[加藤鉱]【危うさ一杯の中国経済、経済失速も】
[加藤鉱]【危うさ一杯の中国経済、経済失速も】~人民元圏の拡大も息切れ状態~
Japan In-depth 1月1日(木)7時0分配信
暗雲の空の香港
「香港の高度な自治とは中国が香港に対して授けるものである」
中国政府側の底意は昨年6月に発表された香港白書のこの一文に収斂された。「港人治港」(香港人による香港統治)がないがしろにされたことを受けて、香港の民主化運動家たちは重大な危機感をおぼえ立ちあがったのだった。
昨年12月、香港行政長官選挙の民主化を求めるデモはいったん、終止符を打った。デモ逮捕者は合計1000名におよんだ。デモを主導したリーダーのひとり、大学生連合会(学連)の周永康は活動の継続を宣言、早ければ今春にも新たなる活動を開始するとも伝えられている。
民主派の強制排除という形で香港政府が幕引きをはかった形となったが、民主派はそれなりの成果をえたのではないか。鈍感な北京中南海がどれだけ自覚しているかは別にして、今回の騒動により、中国が約束を守らない国であるという事実をあらためて全世界に知らしめたのだから。
だが、香港の民主派が好むと好まざるにかかわらず、国際金融都市・香港の重要性は日に日に高まっている。むろん、いまも中国共産党上層部、あるいは地方幹部は香港にさまざまな形でダミー会社をもってマネーロンダリングし、海外投資の打ち出の小槌としている。また、あふれ返るチャイナマネーの行き先としての香港不動産は、太子党の懐をおおいに潤してきた。だが、香港の使い道はそれだけではない。
従来より香港がアジア、欧州など国境をまたぐ人民元決済の主役として機能してきたことはよく知られるところだ。ドル基軸体制のなかで人民元経済圏の拡大を推し進め、あわよくばドルに並ぶ決済通貨の座を狙う橋頭保の役目を香港が担ってきたといえる。米欧はタカを括っていたわけではなかろうが、昨年から潮目が変わってきたと見る向きもある。
昨年、ウクライナをめぐる米欧の金融制裁を受けたロシアは、ドル調達に窮し、中国に救いを求めた。ここでロシアは中国に対するエネルギー輸出代金を人民元決済とし、そのうえでドルが必要ならば、米ドルと完全ペッグする香港ドルで決済する方法に切り替えた。
香港財閥系シンクタンクの幹部は言う。「ロシアが急速に接近してきたことにより、エネルギー価格交渉は未決とはいえ、中国は積年の懸念であったエネルギー確保とその決済を一気に解決できるチャンスをえた」だが、中国とロシアの歴史を慮れば、両国は潜在的敵対関係にあり、そう単純にはいかないと私は思う。
一時は快進撃を始めたかのように見えた人民元圏の拡大は、いまは息切れ状態にある。中国の肝煎りで設立したアジアインフラ投資銀行の資本金にしても、参加国の意向に抗しきれず結局ドル建てにせざるをえなかったという大矛盾を呈した。
昨年末、耳を疑うようなニュースが飛び込んできた。中米ニカラグアに大西洋・カリブ海を横断する総工費6兆円の運河建設が始まったのだ。5年後に完成予定で、青写真どおりにいけば、中国の経済メリットははかりしれない。運営するのはHKND(香港ニカラグア運河開発投資)で、ここにも香港が絡んでくる。不思議なことにニカラグアと中国には国交がなく、表向きは香港の民間企業主導のプロジェクトという面妖さがいかにも中国らしい。
一方、中国国内の不動産バブル崩壊はすでに始まってから1年以上が経ち、現状、前年比で1~2割平均で下落している最中である。2015年の中国がどのような形で経済失速から逃れようともがくのか、危うさ一杯である。
加藤鉱(ノンフィクション作家)
中国河北省 農村に嫁いだベトナム人の花嫁20人が一夜で逃亡
NEWS ポストセブン 1月1日(木)7時6分配信
中国河北省邯鄲市で、農村地帯の男性に嫁いだベトナム人花嫁20人以上が11月下旬、一夜で集団失踪していたことが分かった。いずれも、20年以上も前に現地の農村男性と結婚したベトナム人未亡人が紹介した女性たちばかりで、計画的な逃走とみられ、地元警察は「極めて悪質」として捜査本部を設置し、女性らの行方を追っている。北京紙「新京報」が報じた。
結婚を仲介した未亡人は、すでに中国籍を取得している呉美玉さん(45)。呉さんは中国人男性と結婚したが、夫が死亡してからは村で理髪店を経営していた。
呉さんは今年初めから村の男性にベトナム人女性を紹介。料金は最高で20万元(約360万円)から10万元(約190万円)。この村の一世帯当たりの平均年収は約3万元(約57万円)と、年収のほぼ4倍から7倍ほどと安くはない額だ。
女性たちは「町に買い物に行く」「妹に会いに行く」などの理由をつけて、11月21日の朝から出かけており、翌朝になっても帰ってこないので、女性たちの夫や家族ら約100人が紹介者の呉さんの理髪店に押し寄せたが、呉さん宅はもぬけの殻だった。
呉さんは近隣の人々に「ベトナム人女性の結婚手続で一時帰国する」と言い残していたという。
呉さんが紹介したベトナム人女性は「器量が良い」と評判で、村の他の独身男性から花嫁斡旋の依頼が引きも切らなかったというほどだ。
それなのに、なぜ集団失踪してしまったのか。これについて、地元警察では「呉さんが花嫁たちに、こんな田舎ではなくて、もっと良い条件の嫁ぎ先があるとか、次の嫁ぎ先に決まれば、謝礼をはずむなどとそそのかして、連れ出したのではないか」と推測している。
中国では一人っ子政策の影響で、農村部ばかりでなく、都市部でも結婚適齢期の女性の数が足りず、独身男性が増えている。中国衛生省と計画生育委員会は今年7月の記者会見で、「この30年来、男性が女性よりも2400万人から3400万人多く出生しており、男性の結婚難が深刻化して、社会の安定にも影響しかねない」と警告を鳴らしていた。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150101-00000003-pseven-cn&pos=2
チュウゴクで嫌なことばかりあって不幸せだったから逃亡したんでしょう!