中国人が自衛と金儲けのために日本の水源地を買い占めていることも今や有名な話です。
中国人が自衛と金儲けのために日本の水源地を買い占めていることも今や有名な話です。
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黄文雄の歴史から読み解くアジアの未来
2015年2月26日号(第42号)
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☆黄文雄・石平氏の共著刊行のお知らせ
『日本に敗れ世界から排除される中国』(徳間書店)
発売たちまち重版!
中国が恐れる2人が、いま中国で起きていること、これから起こることを完全分析!
日中首脳会談で安倍首相に完敗した習近平は、国内・国外での動乱によって自滅する!
胡錦濤による政権奪取の動き、習近平との権力闘争、そしてますます崩壊が進む中国経済、社会の混乱などを解説し、2015年の中国の動向を読む。
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☆【中国】ヤクザの処刑で強まる習近平への憎悪
◎中国の大物財界人 劉漢死刑囚の死刑執行
四川省で勢力を誇示していた地方勢力のひとつ四川漢龍集団公司のトップであった劉漢の死刑が実行されました。劉漢は、経営者とマフィアのボスという2つの顔を持っていたことでも知られています。
去年5月、死刑が確定した際、法廷で大泣きした劉漢の写真がネットで流されていました。マフィアのボスの泣き顔など、なかなか見られるものではありませんからね。
そして、劉漢の死刑は今年2月9日に執行されました。地方勢力とはいえ、四川閥として破竹の勢いで成長した劉漢を処刑してしまうとは、習近平も独裁権力の獲得のためにかなり焦っているのでしょう。
劉漢は周永康と密接な関係にあった地方勢力であったため、周永康つぶしの前哨戦として処刑されたわけですが、こうした巨大権力に群がる地方勢力はいくらでもあることは容易に想像がつきます。
しかし、劉漢はたまたま周永康つながりで処刑されただけで、地方のコバエを一掃する掃討作戦があったわけではありません。
劉漢自身も、裁判の際に「私は四川省の貴人に奉仕しただけだ」と言っています。
http://jp.wsj.com/articles/SB10001424052702304155604579550851324954482
巨大権力を持つ「貴人」に奉仕する地方勢力はゴマンといるのに、劉漢だけが死刑となりました。奉仕する相手が悪かったと諦めるしかないでしょう。
習近平は政敵を追い詰めるために手段を選びません。劉漢は、イスラム国の人質のように、政敵を追い詰めるための見せしめとして死刑にされたという側面があるのでしょう。
劉漢は、もちろんマフィアで人殺しや暴力事件など悪いことは山ほどやってきたかもしれませんが、四川地震の際には学校を建設するなど慈善事業家としての一面もありました。権力者たちは、劉漢の潤沢な資金を利用して私服をこやしてきました。中国の政界はそうやって成り立っているのです。
そこにメスを入れるということは、中国共産党の存在自体を否定することになります。
習近平は政敵を倒すために腐敗撲滅運動を推進していますが、腐敗がなくなれば中国共産党もなくなります。
今回の劉漢の処刑によって、「次は自分かもしれない」と危機感を募らせている者も少なくないでしょう。「やられる前にやってしまおう」と、習近平を狙う勢力が出てきてもおかしくはありません。
ある意味、習近平はこれまで腐敗をお互いに黙認することで保たれてきた中国共産党の秩序を根本から崩そうとしているわけですが、腐敗というのは中国人の伝統的性格でもありますから、そう簡単ではありません。
強権になればなるほど、自滅の道を歩んでいるとしか思えません。
貧農出身で長年共産党の幹部を勤めていた陳雲の長男である陳元(国家開発銀行総裁)は、中国共産党員の数について一億人が理想だと述べたことがあります。
現在の共産党員は約8千万人であり、黒道(チャイナ・マフィア)の数は5千万人です。共産党と黒道との大きな違いは、黒道には全国的組織がないことです。
