異例の記者訴追、韓国に国内外から懸念 産経記事巡り
異例の記者訴追、韓国に国内外から懸念 産経記事巡り
朝日新聞デジタル 10月9日(木)0時19分配信
産経新聞の前ソウル支局長が8日、韓国の朴槿恵(パククネ)大統領に対する情報通信網法違反で在宅起訴された。同紙のウェブサイトに掲載した記事で朴氏に関する「うわさ」を伝えたとして名誉毀損(きそん)の罪に問うが、「報道の自由を脅かす」との懸念が国内外で出ており、公権力行使のあり方をめぐって批判が高まるのは必至だ。
記事は、旅客船沈没事故が起きた4月16日に朴氏の所在が7時間にわたって確認できなくなり、その間に男性に会っていたとのうわさを、韓国紙のコラムや証券街の情報などを基に伝えたものだ。
韓国の検察当局は罪に問えると判断したが、産経の記事自体には批判的な韓国メディアの中からも、記者を出頭させて事情聴取し、刑事罰に問うことは、国家権力に対する正当な監視活動を萎縮させる恐れがある、との指摘が出ていた。
日本新聞協会や日本ペンクラブは、相次いで懸念や憂慮を表明。国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)も起訴しないよう求める見解を発表した。
ジャーナリズムを専門にする韓国の学者は、韓国の裁判所はこれまで公職者に関する報道について、名誉毀損を免責する範囲を広げる傾向だったと指摘。今回の起訴は「言論の自由を侵害する」として、流れに逆行するものだと批判した。
今回の捜査は朴氏の要請ではなく、市民団体の告発に基づくものだ。ただ、韓国大統領府の高官が早い段階で民事、刑事上の責任を追及すると表明していた。法令上は被害者の意思に反しての起訴はできず、朴氏の意向しだいでは起訴されない可能性もあったが、関係者によると、大統領側から明確な意見はなかった。
検察当局は大統領府の意向を忖度(そんたく)しながら「大統領のメンツを立てる政治的判断」(韓国の司法関係者)をせざるを得なかったとみられる。背景には、韓国政府に批判的な産経新聞の日ごろの報道への不満もあったとの見方がある。
この問題は8月にミャンマーであった日韓外相会談でも取り上げられ、日本側は懸念を表明していた。改善への模索が始まっていた日韓関係にも影響を及ぼしそうだ。(ソウル=貝瀬秋彦、東岡徹)
■「報道が萎縮する可能性」
今回の在宅起訴について、服部孝章・立教大教授(メディア法)は「韓国の政府当局が何を目指して踏み込んだのかが見えない」と疑問を呈し、報道の萎縮を懸念する。
「産経側にも少し甘い部分はあったが、記事はネットのみで、名誉毀損(きそん)の実害も明確ではない」といい、影響は産経新聞にとどまらないとみる。
日韓関係の溝が深くなっているいま、メディアは相互理解を進めるために、日韓問題について様々な記事を書き、市民に材料を提供して、議論を活性化させていく必要があると、服部教授は指摘する。
「だが報道すると処罰される可能性がある状態では、記者が政府の顔色をうかがうなど、取材や報道が萎縮する可能性がある。両国民にとってプラスにはならない。特派員に限らず国内での取材でも同様のことがいえる」
小針進・静岡県立大教授(韓国社会論)は「韓国は民主化で言論の自由を勝ちとったのに、時計の針を戻してしまった。韓国の検察に非難を免れる余地はまったくない」と批判する。
在宅起訴にここまで時間がかかったことから、韓国の検察当局にも迷いはあったと小針教授はみる。「当然、外交問題になることも分かっていたはずだ」
大統領府が起訴を避けるように動かなかったり、韓国メディアが日本メディアを軽視し、本件を批判的に取り上げなかったりしたことも関係しているのではないかと、小針教授はいう。「韓国は韓流で培ってきた国際的なブランドイメージを大きく傷つけてしまった」
韓国内には、検察の判断はやむを得ないとの見方もある。
日本での取材経験がある韓国人記者は、韓国の大統領の位置づけを「国家元首であり、日本における首相よりも大きな権力があると受け止められている」といい、「その権威を傷つける私生活の疑惑を報じた産経側に問題がある」とする。
