トルコのイスラム回帰が本格化 | 日本のお姉さん

トルコのイスラム回帰が本格化

トルコでは、以前は町の中でアルコール類も買えたが今は、どこにも売っていないそうだ。日本に住んでいるトルコ人は、たまに国に里帰りしてもイスラム回帰が急激で前のトルコではなくなっているので「もう帰れない」と言っている。
日本に住んでいるアラブ人たちは日本の生活が快適だし、自国がゴタゴタしているので日本に骨をうずめるつもりらしい。神戸のイスラム寺院では、月一で殴り合いのケンカが起こっていてパトカーも来ている。最近では、イスラム教徒用の墓をみんなで購入しようと持ちかけたエジプト人がみんなから金を集めたが墓を購入していないことがバレて殴り合いの騒ぎが起きた。結局、墓は買えたらしい。
日本で死ぬことを決めている外国人たちが、お互いに騙し合わずケンカしないで平和に暮せるといいんだけど。イスラム寺院の中で起こる事件は、みんながお互いに隠しあって警察や他の日本人には秘密なのだそうだ。
外国人にとって一番の敵は外国人ってことだね。

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トルコのイスラム回帰が本格化
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26年(2014)11月24日(月曜日)
通巻第4405号

エルドアン以後、トルコのイスラム回帰が本格化している
全土80以上の大学にモスクを新設、イスラム教育を制度化へ
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トルコの「脱西欧、入イスラム」が進んでいる。
全土80以上の大学構内にモスクを建設し、イスラム教育を制度化すると発表したのだ。


「ゆえに」と書けば、たいそう短絡的と捉えられるかもしれないが、エルドアン大統領は欧米のメディアからぼろくそに批判されてきた。
独裁者だとか、時代錯誤だとか。
この文脈からはプーチンと同列である。

トルコのイスラム回帰が本格化すれば「近代トルコ建国の父」といわれたケマル・アタチェルク以来のイスラム世俗化路線を大幅に軌道修正することを意味する。

これまでトルコはNATO,OECDの一員でもあり、自らを「ヨーロッパの国」と認識してきた。それがイスラムの国に戻るのだ。

欧米のエルドアン批判によって、従来のトルコの西側へのアプローチを逆回転させたことになり、欧米のロシア制裁がプーチンをして中国に向かわせてしまったことと同じ危険性を孕んでいる。

トルコは英国、露西亜との戦争に敗れ、オスマントルコ帝国は音立てて瓦解し、版図は縮小されて、いまのアナトリア半島に縮こまり、冷戦中は西側に与してNATOの一員として多大な貢献ぶりを発揮した。

トルコ軍 は中東諸国の中では精鋭の兵隊を誇り、イラク軍やシリア正規軍や民兵や
クルド民兵より強い。

地中海に面したトルコ第3の都市イズミールにはNATO海軍基地も置かれている。欧州企業は、このエキゾティックな港町に多数が進出している。

冷戦崩壊以後のトルコは、積極的にEU参加を表明し、またユーロ加盟を申請していた。

たがEU加盟はまだ未決定の上、ユーロは結局の所、昔の「神聖ローマ帝国」の版図をそのまま引き継ぐかのように、キリスト教圏だけをメンバーとして、イスラム圏を加えようとはしなかった。

トルコははじかれたのだ。

心理戦としてはフランスなどが「トルコのアルメニア虐殺」を言いつのったため、欧州の主要国家との政治宣伝上の対立が先鋭化した。
トルコ側によれば、「戦争の最中、移動中の事故」があったことは認めるが意図的なアルメニア人虐殺はない、とする立場を貫き、この西側との歴史解釈を巡る齟齬は感情的対立として尾を引くかたちとなった。

見えない心理戦である。

トルコはその替わりユーロ危機とは無縁で、むしろ「ユーロに入れなかった恩恵で」という口実が生まれた
。というのも欧米企業は通貨安のトルコへ工場進出を加速化させたため、経済成長著しく、経済的な発展を遂げた
。トルコからの出稼ぎがおおいドイツはトルコと経済的絆がもっとも強い。

他方、トルコはイスラエル軍と深い関係を結び、イスラエル空軍から訓練をうけるほどの関係だったが、これも米国の後ろ盾があった。
米国がトルコと距離を置きだしたのはエジプトの政変である。
トルコは「ムスリム同胞団」を支援していたが、軍はクーデターでイスラム原理主義政権を転覆させ、米国も渋々シシ政権と関係改善を図った。