地方勢力は万を超えるほどあるのですが、それをまとめる全国組織はありません。重慶市の元トップで失脚した薄煕来は、『唱紅打黒』(革命ソングを歌い、マフィアを撲滅する)運動をやりすぎたために、江沢民派、太子党派のほか黒道をも的にまわしたため、黒と紅にやられたとも言われています。
黒は、今や地方の第二政府となり、教育、マスメディアのほかに司法、裁判所なども手中に収め、「十警九黒」(公安と警察は十人中九人がマフィア)と言われるほどになっています。
そんな全国組織のない地方政府の黒と、全国を牛耳る習近平が手を組めば、毛沢東時代への回帰も不可能ではありません。
ただし、毛沢東は思想統制と「人民の敵」をつくり上げることで、政敵を倒し、権力強化をはかりました。
同じことを習近平もやろうとしているわけですが、習近平に毛沢東ほどのカリスマ性はありません。
また、当時の人民はみな貧しかったこともあって、腐敗した走資派を吊し上げましたが、格差社会が広がる現代の中国では、それは無理でしょう。
だいたい、習近平自身が、身内の巨額不正蓄財を噂されているくらいです。
いくら「中華人民の偉大なる復興」を掲げても、民衆を味方につけるということはほとんど不可能でしょう。
中国では、実に多くの国内問題が山積しています。
食品汚染問題、水枯渇問題、環境汚染問題などなど、汚職問題以前に着手すべきことは山ほどあるのです。
これらの社会問題は、中国の国境を越えて諸外国にも悪影響を及ぼしています。
今年も、日本列島にはPM2.5が大量に降り注いています。とくに沖縄、九州地方は要注意です。
特に今の季節は関東にも間違いなく飛来しており、晴天でも布団を干すのは予報をチェックしてからのほうがいいでしょう。
また、食品汚染問題はイギリスにまで影響しています。
2008年、中国で赤ちゃんの粉ミルクに有害物質のメラミンが混入していた事件があり、死者6人、健康被害は数千人にも及んだことから、粉ミルクの安全を求める中国人がイギリスで大量に買い占めるという現象が起こっているため、購入制限を設けているそうです。
ちなみに、日本の紙おむつも中国人に人気で大量買いされてしまうため、今でも日本の薬局には「まとめ買いはご遠慮下さい」という張り紙があります。http://www.cnn.co.jp/business/35030652.html?tag=mcol;relStories
さらに、水問題も深刻です。
共産党は水資源の需要を減らそうとせず、足りない分はどこからでも持ってくればいいという程度にしか考えていないことが、水不足を深刻にした要因です。
中国人が自衛と金儲けのために日本の水源地を買い占めていることも今や有名な話です。
こうした、国家運営において根源的な問題を解決しようとせずに、共産党の腐敗という秩序を切り崩して政敵を追い詰めたり、世界に対して虚勢を張ってロケットを打ち上げてみたり、アメリカと同等のつもりで発言したり、世界の平和、世界の環境保全にまったく寄与しないことばかりして、習近平体制は一体どこに向かおうとしているのか。
やはりここに太子党の限界があるのでしょう。
そもそもの考えが甘いのです。
おぼっちゃまのわがままで、政界を左右しているだけとしか見えません。
現在、中国の最大の弱みは、魅力あるソフトパワーがゼロに近いということです。
孔子学院は、言語学校という名前の諜報センターであることがバレており、欧米から排除されてしまいました。
中国が、世界一不公平な社会だということは誰もが知っている常識です。西洋的価値を否定するのはいいけれど、それに代わるソフトパワーがなにもないのです。
「学問の自由」も、中国的価値に組み入れると「文明の自殺」となってしまいます。
そんな張子の虎の中国に君臨する習近平は、ラストエンペラーとも言われており、彼が夢想する「中国の夢」は、現実には経済の後退が主因となって「白昼夢」になりつつあります。
夢が遠のけば遠のくほど、内部の政敵は増殖します。
習近平を見ていると、裸であることに気づかない裸の王様という形容がぴったり当てはまるような危うさが感じられます。
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