中国に売り渡される外国人女性たち
黄文雄の歴史から読み解くアジアの未来
2014年8月27日号(第30号)
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☆【中国】中国に売り渡される外国人女性たち
◎中国人男性への花嫁あっせん業の光と闇
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140820-00000043-jij_afp-int
中国は、?小平の一人っ子政策によって男女の比率がひどく偏ってしまいました。中国では男子を重視する習慣が未だに根強いため、必然的に男児が増加し、女児は減少していきました。そのしわ寄せが今、中国の農村で深刻な花嫁不足となって現れているというわけです。
農村では娯楽もなく、結婚して子作りに励むしか楽しみはありません。そこで、花嫁を国外から調達する需要が生じ、中国よりも貧しい国からの花嫁候補が押し寄せる供給も用意されているのです。
その需要と供給をつなぐのは、悪徳業者と決まっています。悪徳業者でなければ、中国の農村への大量の花嫁は調達できないでしょう。
上記の記事では、今年、ベトナムにあるシェルターでは、十数人の少女たちが、親戚や友人、交際相手などによってだまされ、中国人男性に花嫁として売り飛ばされたと訴えたというAFPの取材を掲載しています。
また、ミャンマー政府は2011年に発表した報告書で、同国で行われている人身売買の大半は、少女や女性たちを中国人男性と無理やり結婚させる目的だと述べているそうです。
中国の国営英字紙チャイナ・デーリー(China Daily)の報道によれば、同国の警察は2012年だけで誘拐された外国人女性1281人を保護し、本国へ送還。その女性たちの大半は東南アジア諸国の出身者だったといいます。
専門家らは、地方部では取り締まりが緩いため、まだ発見できていないケースはおそらく何千件にも上るだろうと述べていることが報じられています。
この記事にもあるように、これは本人の意志に反した明らかな人身売買であり、中国に売り飛ばされて人権保護団体に保護された花嫁も少なくありません。
中国に売り飛ばされるのは、中国よりも貧しい国から来た花嫁です。タイ、ベトナム、ミャンマーなどから来るそうですが、ベトナムの農村からの女性が多いようです。
そして、運が良ければ自国よりも少しは良い生活が送れるケースもあるようです。しかし、なかには人権侵害され人間扱いされず、命からがら逃げ出してもすぐに捕まって連れ戻されるといったことも多くあります。
被害に遭うのは、ベトナムの中でも貧しい暮らしを送っている少数民族の少女などです。10代の少女が騙されて中国の農村に売られていくことは、今や珍しいことではありません。
嫁不足は中国だけでなく、日本、台湾、韓国でも問題化しています。日本に嫁いでくる中国人女性はだいたい20代の若者ですが、相手の日本人は40~50代の男性で、親子ほども歳の差があることも多いのです。
それなのに、日本人に嫁ぎたがる中国人が多い理由は、彼女たちが祖国から脱出したいと思っているからです。貧困や差別的な扱いを受ける祖国を脱出し、日本へ渡り、親子ほども年の離れた男性と結婚する。そして、結婚相手の日本人を毒殺し、晴れて自由の身となるケースも多いのです。
台湾人に嫁ぐ中国人は、台湾で何度も再婚し、夫の財産を次々と手に入れようとするため、台湾では「黒いクモ」と呼ばれて社会問題から政治問題にまで発展しています。民進党議員が、国会質問のなかで取り上げたこともありました。
韓国では、韓国人男性の家庭内暴力が日常化しており、多くの外国人花嫁が被害に遭っています。ウクライナ政府は、韓国への嫁入りを禁止したほどです。
また、中国の河南省は人口が過剰で貧しいため、伝統的に兄弟が一人の花嫁を共有する「共妻制」があります。河南省の共産党幹部は、この「共妻制」が社会主義政権の「徳政」だとして自画自賛していますが、花嫁にとっては災難でしかありません。
しかし、世界に目を転じてみれば、人身売買、人権蹂躙の多さ、そして人命が今の世界ではなんと軽く扱われていることか。
最近ワイドショーを賑わせていたタイで代理出産を繰り返していた日本人男性のニュースもそうです。
http://www.globalnewsasia.com/article.php?id=868&&country=2&&p=2
この男性は、光通信の御曹司なのではないかという疑惑がもちあがり、大騒ぎとなっていますが、報道を見る限り、この男性の稚拙さには本当に驚きます。自分の子供を16人も代理出産させておいて、すべて責任持って育てるなどと言っているようですが、人間は犬や猫ではありません。
自分の遺伝子を少しでも多く残しておきたかった、精子が若いうちに年間100人でも生ませたかった、などと言ったとメディアでは報じられています。代理出産を依頼する際も、胎児に障害がある場合は引き取らないなどと事前に約束させていたそうです。
どちらにしても、ただ金にまかせて子供を作り、金にまかせて養育させていただけでしょう。まるでゲーム感覚です。
報道されていることが本当ならば、命の尊さや人間の尊厳とは程遠いと言わざるをえない、常軌を逸した行動です。
とはいえ、このようなことをすれば日本では大問題になり、袋叩きにあうということも、確かです。中国では官僚の9割以上が愛人を持つとされ、その人数も数人から十数人に至る者も少なくありません。汚職官僚にとって、いまや愛人は持って当然の常識となっています。
http://news.ameba.jp/20130601-128/
もちろん、そうした愛人全員に子どもを産ませているケースも多々あります。
一方で、貧しい国では人命が経済活動のひとつとして扱われており、そこに人としての感情や幸福が入り込む余地は皆無です。そうした人命軽視の風潮は嘆かわしい限りです。
シリアの内戦下にも妊婦はいます。妊婦たちは内戦が続くシリアからトルコへ難民として逃れ、トルコの医療機関で出産します。二年半に及ぶ内戦の間に生まれた赤ちゃんは6000人にものぼるそうです。
http://middleeast.asahi.com/interview/2013100600001.html
難民の母親たちは衛生面で大変苦労しているでしょう。赤ちゃんを抱えての難民生活はただでさえ大変だろうに、女性蔑視の風潮のある中東では母親を支援しようとする周囲の目がありません。母親たちの苦労は想像を超えるものでしょう。
人権や人命をキーワードに世界を見回してみると、様々なお国事情が見えてきます。豊かな日本でも、貧しいアジア諸国でも人命は軽んじられ、戦争で多くの生命が奪われる地域も多くあります。これからの世界をつくる子供たちに明るい未来をと、心から願うばかりです。
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