ヨルダン人の抗議者「これは我々の戦争ではない」
【きょうの一言】
28日付のアラビア語新聞「al-Hayat」から、
『パイロット解放に向け、イスラーム国の要求に応じる構えか』
という記事を紹介します。
『消息筋の伝えるところによると、ヨルダン政府は人質になっている日本人ジャーナリスト後藤健二氏の解放およびヨルダン人のマアーッズ・カサースバ操縦士の処刑の先延ばしと引き換えに、サージダ・リーシャーウィー女史を釈放せよとのイスラーム国の要求に応じる構えだ。』
『同情報筋が本紙に対し、ヨルダン政府はリーシャーウィー女史の身柄をアンバール県(イラク)ドゥライム部族の部族長の一人に引き渡す可能性があると指摘した。』
『交渉は内密に行われた。部族長は現在首都アンマンに滞在しており、身柄の引き渡しは数時間の内に行われるかもしれないとのことだ。』
『イスラーム国はヨルダンと日本の両政府に対し、日本人の人質解放とマアーッズ・カサースィバ操縦士の処刑先延ばしと引き換えにサージダ・リーシャーウィー女史を解放するまで、24時間の猶予を与えた。』
『イスラーム国からの脅迫があった火曜日(27日)の夜、ヨルダンは激しい怒りと憤りに包まれた。ヨルダンの諸部族は自国の政府に対し、捕虜となっているカサースィバ操縦士の解放に向け、公的かつ迅速な措置を執るよう抗議した。』
『拘束されている操縦士の出身であるイー地区のブラールシャ部族からは、何十人もの人々が街頭に出て抗議した。同時に、憲兵隊らもヨルダン南部カラク県(操縦士の出身県)に集結した。』
『抗議者らはヨルダン政府に対し、火曜日の夜8時から「1時間」の間に、イスラーム国の脅迫に対する公的措置を執るよう迫った。』
『抗議者らは、ヨルダン政府が対イスラーム国有志連合の枠内で始めた戦争に言及し、「これは我々の戦争ではない」と叫んだ。』
30日午前現在、日本のメディアでは「交渉継続」と伝えています。
ヨルダンでは、日本人よりも自国パイロット解放のほうを重要視していることでしょう。
そして日本では当然、日本人解放のほうに関心が高い。
このあたりの事情も、事態の進展を難しくしている要因かもしれません。
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