「非常に長い回答だったが、強い思いがあったので」
日米首脳共同会見:記者の質問、ボルティモア、中国に集中
毎日新聞 2015年04月29日 21時15分(最終更新 04月29日 22時20分)
【ワシントン和田浩明】米ホワイトハウスで28日に行われた日米首脳の共同会見では、米側記者の質問は米東部ボルティモアの暴動や中国への対応に偏り、両首脳が強調した同盟強化の利点への関心は必ずしも高くない様子がうかがえた。オバマ米大統領もボルティモア情勢に関する回答に会見時間の4分の1近い約14分を費やし、隣の安倍晋三首相に「重要な問題なので」と謝罪する一幕もあった。
会見ではまず、米側の記者がオバマ氏に、日米同盟の強化が中国や北朝鮮を「挑発」しないかと質問。オバマ氏は同盟強化はアジア太平洋地域の安定に資すると回答した。
2人目の米側記者は、警察の拘束下で黒人男性が重傷を負い、後に死亡した事件を受けて暴動が発生したボルティモア情勢に関し、オバマ氏の見解をただした。また、安倍氏には、日米が妥結を目指す環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が中国の伸長抑止に果たす効果を尋ねた。
オバマ氏は最初にTPPの利点を売り込んだうえでボルティモア情勢に転じ、暴力行為を厳しく批判しつつ、警察の取り締まり方法に対する地元住民の正当な懸念に理解を示し、背景にある貧困や雇用不足、薬物乱用の問題などへの取り組みの必要性を強調した。
オバマ氏は途中で安倍氏に謝罪し、「非常に長い回答だったが、強い思いがあったので」と締めくくった。
http://mainichi.jp/select/news/20150430k0000m030059000c.html
<安倍首相>「1回失敗して、よかったのかな」米で講演
毎日新聞 4月30日(木)10時25分配信
【ワシントン高山祐】安倍晋三首相は29日午後(日本時間30日午前)、ワシントン市内で開かれた安全保障関連のシンポジウムで「こうやればうまくいくと一番よく知っているのは、1回失敗した首相だろう」と述べ、2012年末の首相再登板後の政権運営に自信を示した。首相は今回の日米首脳会談や米議会上下両院合同会議での演説に手応えを感じているようだ。
06年に発足した第1次安倍内閣は1年で退陣した。これについて首相は「(退陣後の)5年間、なぜ1年間で終わってしまったのかをつねに考えていた。それを生かしながら今、政権を運営している。これがよかったのかなと思う」と述べた。祖父の岸信介元首相が「なぜ日本は首相を経験した人物をもう一度首相にしないのか」と語っていたエピソードも紹介した。
首相は「私の外交、安保政策は(経済政策の)アベノミクスと表裏一体だ」と強調。「デフレから脱却し経済を成長させれば、社会保障の財政基盤が強くなり、防衛費をしっかり増やしていくことができる。強い経済は安保体制の立て直しに不可欠だ」と説明した。
そのうえで、海洋進出を強める中国を念頭に「自衛隊機がスクランブル(緊急発進)を実施する頻度は増える一方だ。海上保安庁も連日連夜、必死に領海を守っている。南シナ海で起きていることは多言を要しない」と述べ、政府・与党が進めている安保法制の整備について「この夏までに実行する決意だ」と改めて表明した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150430-00000019-mai-pol
村山談話の継承、不明瞭=安倍首相の米議会演説
時事通信 4月30日(木)1時18分配信
【ワシントン時事】「希望の同盟へ」と題した安倍晋三首相の米議会演説は、「未来志向」を前面に出し、先の大戦への「痛切な反省」は表明したものの「おわび」はしなかった。演説は、首相が夏に発表する戦後70年談話につながるとして注目されていた。戦後50年の村山富市首相談話を引き継ぐかどうかは明快でないため、首相の歴史認識をめぐり警戒を緩めない中韓両国はもちろん、米側の懸念も払拭(ふっしょく)したとは言い難い。
真珠湾、バターン・コレヒドール、サンゴ海―。首相は、太平洋戦争で多くの米兵が血を流した激戦地に触れながら、「悔悟」の気持ちを表明。一方で「自らの行いがアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目を背けてはならない」と強調したが、村山談話が示した「植民地支配と侵略」への謝罪は口にしなかった。
演説に先立ち米側は、中韓との緊張を緩和するため村山談話の継承を明確にするよう促していた。これに対し、日本政府高官は「反省は絶対に入るが、おわびは入らない」と明言し、「謝罪は繰り返さない」との首相の信念を代弁していた。
首相は、祖父の故岸信介元首相が1957年に米議会で行った演説を手本にした。岸氏も先の大戦への謝罪には触れず、東西冷戦のまっただ中で「米国との提携こそ最も重要」と説いた。首相も岸氏の演説を引用し、「日米同盟を強くしなくてはならない」と訴えた。
27日に日米両政府が合意した防衛協力の指針(ガイドライン)再改定は、米国の利益にも合致する。このため首相は、歴史認識で踏み込まなくても米側に不満はないと計算したとみられる。ただ、中韓両国は引き続き戦後70年談話の行方を注視しており、歴史問題が尾を引くのは確実だ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150430-00000006-jij-pol
ant*****
中韓と時事はご不満のようです。
これだけで素晴らしい演説だったことが分かりますね。
kaz*****
アメリカ議会での演説だからなぁ…
アジア諸国に対するお詫びをする場ではないと思うんですけどね…
kotobuki
時事通信の報道姿勢がよく分かる記事だね