一方で、戸惑いも感じているという。「韓国では言論の自由が保障されているはず。裁判まで持っていく必要があったのか」(吉浜織恵、清水大輔)
◇
■産経新聞前ソウル支局長のコラムをめぐる動き
7月18日 朝鮮日報が「大統領をめぐるうわさ」と題したコラムを掲載
8月3日 産経新聞がウェブサイトに、問題となったコラムを掲載
7日 大統領府が「厳しく強力に対処する」と言明。地検は前支局長を出国禁止処分に。処分はその後10月15日まで延長
8日 地検が前支局長に出頭を求める
18日 前支局長が地検に出頭。その後も聴取が続く
29日 日本新聞協会が「取材の自由が脅かされる」との談話
9月8日 国際NGO「国境なき記者団」が不起訴を求める見解
16日 日本ペンクラブが「言論の自由を事実上制限」と韓国政府批判
30日 前支局長側が出国禁止処分の解除を求める文書を地検に提出
10月1日 産経が前支局長を東京本社に異動させる人事を発令
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朝日新聞社
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00000001-asahi-int
前ソウル支局長起訴 国連報道官「報道の自由を尊重する側に立つ」重ねて強調
産経新聞 10月9日(木)11時17分配信
【ニューヨーク=黒沢潤】産経新聞の加藤達也前ソウル支局長による朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領に関するコラムをめぐり、ソウル中央地検が情報通信網法における名誉毀損(きそん)で在宅起訴した問題で、国連のステファン・ドゥジャリク事務総長報道官は8日の定例記者会見で、「われわれ(国連)は普遍的な人権を擁護するため、報道の自由を尊重する側に立っている」と強調した。
同報道官は8月27日の記者会見でも、「特定の件についてコメントしない」と断った上で、同様の見解を示した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00000517-san-n_ame
前ソウル支局長起訴 野党も韓国批判、民主・海江田氏「報道の自由への圧力」
産経新聞 10月9日(木)11時19分配信
民主党の海江田万里代表は9日午前、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長による朴槿恵(パク・クネ)韓国大統領に関するコラムをめぐり、ソウル中央地検が情報通信網法にの名誉毀損(きそん)で在宅起訴したことについて「意見が違っても『違う意見を言う自由』は保障するのが基本的な考え方だ。しかも産経新聞は報道機関だから、報道の自由に対する大きな一つの圧力になる」と強調した。国会内で記者団に答えた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00000518-san-pol
政権、大統領批判に過剰反応…民事訴訟も乱発
読売新聞 10月9日(木)8時50分配信
【ソウル=豊浦潤一、吉田敏行】韓国の検察当局は8日、朴槿恵(パククネ)大統領の名誉を毀損(きそん)したとして、産経新聞の前ソウル支局長を在宅起訴するという強硬手段に打って出た。
韓国では、これまでにも政権側が批判的なメディアに対し、民事訴訟を起こしたり、刑事事件化したりして対抗してきた。しかし、国外の報道関係者が名誉毀損の刑事事件で起訴されるのは異例だ。
朴政権は、今回の産経の事件を含め、大統領個人の名誉に関わる事案に敏感に反応してきた。大統領府秘書室などは4月の旅客船沈没事故以降、韓国紙・ハンギョレを名誉毀損で訴えるなど、少なくとも5件の民事訴訟を起こした。
韓国の言論仲裁委員会によると、今年、国や自治体が報道機関に訂正や損害賠償を求めた件数は、6月までに101件に上った。メディアを訴えることが日常化しているとも言える。
