきました。

がんや糖尿病などの病気から、肥満やお肌のシワなどの体質まで。

さらには、その影響は脳にまで及び、うつ病とも関係しているのではないかと考えられています。

腸内細菌の全貌を解明すれば、

医療に大きな変革をもたらすのではないかという期待が高まり、

欧米では国家的な研究プロジェクトが動き出しました。

“腸内フローラ”を治療に活かす臨床研究も次々と始まっています。

今や“腸内フローラ”は、人類の寿命を劇的に延ばした「ワクチンの開発」や

「抗生物質の発見」に匹敵するインパクトがあるとも考えられています。

私達の体の中の不思議パートナー“腸内フローラ”の秘密に迫ります。

これは本当にその通りだと思います。

ダイエットで同じ物を食べても結果が違う。同じ生活習慣をしているのに病気になる人とならない人がいる。この違いは、はっきり言って腸内フローラの違いです。腸内の細菌生態系の力によって、ダイエットも健康も長寿も実現します。

ところが、はっきり言って現代は逆の方向に向かっています。皆さんご存じのように「殺菌」「除菌」の潔癖なまでの清潔志向です。

腸内細菌は人により2万種類、100兆~1000兆もの細菌が存在します。そして、腸内だけではなく、皮膚の表面にも1兆以上の菌が繁殖しています。これを「汚い」と思っているのが現代人です。

しかし、お肌の除菌を徹底すると病気になります。人間の肌は菌の繁殖に適していますから、病原菌もすごい勢いで繁殖します。

ところが、常駐菌というお肌に住み着いている菌が多数いると、たまたま付着した病原菌もそう簡単に増える事ができないので病気にならないのです。

常駐菌がいなくなれば病原菌があっという間に広がります。

テレビCM等をみていると、細菌が悪者のように扱われていますが逆効果なのです。

特に薬用せっけんや、なんとうがい薬の日常的な使用が危険だと研究者が警告しています。

現代人は大企業のマーケティングの犠牲になっているともいえるのです。あれだけテレビで視覚的に細菌を見せられたら、除菌生活に走るのも当然でしょう。

しかし子供の頃に菌にまみれる生活をしていないと、免疫システムが正常に発達しないという問題点があるので将来が困りますよ。

子供は何でも口に入れますし泥んこ遊びが大好きですが、これは本能的に雑菌を体の中に入れることにより免疫システムを作るためです。

赤ちゃんが「はいはい」をして、床についている細菌を口にすることで免疫システムが強化されているのです。

最近、ノロウイルスやO-157等、昔は無かった感染症が増えていますが、除菌生活の結果でしょう。じっさい、O-157に感染する方の家庭環境は潔癖症的な除菌生活だそうです。

清潔にするのは大事だと思いますが、除菌はほどほどにしないと、どんどん体の免疫力が落ちてゆきます。

これは腸内も同じなのです。腸内細菌にとって一番の敵は、「薬」と「添加物」です。これはアレルギー疾患とも関係していて、体内の除菌をやり過ぎると、自己免疫疾患(アレルギー)になる可能性が大きいとか。

これは50年前には見られなかった事ですが、腸内の寄生虫を駆除し、腸内細菌を駆除した結果だと思われます。

一説によると腸内の寄生虫がアレルギー抑制物質を排出していたともいいます。また食物のアレルギーである遅発性アレルギーも増えています。これも腸内細菌の減少による「リーギーガット症候群」の結果です。

簡単にいえば、腸内細菌が減ったことにより、腸粘膜に小さな穴が開いたことで、未消化の食品が血液中に入る事です。未消化の食品は大きな分子のまま血液に入ります。するとそれを免疫システムが異物と勘違いして攻撃するのがアレルギー症状なのです。

これを防ぐには、抗生物質や添加物や化学物質を食べない事です。つまりは、「薬」を飲まずに、「加工食品」を控える事が前提ですね。

この腸内フローラを変えるには、食生活を改善するしかありません。つまり、腸内細菌が喜ぶエサを食べておく事が必要です。腸内細菌の大好物は「食物繊維」と「発酵食品」なので、これを食べるのが大事です。

ちなみに大便の60%以上は腸内細菌の死骸です。食物繊維は30%程というので、大便の大きさは腸内環境の物差しと言えますね。

そして腸内細菌には「善玉」と「悪玉」がいるのですが、これはどちらかというと少数で、大部分は「日和見菌」が占めています。この日和見菌は、善玉と悪玉の割合で、そちらの方へなびくのです。

善玉が増えれば、日和見菌は善玉の働きをしますが、悪玉が増えれば、日和見菌も悪玉の働きをするという、両極端な結果になります。

また腸内細菌というとヨーグルトを思い出す方も多いでしょう。しかし、腸内細菌は赤ちゃんの頃に決まっていて、後から変更が効きません。

そのため腸内を整えるのではなく、消化不良の軽い下痢症状が発生して便秘を改善する効果はあると言います。

たまたま、ヨーグルトの菌が合う方もいるでしょうが、多くの日本人はヨーグルトの菌は体質に合わないと言われています。

ただ、ヨーグルトにもいろんな種類があり、合う物がある可能性はあります。

しかし、日本人としては日本の発酵食品がお勧めです。つまり、納豆、味噌、醤油、ぬか漬け等の発酵食品になります。

もちろん腸内細菌はダイエットにも関係があり、太る方は悪玉菌が多い腸内環境になっているのです。

まあ食生活もその通りですね。

食物繊維も発酵食品も食べない方は太ります。

不思議ですが、悪玉菌が優勢になると、食べた食品のエネルギーを漏らさず全て回収するそうです。

逆に善玉菌はそれほどではなく、エネルギーの回収が穏やかだと言うのですから、太りにくいですね。

つまり肥満の解消は「食べる量」よりも、「食べる質」にあると言う、いつもの結論に到達します。

ダイエットに向かない物を食べていると、少しなのに脂肪になります。ダイエット向きの物を食べると、少々食べ過ぎても栄養が通りすぎるのです。

ダイエットを成功させるためには、無理な食事制限よりも、腸内フローラを健全に保つことが重要なのです。

それには、食物繊維と発酵食品です。そして食物繊維には、不溶性食物繊維と水溶性食物繊維があります。

不溶性食物繊維は、玄米、野菜に多く含まれます。

水溶性食物繊維は、海藻、果物に多く含まれます。

そして、腸内粘膜を守るのは、ネバネバ食品に多い「ムチン」という成分です。

山芋、オクラ、納豆、なめこ、レンコン、アシタバなんか良いですね。

これらの食品はビタミン・ミネラルも豊富です。これに、たんぱく質の食材を加えればダイエットになりますね。

腸内フローラを改善して、食べても太らない体質を作りましょう。

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