中国の「日本企業いじめ」はここまでひどい! チャイナハラスメントの恐ろしすぎる実態(1) | 日本のお姉さん

中国の「日本企業いじめ」はここまでひどい! チャイナハラスメントの恐ろしすぎる実態(1)

中国の「日本企業いじめ」はここまでひどい! チャイナハラスメントの恐ろしすぎる実態(1)
BOOKS&NEWS 矢来町ぐるり 1月16日(金)14時54分配信
スズキの元中国代表が、中国でのビジネスで見られる詐欺的な契約、デタラメな規制、企業間取引にも持ち込まれる「反日」などについて徹底解説。
■えげつない嫌がらせの数々
最近では成長がやや減速しているものの、それでも「中国には大きな可能性がある」と考えている日本企業は少なくないだろう。しかし、もはやそんな幻想は捨てた方がいい。スズキの元中国代表だった松原邦久氏が著した『チャイナハラスメント 中国にむしられる日本企業』(新潮新書)に描かれているのは、中国進出した日本企業が味わわされる理不尽な仕打ちの数々である。タイトルにある「チャイナハラスメント」とは、日本企業をターゲットにした嫌がらせのことだ。その実態はあまりにえげつない。
2012年の反日暴動の際、市民による日本企業への攻撃が野放しにされたように、「反日」に傾く世論を気にする共産党にとって、中国に進出した日本企業は格好の「いじめの標的」なのである。
例えば自動車業界を見てみると、世界シェアトップのトヨタが中国ではGMの3分の1のシェアしかとれていない。これはなぜか。実は日本の自動車メーカーにだけ、「車台をつくる合弁会社とエンジンをつくる合弁会社は別の資本とすること」という規制がかけられてきたからだ。
車台をつくる会社とエンジンをつくる会社が別々の資本になっていたら、車をつくるたびにいちいち煩雑な交渉をしなければならない。日本のメーカーがそうやって時間をとられているうちに、GMやフォルクスワーゲンなど、中国に一足早く進出した欧米のメーカーに先を越されてしまったのである。
日本車各メーカーの中国進出は、欧米メーカーよりもワンテンポ遅れた。中国経済にバラ色の幻想が満ちていた当時、進出の遅れた日本企業への事実上の「懲罰」として採用されたのが、この合弁会社への資本規制だった。
当然ながら、欧米の自動車メーカーに、こうした規制は存在していない。
■日本の軽自動車をターゲットにしたデタラメ規制
合弁会社への資本規制は共産党中央政府の決定だが、「日本企業いじめ」の規制なら地方政府も負けていない。
上海市は2001年、排気量1000cc以下の自動車は「黄浦江をくぐる海底トンネルの通行禁止」「ラッシュ時の高架道路乗り入れ禁止」という決定をした。事実上、「軽自動車は上海に入るな」ということである。
上海市はこの決定の理由を「交通渋滞を解消するため」としたが、本当の理由が上海に本拠を置くGMとフォルクスワーゲンを利することにあったのは明白である。本当に交通渋滞を解消したいのであれば、軽自動車ではなく普通乗用車や大型車を規制した方がよっぽど効果的なのだから。
上海の上を行くトンデモ規制を導入したのが広州市である。広州ではなんと、2001年8月から1000cc以下の自動車の販売が禁止され、その後、主要幹線道路への乗り入れまで禁止になってしまったのである。理由は「中国の南の玄関口である広州に小さな車が走るのは似合わないから」という、役人の勝手な理屈以外に全く根拠のないもの。
この影響をもろに受けたのが、沿岸部から離れた内陸の重慶市で軽自動車「アルト」をつくっていたスズキである。その現地合弁会社(長安鈴木)の総経理だった著者の松原氏は、「さすが中国、と皮肉の一つも言いたくなる」と記しているが、それも無理からぬところだろう。
ちなみに中央政府は、こうした地方政府による恣意的な規制を「違法である」としているが、なかなかなくならないのが実態だ。
SHINCHOSHA All Rights Reserved.
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http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150116-00010006-shincho-cn
中国が外国企業に強いる「現物出資」という詐欺的慣行 チャイナハラスメントの恐ろしすぎる実態(2).
チャイナハラスメント―中国にむしられる日本企業―
松原邦久 著
購入 . 中国で外国企業が現地資本と合弁会社をつくる時、現地資本の側は現金の代わりに「土地使用権」を差し出してきて、出資とすることが一般的だ。
しかし、この「土地使用権の現物出資」という慣行が、実にクセモノなのである。
現物出資として合弁会社に提供される土地は、合弁相手が地方政府から使用権を購入したもの。地方政府は、土地使用権価格に自分たちの取り分を上乗せして、中国側の出資者に渡す。中国側出資者は、その価格にさらに自分たちの取り分を上乗せして、外国側出資者に提示する。
外国側出資者が「この価格は適正なのか」と調べようとしても、「それは国家機密である」という都合のよい理由で調査は拒否されてしまう。
つまり、外国企業が土地使用権を購入する時、値段は中国側の合弁相手や地方政府の「言い値」なのである。
ひどいケースでは、現物出資した土地の評価額が、中国側の払い込むべき出資額を超えている。この場合は、「合弁会社が中国側の出資者から超過分を借り入れした」という経理処理になり、合弁会社が稼働し始めたら中国側出資者に返済までしなければならなくなる。
言うまでもないが、外国企業が進出するような工業団地は、元々は二束三文の荒れ地だったところである。そこに道路を引き、インフラを整備すれば一丁上がりだ。
そんな土地の使用権を提供するだけでカネががっぽり転がり込んでくるのだから、中国の地方政府が外国企業の誘致に熱心だったのは当然である。地方政府から中国側企業への上乗せ分、中国側企業から合弁企業への上乗せ分は、事実上の賄賂となって中国側の懐を潤すという構図なのだ。
『チャイナハラスメント 中国にむしられる日本企業』の著者、松原邦久氏は、もし中国で合弁企業をつくる場合は絶対に現金出資にすべき、と主張する。どうしても相手が現物出資を譲らない場合は、その相手はあなたを騙そうとしているか、本当にカネがないかのどちらかなので、合弁相手としては相応しくないそうだ。
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『チャイナハラスメント 中国にむしられる日本企業』では、改革開放以来30年の変遷を見てきたスズキの元中国代表が、中国でのビジネスで当たり前に見られる詐欺的な契約、デタラメな規制、企業間取引にも持ち込まれる「反日」などについて徹底解説。併せて中国でのビジネスに求められる「冷徹な戦略」についても詳述している。
http://www.gruri.jp/article/2015/01190930/