だが、今回のケースでは市民団体の告発を受け、検察が刑事事件として捜査。韓国政府のより厳しい姿勢が浮かび上がる。
韓国では、批判的なメディアに対し、政権が検察の捜査という強硬手段で対抗するという図式が繰り返されてきた。
かつての軍事独裁政権下では韓国の報道機関は当局の検閲を受けていたが、1987年の民主化以後は、むしろ報道機関が絶大な影響力を発揮するようになった。これを受けて政権側は、報道機関を手なずけようと苦心してきた。その一方で、批判的なメディアが政権運営を著しく困難にする報道を行った場合は、検察が捜査し、けん制する材料として利用した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20141009-00050008-yom-int
産経前支局長を在宅起訴 韓国、大統領の名誉毀損
韓国のソウル中央地検は8日、産経新聞がウェブサイトに掲載した朴槿恵大統領の動静に関する記事が朴氏の名誉を毀損したとして、記事を書いた加藤達也・同紙前ソウル支局長(48)を、インターネットを使った不正行為を規制する情報通信網法違反罪で在宅起訴した。地検は8月以降、加藤氏から3回事情聴取していた。
国家元首の行動に関する記事を理由に海外メディアの記者を起訴したことで、韓国には報道の自由に制約があると懸念が広がりそうだ。韓国側が改善を模索している日韓関係にも悪影響が出るのは確実だ。
加藤氏側は記事には公益性があるとして否認しており、公判でも争う方針。産経新聞社は8日、在宅起訴に「強く抗議するとともに処分の撤回を求める」とする熊坂隆光社長の声明を発表した。
問題になったのは8月3日の記事。旅客船セウォル号の沈没事故が起きた4月16日、朴氏は7時間にわたり所在が確認されなかったとし、韓国内の報道や関係筋などを引用して、朴氏が特定の男性と会っていたのではとのうわさを紹介した。
中央地検は8日、加藤氏が最低限の裏付け取材もせず虚偽の事実を記事にし、朴氏らの名誉を毀損したと主張。反省も示しておらず処罰の必要性が高いと説明した。
韓国当局は8月7日から加藤氏の出国を禁じており、判決確定まで数カ月間出国できない状態が続く可能性がある。
韓国大統領府当局者は共同通信の取材に、在宅起訴については「論評しない」と述べた。
韓国で日本の記者が取材・報道活動に関し起訴されたのは、1993年に韓国軍将校から軍事機密を受け取ったとされたフジテレビ支局長(当時)=後に執行猶予付きの有罪判決が確定し国外退去=以来。
地検は市民団体の告発で捜査を開始。朴氏と男性の2人を被害者と位置づけた。大統領府高官が「民事、刑事上の責任を最後まで問う」と発言し捜査を後押しした。
岸田文雄外相は8月、ミャンマーの首都ネピドーで韓国の尹炳世外相に対し、捜査が日韓関係に及ぼす影響に懸念を表明した。
加藤氏は10月1日付で、本社社会部編集委員への異動が発令された。(共同)
[ 2014年10月8日 23:28 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/10/08/kiji/K20141008009069660.html
産経支局長、転勤できず 韓国、出国禁止50日超
韓国の朴槿恵大統領に関する記事が名誉毀損に当たる疑いがあるとして産経新聞ソウル支局の加藤達也支局長(48)を検察が捜査している問題で、同国法相による出国禁止措置のため、10月1日付で東京本社への異動が決まっている加藤氏の転勤ができない事態になった。
検察は加藤氏を8月に2回事情聴取した後、刑事処分の決定を遅らせており、出国禁止期間は9月30日の時点で55日に達している。
容疑が立証できず拘束令状も出ていない海外メディアの記者の行動の自由を、恣意的な行政措置で制限しているとの批判が高まりそうだ。
産経新聞は、旅客船セウォル号が沈没した日に朴氏が男性と会っていたとのうわさがあるとの記事を8月3日にウェブサイトに掲載。検察が保守団体の告発を受けて捜査を始め、法相は同月7日に10日間の出国禁止措置を出した。その後同措置は延長が5回繰り返されてきた。
