「自虐史観」を植えつけたのがアメリカ自身だから? | 日本のお姉さん

「自虐史観」を植えつけたのがアメリカ自身だから?

ロシア政治経済ジャーナル No.1135 2014/12/15
★(選挙後)日本に迫る真の危機と、根本的対策
全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは!
北野です。
選挙が終わりました。
皆さん、結果に満足されていますか?
今日は、ちょうどいい機会ですので、
本に迫っている真の危機とその根本的対策
について考えてみましょう。
▼自虐史観から脱却しつつある日本
皆さん、おそらく感じておられることでしょう。
日本は、ようやく「自虐史観」の呪縛から脱却しつつあります。
「自虐史観」
冷静に考えてみればおかしな話です。
日本は、世界一広大な植民地をつくり、「日の沈まない国」
と呼ばれたイギリスより悪い国???
日本は、原爆を落して、史上空前絶後の大虐殺を実行した
アメリカより悪い国???
こんなもん、常識的に考えればすぐわかることです。
しかし、日本国民はいままで、
「私がすべて悪いのでございます。原爆を落されたのも私たちの責任です
などと、変なことを信じていた。
要するに洗脳されていたわけです。
私は19歳のときモスクワに留学し、即座に「自虐史観」から脱却しました。
なぜなら、ロシア人が日本を愛していることを知った。
さらに、モスクワ国際関係大学にいた外国人留学生も、皆日本を愛していた。
学生時代もその後も、私はいろいろな国に行ってみました。
そして、「なんだ。日本を嫌っているのは、中国、韓国、北朝鮮だけじゃないか!
『日本は世界中から嫌われている』と勘違いしていたのか?」
と気づいた。
それで、メルマガを発行しはじめた1999年から、一貫して、
「自虐史観を捨てましょう!」と主張しつづけてきました。
いま、一つの夢(=日本国民が自虐史観から脱却すること)
が実現し、とても喜んでいるのです。
▼必然的に訪れる次の大問題
ところで、日本が自虐史観から脱却するのを喜ばない国があります。
中国と韓国は当たり前ですが。
もう一国、超重要な国。
そう、アメリカです。
アメリカは、日本が「自虐史観から脱却すること」を喜ばないのです。
なぜ?
「自虐史観」を植えつけたのがアメリカ自身だから?
なんのために?
日本が二度とアメリカに逆らうことがないように。
しかし、日本国民は今、自虐史観から脱却しつつある。
ということは、アメリカ政府は当然、
「再びアメリカに反逆してくるのではないか?」
と警戒感を強めるわけです。
そして、日本とアメリカがケンカするのを喜ぶ国がある。
そう、アメリカの次の覇権国家を狙う中国です。
中国は、日本とアメリカが一体化していたら、尖閣も沖縄もとれない。
しかし、日本とアメリカがケンカし、日米安保が無力化すれば楽々と尖閣、沖縄を奪うことができる。
そういうことなのです。
▼「脱自虐史観」だけでは不十分な理由
現在大変多くの人が、「自虐史観がすべての問題の原因だ!」
「自虐史観から脱却できればすべてうまくいく!」
と主張しています。
私は、「自虐史観が日本最大の問題である」ことには同意します。
しかし、「自虐史観から脱却すればすべてうまくいく」
と信じるほどナイーブにはなれません。
なぜか?
こう質問されると、私はいつも逆に質問し返します。
「戦前、日本には自虐史観がありましたか?」と。
すると、質問された人は、考えて答えます。
「いえ、ありませんでした。
自虐史観どころか、正反対でした。
『日本は神国である』と信じていたのですから」
私は、さらにこう質問します。
「そう、日本には戦前『自虐史観』がなかったのですね。
あなたは今、『自虐史観から脱却すればすべてうまくいく』
と信じている。
それが真実であるのなら、なぜ『自虐史観のなかった』日本は
『戦争で完敗したのですか????????????』」
これで、100%気づきます。
そう、戦前の日本国民は、自虐史観などもっていなかった。
しかし、戦争には完敗した。
要するに、自虐史観から脱却することは最優先課題ですが、
それだけでは戦争に勝てないということなのです。
では、日本はなぜ戦争に負けたのでしょうか?
