G8よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは | 日本のお姉さん

G8よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成26年(2014)11月13日(木曜日)弐
通巻第4392号
「G8よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは」(プラウダ)
「イスラム国の中国敵視は米国の陰謀」(中国)と華字メディアが分析
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1998年から2014年まで「ロシアとG7の仲良し時代」は16年間続いた。
「情事は終わった」とプラウダが書いた(11月11日)。「西側のロシア敵視政策への転換はモスクワをして、否応なく北京に近づけた。これはオバマ外交の愚策である」(アジアタイムズ、11月10日)。
米国は中国の野心を低く見積もり、同時に中国が対米外交に慎重であることを正確に認識できなかった。プーチンを孤立へ追いやった結果、ロシアはついにS400という防空システムを中国へ供与することとなった。
中国はTPPに対抗するためFTAAP構想を突如打ち上げ(その工程表に賛成したのは韓国だけだったが)、ついでADB(アジア開発銀行)に対抗するため「アジア・インフラ投資銀行」を設立し、IMF・世銀体制に挑戦するために「BRICS銀行」を短兵急につくった。これでドル基軸体制に立ち向かうというが、資本金がドル建てであるという基本的矛盾に対して整合性のある回答がない。
これらは西側が推進したWTOに遅れて加盟しても、まったくルールを守らない中国に業を煮やした米国がTPPを環太平洋に構想し、これを脅威と見る中国が唐突にFTAAPをぶち挙げて牽制するパワーゲームの経済版だ。

しかしあまりに拙速であり、くわえて「上海協力機構」にインドを引っ張り込もうとして「新シルクロード構想」も打ち上げる。
後者は中央アジアのイスラム圏懐柔が裏の狙いだろうが、率直に言ってテロリスト対策が主眼である。
シリア内戦とイラクの末期的混乱から生まれた「イスラム国」は2007年から08年まで米国が軍事訓練し、育てた。
「いずれイスラム国を使そうして中国に刃向かわせ、混沌状態におとしいれようとしているのは、米国の陰謀である」と中国の戦略研究家は見ているそうな。(アジアタイムズ)。
そして中国と表面的な蜜月を演出するプーチンは北京で習近平と握手し、習近平夫人にコートを差し出して緊密ぶりを再演したが、同時に安倍首相とも懇談した。
プラウダ英語版が書いた。
「G7よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは」(2014年11月11日)。