検察は海外メディアの批判の高まりで、起訴猶予というあいまいな決着を模索している可能性がある。しかし関係者によると、産経側は記事には公共性があるとして争う姿勢。悪意をもって名誉を毀損したと産経側が認めない限り、起訴猶予とはできない状況だ。
このため当局は加藤氏の出国禁止措置を続けて産経に揺さぶりを掛け、記事に問題があったとの「反省」を引き出す狙いがあるのではないかとの見方も法曹関係者から出ている。
関係者によると、加藤氏の異動は記事掲載前の8月1日に内示が出ており、産経側は検察にも通告している。(共同)
[ 2014年9月30日 17:52 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/09/30/kiji/K20140930009020830.html?feature=related
産経前ソウル支局長 3回目の聴取…今後も捜査継続へ
産経前支局長をまた聴取 出頭する加藤前支局長
ソウル中央地検に出頭する産経新聞ソウル支局の加藤達也前支局長
Photo By 共同
韓国のソウル中央地検は2日、ウェブサイトの記事で朴槿恵大統領の名誉を毀損したとの容疑で産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)に出頭を求め、3回目の事情聴取を行った。共同電によると、聴取は約2時間半で終了。同地検は今後も捜査を続けるとみられる。
検察は8月18日と20日に加藤氏を聴取した後、同月末にも刑事処分する構えを示したが、決定を先送りしてきた。加藤氏に対しては8月7日から韓国法相が出国禁止措置を取り、既に50日以上行動の自由が制約されている。今後もこうした状態が続く見通しになった。
2014年10月3日 05:30 ]
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2014/10/03/kiji/K20141003009033830.html?feature=related
産経記事「朴大統領の名誉傷つけた」 韓国、外相会談で抗議
産経新聞がウェブサイトに掲載した朴槿恵韓国大統領の動静に関する記事をめぐり、韓国政府が記事削除を求めている問題が9日にネピドーで開かれた日韓外相会談で取り上げられたことが10日、分かった。韓国の尹炳世外相は「隣国元首の名誉をひどく毀損している」と強く抗議した。韓国政府関係者が明らかにした。
岸田文雄外相は10日未明、記者団に「私の方から日韓関係に影響が出るのではないか、報道の自由との関係でも心配し注視している」と伝えた、と語った。
外相会談でこうした報道の問題が話し合われることは異例だ。韓国側が外交案件として扱う可能性も出てきた。
一方、韓国のYTNテレビは10日までに、ソウル中央地検が産経新聞ソウル支局長に対して出国禁止措置を取ったと報じた。記事を理由に外国メディアの駐在特派員の出国を禁じた措置は、報道の自由との兼ね合いから議論を呼びそうだ。
産経新聞の記事をめぐってソウル中央地検は、同新聞ソウル支局長に事情を聴くため12日に出頭するよう要請。また、大統領府高官は刑事責任を追及する可能性にも言及している。
外相会談ではこのほか、拉致問題を含む日朝協議についても意見交換。韓国側が協議の透明性確保を求めたのに対し、岸田氏は「拉致、核、ミサイルの3点セットを包括的に解決するとの日本の従来の立場に変わりはない」と強調した。(共同)
[ 2014年8月10日 05:45 ]
韓国のメディアの記事を引用した記事なのになにが名誉棄損だ。旧ソビエト以下の言論規制だ。韓国は、一流の国ではないどころか、二流、三流以下の国だ!
8月からずっと韓国にとどめられているかわいそうに!日本政府は韓国と戦わねばならない。
言論の自由の戦いだから、軽く考えて傍観していてはいけない。
日本政府がもっと真剣にこの記者を助けるよう、思わず神様に祈った。
政府が助けなくて誰が助けるのさ。