▼「世界情勢が全然わからない!」と首相が告白した国
答えは簡単です。
会社が倒産すれば、まず社長の責任が問われるでしょう?
原発事故が起これば、当然電力会社幹部の責任が問われます。
同じことで、国が戦争に負ければ、
「当時の指導者の責任が問われる」のは当たり前。
では、当時の日本の指導者たちは、どうだったのでしょうか?
調べてみると、非常に残念なことに、
「世界情勢を知る力」「大局を読む力」
が、決定的に欠けていたようです。
わかりやすい実例もあります。
1939年8月、平沼騏一郎総理が辞職しました。
その時に残した名言。(?)
「欧洲の天地は複雑怪奇」
要するに、総理大臣が、
「欧州で何が起こっているのかさっぱり理解できないぜ~~~」
と告白している。
当時欧州は、世界情勢の中心なのですから、これは
「日本国の総理大臣は世界情勢を全然理解していなかった」
といっても過言ではないでしょう。
1939年といえば、日中戦争がはじまって2年経過。
日米開戦の2年前。
こんな緊迫した状況下で、日本の総理は、
「世界で何が起こっているかわかりません」といっている。
これで、戦争に勝てるはずがないでしょう?
しかし、平沼総理だけのせいにするのは、かわいそうです。
歴史を調べてみると、日本の指導者たちは、
「日ロ戦争後から第2次大戦終結まで、
約40年間判断ミスをくりかえしてきた」
ことが明らかになってきます。
(具体的にどんな判断ミスをしたのか?
ここでは長くなるので触れませんが、
新刊で詳述してありますので、是非ご一読ください。)
つまり、日本が戦争で負けた理由を
一人の指導者のせいにすることはできない。
日本は日ロ戦争後から敗戦まで40年間、
「世界情勢を理解できない指導者によって統治されてきた」。
これが、敗戦の根本的理由なのです。
それで、1937年に日中戦争がはじまったとき、日本は、
中国、アメリカ、イギリス、ソ連
を同時に敵にして戦うというあり得ない状況に陥った。
この4国を同時に敵にして勝てるはずはない。
そんな国は、世界中どこにも存在していなかったのです。
▼「国際連盟脱退」に歓喜した国民
日本が戦争に負けた最大の理由は、指導者たちが
「世界情勢を理解していなかったこと」である。
では、日本国民に責任はないのでしょうか?
そうともいえません。
日本が絶対勝てない戦争にむかっていった理由は、
・満鉄の権益から、アメリカを追い出し、怒らせたこと
・第1次大戦時、イギリスの「陸軍派兵要請」を断り、
怒らせ、後に「日英同盟」を破棄されたこと
などなど、いろいろあります。
しかし、日本が決定的に孤立したのは、やはり満州国問題でもめ、
国際連盟を脱退したことでした。(1933年)
このとき、国際連盟では42カ国が満州国建国に反対。
賛成は、日本一国という状況だった。
正直いうと、今のロシアより孤立していた。
先見の明のある人なら、「これで日本は破滅にむかう。
なんとかしなければ」と理解できたはずです。
松岡全権代表も、相当沈んで帰国したのです。
しかし、彼は驚きの光景を目にします。
<松岡が横浜港に着いたのは、一九三三年四月二七日のことだった。
横浜は朝野をあげた歓呼の嵐だった。
松岡を待つ数万もの人垣が港を埋め尽くし、学生や在郷軍人らが日
の丸の小旗を手に列をなしていた。松岡も甲板上から小旗を振って応えた。
浅間丸が岸壁に横づけになると、「万歳」「万歳」という声が怒涛
のように沸き上がった。>
(「なぜ、日米開戦は避けられなかったのか」服部龍二 NHK出版126p)
<華々しく帰朝した松岡は、いわば連盟脱退の英雄として迎えられたのである。
日本の要求を国際連盟に呑ませることができず、
圧倒的大差で敗れた末に退場したことは、
本来なら外交的失策と批判されてもやむをえない。
ところが松岡は、官民挙げての歓待を受けた。
多くの日本人は、異例にも明確な「ノー」を世界に突きつけたことに溜飲を下げた。
>(同前128p)
どうですか、これ?
