自国の「汚れ」も解決できずにいるのに他国を助けるってさ
家の中全てが汚物だらけの汚い家に住んでいるおばちゃんがよその家を改築する会社を立ち上げた。
おばちゃんの家は、外見だけはキレイにしているが、窓からのぞくと中はトイレ状態。
たまに、汚い煙や汚物がその家から漏れ出てくる。なんとかしてほしい。
しかも、自分はあちこちからお金を借りまくっていて借金だらけ。
どこにも借金も返済していないくせに、よその家にお金を貸し付ける銀行を作った。
よその家にお金を貸し付けて改築を勧めるらしい。
自分は半分、出資すると言っているが
娘や息子が現金を持ち逃げして海外に出て行ってしまっているし、きっと手元には現金が無いに違いない。
首からぶらさげているネックレスもK18と刻印はしてあるが、きっとメッキだ。
現金が無いから、出資者を求めているのだと思う。
それより先に、自分の家をきれいにしたらどうか。
自分の家の改築に使う金が無いのによその家の改築を請け負うなんて無茶なのではないのか。
借金もある程度返してからよその家に金を貸す銀行を作ればどうか。
あちこちから現金を借りまくって本当は、自転車操業状態になっているんじゃないのか。
そんなだらしない性格で事業が上手くいくのか?
自分の家の中が汚染まみれなのに、よその家をちゃんと改築できるのか?
すっごい怪しいおばちゃんの新事業に、けっこうな数の出資者が集まった。
誰に出資するかなどは、すべておばちゃんが勝手に決めるらしい。
おばちゃんの魂胆は、貧乏人に金を貸して改築するフリをしつつ
ちゃっかり資金をピンはねしてポケットに入れていい加減な工事をすること。
そして近所の貧乏人たちを支配下に置く。
「あなた、ガレージ作りなさいよ。わたしそのガレージ借りるからさ」とか
「あなた、マンションつくりなさいよ。わたし、そのマンション管理するからさ」とか
うまいことを言ってどんどん自分が自由に使える領域を増やしていく。
そんな感じ。
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黄文雄の歴史から読み解くアジアの未来
2015年3月31日号(第44号)
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☆【中国】AIIBは世界に混乱と紛争をばら撒く
◎アジアインフラ投資銀 参加表明41か国に
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150329/k10010031601000.html
中国が、アジアの途上国に向けたインフラ事業を請け負うためのアジアインフラ投資銀行(AIIB)を設立すると言い出し、世界各国に参加を求めていました。
3月31日までに参加を表明すれば、創立メンバーとしての特典を与えるとの甘い言葉で参加を誘い、30日の時点で41カ国もの参加が決定しました。
はじめは中国の思惑に警戒心を抱いていた世界各国でしたが、イギリスの参加表明をきかっけに参加国も増加しました。参加を表明したのは、ASEAN10ヶ国のほか、スリランカ、パキスタン、モンゴル、カザフスタン、ロシア、ブラジル、韓国、オーストラリアなどです。
AIIB設立については、去年10月に習近平が東南アジアを訪問した際に提唱したもので、わずか数ヶ月で参加国を募集し、年内には運営スタートをさせると意気込んでいます。
そもそも、米国主導の世界に対抗して中国主導の世界をつくるためにつくられたものであるため、最初から日米は蚊帳の外に置くつもりでした。実際、日米は参加表明していません。
参加表明した41ヶ国のなかにはドイツ、フランス、イタリア、イギリスと欧州各国も名前を連ねますが、それらの国が参加した理由はアジアでのビジネスチャンスを逃すまいとの思惑だと言われています。
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00289152.html
しかし、やっかいな隣人と歴史を共に歩んできた日本はよく知っています。このやっかいな隣人の本性を。AIIBの問題点をわかりやすくまとめた記事を以下に紹介しましょう。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4566
「ビジョンもガバナンスもなき実態」とタイトルにもありますが、まさに大義さえ打ち出すことができないのです。インフラというのは、人々がより快適な生活を送れるために整備するものであり、インフラ整備と貧困対策とは表裏一体です。
しかし、AIIBは設立の段階で「貧困対策はアジア開発銀行に任せる」として、インフラ建設だけを請け負うようなことを言っています。要するに、中国の影響力拡大と投資で儲けることが主眼だということです。そこがアジア開発銀行などとは異なる点です。
しかし、経済とはそうして切り離して考えられるものではありません。インフラ建設、経済効果、貧困対策、環境問題、雇用問題など、あらゆる問題が関係しているのです。そのため、IMF、世界銀行、アジア開発銀行などは、ひとつひとつの案件にじっくり時間をかけて各方面への影響や効果を調査してから実行に移してきました。
AIIBはそれを「時間がかかりすぎ」だと否定しています。あらゆる問題を考慮して十分に検討されることなく事業を行ってしまえば、後々その地域の人々を苦しめることになる可能性も大きくなります。特にインフラ事業は環境への影響が大きいですし、環境保護という観点に立たなければ、地球は疲弊する一方です。