▼トルコが抱える2つのアポリア(難題)

トルコと欧米との関係は表面的にうまく行っているはずだった。
しかし最近とみに雲行きが怪しくなった原因は第一にシリア情勢である。

昨今はISILの暴虐な浸透ぶり、産油国の警戒と米国への猜疑心が拡大してゆき、国内に難題を抱え込んだ。
シリアからトルコへの難民は数十万に膨れあがった。
この難民の群にイラクを追われた人々が加わる。

トルコ政府は人道的見地に立って百万近い難民の救援に当たっている。

第二はクルド族の独立問題である。
世界に散らばったクルド族は1500万人以上で、アナトリア半島に東側、イラク、シリア、アルメニア、グルジア、イランにまたがる宏大な山岳地帯にクルド族が暮らしているが、ISILのイラク北部占拠以後、クルドへの援助を欧米が再開し、公然とクルドの独立を容認する発言が続く。

トルコはクルド族自治区の住民投票を容認する姿勢に転換している(大統領選挙中、エルドアンは公約した)。

トルコはチュルク民族の最初の国家「突厥」の成立(552年)をもっ て国の成り立ちとしており、また近代化の父ケマル・アタチェルクを顕彰 する日は祝日である。
それほどイスラムの世俗主義に徹して、経済発展に邁進してきたので一人あたりのGDPは10,000ドルを超えている。

また政治的には5%ルールのドイツより厳しく「10%ルール」を適用 させているため、選挙で10%に達しない少数政党(とくにイスラム原理 主義、イスラム諸派)は議席を獲得できない。

まして政治の背後に巨大な軍の存在がある。
エジプトでも、イラクでもそうだったように軍は近代化路線を志向し、極端な宗教色を嫌う。

▼トルコが「勇志連合」への参加に消極的なわけ

複雑な状況を踏まえて見れば、なぜトルコが米英欧主導の「勇志連合」に対して最初の段階では参加を見送ったか。

米国は9月7日に空爆を決め、直後にヘーゲル国防長官はトルコに参加を呼びかけた。

またISILの新規加入者がシリアへ潜入するルートはトルコであり、このルート壊滅も要請した。
空爆は10月中旬から開始された。

10月のトルコ議会は渋々「勇志連合」への参加を決めたが、クルド軍兵士の領内通過を容認しただけで、空軍基地の提供はためらったまま、また地上軍の派遣を実行していない。
欧米のやり方に懐疑的なトルコは、いざ参加しても途中で梯子を外される危険性を十二分に感知しているからだ。

それゆえにトルコ全土80以上の大学構内に2015年度中にモスクを 新設するというトルコの方針転換は、イスラム回帰の嚆矢となるのか、大 いに注目されてしかるべきだろう。
(読者の声1)以前にもどなたかが指摘されていましたが、宮崎先生の書かれた『朝日新聞のなくなる日』(ワック)は、まことに予見性に富んだメディア論でした。惜しむらくは時期が早すぎた(笑)。
当該書は、いまはやりのイデオロギー的な偏向による朝日批判ではなく、ネットの発達が朝日の論説を不要としており、いつまで傲慢に世論を牽引しているつもりなら、朝日は時代に取り残されるとして欧米のメディアの危機を重ねて論述されていて、読んでいて新鮮な読書感を抱いたのでした。
最新情報をいれかえた改訂版の刊行を望みたいところです。
(HU生、茨城)

(宮崎正弘のコメント)ご要望は承ておきますが、すでに絶版と なっており改訂版を出すにしてもデータの多くを書き直す必要があり、あ れはあれで時代的な提言をした意義があったというこ
とになります。
8月以降、ダムが決壊したかのように朝日新聞批判の『WILL』『正論』ばかりか、ムックや増刊号も飛び出し、また書籍もこの欄で取り上げただけでも古森義久、西村幸祐、田母神俊雄、室谷克実の各氏ら多彩なラインが多角的に批判していますから、いまさら小生の出る幕ではないでしょう。

(読者の声2)御新刊『吉田松陰が復活する』を興味深く読ませていただきました。吉田松陰の知識が少なく輪郭が朧げだったのですが、おかげさまで明確になりました。
文筆家に失礼なこととおもいますが、宮崎様の語彙の豊富さには驚いております。
明日の憂国忌には三友人と連れ立って参ります。(YM生、小金井市)