ブラウン少年は警官をパトカーに押し込め殴り始めた。
わたなべ りやうじらうのメイ ル・マガジン「頂門の一針」3516号
2014(平成26)年12月14日(日)
犯罪者容疑者への警官の対応
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池田 元彦
罪もない無抵抗の黒人少年や大人を、有無を言わさず或は首締めして警官 が殺したのに、裁判で警官が無罪評決されたとして、全米で暴動が起こって いる。
20年ほど前のロサンゼルス大暴動を彷彿とさせる。
白人警察官グ ループが黒人男性に暴行を加えながら、1992年に州法に基づく裁判で無罪 となった事件だ。
暴行シーンを撮影した証拠があり、結果として2人の警察官が公民権法違 反の罪で有罪となった。
このロドニー・キング事件の13日後、同じロスで 今度は韓国人女店主が、オレンジジュースをバックパックに入れ盗んだと して、口論、乱闘の末、ジュースを置いて去ろうとする15歳の少女を後ろ から拳銃で撃ち殺した事件も発生した。
冷静に考えれば、一般市民が犯罪者に撃たれ死亡することの方が多いが、 黒人が警官に撃たれることはアメリカでは間々ある。
しかし、警官が例え 人種的偏見を持っていたとしても、滅多矢鱈に黒人を警官が撃つわけはな い。
撃たれるには、多くの場合何らかの警官から見たそれなりの理由が、 過剰防衛かは別としてあるはずだ。
現在、暴動の発端とされているのは、18歳の黒人少年が警官に射殺され、 警官が不起訴になった事件だ。
このブラウン少年は見回り中の警官と鉢合 わせし、警官から道路の中央から脇に寄れと命ぜられたが応じず「貴様の 言うことなんかクソ食らえだ」と言い、パトカーに近づき、命令し続ける 警官をパトカーに押し込め殴り始めた。
3回殴られた警官は危険を感じて拳銃を撃とうとしたが、逆に奪おうとし た少年は車内で1発撃たれ、車の外に出たところ数度撃たれて死亡した。
警官は知らなかったが、直前にこの少年はコンビニでタバコを盗んでい た。
そして比較的小柄な警官に、身長190cmのブラウン少年は「お前の ような弱い奴に俺を打てない」と嗾けていた。
同じミズリー州ファーガソンでは、43歳の黒人男性が、タバコ違法販売で 取押えようとしたが抵抗して暴れたので背後から首を抑えたところ、黒人は持病の喘息発作を起こし、結果死亡した。
男は違法販売容疑で30回以上 の逮捕歴がある、150kgもある巨漢だった。又背後からの警官による首 締めは違法とされていた。
オハイオ州クリブランドでは、12歳の少年が市内の公園で遊んでいた際、 警察官2人に撃たれ死亡した、とメディアは報道した。
実際には、この少 年は通行する人に銃口を向け公園周りを徘徊していた。
市民の通報でパト カーが現場到着し、手を上げろと3回命令したが従わず腰のあたりに手を 伸ばし殺された。銃はエアガンだった。
デモや暴動が続いている。オバマ大統領は、警官が制服に着用する「ウェ アラブル・カメラ」を5万台購入し、法執行の可視化を図るための合計約 300億円の予算を議会に要求する方針を表明したが、例によってどっちつ かずのオバマ発言は、黒人の不満を募らせ暴動を拡大したと思われる。ミ ズリーでは州兵が投入されている。
黒人貧困率は1959年の55%から、2013年の27%迄低下し、4年制大学学位 取得率や年収、持ち家比率も著しく改善している。
しかし、昨年は白人の 10%より大幅に上回っており経済格差への不満も相変わらず強い。
アジア 系やヒスパニック系も暴動に加わっていること、リーダー不在で組織化さ れていないことが今回の特徴だ。
慰安婦問題での日本への助っ人、マイケル・ヨン氏は、グリンベレー(海 兵隊)出身で、アルカイダとの戦闘経験もある人物だが、彼は戦闘、或は 拳銃の扱い方について警告を発する。
抵抗する相手に対しては、拳銃で対 抗するしかないが、警官も余裕がない。
狙うのは脚が見えれば脚の、体が 見えれば体の中心部が当然だという。
そして手先や足を狙って撃てという警官に対する批判は「映画のシーン」 からの甘い発想で、現場は素早く中心を狙って撃つことが当然だと主張す る。
過剰防衛ならウェラブル・カメラを全警官に装備させることは有効 だ。
しかし、日頃犯罪を繰り返し、警官に事ある毎に逆らい挑発し、時に は殴りかかり迄する連中には有効ではない。
身構え、何時でも撃てるようにするのは、警官としての自己防衛であり義 務だ。
アメリカは銃で自らの身を守る国だ。
日本では、警官が発砲するた び、一々正当な理由と過剰防衛でないかどうかを、都度TVでニュース報道 し、警官の行為を批判的に見る。
不良外国人は、日本の警官は撃たないと 馬鹿にしているのを判っているのか。