頭を打って天才に!
【海外:奇病】後天性サヴァン症候群:頭を強打→眠っていた才能が開花、音楽の天才に!
2013年11月27日 20:00
「階段から落ちて頭を打ったら、眠っていた才能が目覚めて…」なんてシチュエーションは、漫画でよくあるが、実際のところは、頭を強打した場合、才能が目覚めるよりも、怪我により身体機能が低下してしまうことの方が多い。
しかし、デレク・アマトさん(41)の身には、漫画のようなことが本当に起きてしまった。
パーティの最中に、ボールをキャッチしようとしたデレクさんが、誤って浅いプールに転落してしまった時、それがデレクさんの人生を大きく変えるとは、誰も予想していなかった。
したたかに頭を打ったデレクさんは、脳震盪を起こして倒れた。この時デレクさんの脳は損傷を受け、聴力を35%も失うほど深刻なものだった。一方で、その結果として、後天性サヴァン症候群を発症した。
サヴァン症候群とは、知的障害がある人が、特定のある限られた分野において、スバ抜けた才能を発揮する症状のことだ。
足し算がやっとできるほど数学は苦手なのに、一瞬見ただけの景色を、驚くほど正確に描き出す人や、楽器を非常に上手く奏でたりする。
上記のように、通常のサヴァン症候群は持って生まれたもので、誰かが何かをしなくても、その才能は自然に開花される。
だがデレクさんの場合は、元々サヴァン症候群の素質を持っていた訳ではない。無論、知的障害もなかった。それが、何かの事柄をきっかけに、正に才能が降って下りてきたかのうに、ある特定の分野の優れた才能が突然身につく症状を、後天性サヴァン症候群という。
デレクさんの場合は、後天性サヴァン症候群により、音楽の才能が目覚めた。
事故後、現場となった友人宅を訪れた時、キーボードが目に入った。その時デレクさんは、自分が何をすべきか突然悟った。
そして、キーボードの前に立つと、今まで音楽なんてやったことがなかったのに、曲をスラスラと弾いてしまった。
サヴァン症候群もごく稀な症状だが、後天性サヴァン症候群も極めて稀で、世界でたった30人しかいない。デレクさんは、その1人だ。さらに、後天性サヴァン症候群により音楽の才能を発揮したのは、世界でデレクさんただ1人しかいない。
倒れる前のデレクさんは、せいぜいギターをガチャガチャ鳴らすくらいで、楽譜の読み方も知らなかった。
それが今では、8つの種類の違う楽器をプロ並みの腕前で演奏することができる。
YouTuneでデレクさんがピアノを弾いている動画を見ることが出来るが、その姿は、今までまったくピアノを弾いたことがなかった人のようには到底見えない。
事故の後遺症により、デレクさんは今でも頻繁に頭痛と記憶喪失に悩まされている。それでも、得たものに比べたら、これらの後遺症は些細なものだとデレクさんは考えている。
事故が起きた当時のデレクさんは、まともな職に就くことができず、ホームレスになりかけていて、妻と2人で何がしたいのか、自分でもよく分からなかった。
だが今は、プロのミュージシャンとしてフルタイムで働き、アルバムも2枚発売した。
未だに楽譜を読むことは出来ないが、デレクさんが感じたまま、イメージしたままに演奏すると、素晴らしいものが出来上がる。
ただ残念ながら、後天性サヴァン症候群は、才能が突然備わった時と同じように、突然失われてしまうこともある。デレクさん自身でそれをコントロールは出来ないし、医師もその時が来るか否か、来るならいつ来るのか、分からない。
今の才能をとても楽しんでいるデレクさんは、もし才能が失われる日が来たら、荒れ狂ってしまうだろう、と話している。
【記事:りょーこ】
参照元:Oddity Central
http://www.terrafor.net/news_rpvzZHLmHa.html?image