アメリカが日本を差し置いてチュウゴクとこそこそ話し合うのは嫌な感じ
北をめぐって米中密約?
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平井 修一 (頂門の一針)
近藤大介氏の論考「米中はすでに、何らかの『密約』を交わしている!?
2015年、北朝鮮を巡る外交が大きく展開していく予感」(現代ビジネス12/12)から。
<北朝鮮を久方ぶりに訪れたというある実業家は、私に次のように述べた。
「華やかなのは市中心部の蒼光通りや栄光通りだけで、東平壌には巨大な貧民窟が広がっていた。真冬だというのに、通りには腐臭が立ちこめている。そして、地区の役場の職員たちが総出で、のたれ死にした遺体の処理をしていた。朝晩氷点下20度にもなる極寒の中、暖房もなく、食糧もなく、ついに首都・平壌まで、廃墟が広がり始めた。
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そもそも金正恩が指導した2009年末の通貨改革の失敗で平壌市民への配給が不可能になり、平壌市の面積を4割削減して、人口を220万から180万に減らした。それでも配給できなくなったため、今年4月に、さらに市の面積を縮小し、人口を150万に減らした。今回さらにピンチになって、ついに100万まで減らそうとしているという噂が立っていた。
12月12日に、ナンバー2だった叔父の張成沢・党行政部長を処刑して丸1年が経ったが、金正恩はいまだに、張成沢に関係のあった幹部の粛清を続けている。その数は2000人とも3000人とも聞いた。
張成沢の姉の夫である全英鎮・駐キューバ大使一家、兄の息子である張勇哲・駐マレーシア大使一家も、このほど処刑されたそうだ。朝鮮人民軍の幹部に対しても、相変わらず粛清が続いていると聞いた」
このように、いよいよ窮乏してきた北朝鮮は、来る1月8日の金正恩32歳の誕生日にも、国民への「特別配給」ができない有り様だという。このまま経済困窮が続けば、朝鮮人民軍の「離反」も考えられる。
(北とロシアは接近していくが)ここへ来て、ロシア経済に黄信号が灯り始めた。それによって、にわかに「ロシアが北朝鮮経済を救う」というシナリオも崩れてきた。「(露北間の)3500kmの鉄道建設はいいが、一体誰が資金を出すのか?」というわけだ。
では、結局どの国が北朝鮮を救うのか?
私は、2015年にアメリカが名乗りを上げるのではないかと見ている。北朝鮮を巡って米中はすでに、何らかの「密約」を交わしているのではないか。
11月11日~12日、北京APEC(アジア太平洋経済協力会議)終了後に、オバマ大統領が2日間の中国国賓訪問をおこなった。オバマ大統領と習近平主席は、計8時間にわたる首脳会談の中で、北朝鮮問題についても時間をかけて話し合っている。
この時、オバマは、北朝鮮外交を進めることを習近平に告げたのではなかったか。なぜなら、アメリカにとって北朝鮮が再び「ロシアの植民地化」するのは困るからだ。もし羅先がロシア軍の「軍港」と化せば、北東アジア情勢は大きく様変わりすることになる。
それは中国とて望まない。中国は、「2018年から30年間、計40兆円の天然ガスをロシアから輸入する」という過去最大規模の契約を5月に結んだばかりだ。これはロシアからすれば、長期的なエネルギー輸出による安定した財政収入を確保したことになる。
一方の中国からすれば、中ロ関係が悪化した場合、いつでも契約を打ち切るという選択肢を持ったことで、ロシアの生殺与奪を握ったに等しい。
その後、ロシアが北朝鮮に急接近したのは、中国の背後に回ることで、中国が身動きを取れないようにする意図があったのだろう。そのような状況下で、北朝鮮に冷たかったアメリカと中国が、北朝鮮戦略の転換を始めたのである。
12月17日にオバマが緊急会見して発表した、アメリカとキューバとの電撃的な国交正常化である。なぜ半世紀も敵対視していた両国の関係が急展開したかと言えば、二つの理由が考えられる。
一つは、オバマが「任期中の外交的成果」が欲しかったからだ。もう一つは、「ロシアの味方」を減らしたかったからだろう。つまり「新冷戦」が始まっているのである。
こうした一連のできごとの延長線上に、2015年の米朝接近がある。
