数回にわたって、象牙が中国海軍の艦船にも搭載され中国に密輸されていた証拠
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26年(2014)11月14日(金曜日)
通巻第4393号
習近平の特別専用機に象牙を積み込んで密輸した黒幕は誰だ?
国際ルールを平然と無視し、私益にはしる利権集団が存在する
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世界的な大問題となって、多くが眉をひそめた。
自然動物保護は欧米では深刻なイッシューになっているが、アフリカで野生の象を密漁し、象牙を大量に捕獲して密売する犯罪グループが習近平専用機の「特権」を利用して搭載し、中国へ持ち帰っていた事実は日本のマスコミも伝えた。
黒幕は誰か?
第一に軍の関与が指摘されている。現地の密漁グループと強いコネクションが必要であり、第二に当該国家の政府高官と深いつながりがなければ空港内へ堂々と持ち込んだりはできないだろう。第三は習近平に気づかれないうちに機内の貨物室に積み込むわけだから、専用機乗組員の共犯者がいるであろう。
つまり、大がかりな利権集団の暗躍がある筈である。
黒幕は誰か?
政治局常務委員の某高官が絡んでいるとすっぱ抜いたのは米国ででている華字紙「博訊新聞網」(2014年11月10日)である。
同紙に拠れば令計画が習近平に嫌がらせをするために、この情報をロンドンのメディア(ロンドングローブ)に曝露したという。当時、令計画は中央弁事処主任(大統領特別補佐官のトップに匹敵)であり、政治局常務員らの日程を具体的に把握できる立場にあった。
誰がアフリカ訪問を繰り返しているか、具体的には数回にわたって、象牙が中国海軍の艦船にも搭載され中国に密輸されていた証拠も掴んでいたという。
警備局長の要職にあったのは令計画の部下の周生賢で、彼は林業総局長を経て、現在は環境保護部長(環境庁長官)、周はいってみれば環境保護の先頭にたって、密輸を取りしまる。周は令計画の筆頭の子分だという。
2013年3月、習近平が国家主席となるや、首席補佐官の座は栗戦書に引き継がれ、しかも当時の令計画は息子のスキャンダルが暴かれて閑職に追いやられた。
そこで、令一味は、習近平特別機の象牙密輸の情報をつかみ、英米の媒体にばらまいたのだという。
しかし、こうしたがガセネタを西側のマスコミは検証なしには報道しない。
西側マスコミと環境保護団体はアフリカでの調査に乗り出した。当該アフリカの沿岸部で象牙の取引価格が急膨張している証拠は挙がった。しかし習の特別機に積み込まれたとする証拠は挙がらなかった。現場写真もない。
事件から一年半が経過して、環境団体の調査というかたちで象牙密輸事件が報道された。ちょうど北京APEC、習の晴れ舞台に泥を塗るには格好のタイミングだった。
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(読者の声1)貴著『吉田松陰が復活する』を拝読しました。時期を得た素晴らしい御作と思います。私も吉田松陰先生のファンでアメリカとロシアとの最終決戦を預言したことは大事だと思います。
当時から日本を取り巻く事情はあまり変わらないと思いますが、変わったのは日本人の決意ではないでしょうか?
「憂国忌」、ことしのテーマは「松陰と三島」、いまから楽しみにしております。
(ヴィルピッタ・ロマノ)
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(読者の声2)宮?先生が『正論』今月号に書かれた香港の「雨傘革命」の裏事情を拝読しながら、香港の未来に関して悲観的になりました。
香港には台湾のように『独立』運動は存在しないのでしょうか? 香港はアヘン戦争の結果、英国が99年借りていた。というより植民地でした。それゆえに香港人の感性が非常にドライになって、独立の気概を失ったのでしょうか
(JJセブン)
(宮?正弘のコメント)『正論』の拙論にも書きましたが、香港は水、食料、そして電力を中国に依存するため、独立は物理的にも不可能です。香港にもちゃんとした知識人や愛国者もたくさんいますが、彼らは独立までは主張していません。
今回の雨傘革命、開始から一ヶ月ほどは、市民の熱狂的な応援がありました。最大の動機は疎外感です。つまり中国から年間5000万の中国人が香港へやってきて、ダイヤ、宝飾品ばかりかマンションを購入するので、香港市民は完全に手が出なくなった。太子党は香港でファンドを立ち上げてうまい汁をすっているのに地元香港市民は生活苦にあえぐ。
そのルサンチマンが、学生支援の流れに繋がりました。
ところが、いまでは過半の市民は道路封鎖によるビジネスの蹉跌、シャッター通りの商店主等は売り上げの激減に遭遇して、学生に抗議の声をあげており、このタイミングで警官隊が導入され排除に動くでしょう。習近平は軍隊を導入しないと思われます。
学生らはべつのスタイルで次のキャンペーンを仕掛ける筈です。
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