度を超した外国企業いじめ、中国の独禁法違反はビジネスマナーまで取り締まり | 日本のお姉さん

度を超した外国企業いじめ、中国の独禁法違反はビジネスマナーまで取り締まり

宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成27年(2015) 2月4日(水曜日)弐
通巻第4456号
度を超した外国企業いじめ、中国の独禁法違反はビジネスマナーまで取り締まり
製薬、部品業界から外国自動車メーカーもいびり出す戦略か
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サウジアラビアが中国製の自動車を相当量輸入したという。
サウジアラビアは湾岸戦争ではクエートへ進撃する50万もの米軍の駐留を容認したが、イラク戦争以後、対米姿勢を静かに転換させた。
そのうえ「アラブの春」の余波を警戒し、米国がエジプトのムバラク政権転覆とムスリム同胞団政権を支持したことに立腹し、際立てて距離を置いた。サウジはシシ政権に巨額の援助を約した。
ケリー国務長官につづき国王の葬儀にオバマ大統領が訪問しても、サウジの冷ややかな態度は変わらなかった。リヤドはワシントンと距離を置いたのだ。
この隙間につけいる国は言わずと知れた「あの国」である。
もっとも中国は1980年代から長距離ミサイルをサウジに売り込んでおり、石油輸入も膨大である。サウジはみかえりに中国製自動車を輸入し、米国製の自動車の輸入を激減させた。
一方、中国国内で自動車市場はどうか?
2014年に2300万台を販売したと言われ、大ブームに沸いている筈だが、日本の自動車部品企業12社が「価格カルテル」などと屁理屈を付けられ、法外な罰金を取られた。
製薬企業なども中国の標的となった。
べつに日本企業に限らず、リオ・テントなど英米欧企業にも「収賄容疑」「脱税容疑」などと「法律」を楯にして経理のミスをつき、膨大な罰金をせしめてきた。
新手がでてきた。
中国資本の自動車販売店が、外国自動車メーカーに「販売奨励金」という名前のカネを要求し始め、BMWはすでに1000億円を支払った。ベンツ、ボルボ、日産なども、「補償金」という名目で支払う方向にあり、トヨタなども支払いの検討に入ったという(日経新聞、2月4日)。
この措置は中国製自動車をあつかう販売店からは要求されておらず、外国企業ねらい撃ちである。
経済的に行き詰まり、不満の矛先を外国にすり替える政治的常套手段でもあるが、国内産業の再編が背景にある。
過剰な鉄鋼生産設備に象徴されるように、かなりの産業分野でオーバーキャパシティ状態がつづき、産業再編が急がれている。
自動車も中国国産メーカーを育成し、そろそろ外国メーカーの押し出しを始めるという段階だろう。
「もう外国勢は要らない」というわけだ。
▼日本観光の中国人が買い物をするなかで
こうした折に漫画のような現象がおこる。
人民元高、円安を背景に、あれほど「きらいな」日本に中国人の観光ブーム。一部に歓迎論もあるようだが、大方は冷ややかにあるいは迷惑顔でみている。そのマナーの悪さは日本人の顰蹙を買っている。
そのことは措いて、かれらの買い物ぶりの中味である。
炊飯器、クスリ、粉ミルクは定番。一眼レフのカメラ、ブランド品、子供服などと続くが、隠れたベストセラーがある。
紙おむつだ。
宇宙に人工衛星を打ち上げ、大陸間弾道ミサイルを飛ばす国が、なぜかまっとうな紙おむつを作れないのだ。
玩具、栄養剤、クスリ、粉ミルク、ペットフーズなどに大量の有毒物質が見つかっているが、中国製の紙おむつも紙質の悪さ、漏れ、そして有毒物質が含まれているため赤ちゃんの肌に腫れ物が出来る。被れる。糞尿が漏れるなどクレームの山となった。そこで日本観光にやってくる中国人は目の色を変えて、紙おむつも大量に買い込むのである。
在日華字紙のなかでも、もっと幼稚な反日論を展開する『網博週報』(1月30日豪)は、こう書いた。
「マナーの低い悪徳な中国人商人らが有毒物質をふくむ原料を使って紙おむつを製造して、ひたすら利益をむさぼっている。こうしたビジネスマナーの劣化こそが、日本の紙おむつを中国市場でベストセラーとした原因である。
中国では毎年新生児が1600万人もいる。ゼロ歳児から三歳児までの紙おむつ市場は7000万人、毎日消費される紙おむつは3000万枚以上にのぼる大市場である。この巨大マーケットが、いつまで中国劣化製品のために、日本製品が独占的に売れ続けるのである」と。
西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信 西村眞悟の時事通信