すでに中国も手を打ち始めた。12月17日、北京の北朝鮮大使館で開かれた金正日総書記死去3周年の追悼行事に、劉雲山・中国共産党中央政治局常務委員(序列5位)が参列したのである。
いまからちょうど1年前に、金正恩第一書記が張成沢を粛清して以降、中朝関係は冷え込み、両国の高官の往来はストップしていた。今回の劉雲山常務委員の参列は、その雪解けを示す中国政府の「シグナル」だった可能性がある。
ともあれ2015年、北朝鮮を巡る外交が大きく展開していく予感がする。日本はこれを好機と捉え、拉致問題解決に活かしていくべきである>(以上)
本当なのかどうか。オバマはソニーをハッキングしたのは北だと名指ししたうえで「報復する」とまで言っている。12/23現在、北ではネットが一時的に不通になったそうだが、米国による報復かも知れない。
北は叩いて放っておけばいずれ崩壊する。中共は北とヨリを戻したところでメリットはあまりなく、むしろ原油や食糧支援などで持ち出しになりかねまい。
北には制裁を強めて孤立化を進めればよく、交際はしないことが肝腎だ。
音を上げれば拉致問題は解決できるのではないか。来年あたりに金北豚は排除されて新体制ができるかもしれない。(2014/12/23)
話 の 福 袋
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◎なぜ北朝鮮のネットへの接続が不能になったのか 古澤 襄
2014.12.23 Tuesday name : kajikablog
北朝鮮がソニーの米映画子会社ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)に対してサイバー攻撃を行ったとされる問題で、米政府当局者が「相応の対抗策」を講じると表明した後、22日に北朝鮮のインターネットへの接続が不能になった。果たして、米国が遮断したのか。
世界のウェブ・アクセスを監視しているネットワーク・セキュリティー会社クラウドフレアのマシュー・プリンス最高経営責任者(CEO)によれば、その可能性はあるという。同社のエンジニアは、22日の早い時間(米東部時間)から北朝鮮と外部世界とのネット接続ができなくなり、同日昼も接続不能のままであることを確認した。インターネットの状態を監視しているDynによると、同社のテストでは午前11時15分(同)以降、北朝鮮のネット・アドレスへのアクセスが不能になっている。
しかしプリンス氏は、米国による遮断よりも、あり得そうなシナリオとして以下の3つを挙げた。
第1の可能性:北朝鮮自らによる遮断 米国の尺度からすれば正気の沙汰ではないが、シリアなど監視態勢の厳しい国では、対外的に厳しい状況になった場合に、ネット接続を遮断した過去がある。接続を不能にすれば、ネットにアクセスできるごく少数の北朝鮮の国民は、ソニーへのハッキングが引き起こした現在の危機について知ることができなくなる一方、米国やその同盟国からの北朝鮮へのサイバー攻撃を阻止できることになる。
第2の可能性:中国による遮断 北朝鮮は中国の通信大手、中国聯合網絡通信(チャイナユニコム)を通じてネットへアクセスしている。米政府当局者によれば、米国はソニーへのハッキングに北朝鮮が関与していたとされる問題で、北朝鮮に圧力を掛けるよう中国に働き掛けている。
第3の可能性:何者かによる遮断 プリンス氏によると、北朝鮮には世界のネットへの主要な接続ルートは一つしかなく、外国政府や悪意のあるハッカーなどの外部者が北朝鮮のネットワークにマルウェアを侵入させることは可能だ。
プリンス氏は、「どのような理由から北朝鮮へのネット接続が不能になったのか話すのはやや時期尚早」とした上で、ソニーへのハッキングがなかったならば、「私は北朝鮮が何らかの理由からネットを遮断したと判断しただろう」と述べる。
Dynの研究者であるダグ・マドリー氏は、第4の「無害な」可能性も指摘する。それは、一部のネットワーク・ルーターのソフトウエアがエラーを起こしたというものだ。だが同氏は、孤立した北朝鮮のネットワークは小規模なため管理は簡単であり、数時間にわたって偶発的な機能停止が続く可能性はまずないと話す。「そのようなことは北朝鮮では考えられない」という。(米ウォール・ストリート・ジャーナル)
杜父魚文庫
| 古澤襄 | 17:08 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |