人質事件 現地国に責任丸投げするのが日本政府の悪しき伝統 | 日本のお姉さん

人質事件 現地国に責任丸投げするのが日本政府の悪しき伝統

「イスラム国」:残虐性で市民支配 半年で1900人処刑
毎日新聞 2015年02月01日 21時56分(最終更新 02月02日 03時53分)
「イスラム国」が支配を強める地域
非戦闘員の人質であろうと平然と殺害し「処刑」の様子をネットで配信??。過激派組織「イスラム国」(IS)の常軌を逸した残虐さは、主な資金源とされる誘拐ビジネスなどに抜群の効果をもたらしてきた。
ISにとって誘拐ビジネスは、原油密売と並ぶ重要な資金源。身代金支払いを拒否すれば人質は惨殺され、映像が公開される。各国政府は救出を求める世論とのはざまで苦慮し、支払いに応じざるを得ないよう誘導する狙いもあるとみられる。
国連安保理はISが身代金で年間50億円前後の収入を得ていると推計。過去にフランスやスペイン人記者などが解放されたケースでは、1人当たり2億?3億円の身代金が支払われたとされる。
後藤健二さんと湯川遥菜さんを人質に取ったISは、計2億ドル(約235億円)もの身代金を日本政府に要求した。米ニューヨーク・タイムズ紙によると、昨年8月に殺害された米国人ジャーナリストの場合でも1億ユーロの要求があった。これらの事件は存在をアピールする狙いの可能性もある。
ISの残虐さには、支配地域の住民に恐怖心を植え付け、抵抗を封じ込める意図もあるようだ。また、ショッキングな映像でイスラム過激思想に共鳴する若者などを引きつけ、勢力拡大にもつなげてきた。国連人権理事会は「大規模な戦争犯罪」で、「組織的に基本的人権と自由を否定している」と強く非難している。
在英の民間組織シリア人権観測所が昨年末に発表した調査結果によると、シリア国内では昨年6月からの半年間で、女性や子供を含む約1900人が「処刑」と称して殺害された。うち約1200人は一般市民で「容疑」は姦通や薬物使用など。このほか約500人はアサド政権軍の捕虜、約120人はスパイ行為を行ったり、組織から離脱しようとしたりしたIS戦闘員だった。
ただ、支配地域内では、これまでアサド政権の強権政治に苦しめられた住民も多い。反体制派武装勢力に金品やわいろを要求されるケースも多く、清廉さを掲げるISに「以前よりはまし」と感じる住民も少なくない。【佐藤賢二郎】

人質事件 現地国に責任丸投げするのが日本政府の悪しき伝統
2015年02月02日 16時00分提供:NEWSポストセブン
最悪の結果を迎えたイスラム国による日本人人質事件で、日本政府はヨルダン政府に頼り切りの状況だった。これまでも「現地国に責任を丸投げする」というのが、政治家・官僚ともに責任を取りたがらない日本政府の悪しき伝統でもある。
1996年に発生した「在ペルー日本大使公邸占拠事件」では天皇誕生日のレセプション中に武装勢力が乱入し、日本人駐在員やペルー政府関係者などを人質として約4か月にわたって占拠した。最終的にペルー軍と警察の特殊部隊が公邸に突入し、犯人グループを全員射殺し、犠牲者を出しながらも日本人全員が生還するという結末だった。
フジモリ大統領が特殊部隊に突入を指示する際、事前に日本への通告がなかったことが後に話題になった。大使館は治外法権であり、軍が許可もなく入ることは許されない。当時の橋本龍太郎首相はそれを「遺憾」と語っている。
だが、事件後に大統領官邸で行なわれた記者会見で、フジモリ大統領はその点を明確にするよう迫った本誌記者に気色ばんでこう答えている。
「情報管理はすべてわれわれの手で、われわれの責任だけでやった。われわれに対し、誰も平和的解決に向けた具体的計画を示さなかった。だからわれわれの政府だけで解決した。これはあなたがたが望んだ結末でしょう」
つまり、日本政府は“平和的解決を”と注文をつけながら具体策も示さずにペルー政府に丸投げ。当時、本誌取材に対して政府中枢筋は「官邸とフジモリ大統領の間で、“武力突入やむなし”という暗黙の合意があったと考えていい」と話している。万一、強行突入で犠牲者が出た際にも日本政府に責任が及ばないよう予防線を張っていたのだ。
その姿勢は、ヨルダンに解決を丸投げした今回の人質事件でも全く変わっていない。
米英はテロリストとは一切取引しないと明言し、それを実行しているが、世界の人質交渉の実態について元駐レバノン特命全権大使の天木直人氏が解説する。
「レバノン大使時代、頻繁に行なわれていたイスラエルとヒズボラ(レバノンのシーア派イスラム主義者組織)の人質交換を近くで見てきたが、すでに亡くなっている人質を生きているものとして交渉するなど、タフな騙し合いが常態化していた。日本とはレベルが違いすぎます」
フランスなどイスラム国との人質交渉で身代金を払う国もあるが、その場合も日本のやり方とは違う。国際政治アナリストの菅原出(いずる)氏はこう指摘する。
「各国にいる交渉のエキスパートが出てきて、値切り交渉から人質の生存確認まで、ギリギリに条件を詰めたうえで支払いに応じている」
責任問題となることを恐れ、他国に丸投げする政府など先進国では我が国だけなのだ。
※週刊ポスト2015年2月13日号
http://news.ameba.jp/20150202-417/
だって情報機関も特殊部隊も軍隊も無いんだも~ん!丸投げするしかできないじゃん。