フランスはテロとの戦争状態に入った
仏首相「テロとの戦争に入った」 1.5万人警戒態勢
パリ=青田秀樹
2015年1月14日11時22分
連続テロ事件が起きたフランスのバルス首相は13日、国民議会(下院)で演説し、「フランスはテロとの戦争状態に入った」と語った。中東のイスラム過激組織が新たなテロの可能性をちらつかせており、国民の安全確保に最大限注力する構えだ。テロ対策のため国内に1万人の兵士らや、5千人近い警官を配備する異例の態勢をしいた。
フランスでは週刊新聞の襲撃、警官射殺、ユダヤ系食材スーパーでの人質殺害が相次ぎ、17人が犠牲になった。黙禱(もくとう)が捧げられた議会で演説したバルス首相は「テロやイスラム過激主義との戦争だ。イスラム教やイスラム教徒への戦争ではない」と強調した。また、「フランスは友愛の精神があり、寛容な国だ。だれをも受け入れる」と力を込め、ユダヤ人らを守るとともに、イスラム教のモスクへの嫌がらせなどが相次ぐ現状に、「イスラム教徒の保護も喫緊の課題だ」とした。
仏政府は治安要員の増員を重ね、新聞社の周辺などには夜を徹して警官らを配置。ユダヤ系の学校などの警備も強化している。
事件の舞台となった週刊新聞「シャルリー・エブド」は14日に発行する特別号で、イスラム教の預言者ムハンマドの風刺画を再び掲載する予定で、緊張が高まる可能性がある。(パリ=青田秀樹)
モスクやユダヤ教の礼拝堂を焼いてはいけません。
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殺害された警官の家族が会見「過激派とイスラム教徒を混同しないで」
TBS News-i 2015/1/12 01:28
フランスで17人が犠牲になった一連のテロのうち、最初に起きた新聞社襲撃事件で殺害された警察官の家族が、「過激派とイスラム教徒を混同しないでほしい」と呼びかけました。殺害された警察官は、容疑者らと同じアルジェリア系のイスラム教徒でした。
「アーメッドは献身的な男でした。父が20年前に他界してからは、母と家族を支えようとしていました」(殺害された警察官アーメッド・メラベット氏の家族) 警察官のアーメッド・メラベット氏は、7
日に起きた新聞社の襲撃で、サイド・クアシ、シェリフ・クアシ両容疑者らによって銃で撃たれ死亡しました。メラベット氏は、クアシ両容疑者らと同じアルジェリア系イスラム教徒でした。 10日、事件後初めて会見し
たメラベット氏の家族は、「野蛮な行為に対して心が打ち砕かれた」とした上で、次のように訴えました。 「過激派とイスラム教徒を混同してはいけません。ごちゃまぜにしない
でください。モスクやユダヤ教の礼拝堂を焼いてはいけません。それは人々を攻撃するだけで、死者は戻ってこないし、遺族の悲しみを癒やすことはできないのです」(殺害された警察官アーメッド・メラベット氏の家族) インターネッ
ト上に掲載された事件発生時の映像には、新聞社の前ですでに負傷し路上に倒れていたメラベット氏に対し、両容疑者が発砲する様子が映っていました。(11日18:17)