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駐在武官の情報収集について
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情報は、「盗む」か「買う」か「交換する」かの三つの手段により収集できる。
そのうえでこの度の「イスラム国」の日本人人質に関する情報を、日本国政府は、如何にして集めていたのか。これが非常に心もとない。
というのもこの度も二年前のアルジェリアのイナメナスにおけるイスラム過激派の邦人十名の殺害テロ事件の時と同様だったからだ。
何が同様だったのか。
この度も政府はイナメナスの時とそっくり同じ台詞、「ただいま、情報を収集しています」と繰り返していたからである。
従って私はこの度もイナメナス同様に、日本政府には全く情報が入っていないと推測していた。しかし同時に駐在武官の世界からは情報が獲れるのではないか、我が国の防衛駐在官連中は、的確な有意義な情報を掴む可能性がある、と期待した。
そして防衛駐在官に関して書き込んだのだが、私の操作の誤りで(多分そうなんだろう)、書いたものが総て一瞬のうちに消えてしまった(虚脱感に襲われ再び書き込まなかった)。
すると今日、総理がヨルダンに防衛駐在官を新たに置くことを明らかにしたと報道されている。
やはり防衛駐在官に関して書いておくことにする。総理が、防衛駐在官をヨルダンに置くことにしたこと、およびその理由は正しい。
総理が言うように「軍事情報は同じ軍人にしか渡さない慣習がある」からである。従って、ヨルダンに防衛駐在官を置けばヨルダンにて有益な軍事情報を得ることができる可能性が高まる。
一九八一年(昭和五十六年)十月六日、エジプトのサダト大統領が軍事パレードを観閲中に、こともあろうにパレード車両から銃を持って飛び降りた兵士によって銃撃された。
大統領は直ちに現場から運び出され病院施設に収容される。しかしその容態は発表されなかった。
従って各国の間では、サダトが生きているのか死亡したのかが重大問題になった
その時、我が国の防衛駐在官が、他国の駐在武官から、「サダトは既に死亡している」との他国が知らない重要情報を得る。この事例のように、軍人は軍人に重要情報を渡す慣習がある。
問題は、「サダト既に死亡」という情報を防衛駐在官からいち早く得た外務省が、この情報を生かし得たのか否かであるが、このことに関しては(案の定)よく分からない。
さて防衛駐在官であるが、これは自衛隊発足後に始まった制度であり、自衛官が外務事務官になって外務省と在外公館の指揮下に入って在外公館で勤務して主に軍事防衛関係の情報を収集する制度である。
この時、防衛駐在官は、自衛官の身分を併せ持つが、あくまで外務省の指揮下にあり、得た情報も外務省に伝達しなければならず、外務省経由でなければ防衛省にも情報は届かない。
さらに防衛駐在官には一般の外務事務官より厳しい規制が課される。
言うまでもなく、また既にお分かりのように、この防衛駐在官制度は、「戦後特有の制度」であり、自衛官を徹底的に「軍人」として扱わない制度である。
しかし防衛駐在官も制服(軍服)を着用できるので、外国の駐在武官は防衛駐在官を同じ「軍人仲間」として扱い、情報を渡してくれるという訳だ。
外国の彼らに、軍服を着用している防衛駐在官が、百%外務省の指揮下にあると言えば
日本とは何と奇妙な国かとびっくりするであろう。
そこで安倍総理が、この防衛駐在官をヨルダンに置くという判断は適切と思うのだが、この際、この「戦後特有の制度」としての百%外務省指揮下の「防衛駐在官」を止めていままでの「防衛駐在官」を、これからは各国と同じ「駐在武官」として海外に出してはどうか。
ということは、軍事を毛嫌いする外務省による防衛駐在官特有の手かせ足かせを外して
軍事情報の分析能力がないくせに有職故実だけには長けて気位の高い公家集団の外務省への情報一元化を廃するということだ。

その上で我が国の駐在武官が各国の駐在武官と「軍人同士」としての交際を深めていけるようにする。

あたかも日露戦争前にフランスやロシアに出た陸軍の秋山好古や海軍の広瀬武夫のように、現在の我が駐在武官も、明治の先人と同じように、「我、日本を背負えり」という気概を持って海外での仕事に邁進できるようにするのが、我が国益に適うと確信するのである。

(にしむら・しんご氏は前衆議院議員)

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