海保が退去を警告した隻数は26年は9月9日現在ですでに207隻に及んでいる。
2014.9.9 22:08
尖閣国有化2年、違法漁船急増にみる中国の巧妙化
中国公船は減ったが…
日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化から11日で丸2年。周辺海域では今なお中国公船と海上保安庁の巡視船とのにらみ合いが続くが、昨年秋頃から中国公船による領海侵入はペースダウンする一方、中国漁船による領海内での違法操業が急増している。専門家からは中国側の攻勢がより巧妙化しているとの見方が示され、海保も警備態勢強化を急いでいる。
海保によると、9日も接続水域内(領海の外側約22キロ)を中国海警局の船4隻が航行しており、32日連続の確認となった。平成24年9月の尖閣諸島国有化以降、中国公船による接続水域内での航行は9日現在、計494日で、うち領海侵入は計95日に上る。国有化1年目と2年目の平均の接続水域航行日数はほぼ横ばいだが、領海侵入については月平均約5日だった1年目に対し、それ以降は約2・8日と減少傾向を示す。
一方、新たに懸念されているのは領海内での中国漁船による違法操業の急増だ。海保が退去を警告した隻数は24年に39隻、25年に88隻だったが、26年は9月9日現在ですでに207隻に及んでいる。
こうした動きの背景には、中国側のどんな思惑があるのか。
中国公船による領海侵入が減っている現状について、防衛大の村井友秀教授(国際関係)は日中首脳会談の実現などを模索する動きが水面下で続く状況を踏まえ、「対立レベルをクールダウンさせているのではないか」と指摘。ただ、今後も侵入が減るかは「フィフティー・フィフティー」と慎重な見方を示す。
「侵入が減ったのは日本側の領海警備が厳しくなったからだろう」と話すのは東海大の山田吉彦教授(海洋政策)。「接続水域であろうが領海であろうが、公船を尖閣周辺に出している事実に変わりはない」とし、中国側の基本路線に変更はないとみる。
さらに中国漁船の領海内での違法操業の増加については「より危険な兆候」とみる。「中国は自国民の保護を口実に進出し、実効支配態勢の確立を狙っている」とし、攻勢がより巧妙化していると分析する。
海保もこうした状況を踏まえ、領海警備強化に向け、平成27年度予算の概算要求で巡視船やジェット機の新造費用などの関係予算としては26年度当初の約2倍に当たる約504億円を計上している。海保の佐藤雄二長官は9日の定例会見で「毅然かつ冷静に対応し、断固として守り抜く」と述べ、引き続き尖閣周辺での領海警備に注力する方針を改めて示した。
http://www.iza.ne.jp/kiji/politics/news/140909/plt14090922080031-n1.html
中国軍の無礼な振る舞いに米軍は怒り心頭 リムパック初招待でスパイ活動
米海軍主催の環太平洋合同軍事演習(リムパック)に初めて招待された中国海軍が、ハワイ沖の公海に情報収集艦を派遣して、スパイ活動をしていたことが問題となっている。米国防総省当局者は「不作法だ」と強い不快感を示し、米議会の中には「二度と呼ぶな」という声もあるという。中国軍の無礼極まる振る舞いに、米軍は怒り心頭に発したようだ。
「ホームパーティーに招待したら、呼んでもいない泥棒や強盗も一緒に連れてきたようなもの。中国軍は完全にモラルが欠如している。米軍は激怒しているだろう」
航空自衛隊南西航空混成団司令を務めた佐藤守・元空将はこう語った。
リムパックは1971年に始まり、2年に1度行われる世界最大規模の多国間海上軍事演習。今回、24回目。日米両国をはじめ、フィリピン、オーストラリアなど22カ国が参加している。
米軍は信頼醸成措置の一環として、中国海軍を初めて招待した。中国側は、ミサイル駆逐艦やフリゲート艦など計4隻を参加させたが、これとは別に、情報収集艦を演習周辺海域で活動させていた。艦船や航空機の電子・通信情報を収集しているとみられる。
中国の情報収集艦は18日に、米原子力空母「ロナルド・レーガン」の周辺を航行。米太平洋軍艦隊の報道官は「情報収集艦は1週間前から周辺海域にとどまっており、米軍は動きを継続的に監視し、重要な情報を保護する予防措置も取っている」としている。
国際水域における中国の情報収集艦の活動は「国際法の範囲内」だが、米太平洋軍艦隊報道官は「自分が知る限り、リムパックに参加しながら、ハワイ沖に監視船を派遣する国は初めてだ」と指摘。国防総省当局者の「不作法だ」との発言は、米側の本音だといえる。
前出の佐藤氏は「中国軍を近代軍のモノサシでは考えてはならない。旧ソ連もそうだったが、軍隊としてモラルのない行動を平気でやる。米軍は余裕を持って招待したのだろうが、この仕打ちには『アンフェアだ』『信用できない』と激怒しているはずだ。結果として、中国軍は各国軍隊の信頼を失い、大きなダメージを受ける。当然、二度と呼ばないのではないか。代わりに、台湾海軍を招待すればいい」と語っている。
http://www.iza.ne.jp/kiji/world/news/140723/wor14072322110041-n1.html