当時の日本国民は、
国際連盟を脱退して帰国した松岡全権代表を大歓迎したのです。
つまり、国民は、「国際的孤立」を喜び、
これが後の「敗戦」につながっていくことなど、想像もできなかった。
ですから、日本が戦争に負けた理由は、指導者だけの責任ではない。
国民も同じように、「世界情勢」「大局」を理解できていなかったのです。
▼いまはどうなのか?
そうはいっても、昔の話。
いまさら「あ~だ、こ~だ」いっても、仕方ありません。
しかし、問題は、「今の指導者は、戦前の指導者と違って、
世界情勢や大局をばっちり理解しているの?」ということ。
皆さんはどう思われますか?
もし、今の日本の指導者たちが、戦前・戦中の指導者のように
「世界情勢」「大局」を理解できていなければ?
なんだかわからない間に、
中国、韓国だけでなく、アメリカ、欧州、ロシアなどを同時に敵にまわしてしまうことだってありえる。
(中国が、「中国、ロシア、韓国、アメリカで『反日統一戦線』」をつくる戦略をもっていることは、RPEで2012年末から書いています。
(詳しくはこちら。↓

中国、【反日統一戦線】を【アメリカ】、ロシア、韓国によびかける )
安倍さんが習さんと握手しても、何も変わっていません。
中国の戦略は、いまも変わっていないからです。)
そうなれば、当然尖閣、沖縄は、中国に奪われてしまうことでしょう。
それだけですむでしょうか?
もちろん、日本経済は、破壊しつくされることでしょう。
これが、日本に起こりつつある「真の危機」です。
今は、プーチンが大暴れしているおかげで、
アメリカは日本を必要としています。
しかし、米ロが和解し、中国の工作が成功すれば・・・。
欧米中ロが一体化して日本をバッシングすることすらあり得る。
その時彼らは、「日本は右傾化している!」
「軍国主義化している!」「歴史の修正を求めている!」
などと大騒ぎし、(世界情勢がわからない)
日本の指導者は「右往左往するだけ」になるでしょう。
(ちなみに2014年1月2月は、かなりヤバイ状況にありました。)
では、どうすればいいのでしょうか?
▼私たち自身が、「世界情勢」を分析し、
「未来を予測する力」を手に入れること
私たちは、民主主義国家日本の「主権者」であり、
私たちの質が、「政治家の質」を決めるのです。
私たちは、歴史を知り、世界情勢を知り、未来を予測し、未来を日本の都合のいい方向にもっていくパワーを身につける必要があります。
RPEでいつも書いている、
「日本の自立は、私自身の自立から」
です。
「・・・・・理屈はわかりますが、どうやって????」
ご安心ください。
誰でも「これさえ読めば、自動的に世界情勢が理解できるようになり、
さらに未来も予測できてしまう」超強力なツールを作りました。
これを読むだけで、皆さんは
「世界情勢が勝手にわかるようになってしまった・・・」
と驚かれることでしょう。
この本には、
・私がロシア外務省付属モスクワ国際関係大学で学んだこと
・ソ連国家の崩壊とその後の混乱、ロシア復活時に目撃したこと、体験したこと
・芋づる式に知り合いになった世界の支配者層との交流でしったこと
のエッセンスを、凝縮して詰め込みました。
世界の動きには、ある「原理」「原則」があり、それさえわかれば、誰でも世界の現状と未来がわかってしまいます。
是非ご一読いただき、「世界の未来を知る力」を身につけてください。
そして、「自立国家日本」を築いていきましょう!
●日本人の知らない「クレムリン・メソッド」
~ 世界を動かす11の原理 (集英社インターナショナル)
北野 幸伯(詳細は→ http://hec.su/hHN )
(●面白かったら、拡散よろしくお願いいたします。)

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発行者 北野 幸伯