樋泉克夫のコラム
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【知道中国 1154回】
――「入唐シ玉フハ室町氏以来希有ノ?・・・豈一大愉快ナラスヤ」(名倉1)
名倉予何人「海外日録」(『幕末明治中国見聞録集成』ゆまに書房 平成九年)
予何人は「イナタ」と読む。生年不詳。浜松藩儒官。昌平黌で学び、後に洋学、兵学を修める。文久三(1863)年にフランス遊学。維新の際には浜松藩主の参謀役。
明治政府では外務大佑として清国貿易に携わった後、退官して台湾貿易を目指したが失敗。根岸に開いた漢学塾の主として明治34(1901)年に没。
毛筆和綴じ本の「海外日録」の表紙には、「四月二十九日発長崎 七月十三日帰埼 上海在留五十九日」と墨痕鮮やかに記されている。表紙を繰ると、今回の上海行きは「寛永以前ノ朱章船」の復活だが、幕府役人が公式に「入唐シ玉フハ室町氏以来希有ノコト」であり、この航海への参加者は全員が「奇異ノ思ヒヲナス豈一大愉快ナラスヤ」と。胸の高鳴りが伝わってくるようだ。
続いて「官吏大小及ヒ従臣姓名左ノ如シ」として「御勘定 根立助七郎」以下「水夫」に至る50数名が列記されているが、その中に「御徒士目付 鍋田三郎衛門 従臣 名倉予何人 浜松藩」「医師 尾
本公内 従僕 峯源助 大村ハン」は勿論だが、高杉晋作は御小人目付の犬塚の従臣として、また後の五代友厚は「水夫 才助 姓五代 薩摩藩」と記されている。
「四月廿七日 快晴 午後官吏大小及ヒ従僕総計五十一名斉シク官船 船名千歳丸 ニ乗ス」ところから「海外日録」は始まった。実際の操船はイギリス人15人が担当したが、「英人中婦人一名アリ」とある。全員が乗り込んだものの、「舟中雑踏シテ終日拮据息フニ遑アラス」というから相当にごった返していたことだろう。
「二十八日 晴 解纜ノ備ヘ全ク調ヒ明早ヲ以テ」出港の運びとなった。途中、暴風雨に遭ったりしたが、出帆から6日目の「五月初四日」には「始テ支那の山ヲ看ル舟中ノ人喜色掬スヘシ」というから、船中が大いに沸き返ったに違いない。
翌日には洋子江(揚子江)に入り、やがて「呉淞江ニ至リ船ヲ泊ス」。すると直ちに「唐人英人来ル」のであった。周囲には多くの船が舳先を並べて停泊し、大層の賑わいぶりだ。両岸に目を遣ると、「砲臺並列ス」。午後になると「西方七八里ニ失火アリ或ハ云長賊ノ放火スルナラント云未タ虚実ヲ知ラス」と。太平天国軍が逼る上海を実感したことだろう。
翌日、上海側の派遣した蒸気船に導かれて「華夷ノ船舶来往織ルカ如シ」の川面を進み係留地点に向かう。大小軍艦が数多く停泊しているが、「就中英船最多シ」。右岸を見ると「西洋諸国ノ商船櫛比シ壮観ヲ極メタリ」。さすがに「支那諸港中第一繁昌ナリ所」だけのことはある。一行の中に前年にアメリカに行って来た者がいて、「ワシントン〇ニューヱロク〇ニモ遥カニ勝リタル繁昌ナリト」のことだった。一行の胸の裡は、さぞや激しく鼓動したことだろう。
その後、上陸して中国人の先導で一行が世話になるオランダ商館に向かうが、道すがら街並みを見ることになる。翌日は船に留まり「終日舟頭ニ立テ四顧眺望スル觸目スル所草一草一木皆珍珎奇ニシテ人皆梦裡ナルカト疑ヘリ」と。
まだまだ興奮は覚めやらぬらしい。この日、英国人船長が夫人を伴って退船したが、千歳丸中の唯一の英国人女性とは彼女だったことになる。
翌(初八)日、英国人乗組員全員が船を去って行った。日本側官吏は上陸し、オランダ館の手配で上海の責任者である道台との会見のため「肩輿ニ乗」って道台の役所に向かう。道中の様子は、「街間ノ路ハ狭」ク「店舗モ亦狭」いが「其繁華雑沓ナル?本朝江戸ニ異ナラス」とか。やがて道台の役所である。
「祝砲三発喇叭ノ音起ル」。大歓迎の様子だ。待っていたのは道台と属僚、それにフランスとオランダの「コンシユール」であった。
《QED》
(宮?正弘のコメント)これは初めてお目にかかる文献です。高杉の上海日記と読み比べると、高杉の見落としたところとの比較ができて、おおいに参考になります。
(読者の声1)「日清・日露両戦争記念顕彰国民大会」の要項です。
【日時】 11月18日(火曜)18時(開場17時30分)~19時40分
【会場】 憲政記念館 講堂(東京都千代田区永田町1-1-1)
【記念講演講話】小堀桂一郎先生(東京大学名誉教授)、宮崎正弘先生(評論家)
村松英子先生(女優・詩人)、平間洋一先生(元防衛大学校教授)
【参加費】 1000円(学生無料)
【主催】 日清日露両戦争記念顕彰の会(共同代表:加瀬英明、頭山興助)
大会顧問:小田村四郎、中條高徳
【共催】 呉竹会
【後援】 靖國神社、乃木神社、東郷神社、偕行社、水交会、史実を世界に発信する会、日本会議、日本会議東京都本部、日本協議会、不二歌道会、テイケイ株式会社、株式会社展転社、一般社団法人アジア自由民主連帯協議会、一般社団法人日本アジア会議
【問い合せ先】 日清日露両戦争記念顕彰の会事務局
電話03-5980-9701
mail: nisshin.nichiro@gmail.com
(SN生)
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<< 宮崎正弘の論文掲載誌と今後の単行本の予定 >>
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(1)「香港の学生運動は何を意味するのか」(『正論』、12月号、発売中)
(2)「チャイナ・プラス・ワンを往く<21>ブータン」(『エルネオス』、11月号)
(3)「香港学生運動余話」(『共同ウィークリー』、11月11日号)
(4)徳間文庫版、西尾幹二著『GHQ焚書図書開封2』(解説を書いております)
(5){甲午戦争と次の日中戦争}(『月刊日本』、12月号。11月22日発売)
<拙著新刊予定>
『孫子の正しい読み方』(ビジネス社、12月下旬を予定。定価未定)
『保守の原点』(海竜社。一月中旬を予定。小川栄太郎氏との対談)
ほかに中国経済予測、アジア経済報告の二冊が三月までに刊行予定です
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(上記三冊で「中国終焉シリーズ三部作」です)

<宮崎正弘の対談シリーズ>
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宮崎正弘 vs 室谷克実
『仲良く自滅する中国と韓国』(徳間書店、1080円)
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宮崎正弘 vs 川口マーン惠美
『なぜ、中国人とドイツ人は馬が合うのか?』(ワック、972円)
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大ベストセラー「住んでみたドイツ 8勝二敗で日本の勝ち」の川口女史と
丁々発止の日・独・中三カ国の比較文化論、
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<宮崎正弘のロングセラーズ>
宮崎正弘『中国 大嘘つき国家の犯罪』(文芸社文庫、713円)
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『中国の反日で日本は良くなる』(徳間文庫)
『世界から嫌われる中国と韓国。感謝される日本』(徳間書店、1026円)
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宮崎正弘 vs 石平の対話シリーズ
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『2014年の中国を予測する―中国大陸から次々と逃げ出すヒトとカネ』
(石平氏との対談第五弾)
『2013年後期の中国を予測する』(石平氏との対談第4弾 ワック)
『2013年の中国を予測する』(石平氏との対談第3弾 ワック)
『増長し無限に乱れる欲望大国、中国のいま』(石平氏との第2弾 ワック)
『絶望の大国 中国の真実』(石平氏との対談シリーズ第1弾。ワック)
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☆ 宮崎正弘のホームページ http://miyazaki.xii.jp/
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