日本政府は富士フィルムに開発支援していない!? | 日本のお姉さん

日本政府は富士フィルムに開発支援していない!?

米、エボラ熱の新薬実用化急ぐ 富士フイルムなど優先審査
2014/8/8 10:22
【ワシントン=川合智之】米国防総省は西アフリカで感染が拡大しているエボラ出血熱の新薬の実用化を加速させる。富士フイルムホールディングスなどが開発した新薬候補を巡り、米食品医薬品局(FDA)の優先審査対象とし、臨床試験(治験)から認可までの手続きを迅速に済ませることを検討する。現地で救援活動にあたった米国人らにも感染が広がり、1年以内の早期投入を目指す。
国防総省当局者は7日、「富士フイルムと協力する米メディベクター社(マサチューセッツ州)が、エボラ出血熱の薬をヒトに使うことを申請するためFDAと協議している」と述べた。「治験後の認可手続きは優先審査対象になりうる」とした。
手続きが順調に進めば、富士フイルムの薬はFDAが認可する最初のエボラ熱向け新薬の一つになりうるという。同省は開発支援に1億3850万ドル(約140億円)を助成している。
同省は他の新薬候補にも開発費を助成している。リベリアで感染した米国人医師ら2人には、同省が支援した創薬ベンチャー、マップ・バイオファーマシューティカル社(カリフォルニア州)が開発中の未承認薬「ZMapp」が投与された。
新薬「TKMエボラ」を開発しているカナダのテクミラ・ファーマシューティカルズ社は7日、臨床試験を差し止めていたFDAの措置が変更され、患者への部分的な利用が可能になったと発表した。米プロフェクタス・バイオサイエンシズ社(メリーランド州)もエボラ熱ワクチンの開発に取り組む。
新薬候補は動物実験で効果が確認された段階で、ヒトでの効果や安全性は確認されていない。実験結果が良好なら、FDAは優先審査の対象となるファストトラック指定を与え、認可手続きを早めることを検討する。
新薬実用化のメドについて、米疾病対策センター(CDC)のフリーデン所長は7日、「数カ月から1年かかる」と下院外交委員会の公聴会で述べた。
エボラ熱は現状では有効な治療法がなく、致死率は最大90%と高い。エボラウイルスに感染してから通常1週間ほどで発熱や頭痛、下痢などの症状が出て、悪化すると全身からの出血や多臓器不全に至る。
世界保健機関(WHO)は6日、今回の大量感染で死者は932人になったと発表した。患者の隔離などで大量感染を防ぐ方法しかないのが実態だ。WHOは実験段階の未承認薬を投与するかの検討を始めた。感染者を帰国させたことで欧米ではエボラ熱への対応が切迫しているが、日本人の感染者は確認されていない。
富士フイルムは「メディベクターを通じてFDAと協議している」としている。エボラ熱の新薬候補となっているのは、同社がメディベクターと共同で米国で治験中のインフルエンザ薬「ファビピラビル」(一般名)。日本では今年3月、厚生労働省から製造販売承認を得た。「タミフル」などの既存のインフル薬と作用の仕組みが違い、既存薬が効果が出ない新型インフルが発生した場合に販売することになっている。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM08H0D_Y4A800C1EAF000/
エボラ未承認薬、米が2人に試験投与 課題なお多く
2014/8/7 23:26 記事保存
 【ワシントン=川合智之】西アフリカで過去最大規模の感染が広がっているエボラ出血熱で、未承認薬による治療が始まった。リベリアで救援活動をしていた米国人2人が感染し、実験的に新薬が投与されたという。ただ爆発的に広がる感染者に対し、十分な量の新薬は確保できていない。世界保健機関(WHO)も新薬の活用の検討に入ったが、安全性や薬の分配方法など課題は多い。
 米メディアによるとエボラ熱に感染したのは、リベリアで患者の治療にあたっていた米国人の男性医師と支援団体メンバーの女性。2人は「ZMapp」と呼ぶ未承認薬の投与を現地で受け、特別機で米国に戻った。
 ZMappは米カリフォルニア州の創薬ベンチャー企業が開発した新薬で、タバコの葉でつくられた3つの抗体を含む。サルの動物実験で効果はあったが、ヒトに対する効果や安全性は確認されていない。現在は薬も少量しかないという。
 2人は米ジョージア州の大学病院の隔離病棟で治療を受け、体調は回復傾向にあるという。ただ未承認薬の効果があったかどうかは不明だ。
 ZMappの実験を手がける米国立アレルギー感染症研究所のアンソニー・フォーシ所長は「9月にボランティアを募り臨床試験を始める予定だ。結果が良好なら来年1月にも生産に入れる」と米CBSのテレビ番組で語った。
 WHOも未承認薬の活用を検討し始めた。6日、新薬使用の是非を検討する医療倫理の専門家会合を来週初めに開催すると発表した。薬をどう分配して誰に投与すべきかなどを検討する。
 WHOによると4日時点のエボラ熱による死者は932人に上る。感染地域は西アフリカのギニア、シエラレオネ、リベリアの3カ国が中心だ。
 WHOは今回の大量感染が国際保健規則に基づく公衆衛生上の緊急事態にあたるかどうか判断するため、6日から緊急委員会を開いており、8日に結果を公表する。
 エボラ熱はエボラウイルスによる感染症。潜伏期間は通常8~10日で、発熱や頭痛、下痢などの症状が出た後、全身からの出血や多臓器不全に至る。致死率は40~90%と高い。コウモリなどの野生生物との接触で伝染が始まったとされ、患者の体液に触れると人から人に感染する。空気感染はしない。
 米ワシントンにアフリカ50カ国の首脳を招いたアフリカ首脳会議でも、感染地域からの出席者を検査するなど厳戒態勢が敷かれた。オバマ米大統領は「過去に見たことのない挑戦的な大量感染だ」と述べ、米疾病対策センター(CDC)の感染予防の専門家を派遣するなど対策にあたる。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM07009_X00C14A8FF1000/