神奈川県警が放置した26歳女性のSOS | 日本のお姉さん

神奈川県警が放置した26歳女性のSOS

殺害から2カ月…神奈川県警が放置した26歳女性のSOS
2015年1月16日

「県警は何をやっていたんだ」――現場を取材する記者からも怒声があがった。
昨年11月、フェイスブック上に「ストーカーもやめてくれ いい加減にしろ」と書き込んだ数日後に神奈川・平塚市の相模川で遺体で見つかった吉田綾奈さん(当時26)。この事件で15日、元交際相手で建設作業員の神岡誠治容疑者(34)が死体遺棄容疑でようやく逮捕された。
神奈川県警は逮捕までに2カ月半近くを要したが、「なぜここまで逮捕が遅れたのか」と事件を取材するマスコミ関係者はこう憤る。
「吉田さんが行方不明になる30分前に、神岡容疑者は友人のLINE宛てに<(吉田さんを)見たら教えてね。殺すから>と殺人を示唆する書き込みを行っていた。十分すぎる証拠があったはずなのに、県警は<証拠が足りない>となかなか腰を上げなかった。結局、神岡容疑者を任意同行したのは逮捕の前日で、調べてみると、すぐにトラックの助手席から吉田さんの血痕が見つかったそうです」
■110番騒ぎも
吉田さんは殺害される直前に「“元カレ”のところに荷物を取りに行く」と言って、横浜市内の母親宅を出たあと、行方不明になっていた。別れた後に神岡容疑者がストーカーと化したことへの悩みを友人に打ち明けていたという。昨年の夏には県警大和署に神岡容疑者の暴力について相談していた。
「彼女が神岡の自宅を訪れる姿を見かけるようになったのは2年ほど前。昨年の夏には地元のお祭りで2人一緒にみこしを担ぐなど仲が良さそうに見えましたが、8月ごろに別れたようです。その後も彼女は神岡の自宅に来ていましたが、来るたびにケンカばかり。110番騒ぎになったこともありました」(近隣住民)
神岡容疑者は吉田さんを鈍器のようなもので殴って殺害した疑いがあるが、事件後に複数のメディアに「元交際相手」として登場。「俺は絶対やってない」と言い張った。昨年12月には楽しそうな飲み会の様子をフェイスブック上に載せた。その表情には全く反省の色はない。
吉田さんの発したSOSに県警をはじめ、多くの関係者が気づいていれば――。どうしようもない男に命を奪われた彼女が浮かばれない。
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/newsx/156447/1