また、国際機関による投資ともなれば、透明性が重視されます。そもそもインフラ整備事業というものは、汚職や賄賂の温床です。投資している国の顔がはっきりとしない資金ともなれば、それにむらがるハエがどれほど多いか想像がつきます。
そこで透明性を確保しなければ、資金のほとんどはどこかに消えてなくなり、残ったわずかな資金で結果的に粗悪な工事が行われ、危険な橋や道路が建設されることによって人々の生命が危険にさらされます。
通常、インフラ事業は現地の雇用問題も解決できることで歓迎されますが、中国は違います。中国企業は地球の裏側であろうと、中国人労働者をひきつれていって工事をするため、現地の雇用に何も貢献しないばかりか、現地人を奴隷のようにこき使ったり、現地の風紀を乱しトラブルメーカーとなっています。実際、アフリカでは中国に対する嫌悪感が広がっています。
http://www.recordchina.co.jp/a72726.html
http://news.searchina.net/id/1524037?page=1
目下、中国は海洋強国と偉大なる復興の夢を目指して東シナ海から南シナ海、さらに太平洋をアメリカと二分したいと考えています。また、宇宙の開拓、開発を公言し、資源開発についても声を挙げています。海のシルクロードでは、インド洋の領海を争っています。
AIIBについての中国の思惑は、陸と海のシルクロードを手中に収め世界の主導権を握ると同時に、各国から集めた資金をもとに国外での工事を行うことで行き詰まっている国内経済を打開しようというものです。
中国は、AIIBを国内の経済浮揚と勢力拡大のための橋頭堡として利用しようと目論んでいるのは明らかです。
中国はこれまで世界各地で、安い価格で公共事業を落札する一方、実際に工事が始まれば、採算がとれないからいいかげんな工事をする、ということを行ってきました。
AIIBにおいても、同様の行為が行われる可能性は大きいといえます。しかしこれは、これまで世界銀行やアジア開発銀行などが主導して培ってきた世界の秩序とモラルを破壊するモラル・ハザード行為です。
そもそも、自国の環境問題や雇用問題を放置して、自国のインフラさえままならない中国が、途上国のために何を提言できるというのでしょうか。
AIIBに参加した国々は、アジアでのビジネスチャンスを振りかざす中国の甘い言葉に踊らされている国もあれば、利益を横からかすめ取ろうと虎視眈々と狙っている国もあるでしょう。
しかし、習近平が言うように「銀行は開放的なものだ」としても、自前のノウハウが何もない中国がどうやって世界各国をまとめるのか。各国の理事を置かずに事業は事後承認で、価値観も投資基準も投資目的も異なる各国が納得いく投資ができるのか。きわめて疑問です。
確かにアジアでのビジネスチャンスは魅力です。しかし、中国に到底、各国の利害や思惑を調整しながら資金を調達する能力があるとは、どうしても思えません。
むしろ、これからアジアの途上国を舞台に環境破壊、経済混乱、雇用トラブル、モラルハザードを起こすのは目に見えています。中国には世界のため、人類のため、などという理念は毛頭ありません。これ以上、世界に迷惑をかけるのはやめて欲しいものです。
貧困にあえいでいる人々はたくさんいます。貧困によって失われる小さな生命が世界には多くあります。貧困によって起こる犯罪も多くあります。
紛争や内乱を止めるためには、貧困削減を目的としたインフラ整備という手段が取られるべきでしょう。1日1ドルを消費できない絶対貧困層を少しでも削減しなければ、悲劇も犯罪も減りません。
中国がこうしたことに一切、目を向けていません。むしろAIIBは、投資熱を煽るだけ煽り、周辺国に無用かつ手抜き工事だらけのインフラを輸出するだけになるのではないでしょうか。それは、現在の中国国内で起きていることそのままです。
AIIBが問題なのは、不透明なだけでなく、中国主導ならではの不正とずさんさもあります。歴史をひもとけば、中国共産党のみならず中国国民党による南京、広州、武漢、重慶、台北政府のすべてが同様の問題を抱えていました。
それは、中国の伝統文化から生まれたものです。だから国共内戦後の蒋介石をはじめとする四大家族も腐敗にまみれていました。近年、?小平一族が10兆円以上の大金を海外へ持ち逃げしたことが発覚したほか、周永康は1.5兆円の不正を働いていました。曽慶紅の長兄は、すでに1.2兆円を持ってオーストラリアに逃げています。
しかも中国政府は、台湾の中国国民党による国営企業の特権事業の手段に学んで、共産党による党営(国営)企業を肥えさせています。
結局AIIBも、中国の一部の特権階級が世界を揺さぶり、途上国を食い物にするものになる可能性が高いと言えるでしょう。
繰り返しますが、アジア各国最大の問題は、貧富格差の問題であり、インフラ整備ではありません。
そうしたことから考えれば、やはりAIIBでは周辺国や参加諸国が食いものにされるのは避けられないでしょう。利用されるだけで何のメリットも得られないのですから、そんなところには参加しないのが得策というものです。
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